今年度の教員の逮捕者が7人に上っている神奈川県横浜市教委は、市立校全513校に指導主事を派遣して不祥事防止の研修会を開くなど、再発防止に躍起だ。
だが、教員の間には戸惑いも広がっている。
17日午後、同市泉区の上飯田小学校。児童が下校した後の図書室に、教職員26人が集まり、研修会が始まった。テーマは「わいせつ・セクハラの防止」。4班に分かれてのグループ討議では、指導とセクハラの境界線が話題になった。
「例えば体育の授業、倒立をする時に女子児童には先に『支えるよ』と声を掛ける。『ダメ』と言われれば触らない。用心するのに越したことはない」と30代の男性教員。20代の男性教員は「おでこに手をあてて熱をはかるのにも気を使う」と、不安を口にした。
昨年度は1度だけだった研修会は、今年度すでに3回目。石橋孝重校長は「対岸の火事とは思わずに取り組むことが大事。神経質になりすぎている面はあるかもしれないが、これだけ不祥事が多いと……」と、言葉を詰まらせた。
同市では6~10月は毎月、教員が逮捕された。9月の緊急校長会では、田村幸久教育長が「横浜の教育の信頼を揺るがす情けない状況」と苦言を呈した。
市教委は、今回の研修では並々ならぬ力を入れている。全513校に管理職とベテラン教員からなる「不祥事防止検討プロジェクトチーム」の設置を指示し、10月上旬から2か月半をかけて研修を行い、年内の報告書の提出を求めている。
一方、最近の不祥事からは新たな問題点も見えてきた。横浜市の教員約1万5600人は、団塊世代の大量退職で4分の1が5年目以下の若手教員に入れ替わった。今年度の懲戒処分者14人の中に、昨年度採用された教員が4人含まれるなど、若手の不祥事が目立つ。
市教委では来年度、初任者研修に不祥事防止に特化したプログラムを取り入れる方針を決めており、さらに、合宿型の研修の導入なども検討している。
ただ、ある小学校の男性校長は「大部分はまじめな先生たち。研修が増え、息苦しさを感じている」と打ち明けた。さらに「口うるさいぐらいに注意喚起はする。でも、最後は先生個人の資質に頼らざるを得ない」と本音を漏らした。(加地永治)
(2009年11月19日 読売新聞)
(2009年11月19日 読売新聞)
ソース:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20091119-OYT8T00278.htm