今年2月、兵庫県姫路市の菓子製造業「オガワ食品協業組合」工場の荷物運搬用エレベーターに女性従業員が挟まれて死亡した事故で、国土交通省がエレベーターを製造、設置した新輝リフト(大阪市淀川区)の同型機を緊急点検したところ、大阪、兵庫両府県内の工場や倉庫に設置された23基のうち、点検済みの22基すべてが建築基準法の基準を満たさない違法な設置で、建築確認の申請も行われていなかったことがわかった。
同社社長は読売新聞の取材に「基準を満たしていないことはわかっていたが、元請け業者や工場・倉庫側の発注通りに設置した」と話している。
国土交通省などによると、23基は、いずれも業務用。同法の規定では、ゴンドラをつり下げるロープが2本以上必要だが、1本しかないものがあり、落下の恐れがあった。また、エレベーターホールの底に安全のため一定の深さのくぼみを確保する必要があるのに、深さが不十分なものや、ゴンドラの底に落下に備えた緩衝装置がないものもあった。
しかし、同社側は「定期点検をしていれば、使用に問題はないと思っていた」としている。
一方、設置時には、工場や倉庫側が建築確認を自治体に申請する必要があるが、22基すべてで申請されていなかった。定期点検が1度も行われていなかったものもあったという。
同省が事故後、同協業組合のエレベーターを調べたところ問題が発覚、今年4月から緊急点検していた。事故を巡っては、兵庫県警姫路署が業務上過失致死容疑などで捜査している。