日本労働弁護団は17日、派遣社員から寄せられた労働相談や職場でのトラブルなど71件の事例をまとめた「派遣労働酷書」を発表した。
不況を理由にした解雇や派遣先での嫌がらせ、差別など派遣労働の厳しい状況が浮き彫りになっている。
71件の中で最も多いのが、「派遣切り」や「雇い止め」といった不安定雇用で37件を占めた。このうち、リゾート開発会社に派遣されていた男性は3か月ごとの契約で9年間も勤務したのに、昨年末、「不況で会社が大変」という理由だけで雇い止めに遭っていた。昨年12月に「仕事が減った」という理由で解雇され、「今年1月に生まれた子供と妻を、どうやって養っていけばよいのか」と途方に暮れる大型トレーラーの運転手からの訴えもあった。
派遣先の社員からセクハラやパワハラを受けたケースは8件で、派遣先の部長から宴席でキスをされたり、業務中に抱きつかれたりしたが、誘いを断った途端に契約を打ち切られたという女性もいた。このほか、休日がないといった待遇差別などの事例も記載されている。
同弁護団の棗一郎弁護士は「派遣社員は弱い立場に立たされているのに、派遣会社、派遣先ともに雇用責任を果たしているとは言えない。このような実態を踏まえ、労働者派遣法の改正論議をしてほしい」と話している。
酷書は、希望者に1冊100円で販売する。問い合わせは同弁護団(03・3251・5363)。
(2009年7月17日22時09分 読売新聞)
(2009年7月17日22時09分 読売新聞)
ソース:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090717-OYT1T00902.htm