「就活」を取り上げた「風」は今回でひとまず最終回。これまでには、就活中の学生はもちろん、就活生のいる親、企業の人事担当経験者、再就職を目指して活動中という方や学校関係者からもメールやお手紙をいただいた。
世代や職業などにかかわりなく幅広くご意見が寄せられたのは、就活が、いつの時代も切実であるとともに、問題の根幹が社会の在り方を考え直すことにつながるからではないか。就活を通じて、現代日本を見つめ直そうというご意見も多かった。
例えば、今年起業したという女性(24)。《不景気で企業は目先の利益重視になって、担うべき人材育成の役目を忘れている》とした上で、《心の底ではやりがいをもって働きたいと思っているが、不景気や社会への幻滅もあり、安定志向になっている》と若者の心情を代弁している。
企業側に厳しいように思えるが、この女性は教育面など雇用全般にわたるご意見を寄せてくれている。そして、今回メールを送ってくれた理由について《雇用問題は人の成長の問題であり、すなわち社会の問題。社会全体として解決して、「強い日本」として、これからを乗り切りたいのです》と記している。
今回の風では、「草食系」とされる現代学生気質や「新卒一括採用」の弊害、企業側の情報開示不足を指摘する声などを紹介した。景気が回復すれば雇用情勢が改善し、「超氷河期の就活」なんて昔話にしかならないのかもしれない。でも、こうしたテーマが消え去るわけではないだろう。まして、「どうして働くのか」という問題は、就職してから後も、常について回る事柄だ。
最後に、奈良県でパン店を営む男性(34)のメールを紹介する。
《学校や親、国や社会は、学生に働くことのつらさや、その中にある達成感や満足感を伝えられずにいるのではないでしょうか。もうそろそろ、社会全体で、本当の労働を教えることが必要なのではないでしょうか》