厚生労働省は30日、09年度版の「労働経済の分析」(労働白書)を公表した。08年前半の物価上昇とリーマンショックを発端とする昨秋以降の経済の減速で、実質所得の減少や、非正規労動者の雇い止めなどの雇用調整が集中したと分析。取り組むべき課題として「経済活動の成果の適切な分配」と「非正規の正社員化」を示した。
白書によると、基本給やボーナスなど労働者が受け取る全賃金である「現金給与総額」が07年から前年比1%の減額に転じ、08年も同0.3%減少。さらに、07年後半から食料品などを中心とした物価上昇があり、実質賃金は07年が1.1%、08年が1.8%それぞれ減少した。
今回の景気後退での雇用調整については、90年代末から2000年初頭にかけての雇用調整と比較し、希望退職や解雇などのリストラは抑制的で、残業規制が増大したと分析。正社員の雇用調整が抑制される一方で、パートや派遣労働者など非正規労働者で集中的に雇い止めや解雇の雇用調整が行われたとしている。【東海林智】