― ソロモン公国 某ホテル ー
白化現象、狼の襲撃、そして爆弾魔による爆破テロと連日縦続きに事件が起き公国。数日が経った今、束の間の穏やかなひと時が舞い戻る。
ネモ「……爆破テロー!?(ロビーの休憩エリア、たくさんあるうちの座席で誰かと会話している) 」
メトロ「はい、そんなことが先日あったみたいです。(ネモの向かい席に座って、手にしていた新聞の記事を見せていた)公国はとても広いですからね…私たちがいたところから大分離れたところで事件が起きたみたいです。それにしても、怖いですよね…その前にあった灰の爆発事故と何か関係があるかもしれません。犯人は捕まったようですし、これでひと段落付けばいいのですけど… 」
ネモ「そうだね~…んー…(卓上に置かれたカフェオレの紙コップを手に取って口に含む)……ていうか… 」
メトロ「……? 」
ネモ「なんでメトロちゃんがこんなところに…???(唖然) 」
メトロ「てへっ♪ 気が付いたら来ちゃいました!( *´꒳`*) 」
ネモ「ええぇ…(歪んだ顔でカフェオレを啜る)今日は珍しく魔導騎士国際連盟から学生騎士全員へホテルに集合するよう連絡があったんだけど…(もう片方の手でスマホを起動しメール内容に再度目を通す) 」
はらぺこあおむし「(ホテルマンとしてハロウィンのアルバイトをしている) 」
ピカマンの花「(観葉植物の植木鉢に頭から突っ込んで咲いている) 」
Fall Guys「フォーーーーーーウ(エレベーター不要ッ 5階から1階まで飛び降りるッ) 」
ヤ無茶「(FallなGuysに押し潰されて虫の息) 」
オルガ・イツカ「俺は止まんねぇからよ(ガンガー走りで画面端から画面端まで移動する) 」
メトロ「今まで宿所待機を命じられていたんですよね。何か重大な告知でもあるんでしょうか…?錬一さんや、この前ご一緒に見かけた方々もやってきたり。 」
美優「ってー………(先日の傷か、顔中に絆創膏を貼った状態で現れる)一体何の用なんだろ…? 」
陽彩「ん、んっ……!できました!(待機中、席に座ってひとり黙々と折り紙を折っていた) 」
ルルネット「(……会食の予感よ…!)(陰にひっそり隠れてタダ飯の機会を窺っている) 」
関羽顧問「そんなものはない。 」
ちゃちゃネットルルまる「 ぴ え ん 」
ピカ戸マン次郎「視線が俺に全集中!!俺の呼吸!!俺の型!!『お前らモブ』!!!!(我が身を指差し降臨) 」
\ バットウセンタイ・ブレイジャー ! ! / (ロビーの壁テレビで朝9時から放映される特撮番組『伐刀戦隊ブレイジャー』が流れ出す)
碧「(席に座ってリンゴを丸かじりしている) 」
\あっ!あの見るからに筋骨隆々なシルエットは!/\誰だ……?/\ああっ!間違いないわ!大会中止のお詫びにとエキシビジョンマッチを無償で引き受けみんなの心に希望の花を咲かした拳闘士……!/\おお!そうか、奴こそが…… /
みにあおむし「(碧がかじってるリンゴの穴からひょっこり顔を出してハロウィンのアルバイトをしている) 」
マッシブーン「\マッシブーンだ!マッシブーンじゃねえか!/ >> 迫真UBのテーマ << \マッシブーンがきてくれたぞ!やったぁ!!/ 」
ネモ「告知ぃ~…?まあ、大気でずっと退屈してたし何か面白いことでもあればいいんだけdあーーーーっ!!!忘れてた!今日はブレイジャーの日だった!!(テレビの音に反応してグシャアと紙コップを握りつぶしてしまう) 」
メトロ「……( ´꒳`;)(ネモちゃん、ほんとにあれのファンなんだ…) 」
しわしわピカチュウ『ブレイジャー助けて!(怪人らしき何かに囚われた悲しきモブ役)』
碧「…ん(はらぺこあおむしをつまみ、ニッコリとする) 」
ターバンのガキ『(ブレイジャー助けて!と書かれたカンペを持つ子役)』
うちはサスケ『サスケェ!!助けてェ!!(ブレイジャーに助けを求める会社員の役)』
吉良の同僚『世界征服なんてやめとけやめとけ!ブレイジャーを怒らせて無事だった悪党なんていねーんだ!(カメラに写り込んだ部外者)』
大怪獣ピカゴン『ライナァァァァァァァァァァ!!!!!!!助けてえええエエエエエエェェェェ!!!!!!!!!!(多分被害者の役なんじゃないかな)』
夢華「…相変わらず何を考えてるかわからないな(碧の笑顔を見てつぶやく) 」
エリヤ「ブレイジャ~、頑張ってぇ~ うふふっ(ほんわかした雰囲気を出しながらテレビ画面を見ている) 」
純玲「 フ ワ ッ … (白羽織を纏うチャイナドレスの少女。菫色の髪をふわりと人差し指で掻き分けて優雅な足取りでやってくる) フッ―――――― お腹空いた。(その「優雅」が突然の空腹で一瞬で崩れる) 」
志美「姉さん…!さっき回鍋肉を浴びるように食べていたじゃないですか…(純玲の背後から一歩遅れてやってきたのは彼女と同様の服装を纏う投身の少女。純白の髪を揺らしながら「姉」に対し顔を赤らめている) 」
シオン「…………(汗) (近頃の緊迫したこの国の現状で、よくこんな緊張感のない空気を出せるものだわ……このホテルも、姉さんも……)(目を閉じてコーヒーの入ったカップに口を付ける) 」
千冬「 ♪ ~ (数あるテーブル席の隅っこで一人スマホを両手操作しながら、無表情で画面と睨めっこしている小柄な少女がいた。ウサギの顔を模ったイヤーマフから流れる音楽に合わせて、セピア色のマフラー覆われた口元から囁くような小声で歌を口ずさんでいた) 」
メトロ「それにしても…ほわ~… 見たことない学生さんがたくさんいますね。私部外者だからアウェイ感がすごいです…(ネモの陰に隠れるように委縮している) 」
文花「(周りを見る)…うちの学校は大会の出場者のみを寄越したようだけど…それ以外もいるのかな 」
ザビーダ「おいおい、ここほんとにホテルか?やけにがちゃがちゃうっせぇのが集まって……託児所かっつーの。(上半身裸(デフォスタイル)でホテルに入ってくる) 」
トーナ「—————もぐっ(ロビーの壁沿いに設けられたイートインスペースに少女が腰を落ち着かせている。小柄ではあるが着込んだ白パーカーの上から伺える程の筋肉質、銀髪銀目、凛とした目つき。容姿端麗な令嬢……なのだが『山積みになったバーガー』の内一つをわしづかみにし何の気なしに咀嚼していく)もっきゅもっきゅ すみませんうぇいたぁ殿、このメニュー欄の左上から……そう、ここまでのサラダを一品ずつ追加でお願いします。はい 」
コツ、コツ、コツ、コツ……――――(和気あいあいとした学生たちの集い。そこに、複数の足音が静粛を齎すようにロビー一帯へ静かに響き渡った)
その足音の正体は、魔導騎士連盟に所属する大人たちであった――――
ザビーダ「……ん? おっと………何だ何だぁ…?(足音を聞いて振り返り、道を開けるように脇へ逸れ、複数の足音の正体を怪訝そうに見遣る) 」
シクラ「………(連盟のメンバーとして馳せ参じ、ロビーへと踏み込む)……!……フッ……(広いロビーを見渡し、その中に娘「ネモ」の姿を捉えるや否や一瞬だけ父としての微笑みを浮かべた) 」
辻村「今そこのお前『あれ……あそこの子供はあれかな、引率されて来場かな』とか思ったじゃろ?怒らんから言ってみ?正直に言うてみ?今なら十分の九殺しで勘弁しても是非もないのじゃよ?おん?チッチッチッチッチッチッ(サングラスにスタジャンに釘バットという清々しいまでにやさぐれた状態で来場) 」
ラタティム「おーおー、ガキどもが揃いに揃ってるじゃねえか。元気で活気で旺盛があっていいもんだ。(やや無表情で淡々とした口調だがその声音は学生たちへの嬉々たる感情を含んでいるようにも感じられた) 」
ネモ「……?なんかあったの?(低身長故、大勢の学生騎士たちのせいで魔導騎士等が来場したことに気が付いていない。当然、父親に見られていることも…) 」
一条「カチャカチャ(眼鏡を指先で整え襟から靴先まで整った四角四面の体現的男性が魔導騎士の綿々と肩を並べロビーに姿を表す)————自己鍛錬が……自己鍛錬というものが成っていない……ッ こういった学業に追われない時間にこそ己にあった自己育成プランを構築し、それを学友と共有し切磋琢磨するのが学生の領分ではないのか……ッ!!!!(ワナワナワナワナワナワナワナワナ) 」
ダイナ「フゥー…(煙草を咥えロビーへと赴く)お、律儀に集まってんじゃねーか。結構結構……あん?ここ禁煙?…あそう……(舌打ちしながら携帯灰皿にタバコをこすりつける) 」
グランバール「―――――― コ ツ … (そしてこの男――顔面に×字の傷を負う黒肌の巨漢―― こそ、底知れない戦歴の影を醸し出す国際連盟の中でも、一際圧倒的な存在を放っていた)学生諸君、静粛に。この度は集合していただいたことを感謝する。…紹介が遅れたな。私は魔導騎士国際連盟所属 兼 勝龍寺総合高校・魔導騎士部副顧問を務める―――『グランバール・ドストルキン』だ。以後よろしく。 」
エルフリーデ「(魔導騎士連盟の大人達の中で、まるで品定めか何かをするかのような目線でロビーにいる学生騎士を見ていた)……………(し か し 実 際 は 何 も 考 え て な い)」 」
クロイツ「—————やあみんな!もうすぐバレンタインデーだな!!(大量の両手に何重にも重なった紙袋を軽々と抱え、お天気笑顔を咲かせて駆けつける)当日は残念ながらこの祭事を祝えるか定かでないのでできる時にやることにする!!チョコおいしいからね!!!!さあ受け取れ!!!キングチョコだ!!!(以外!!ばらまかれたそれはドッキリケンシールチョコ第17弾!!罪剣ヒーローズエディション!!) 」
辻村「パンッッ(クロイツの横っ面に平手打ち) 」
一条「ゴンッ(クロイツの首にクロスチョップ) 」
グランバール「……ゴホンッ(気絶したクロイツを他所目に咳払い) 今回、急な招集をかけてすまなかった。…諸君らも周知の通り、現在この国は小さな波乱によって、交通機関、国境移動、夜間外出、行事など…あらゆる方面で制限がかけられている。此度の「伐刀劇祭」を心待ちに、この国までやってきた君たち学生騎士も遺憾の意を表している事だろう。……そこで、我々「連盟」は、そんな君たちに"ある提案"を持ち掛けに来た。 」
美優「…提案? 」
グランバール「それは…ここにいる学生騎士全員で行う――――― 『 他 校 合 同 特 別 演 習 』だ!! 」
学生騎士一同『――――― ! ! ? ―――――』
陽彩「……合同演習……!?(意外な内容に目を丸くする) 」
グランバール「現在公国全域で、今回の大事件の解決に向けて公国、政府、連盟、あらゆる治安組織が全力で捜査に当たっている。だがそれがいつ収束するか、現時点では判断が難しい。そこでその間(かん)、時間を持て余している学生諸君がこの空虚なひと時を有意義なものにするために、我々が用意した安全区域での合同演習を行おうと思い、その提案を持ち掛けてきた。 」
エリヤ「あらあら……(驚いたような表情で話を聞く)……あらあらあら~(にこにこと微笑む) 」
ネモ「……「たこーごーどーとくべつえんしゅー」?(グランバールの大声だけが聞こえて首を傾げている) 」
トーナ「(完食仕切り空になったバーガーの包装紙を丸めつつ耳を傾け)………。(目線を新たに運ばれてきたステーキに戻しそれをナイフで切り分け口に運んでいく、それが作業であるように)————だ、そうですが。風磨は参加しますか(向かい側に座る学生に一瞥もやらず冷淡に声を発し、再び料理に食らいつく) 」
志美 / 純玲『聞きましたか、姉さん。他の学校のみなさんと一緒に特別演習が行われるんですって……寝ないでーー!>< / くかぁ~…Zzz… 』 」
錬一「いやどうかな……どうだろう……(向かい側に座し、握り飯三つ、味噌汁一つというトーナとは対照的に質素な食事を食しながら苦し紛れに弱々しく笑う)前にも話したでしょ、僕の固有霊装は『幻影形態』にならないんだ。意識一つで『刃のない刀』にはできるけどただのそれだけだし…………勝負にならないから…… 」
グランバール「無論、これは強制ではない。希望者のみを募り、参加してくれた学生たちのみでこの演習を行いたい。だが参加の意向を示し、そして最後まで演習を達成した諸君には、特別課程として成績にもその評価を与えよう。具体的な演習内容についてだが…そうだな、詳細は数時間後に各自のアドレスにてメールを送信するが、君たちが日ごろから全力を注いでいるであろう部活内容をイメージしてもらえば早いだろう。特別厳しいことを行うつもりはない。……今回の提案を受け、各自しっかり考えて各々の希望を見出してほしい。 」
夢華「…………(グランバールの話を聞いて)面白いことになったね… 」
トーナ「加減すれば勝負にならない、しかし戦えば怪我をさせるかもわからない……と。 わかりました、ではこうしましょう クイ(親指で他校の学生らを指差し鋼のように冷淡な眼差しを錬一に向け)—————最初の試合で相手の骨を“砕き”ます。練習とたかをくくった皆様に一括を入れれば風磨もやりやすいくなるでしょう 」
ラタティム「やるかやらねーかはテメーらのやる気次第だがやるってんならやればいいしやりたかねーならやらなてもいいしやりたいようにやればいい。やるってんならやるつもりでやるからやる気出して来いよな。 」
錬一「いやああの………本当にやりかねない事を真顔で言うのやめて……。央島さんの固有霊装は幻影形態にしてもそれこそ骨の一本や二本じゃ済まないかもしれないんだから……。空手の試合でもそんなことしないでしょ?ね?(頭痛がするとでも言いたげに頭を抱えながら) 」
ダイナ「運が良けりゃあこの俺「ダイナ・アンデルソン」、そしてそんな俺様の唯一無二のライバル「クロイツ・オルランド」と手合わせできるかもしれねーぜ?学生たちにはまたとないチャンスだからな。機会がありゃあ、好きなだけ相手になってやるぜ?なあ、好敵手(ライバル)?(気絶しているクロイツの傍へしゃがみ火のついていないタバコで頬を突く) 」
碧「……おそらく、先生や理事長にもその話は行くはず。さらに厳選もありえるかもね… 」
シオン「……どうするの?姉さん。(腕を組み、正面に居る姉に問いかける)私はともかくとして……姉さんはあまり参加する意味が無いというか……その(少々言い淀む) 」
ルルネット「(会食の話じゃなかった……)(隅っこでいじけている) 」
クロイツ「すまないダイナその件なんだが当日は参加が厳しいかもしれないんだ……(首元を手で押さえながらタバコを物ともせず立ち上がり、申し訳なさそうな八時眉で告げる)—————だが心配はいらない。俺が認めたもう一人の好敵手<友>に代打を頼んであるんだ!その名も王の伐刀!!『ブレイ・キング』だ!!勝ち上がった学徒諸君にはこのダイナ・アンデルソンとブレイキングが立ちふさがるぞ!覚悟しておくんだな!!(ドヤアアア) 」
辻村「いやそういうのえーから 」
エリヤ「そうねぇ~……(片手を頬に当てて少々困ったように思考する)皆と同じように参加することはできないかもしれないけれど、後進を導くのも先達の役目。学生騎士全体の成長に繋がるのであれば、私も無関係で居るべきではないわね~(うんうんと頷く) 」
ダイナ「………お、おぅ…(引きつった顔) 」
グランバール「………(互いに顔を見合わせる学生たちをそれぞれ見やり、静かに頷いた)……では、今回の要件は以上とする。君たちの返答を心待ちにしている。(フッと笑みを残して踵を返し、他の魔導騎士たちと共にホテルを後にした) 」
美優「燃えてきた…勝って勝って勝ちまくる!!!(パン!!と両手を叩く) 」
メトロ「………ほわぁ~…なんだかすごいことになってきましたね…!私、部外者だけどワクワクしてきました!ネモちゃんはどうでしょう…? 」
ネモ「もっちろん!参加するっきゃないよね!それに…もしかしたらあの「英傑」にも会えるかもしれないし…!ボクも興奮してきたよ! 」
― ソロモン公国・コロシアム・地下闘技場 ―
ネモ「……コロシアムの地下にこんな広い闘技場があったんだね~……ていうか、メトロちゃん、まだついてきてたんだ。(汗) 」
メトロ「付いたら来ちゃいました!( *´꒳`*) (※二回目) 連盟の方々から特別に許可はいただいています!伐刀者について個人的に研究を行っている身としては、今回の合同演習にも興味がありますので! 」
ネモ「そ、そうだったね… …さっきパパに会ったんだ。今回はボクだけしか学園からは選出されなかったけど、他所の学校からは大会への出場資格を持っている学生が複数も参戦しているみたい。それだけ強敵がたくさんいるということ…他の人たちの戦い方をしっかり観察しないとね。 」
グランバール「―――― ではこれより、『他校合同特別演習』をはじめる。君たちには、各々の実力を出して全力で競い合ってもらう。なお、この演習は一貫して「幻想形態」にて行うものとする。 」
グランバール「まずは各自一対一で組手を行ってもらう。その次に、二対二のチーム戦を、対校戦と混合戦に別けて行う。そして最後に、動員した魔導騎士数名を相手に全生徒で対抗してもらう。この詳細はまたその時に伝える。対戦表はこちらでクジ引きによって決めさせてもらおう。シクラ、後は頼む。 」
シクラ「御意。(グランバールに頭を垂れ前方へ出る) それでは、最初の対戦を発表する。…勝龍寺総合高校・一年「御影池陽彩」、帝都学園・二年「央島斗那」。呼ばれた二人はバトルフィールドへ。開始線に着いて固有霊装の展開を頼む。 」
陽彩「…っ……(うぅっ…開幕から私ですか…き、緊張する~…っ……!)(萎縮しながらフィールドへと歩み進める)……――――― 手折れ、『彩芽』(アヤメ)。(虚空を握る手中から納刀された刀が顕現される)……御影池陽彩です、よろしくお願いいたします。(対峙する斗那に一礼) 」
トーナ「(フードを被った状態で吊紐を握りサンドバッグを肩に提げ、食べかけのバーガーを咀嚼しながら
リングへ大股で上がる) ブ ンッッ (サンドバッグを天井へ付かんばかりの高さまで投げノールックで後方へ放り、首を軽く払ってフードを外した。 じぃっと黄金色の瞳に相対した陽彩の姿を納め……)——————ナカシマトーナ…… ゴ ン ッッ ……——————【DIE HARD】殲滅開始。(両拳をカチ合わせ重金属の音を鳴らし、熱を帯びた腕部装甲、脚部装甲、胸部の炉心を蒸気と共に発現させた) 」
シクラ「組手の制限時間は10分。その時間内でお互い全力を尽くして戦うように。それでは…―――― はじめッ! 」
――――― 陽彩 vs 斗那 ―――――
陽彩「……!?(今まで目にしたことのない一風変わったトーナの固有霊装に瞠目する)……尋常に、勝負!(緊張しながらも先手を切り、納刀を構えたまま走り出す) 」
トーナ「 キュッ キュ……(脇を締め両拳を顎の高さまで上げ、猫足立ちを維持しその場でステップを踏む。ボクサー特有の構えで初期ポジションを維持し向かってくる陽彩を待ち構え) フ ッ (陽彩の間合いに入る直前『左ジャブ』『右ローキック』『飛び膝蹴り』『右フック』『当身』それぞれの攻撃の予備動作を『ほぼ同時』に行い複数のフェイントを同時に仕掛ける) 」
陽彩「( !! )(緩慢化する世界の中でトーナから次々と繰り出される打撃術を前に瞳孔が開く。ほぼ同タイミングで繰り出されたそれらの攻撃の中から一瞬で対抗優先順位を決めようと思考を張り巡らす間もなく…)くぅ…ッ…!!!(縦に構えた納刀で防御に徹することを選択、だが、機関銃のように攻め込まれる連撃に一歩、また一歩と退かれてしまう) 」
ネモ「……!早い…ッ…!(トーナの挙動に感嘆する) 」
美優「…すげぇ、どんな身体能力だよ…(トーナを見て) 」
トーナ「—————。(瞬き一つせず常に対戦相手の姿を捉え続け、『技』を捨てたストレートな拳打の押収を仕掛け後退を許さないと言わんばかりに攻め立て続けるが、『決め手』に及ばない)反応が、いい(ポツリ、舌打ち混じりにそう囁くと急に態勢を低くしコンパスで半円を描くような『足払い』を仕掛けにかかる) 」
メトロ「……央島斗那さん。ボクシングや空手など、あらゆる格闘術を極めた「武」の天才です。伐刀者の中でも異例の固有霊装も目を見張るものがありますが、何より特記すべきは彼女自身の格闘センス、でしょうか。様々な伐刀者が武器を振るう中、彼女の武器は「拳」そのもの…でも、鉄拳の攻撃力・破壊力は矛をも砕くとされるほど…。ひたすらに修練に修練を重ねた賜物というべきでしょうか…! 」
辻村「おお?搦め手に回ったの……(手すりに頬杖を付き遠く離れた観客席から静観)流れ的にはあのまま押し切ったも良さようなもんじゃが。どうなんじゃ先生殿(隣に立つ人物に目線だけ動かし問いかける) 」
テリー(DQⅥ)「ふん…… 噂には聞いちゃいたが………どうやら、ただのガキどものお遊戯ってわけじゃあないらしいな。(腕組みして上から目線で観戦していた) 」
一条「間違いではない。斗那は実戦経験は豊富だがそれはあくまで『武人』に限った話。相手が伐刀者という『異能持ち』である以上、札が知れない内は盤面を返される可能性を考慮し身長に動くべきだ(腕を組み辻村の横に立ち、両者の一挙一動を一瞬足りとも見逃さないよう目を見張りながら淡々と答える)最も……相手が長期戦を得意とする場合は話が違ってくるが…… 」
陽彩「(このままじゃ完全に相手の独壇場…何か、解決策は…―――)――――!(鉄仮面のように無表情なトーナが言葉を呟いたその一瞬を好機と見なし、繰り出した足払いを、身を丸めながら華麗に後退跳躍し、ようやく距離を保つことに成功)居合―――“蛇腹折”(じゃばらおり)!!(距離のある彼女に対し何故かその場でを居合を繰り出す…すると、抜刀され露わとなった刀身が蛇腹状に伸び出し、蛇の如くしなやかな起動を描きながら距離のあるトーナに向かって襲い掛かる) 」
黄髪の女性「(なかなか素早い動き…うちの学院にとって恐るべき存在になることは間違いない…)(映画で使われるようなカメラで戦いを撮影している) 」
シクラ「……(彼女の刀…一般的な伐刀者によく見られるオーソドックスな「日本刀」。だが、御影池陽彩は"居合術"を得意とすると聞いたな。至近距離の相手にこそ効果を発揮するはずの居合だが、彼女はそれをあらゆる盤面で繰り出すことができるのか。学生にしては…なかなか器用で繊細な剣術を持っているな。ウチの娘にも見習ってもらいたいものだ…)(腕を束て静かに仁王立ちしている) 」
水穂「やるねぇ、あの子!動き一つ一つ、どれを取っても並々ならない修練を重ねてきたことが伺えるよ!(トーナの戦いぶりを見てご機嫌そうに笑う)ただまぁ、ちょっと動きが優等生すぎかな?いかにも練習してます~って感じだねぇ(値踏みするようなにやにやした表情で) 」
トーナ「————(間合いの外……いや) 疾ッッッ (行動予測、確実に届かない距離から放たれる居合を警戒し此方も『届かない』前提で大振りの裏拳を振るい) ゴガギ ィ ィンッッ ……(放たれた蛇腹剣の居合、その先端手甲を当て軌道を反らす。完全に軌道矯正は出来ず刃先が頰に触れ片眉がピクリと動いた)……。………先手見事。返礼だ 」
トーナ「(彼女の虎目が大きく見開かれる、口は閉じたままだが遠くからでも微かに聞こえる歯軋りの音を漏らし) ┣¨ッッ (重心を下へ垂直に向け床を『踏み砕く』。ただそれだけの動作だが『固有霊装』の異能『衝撃貫通』が威力増強を手伝い) オ ン ッ (物体を悉く床から浮かす衝撃波が彼女を中心に輪状に広がる) 」
黄髪の女性「御影池陽彩に、央島斗那……(シクラの話を横で聞いて) 」
麗央「彼女もデバイスの特徴を活かした良い戦い方だ。あの剣を掻い潜って内に入るのは至難の業だろう……お互いの最も実力の出せる距離をいかに押し付けることができるか……(ふむ、と神妙な顔で戦いを見る) 」
一条「蛇腹剣……なるほど、近接戦ではどうしても不利になってしまうが己の『間合い』に持ち込むまでの切り返し……まだ一年だというのに才覚に恵まれているな!(陽彩の一連の動作を見るなり目を輝かせ感慨の声を上げ) !? 『振脚』……中国拳法にまで手を伸ばしていたのか(眼鏡を慌てて整え身を乗り出す) 」
陽彩「(――――!?) ひぁ…ッ…!! (爆撃の如く広がる衝撃波に軽々と吹き飛ばされ)ドサッ―――ドッ――――ズサアアアァァッ ! ! はぐぅ…ッ…!!(何度も地面を跳ねながら転がっていく)あぅ…っ……!(ぐぐぐっと身を起こし、突き放されたトーナを見据える)はぁ…はぁ……(まともに接近すればひとたまりもない……それでも…―――)――――! 賭けてみるしかない…!(策を講じ、抜刀の態勢に入る) 」
陽彩「――――“ 折 鶴 ”!! ド シ ュ ア ァ ッ ! (身を大きく捻って斬撃波を放つ。だがその斬撃は瞬く間に「鶴」を模り、まるで意志を持つ斬撃として翼を羽搏かせながら飛び出した) ッ!!――――― タ ン ッ ! (直後、大きく跳躍してその鶴型の斬撃波に飛び乗り、斬撃波と共にトーナへと迫る――――) 」
メトロ「ほわわっ!?(地下闘技場に迸る衝撃波に髪が大きく靡く)ふ、踏み込みだけで…なんてすごい気圧…! 」
ネモ「なにあれ…っ…!?(目には見えない鎧を纏ったかのようなトーナの粉砕に驚嘆する)あんなの、まともに近づくこともできない―――――!(その一方、折り紙の様に姿形を変えていく陽彩の斬撃にも同様の目を向けた) 」
ラタティム「ほー…鳥みてえで鳥じゃない鳥のような鳥っぽい斬撃を作り出すか。もはやアートじゃねーか。感心に感嘆して感激しちまうね、いやほんと。(無表情ではあるが陽彩の鶴型の斬撃に称賛の言葉を零した) 」
トーナ「間合いまで1秒弱……(衝撃波を放つと同時に相手の落下地点を予測し間髪入れず駆け出す) 猪口才。 (間合いまで駆ける最中状況を芳しく思わないのか眉間に皺を寄せ、反撃に放たれた鶴型の斬撃を見やり一瞬の内に思考を巡らす『あれは迎撃して良いものか』と) 」
トーナ「(技を単体で終わらせるな。相手の『思惑』から先に潰してやる……!) ヒュ ┣¨ッ (戦車の如く強引に前進を継続。向かってくる斬撃は縦一文字に振り下ろす右手刀で両断し足場を粉砕、と同時に……)ズァオッッッ!!!!(地に向いた右手を広げ、掌から『圧縮蒸気』を噴出。熱風が全方位に拡散し対空攻撃に繋がる) 」
辻村「のうのう、見たかあの鶴!乗る系伐刀者わしの他にもちゃんとおったんじゃなーっ!今度ピオカタルーミクでサーフィンにでも誘ってやるかのう!(キャッキャ) 」
陽彩「――――(手刀により“折鶴”は手折られてしまい、光の残滓に消えていくが…) ブ ワ ッ ! ! (その後湧き起る熱風を利用し空へ"飛翔"。空中で身を翻し、真下の彼女へ狙いを定めた)――――“紙飛行機”!!(滞空した状態から滑空するようにトーナへ斬り降ろしによる襲撃) 」
トーナ「—————流石だ(振り下ろされる斬撃にを見るなり目の色が、呼吸が”変わる”。息を止めた無呼吸状態へ移行し、拳を”解い”た)————— キ ュ ッ (ボクシングの構えから『移行』、腰をを落としその場で『スライディング』することで肩を僅かに切らせるにまでダメージを抑えつつ) ヒュ オ (仰向けから『逆立ち』へ移行。両足をコンパスのように広げ、体を支える両腕を捻りながら繰り出す『回し蹴り』のカウンター繰り出す 」
黄髪の女性「…(折り紙を体現した能力…)(陽彩を見て) 」
美優「………(メトロの話を聞いて)……あんな身体能力…勝てるわけないだろ…! 」
ベジータ「ダメだ、勝てるわけがない…!(関係ない) 」
ポリゴン2「案ずるなベジータ。しんかのきせきを搭載した僕の前ではみな総じて赤子よ 」
陽彩「 っ……!?(斬撃を潜り抜けられ、想定していたよりも手応えの薄い攻撃を与える結果に陥ってしまう)――― はぐぅッ!!(反撃の回し蹴りが脇腹にクリーンヒット。水平に蹴り飛ばされ再び地に落とされる)ふぅぅー……ふぅー……っ……!(痛みに顔を歪ませながらも立ち上がることを諦めず、再度彼女と対立する) 」
カービィ「(ベジータとポリゴン2を吸い込んで「
カオスドラマ」(無印)の世界へとホバリングで飛んでいく) 」
トーナ「クル ン ダムッッ(指一本で体を支え回転し、某蜘蛛男のように両足を付ける。上体を起こし再び『ボクシング』の構えへ切り替え、平静を取り戻した冷淡な目を向け)————今度は逃さない。(態勢を低く構え、初動と比較し『倍速』で踏み込み近接の間合いへ持ち込もうとする) 」
陽彩「―――――ッ!!(しまっ――――)(上半身を起こした時にはすでに遅く、目と鼻の先にトーナの接近を許してしまう) 」
シクラ「―――――― そこまでッ!!! (二人を制するように停戦を叫ぶ) ……開幕戦には申し分ない熱い戦い…見事だ。(向かい合う二人に激励を送る) 」
トーナ「 キッッッ (車のブレーキ音に似た高音を靴底から発し足、顎めがけ突き出した拳を止め硬直する)…………。(最初に相対した時のようにじぃっと鉄仮面の奥に見える虎の目で観察するように陽彩の目を覗き混んでいたが)………… パンッ (腕を引っ込め、掌に拳を当てる東洋式の合唱『 抱拳礼』で一礼した)対戦、感謝。(どこか満足げに和らいだ声でそう告げた) 」
テリー(DQⅥ)「…ふん……終わったか。 ……ま、暇潰し程度にはなるかもな。(呟きながらその場をあとにする) 」
黄髪の女性「……(開幕からレベルの高い戦い…)(カメラを構えたまま驚いた顔) 」
水穂「……うーむ……(一通り見終わった後で唸る)想像以上にレベル高いなぁ、これは確かに意義のある催しかもねぇ……特に一風変わったデバイスの扱い方なんかは、それを見た参加者の新しい可能性を産み出すかも 」
陽彩「(顎元に突き出されたトーナの鉄拳に、心臓を止められたような感覚に陥るが…)―――――っはぁ……!(停戦により、長く息止めていたように大きな溜息を零して呼吸を取り戻す)はぁ…っ……はぁ…っ……!(汗がじわじわと溢れ出す)はぁ………はぁ………… んくっ………!は、はい……っ…(トーナの一例に慌てて立ちあがる)こ、こちらこそ…お手合わせ、ありがとうございました…!(深々とお辞儀する彼女の顔から、ぽたりぽたりと汗が垂れ流れるのだった) 」
ネモ「……ん-…パパの言う通り、これは一筋縄にはいかないかも……それにしてもメトロちゃん、よく相手のこと分かってたね。調べてたの? 」
トーナ「(汗の落ちる床を一瞥しパーカーのポケットをまさぐりタオルを差し出す)メインウェポンの間合いは間違っていない、全て的確だった。後は得意な間合い外での攻防……近接……そう、近接時に相手を突き放す手段があれば幅が広がる……と思う(淡々と言の葉を発していたが最後はやや自信なさげに囁き) クル (踵を返しリング外へ歩き出す) 」
メトロ「はいっ!実は今回の伐刀劇祭の出場者はある程度調べていたんです。流石に全員分の詳細な情報が得られたわけではありませんが…斗那さんのように戦歴のある方ならだいたいは。 ネモちゃんもファイト!ですよ♪( *´꒳`*) 」
陽彩「…ぇ……?(差し出されたタオルにきょとんとなる)……ぁ…た、確かに……(トーナの口から告げられたアドバイスに多少驚きながらも静かに頷いた)…あっ、あの……!(お礼を言おうとした時は遅く、立ち去る彼女の背を静かに見つめて、再びお辞儀したのだった) 」
ネモ「うーん…戦歴、かぁ……これでもいろんな大会への出場経験こそはあれど、どれもこれも予選敗退ばかりでいいことなかったからなー…(はははと自嘲気味に苦笑いする)……うん、がんばるよ。それに、ここで怖気づいてちゃあ…"英傑"(かれ)には届かないからね―――― 」
シクラ「―――― 続く対戦は…光耀高校・二年「天嶺院麗央」、
西舞学院中等部・三年「園崎碧」。両者バトルフィールドへ! 」
麗央「―――――ザッ(バトルフィールドに現れる)……(中等部の生徒……とはいえ、この組み合わせになったということは私と遜色無い実力の持ち主であるはず――――我が身は未だ修行の最中、忘れる勿れ)(目を閉じ、数秒の逡巡の後)―――――往こうか、"獅子王"―――――(その手に太刀を出現させる) 」
碧「………(バトルフィールドに現れてしばらく目を閉じる)…さて、行きますか(麗央に合わせて、手に一切れのリンゴの形をした剣を発現させる) 」
シクラ「(フィールドに立った二人を交互に見やる)両者構えて…―――――― は じ め ッ ! ! 」
――――― 麗央 vs 碧 ―――――
メトロ「西舞学院は世にも少ない小中高一貫の大きな女子校で、魔導騎士育成部をはじめとする伐刀者の育成カリキュラムも整っているそうですね。その為、在籍中の中学生の中には他校の高校生と渡り合えるほどの実力が備わっている子も少なくありません。それに…若い内から能力の開花に目覚めることができれば、その成長速度の期待値も望めます。 」
ネモ「そういえば…以前狼の群れと戦った時にいた娘(美優)も、後で中学生だと知ってちょっとびっくりしたよ。 」
麗央「(ゆらりと刀身を下げて片手持ちし、掴みどころのない構えを見せて碧に正面から真っすぐ近付いていく)……天嶺無双流剣舞、"十字星"――――(ヒュッと一振り――――であるにも関わらず、"十字を描く二つの斬撃"が碧に襲い掛かる) 」
碧「十字星…?(一振りの攻撃を見て剣で応戦しようとするも…)…!(二つの斬撃を見て、両方に対応するかのように剣を振る) 」
麗央「ギギンッ――――(弾かれた太刀をすぐさま横に構える)――――"三ツ引"(横に一太刀――――しかしまたしても、刀身の煌めきが映し出す横薙ぎの三つの剣閃が同時に碧に襲い掛かる) 」
水穂「アレが天嶺無双流の剣舞――――超高速の剣技が生み出す、同時攻撃の剣!刀身の動きを目で捉え切る事は出来ず、その剣閃が映し出した紋様でしか軌跡を視認することはできない―――――いやぁ、相変わらず芸術だねぇ(笑いながらぱちぱちと手を叩く) 」
碧「……!(同じように剣を横に振って応戦するも、応戦しきれず攻撃を受ける)(太刀は一つ…なのに攻撃は複数……萌香先輩でもかすかに見えるレベルかな…)(同じような剣をもう一つ発現させ、二刀流のように構える) 」
麗央「ほう――――二刀流か。であれば……こちらも手数を倍にしなければならないな(フッと笑い、ぐっと太刀を振り被る)―――――"三ツ鱗"!!(袈裟斬り、逆袈裟、横薙ぎの三角形の剣閃―――それに加え、更に逆三角形の剣閃を加えた六つの剣閃が描かれる) 」
陽彩「……!? 太刀筋が早すぎて見切れない…っ…あんなに早い剣技をどうやって……!?(麗央の素早い剣裁きに目を奪われる) 」
碧「…手数を倍に…!?…アップル、スラッシュ!!!(両方の剣でVの字を描くように太刀に目掛けて振るう) 」
辻村「あれは天照院グループのご令嬢じゃのう。(手すりに頬杖をつき戦況を伺う)あれは純粋な"剣技"……か……? 増える剣閃、これは実に面倒な相手じゃな。追い迫るさながら斬撃の壁。紙一重で受け流し返しの一手を打つ、これがまず封じられる。相手の死角を取るには大きく旋回し回り込むか、或いはあれを凌駕する手数を持って真っ向から打ち合うか……さて、難問じゃのう 」
ギャギギギギィンッッッ!!!(麗央の六つの斬撃と碧の二つの斬撃が重なり、一瞬の攻防とは思えないほどのエネルギーの弾け合う音が響く)
一条「そもそも伐刀者の武器は剣とも限らない。術理の手解きが受けられるような性質でない場合もあるし、殆どが固有霊装の精度や魔力操作によって自らの力を練磨するというのが通だ。"技巧"を磨いた相手というのは希であるが故対応し切れない事が多々ある —————とはいえだ(銀縁の眼鏡を指先で整え眉間に皺を寄せ、関心したように吐息をこぼす)—————あれはもはや一流の域だ。同じ境地に至るか、それを上回る異能をぶつけねば太刀打ちできんな…… 」
麗央「むっ――――(碧の攻撃で少し体勢を崩す)"重い"――――パワーは私を超えているな。だが……速度も力だ、力負けするのなら―――――更に速く!!(ぐっと腰を落とし、柄を自分の顔の近くへ、剣先を碧に向ける)天嶺無双流剣舞、"九曜"!!(碧の体の中心を取り囲むように放たれる八つの刺突と、体の中心を貫かんとする一つの刺突――――併せて九つの剣閃が碧に向かって伸びる) 」
碧「……!(自身の体に迫る攻撃を見て剣を構える)…アップルスラッシュ…第一!(自身を貫こうとする剣閃を目掛けて片方の剣を投げ、もう片方の手でリンゴまるまる一つの如く大きな円を描くように剣を振るい、すべてをなぎ払おうと試みる) 」
エリヤ「あらあら……とっても速いのね~。体全体の動きでなく腕だけをあんなに速く……凄いわ~(にこにこ)シオンちゃんとどっちが速いかしら~?ね、シオンちゃん?(傍らのシオンに視線を向け) 」
シオン「……身体能力なら彼女の方が上よ。私はあんなに速く剣を振る事は出来ない―――――けれど、伐刀者は身体能力じゃない(鋭い目線をバトルフィールドに向け)あれだけの技巧を持ちながら彼女がCランクに甘んじているのは、それが原因かしら―――――今のところ彼女は、デバイスの本領を活かしてないように見えるわ 」
麗央「ガキィンッ!!("九曜"が円を描く攻撃によって弾かれる)くっ――――(その力に体勢を崩し、後ろに数歩下がる) 」
泉北「大物の学生騎士同士だなあ……(コーヒーを片手に観客席に座り)……片方はソロモンで見たなあ、動きが良いわ…… 」
水穂「(天嶺院家は元々、貴族でありながら剣豪から学んだ剣技を独自の流派として発展させた家系……その家に産まれたものとして、伐刀者として目覚める前から剣を振ってきた……身体能力に頼りがちな戦い方は、そこから来るものだろうね)……威力ってのは本来、"速さ"と"重さ"の掛け合わせ……つまり、速ければ速いほど威力も増すってこと。それでも力負けするのは――――これが、物理的計算の通じない伐刀者の戦いだからだね 」
碧「………!(今…!)アップル…スラッシュ…第一!(体制を崩したのを見逃さず、麗央に迫りもう一度円を描くように剣を振るう) 」
麗央「――――ザッ ッ!(体勢を立て直し――――正確には再び剣を振るえる態勢を整え、碧を見た時には既に剣が迫って来ていた―――――) 」
水穂「ただまぁ――――"人並外れて速い"ってことは、"隙も人並み外れて少ない"ってことでもあるんだけどね 」
麗央「――――――"旭光"!!!(本来であれば剣を出しても間に合うはずがない、そんなタイミングで剣を振るう) 」
ズ ァッ ――――――――(瞬間、碧の視界が光に呑まれる。視界を全て覆うほどの、眩い剣閃によって―――――)
碧「……!?ま、眩しっ…!!(眩しさのあまり、思わず手を止める) 」
シクラ「―――――― そこまでッ!! (弾ける閃光の中で、停戦の合図が鳴り響いた) 」
―――――ズガガガガガガァンッ!!!(停戦の声が響き、"旭光"の無数の剣閃は碧を避け、全てバトルフィールドの無人の部分に広がっていき無数の刀傷を付けていく)
麗央「―――――っふぅ……(一条の汗を垂らし、太刀を床に叩きつけた状態で息を吐く)……"旭光"まで出したのは久々だな……(そう呟いて太刀を消す) 」
メトロ「 っひゃあぁ!? (無数の剣閃が切り刻む轟きにびくっと跳ねあがる)…い、いったい、今のは……っ…? 」
碧「………前が見えなかった…なんて攻撃…(無数の刀傷を見て) 」
麗央「――――ありがとう、良い戦いだった……またいずれ、手合わせすることを楽しみにしている(碧に近付き、手を差し伸べ握手を求める) 」
碧「あ、ありがとうございました(麗央の握手に応じ、がっしりと手を握る) 」
シクラ「 ポン… (対戦を終えた碧の肩へ手を添えた)西舞学院の園崎碧だね。先程は見事な斬り返しだったよ。彼女(麗央)の剣舞に呑まれまいと耐え凌ぎ、反撃の機会を窺い、そしてその一瞬の隙を突く。中学生ながら鋭い洞察力を持っているようだね。その調子で精進するんだ。(彼女に柔らかい笑みをエールと共に送った) 」
水穂「うんうん、彼女も中学生ながら実力は既に一人前の伐刀者だった……更に強くなるだろうね 」
碧「…!(シクラに激励され)ありがとうございます。これからも頑張ります(笑顔で応える) 」
学生騎士たちが各々に剣を交える組手は二日かけて行われた。そして、次は…
グランバール「―――…本日は、「団体戦」を行う。各学園より無作為にメンバーを抽選し、マッチした学生二名で1つのチームを作り、チームごとに戦ってもらう。審判は私が行おう。 」
グランバール「ではさっそくだが、最初の団体戦を行う。最初は…「ネモ・フォータムル」と「ブランシェン・ラザフォード」、そして対するは「風磨錬一」と「玄田水穂」の対戦だ。各チーム、前へ! 」
ネモ「 ♪~ (納刀された刀剣「カンデラ」を片手で器用に振り回しながらフィールドへと向かう) ボク、「ネモ」。よろしくねー!(並行する
ブランシェンに軽く挨拶する)へぇ…まさか初っ端から錬一と当たるなんてね~。あの時(白狼攻防戦)の借りもあるけれど、今回は遠慮なく行くよ? ………(顔見知りの彼に不敵な笑みを浮かべる一方で、初対面となる水穂へちらりと一瞥を与えた) 」
メトロ「ネモちゃんがんばれ~!(自販機で買ってきたであろうホットレモンティーのペットボトルを手に観戦席から密かに手を上げ応援していた) 」
シクラ「…お隣、いいかな?(メトロに柔らかい笑みを浮かべながら歩き寄ってくる)…ネモのお友達かな? 」
メトロ「……!ふぁ…あなたは、確か…(シクラの姿、その発言から、改めてネモの父親である人物と認識)ど、どうぞ…! ……お友達…えへへ…は、はい…( *´꒳`*) (「お友達」の響きで照れくさそうに笑う) 」
美優「…この前見た顔が何人もいるな(観戦席でコーラを飲む) 」
シクラ「(「ありがと」と片手で断りのジェスチャーを入れながら彼女の隣席へ腰かける)君、見たところ伐刀者じゃなく一般の子みたいだね。こういうのには興味ありかな? それにしても…まさかこの街に来て早速新しい友達を見つけるとは、なかなかやるもんだなぁあいつ。(腕を束てフィールドへ視線を向ける) 」
ブランシェン「(長剣型の固有礼装『アントス・バシリス』を携え、ネモと並んで歩きながら軽い足取りでフィールドへ)此方こそよろしくお願いします、ネモさん(まさに天使の様な朗らかで可愛らしい笑顔を返し)お知り合いですか?私も相手はソロモンで拝見した方なので……っと、こんにちは、お互い良い勝負をしましょう(対戦相手の二人に、ネモの時と同様の朗らかな笑みを浮かべ、お手本の様に美しい一礼をする)ソロモン以来ですね 」
錬一「どうぞ遠慮なく。こっちもやれるとこまで食らいついてみせるさ (余裕と笑みを持って答えるが、自らの足元とリング床石を一瞥し) パンッ (両手で挟むように自らの頰をはたく。息を整え、『固有霊装』を出現させていない状態で虚に手を添える。そこにある、彼にだけ見える刀に手を添えるようにして)(————団体戦だ。未熟を言い訳に食い下がる訳にはいかないな……) 」
メトロ「ぁ、はい…!実は私、大学院の研究で伐刀者にまつわる研究を行っているんです。ネモちゃんとは、伐刀劇祭の前夜祭にひょんなことから知り合って… 今は、一緒にいることも多くなりました、ね…( *´꒳`*) エヘヘ… 」
水穂「う~ん……2対2ね……まぁ1対1よりはマシかなぁ……(憮然とした表情で鉄扇を開く)……ん?(ネモの視線に気付き、ネモに視線を振る)やっほ~、よろしく~(にぱっと笑って手を振る) 」
ネモ「…っ……?ぁ、うん……(水穂と偶然目が合い、その陽気な挨拶に一瞬面食らったように目をぱちくりさせ、思わず張りのない声で挨拶を返してしまう) ふっ…お互いやる気満々だね。 ……―――― 灯せ、《 イグニーズ 》 !(抜刀と共に燃え上がる刀身がその姿を露わにする) 」
グランバール「両チーム揃ったな。では…――――――― 試合開始だ…!! 」
―― ネモ&ブランシェン vs 錬一&水穂 ――
ブランシェン「(観客席に向かって笑顔を見せながらひらひらと手を振り、もう片方の手で長剣を緩く構え)……(見えないけれど、魔力の流れは感じる。一人は打刀、独りは鉄扇……暗器の類かな) 」
水穂「いやぁ~……しかもソロモンで肩を並べた相手と戦うとは…… やー、ごめんね錬一くん!頼りになるか分かんないけど、まぁ一生懸命やってみよう!(朗らかに笑う) 」
ネモ「 チ ャ キ リ … ――――行くよッ!! (試合開始の合図が下されると共に、真っ先に錬一へと駆け出す。その勢いは押し寄せる火炎の如く、距離が縮まれば縮まるほど、熱い――) 」
ラタティム「………《ソロモン十二使徒》か……(水穂とブランシェン、相対する両者を傍目に目を細める) なかなかになかなかでなかなかな組み合わせだ。グランバールもやってくれるな。 」
シクラ「……(ラタティムが発したワードが耳へ入り込み、閉口するように口を結んだ)……さて、団体戦ともなればやはり重要視するはなんといっても協調性だ。伐刀者の中には一個人での力の発揮は乏しくても、味方とうまく協調できればより大きな力を生み出す。一人では決して成し得ることのない、未知の力を、な。 」
メトロ「協調性…未知の力……あっ…(先日の白狼攻防戦にて、ネモたち学生騎士が一丸となって親狼を討伐したシーンがフラッシュバックする) 」
水穂「さって……あっちは始まったっぽいかな~(ネモと錬一をちらりと見て)ぶっちゃけさ~、あたしは個の武勇には自信無いんだよね~。ソロモン十二使徒サマと戦うには役者不足じゃないかな~(鉄扇をひらひらと動かし、戦意を感じさせない言葉を紡ぐ) (まずは様子見したいとこだけど……戦況はどうなるかな) 」
泉北「方やソロモン十二使徒、方や……(その先を言い掛けた所で口を噤み)凄いマッチアップだなあ、他の二人もそこそこ有名どころの有望株だし…… 」
〖志美〗&【純玲】:〖……姉さん、あの方が…〗【そうだね…あれが噂の《ソロモン十二使徒》の一人…――――― 『聖花のブランシェン』。 】
ブランシェン「一対多は得意なんですけどね、まあこういう場は……ある意味デモンストレーションでもありますし、模擬戦の一環ですよ、楽しくやりましょう(錬一に真っ先に突っ込んで行ったネモを見、ステップの様な軽い足取りで水穂と距離を詰め始め) 」
錬一「ハハハ、頼らせていただけると助かるんですけどね……ご存知だと思いますけど。(八字眉で申し訳なさそうに苦笑し)————強いですよ。ブランツェンさんは言わずともがな、彼女……ネモも(終始固有霊装を出現させず、向かってくる相手を睨みつけ) ッ……!(熱源が迫り間合いに入るだけで冷や汗が噴き出す。それでも交差領域に至るまで微動だにせず居合を放つ予備動作を維持し) ヒュ ッ (『固有霊装』を使わない。上体を大きく逸らし回避しつつ、相手の突進する力を利用して大きく点灯させようと足払いを振るう) 」
ネモ「 ヒ ュ バ ッ ―――― っ゛!(急接近からの抜刀、しかし斬撃は逸らされ、すれ違いざまに足払いされ転倒する…と思われるが―――) グルンッ―――(そのまま前のめりに前転して態勢を整え直し) っ は ! ! (振り返ると同時に、刃の薙ぎ払いと共に熱波を放出した) 」
シクラ「…いつになく燃えているな。だが、熱中して見事に相手の策に嵌りかけた。冷めることの重要性も身に着けてもらいたいものだが…(転倒されかけたネモを目にやれやれと額に人差し指を添える) 」
夢華「…聖花のブランシェン…(ブランシェンを見て)ソロモン十二使徒、脅威の的になりそうだね… 」
メトロ「ほわわっ~…!ネモちゃんと錬一さんが…!二人とも頑張ってくださーい!( >꒳<) ネモちゃんのあの炎すごいですよね…!あの固有霊装の刀から一体どうやって発火させているのでしょう? 」
シクラ「ん……?はははっ、なるほど。やはり"そう"見えるか。(メトロの発言にくすりと笑う)厳密には、アイツの固有霊装はあの刀じゃない。刀から放出されている「炎」そのものがあいつの固有霊装『イグニーズ』だ。原形を留めない炎の刀を作り出し、焼き尽くす能力…だが、それだけでは斬れないものも多くある。形のない炎に形を与えるのが、あの刀…『カンデラ』。高校入学祝いに私がプレゼントしたオーダーメイド品だ。 」
錬一「(間合いを外すと範囲攻撃か……早い段階で知れたのは収穫だ) キュ ッ (背を若干丸めながらスライディング、『熱は上へ向かう』という特性の虚をつき仰向けにことで回避。そのまま背骨の反り返りを利用し、足を天井へ突き上げネモの顎を狙う) 」
碧「うちの学校の脅威の的、多くないかなぁ…対戦相手のあっちの方もすごいし。(ネモの熱波を見て)理事長も気が気でないだろうね(観客席の向こう側を見やり) 」
水穂「…………(こっちはリーチの面に置いて2人とも劣ってる……正面からの戦いでは不利に見えるけど……) ―――――シュパァッ!(下手投げで鉄扇を回転させながらブランシェンの頭上に落ちるように上へ放る) 」
ネモ「がッ――――(突出する錬一の足に顎元を蹴り上げられ、一瞬宙へ浮かぶが――)――――『017』!(背に隠すように握っていた鞘から仕込み刃が展開) はぁっ!! (すぐさま取り出すような挙動で鞘を振り抜き、仕込み刃で斬り払った) 」
シクラ「カンデラは唯一無二の絡繰刀剣。一見はただの刀に見えるが、その内部には数十以上の機能が仕込まれている。人は武器、能力、体術・剣術などの潜在力…それぞれ一つとってみても無数の戦い方を編み出すことができる。…だからネモには、一辺倒で単調な戦いをしてほしくない。"人間には様々な可能性がある"。そのことに気づいてほしいんだ。 」
ブランシェン「(何の仕掛けも無いとは思えない、彼我の出力の差は向こうも理解している筈……それだけ分かれば、今は十分)……良いですね、搦め手。見栄えも良いし……正面から、叩き落しましょう(直剣を頭上に掲げ……莫大な魔力を直剣の根元からレーザーの様に伸ばし)"エクスカリバー"、とでも名付けましょうか(頭上に投げられた鉄扇ごと水穂を叩き斬ろうと、直剣を振り下ろす) 」
錬一「—————(やっぱりそうだ) ふ ッ !!(常に攻撃が直撃するギリギリ、ミリ単位の際を見極め、刃が首に当たるよりも前に腕をくの字に折り関節で挟むことで刃を振るうネモの腕を封じ込めようと打って出る) 」
水穂「ちょっ!?(上空の鉄扇を撃ち落とす隙に懐に潜り込もうとしていたが、エクスカリバーを見て進もうとした足を止める)ちょい待ちちょい待ちタンマタンマおわぁぁぁぁ!?(ぴょいっと横跳びしてエクスカリバーを避ける)大人げない!大人げないぞソロモン十二使徒~!!(ひーっとデフォルメ涙目で) 」
ネモ「――――!?(動きが、"読まれてる"…!?) っ゛…! く…ぅッ…!?(挟まれる関節によって刃は錬一の身体に直撃する前に止められてしまう)……お見通し、ってわけね…!(悔しそうに口端を上げながら、眼前の錬一に睨みを利かせる)……!(その時、ブランシェンが振り下ろした強大な斬撃「エクスカリバー」が地面を穿つ衝突音に反応してしまう) 」
柚子「………(観客席で試合を見ている)なんだ、あの刀…レーザーのように伸ばせるというのか…(ブランシェンのエクスカリバーを見て) 」
ブランシェン「こうして団体戦の最初の組み合わせとして選出され、大勢の方に見て頂いている状況なんですから……見栄えを良くしないと。搦め手と知略、対するは莫大な出力……悪くない脚本でしょう?(錬一とネモを横目に見ながら、レーザー状の魔力の放出を止めて水穂に再び軽い足取りで距離を詰めていく)向こうもワザと技のぶつかり合い、固有霊装の個性を活かした戦いをしているんですから 」
メトロ「人間には様々な可能性がある……とてもいい言葉ですね! あっ…!(流石錬一さん…ネモちゃんの動きを理解している。) 」
陸「彼女はかっての戦いで多大な戦果を挙げたソロモン十二使徒の一人、ブランシェン・ラザフォード。Aランクの学生騎士です(柚子の横で解説) 」
錬一「清々しいぐらい真っ直ぐな性格だからね。君————(一瞬だけでも動きを止めるのはしんどいのか引きつった笑みを浮かべつつ)————ねッッッ!!!!!(自らの上体を無理やり捻り、抱え込むような形で腕を取って地面に叩き付けようと投げる) 」
シクラ「ははは、すごいな…(ブランシェンの苛烈な一撃、それを容易く避けてみせる水穂に感服する)……(その一方で、「うーむ…」と曇った表情で我が娘を見る)能力と武器のスペックに振り回されている節が見えるな。未だ固有霊装はおろか武器も出していない、傍から見れば丸腰の相手に翻弄されているようじゃ…先が思いやられる… 」
水穂「――――っと、ぉ!!(ネモがこちらに反応したのを見て再び手元に鉄扇を出現させる)――――"風磨 錬一"!! "突撃"!!!(鉄扇を錬一に向ける) 」
―――――ドッッッ!!!(錬一にオーラが出現し、"速度"と"攻撃力"が飛躍的に上昇する)
柚子「むむむむ……(ブランシェンを見て)あの女もチェックリストに入れろ。観客席の倉瀬にも伝えるんだ…!徹底的にリサーチせよと…!(ぐぬぬ 」
ネモ「なっ―――――(「真っすぐな性格」、父やいつか相対した好敵手にそう何度も言われたことを投げつけられる刹那の内に思い返す)――― バ ァ ン ッ ―――(そして地面へ叩きつけられる。その時、自身の中で時間の流れが穏やかになっていくのを感じた…) 」
ネモ「…………はは…確かに、そりゃそうだ。(練一の足元で大の字に倒れている中、何かに気づいたように自嘲気味に噴き出した)こんなんだから…いつまで経っても届きやしないんだ…(ふらふらと立ち上がっていく)……やっと、冷(覚)めたよ―――――『039』。 」
ガ ッ シ ャ ン ッ ! ! (ネモの音声に反応した彼女の刀剣。その鍔部と刀身が90度に屈折し、まるで「ブーメラン」のように変形したのだった)
ブランシェン「……っと、これは予想外………!(此方に注意が向いたネモと、水穂の号令。そして錬一がオーラを纏った事を把握し)……(最悪二対一でも良いと思ってましたけど、ちょっと遊び過ぎたかな…)……ネモさーん、援護しますよー!! 」
錬一「 ! トンッ(気配の変容を察し倒れたネモからバックステップを踏んで間合いを開ける)しくじったな、僕にとって良くない何かを与ちゃったらしい……(一撃でも受ければ敗北し得る攻防を繰り広げ息が上がり、疲労感に襲われ苦し紛れに笑っていたが) ———!(身体が軽い……身体能力強化、玄田さんか。ありがたい……ッ!) 」
夢華「…容易に想像につく(碧の言葉を聞いて)‥…ブーメラン?(ネモを見て) 」
水穂「ブワッ――――(ブランシェンが僅かにネモと錬一に注意を向けた瞬間、跳び上がって頭をかち割る様に鉄扇を頭めがけて振り下ろす) 」
ネモ「――― 鼠ガ廻ル型《ムスラトゥス》 ――― (屈折した刀剣、それは前代未聞の姿形。誰が見ても、刀としての機能が失った以外何にも見えない。だが、その変わり果てた刀を握る少女は――――大胆不敵に笑っていた) グ ッ ―――― シ ュ バ ッ ! (屈折した刀を振り抜き、そのまま何のためらいもなく投擲した) 」
ザ キ ィ イ ン ッ ! (投擲されたネモの刀剣が回転しながら飛び出し錬一へと襲う。) ヒ ュ ン ヒ ュ ン ヒ ュ ン ――――― ザ キ ィ イ ン ッ ! ! (そして、投げ飛ばされた刀剣はそのまま彼を過ぎて弧を描きながら飛びまわり、やがて――――水穂が持つ鉄扇を弾き飛ばすように彼女に襲い掛かった)
メトロ「うひゃあ…!(地面に叩きつけられたネモを「痛そう…」と思わず両手で顔面を覆った)これだと錬一さんに分があって………?な、なんですかあれ…!?(突然屈折したネモの刀に仰天する)投げ飛ばしました!しかも……ブーメランのように、飛び回って…っ…!?(信じられない光景に目を奪われ、飛び回る刀の行方を目で追い続ける) 」
水穂「――――ッ!?(鉄扇が弾き飛ばされ、武器も持たず跳び上がった無防備な状態になってしまう)――――錬一くん!!こっちはいいから、この隙に本体を!! 」
ネモ「 シ ュ ボ ォ ア ッ ! ! (刀を手放した後、広げた両腕から炎を放出し、燃え盛る道を描きはじめる)―――― 爆ぜろ!!“火鼠”ッ!! 」
―――― ボ オ ァ ア ッ ! ! ! (飛び回るカンデラがネモの放つ炎の道の軌道に乗ったその時、刀そのものが発火。回転によって空気中の酸素を搔き集める刀剣は、更にその熱を強く帯び始めていく)
錬一「しま—————(狙いは玄田さんか……!フォロー、いや間に合わない!ここは————)玄田さん避けてッ!(回避を促しつつも前方へ一気に駆け出す。狙うは一点、ネモであることは伺えるが) スン ッ (体制を低くし右の掌を床へ向け、左手の掌は前へ突き出す。掴みかかる予備動作にも見える、先に見せた足払いの予備動作にも見える。『先』の読めない態勢で刃を投擲したネモの間合いに入る) 」
ブランシェン「(隙を突こうとした水穂の鉄扇が弾き飛ばされた事、ネモの固有霊装が覚醒した事、錬一がネモを狙っている事……それらを素早く把握し、ネモと交錯するように錬一に向かい)残念ですが、させませんよ…!(先程とは比べ物にならない、凄まじい速度の踏み込みで錬一の眼前まで飛び込み……すれ違い様に、錬一を直剣で一閃) 」
ネモ「 パ シ ン ッ (手元へ戻ってきたカンデラを手に、屈折したままの刀剣を振りかぶり――――)―――― っ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ ! ! ! (こちらの間合いに入ろうとする錬一へ、高熱を帯びた焔刃を炸裂させようと飛び出した) 」
グランバール「 止 め ッ ! ! ! (停戦の合図を下した) 試合はそこまで!両チーム、退散せよ。 」
ネモ「おっ?おっ?おわあああぁぁ~~~~!!?(今まさに大技を繰り出そうとしたその途端、停戦の合図に動転する)――――『004』!!!(そのコードを発した途端、錬一に迫ろうとしていた炎刃が瞬間的に鎮火。炎を失った屈折刀は彼の目の前で空振り、事なきを得た)………っはぁぁぁぁ~~~……危なかったぁ……!!(尋常ではない冷や汗を腕で拭った) 」
錬一「 カ ツ ン (鉄を打つ音が脳裏に響く、何度も何度も熱した鉄を打つ音が) ———『抜刀』——— (左手はフェイント、本命は地にかざした右手) ゴ リ ッ (ほぼ床に接した掌から刀が生成され『地に埋まった状態』で生成されていた。視界に映らないという虚を突き)———— 疾ッッ!!!!(渾身の逆袈裟を振るおうとするが)—————— ピタ (**の一声で互いの交差領域に入ったまま硬直) っはァァ—————(片膝を突きがっくりと脱力した) 」
ブランシェン「("止め"の号令と共に固有霊装を格納し、錬一から離れ)……っと、危ない……色んな意味で危なかったです、いやあ良い勝負でした 」
メトロ「……とってもひやひやしました……!(観てるこちらまでどきどきしたように胸元に両手を添えていた) 」
シクラ「……まったく、危なっかしい娘だ…(やれやれと苦笑交じりのため息を吐いた)……だが、そうだ。焦らず、一歩ずつでいい。(呟くように、小さな声で彼女に父親形の励みを送った) 」
水穂「ポテンッ(着地する)いやぁ~……やっぱりちょい厳しかったかなぁ?でもま、結構頑張った方だよね!お疲れ、錬一くん!(にぱっと笑って錬一に近付き、ハイタッチの構え) 」
美優「すっげえ…ヒヤヒヤしたわ(観客席でへたりこむ) 」
ブランシェン「ネモさん、凄い固有霊装でしたね!お身体は大丈夫ですか?(ネモに手を伸ばし) 水穂さん、錬一さん、良い試合でした。(二人に笑顔を見せ) 」
ネモ「はぁ……はぁ……ふぅー… ……ありがとう。(目の前の錬一に握手を求める。その感謝には対戦してくれたこと、大事なことを気づかせてくれたこと、様々な意味が込められていた…)あっはは…ごめんね…あんまり役に立たなかったや……!(差し伸べられた手を掴むと、その天使のような笑顔に思わず見とれてしまう)……ハッ!う、うん…っ、大丈夫……いや、それにしても、すごい攻撃だったね。あんな真似できないって。(ブランシェンに最初は申し訳なさそうに頭を下げるが、次第に彼女への好奇心から目を輝かせる)……!あ、あの…えっと………ありがとう。(水穂にも握手を求める。結局、この試合で終始何事もなかった彼女には、必要以上の言葉を発さず大人しいそぶりを見せるのだった )」
錬一「あ”、は”ぁ”い”お”疲”れ”様”て”ぇ”~~す”(絵のタッチがギャグ調に変わりふらつきながら糸目でハイタッチ)すみません玄田さん……戦力分担にてっしてたんですけどそっちにまで飛び火して…… どういたしまして。って言えるほどの事した覚えないんだけど……(疲労感と照れ臭さで弱々しく苦笑いし指先で頰をかきながらネモと握手を交わす)せこく生き残ってたけどあのまま続けてたらたぶん君の勝ちだった。このままでもいいんじゃないかな。人の数だけ強さがあるし、君はこのままでもいい……称って僕は思うけどね。 」
錬一「ええ、お手合わせいただきありがとうございました。戦いにすらならなかったろうけど、ソロモン十二使徒のお力を直に体感できなかったのは少し残念ですけど(ブランツェンへ襟を正し一礼。実直に感謝と僅かな心残りを伝える) 」
ブランシェン「魔力を放出して叩き付けただけの大道芸です、きっと出来るようになりますよ(ネモの手を軽く引き)ネモさんの礼装も素敵でした、きっともっと素晴らしい騎士になれますよ ……お二人とも、本当に素晴らしい勝負が出来ました、いずれ機会があればまたお会いしましょう(ネモと同様に対戦相手の二人に握手を求め) 」
水穂「いやぁ、あたしも個の武をもっと鍛えなきゃなぁって思わされたよ、改めてね!良い戦いだった、改めてよろしくね!(ネモとブランシェンとにこやかに握手をする) 」
グランバール「それではこれより…「他校合同特別演習」 最後の演習を行う!君たちに行ってもらうのは…――――「鈴取り合戦」だ! 」
グランバール「ルールは簡単。これから君たちには、魔導騎士職員が持っているこの鈴を奪ってもらう。(一同に銀色の鈴を見せつける)鈴を奪取できた者こそ、この合同演習を合格と見なす。むろん、鈴を奪うためならば手段は問わん。好きにしたまえ。 」
グランバール「ただし、職員は一切手を抜くつもりはない。鈴を奪いに来る君たちを全力で返り討ちにするだろう。気を引き締めて最後の演習に臨んでくれたまえ。なお、私は審判も兼ねてこの最後の演習を見学させていただく。では学生・職員一同、配置に付くのだ! 」
泉北「えーと、鈴持ちの一人です魔道騎士の泉北でーす、皆さん本日は遠慮なくかかってきてくださいねー(缶コーヒーを飲みながら、疲れが隠せない様子でひらひらと鈴を掲げ) 」
ジュデア「(ウキウキで準備体操をしている)脚だったらめっちゃ得意だしなんならどっちかというと対人戦の方が得意だし今回やっちゃいますよー!foo-!! 」
ラタティム「ったく、だりぃ…だるすぎてだらしなくだらけちまうがだっりぃからだらけちまう前にだらだらやってちまおうぜ。(倦怠感丸出しの顔でぴしっと仁王立ちしている。その腰元には鈴がぶら下がっている) 」
陽彩「お手合わせよろしくお願いします!(固有霊装の刀を顕現し身構える) 」
シオン「―――――主よ、我が力を振るうことをお許しください(手を組んで目を瞑り、祈りを捧げている) 」
グランバール「…用意はいいな。では――――― は じ め ッ ! ! 」
―― 最終演習「鈴取り合戦」 開戦 ――
泉北「まあ、そういう訳で。ちょっとインチキしちゃうけどごめんなさいねー(開戦の合図と同時に、文字通りその場から”消える”) 」
ジュデア「うわっ容赦ねえ!?(消えた泉北に反応し、他の騎士に狙いを定める) 」
陽彩「――――!?(消え…た……?いったい、どこへ…っ…)(姿を消した泉北に動揺する) 」
美優「……!(消えた泉北を見て)きたなっ!そんなデバイスありかよ! 」
ラタティム「おいおいおいおい…やめろってそんな…そしたらおめぇ……(泉北が消えたことで何名かが自分に狙いを定めてくる)……面倒ごとは本当に面倒だから面倒なんだ。はぁ… 」
泉北「正面からまともにやり合うのが趣旨じゃないでしょ、あれ?私の勘違い?(学生騎士達をラタティムと挟み込むように、学生騎士一行の背後の上空に現れ)ビリっと行きますよー、武器以外も警戒して下さーい(両手に"黒い稲妻"を纏い……着地すると同時に、一向に向かって広範囲の雷撃を放つ!) 」
シオン「―――――ふぅ……(ため息をつき、デバイスも出現させずに戦況を見る)……幻想形態とはいえ……気が進まないわ。そうも言ってられないのも分かるけど……(泉北が消えたのを見て、ラタティムに視線を移す) 」
陽彩「……!?(後ろ――――ッ!) 居合“谷折”!! ボゴォンッ ! ! (地面を叩きつけて隆起した地面で壁を作り、雷撃から身を守る)まるで気配が読めなかったです…一瞬であんな背後に…… 」
ラタティム「……(修道服の少女・シオンと無表情で向き合う)……てめぇの霊装は把握してるつもりだが、丸腰のままこいつ(鈴)を渡すわけにゃいかねえ…――――― 構えろ。 リ ィ ン … ♪ (そう言って自身が取り出したのは剣でも、槍でも、ない。殺傷を齎す武器とは無縁の楽器「ハンドベル」だった。) 」
メトロ「魔導騎士連盟の職員…みな凄腕の能力者とお聞きします。あんなに早い速度で、しかも雷を放つなんて…! ほえ…?えっ、楽器…??あれも、固有霊装の一つなんでしょうか…? 」
ジュデア「あっ……ぶねえ!?(咄嗟に陽彩の生成した壁の内側に飛び込み、雷撃を回避)アレ、あの、アレです!泉北さんの固有霊装!!"固有霊装の場所に自分自身を瞬間移動させる"能力です!簡単に後ろ取られますよ!! 」
シオン「無用な争いを止める為でもなく、力を振るうことには抵抗がありますが……挑まれれば、火の粉を払わざるを得ないでしょう(ラタティムが霊装を出現させたのを見て覚悟を決めたように表情を変える)その霊装、用途は知れませんが―――――この場に居るからには、戦いにおいて不要な力ではないのでしょう。油断はしませんよ(そう言って右手を前に出す) 」
シオン「――――――「רוזאריו מקונן 」(目の前に十字架が剣のように巨大化したロザリオが現れる――――環に繋がれた珠には無数の棘があり、剣の役目を果たす十字架には柄が存在せずその全てが刃となっている)―――――この身は剣……神の法を護る者―――――(棘のある環を手に絡めて固定し、刃を握る) 」
陽彩「大丈夫ですか!?(こちらへ飛び込んできたジュデアに驚きながら)えっ…あの消えたような速さの正体って、そいうこと……それにしても、詳しいですね…!もしかして、攻略法がある、とか…? 」
泉北「"銃爪カラ出ヅル黒雷"(アルトルム・エイントリガー)は被害無し……っと、まあ、説明してくれたしちょっと芸を見せようかな(陽彩達の頭上に双剣型の固有霊装の一振りを投げ、自らも二人に向かって走る) 」
ラタティム「………(対立する少女が手にしたロザリオに、ただでさえ細い目が線のように狭まる)…肝が据わってるじゃねえか。(依然、その場に直立したまま微動だにせず、シオンの先手を待ち構える) 」
エルフリーデ「ほーう。演習とは言えやはり皆動きがキビキビしている。―――――うまい(モグモグ)(表情には出ていないがのほほんとした気分で茶と弁当数十個を平らげている)―――――うまい。モグモグ、うまい。モグモグ、うまい。 」
ジュデア「えっ?いや……武器の場所にしか瞬間移動は出来ないとか……?いや分かりませんよ!!?もしかしたら強度はそこまで高くないかも……うわっ投げて来た!(泉北が投げた固有霊装に反応し、素早く構え) 」
シオン「(幻想形態だからといって、痛みがないわけではない――――棘も、刃も、この手に食い込み血を啜る――――けれど、そう。この程度の"罰"は、あって当然)(ビッと剣を振り、ラタティムを睨む)―――――ダンッ! (踏み込み、それと同時にラタティムの懐に移動している――――その非力そうな見た目には似合わない純粋な"速さ"で)ヒュッ――――(そして、躊躇なくラタティムの首元を目がけて突きを繰り出す) 」
陽彩「……百聞は一見に如かず、ですね…!(頭上へ投げられた剣、そして無絵画から向かってくる泉北それぞれから視線を外さないように刀を身構える)――― “手裏剣”!!(壁から身を乗り出し、回転を帯びた斬撃波を二つほど泉北へと放った) 」
ラタティム「―――――(呆然としているのか、対応に遅れて気づくのが遅かったのか、あるいは何も考えていないのか… シオンが駆け抜ける最中でも表情も動きも一切動きを見せない。そして、彼女が振るったロザリオ、その切っ先が今まさに自身の首を貫こうとした…その時だった―――――) 」
ラタティム「 「 ボ ン 」 」
――― ボ オ ォ ン ッ ! ! ! ―――(それはあまりにも一瞬の出来事だった。突然ラタティムが「爆発」し、迸る凄まじい衝撃にシオンの身体が吹き飛ばされたのだった)
泉北「おっ……良い判断だわ、ちゃんと警戒してる……学生騎士レベル高いなあ(しみじみとしたような口調とは裏腹に、軽やかながら凄まじい速さの跳躍で陽彩の投げた手裏剣を飛び越えながら、もう一振りの固有霊装で陽彩に斬りかかる……と見せ掛けた"一瞬"のフェイントの直後、魔力を帯びた強烈な跳び蹴りを陽彩に放つ) 」
エルフリーデ「……うん、さて、腹ごしらえも済んだし、我もまた鈴を取られぬよう動くか……(ぐっと立ち上がり)――――アルトリウス、抜錨!(黒い大剣を携え、今まさに熾烈を極めている面々の方へと) 」
純玲「――――歌え、凱鎧《 ハルナス 》!(空中にて顕現した鞘盾より両刃剣を振り抜き、頭上よりエルフリーデへと迫り、その頭をかち割る勢いで剣を振り下ろした) 」
シオン「―――――ッ!(爆発によって吹っ飛び、空中でくるりと一回転して着地する)――――今のは……(攻撃の正体が分からず、ラタティムが居た場所に視線を送る) 」
辻村「ようはあれじゃろ?鈴取られなきゃ勝ちなんじゃろー(遅れてリングに上がるなりどういった理屈なのか残像を残しエグザイルを始める)とーれっるかな、ほい。とーれっるかな、ほい。 」
陽彩「(まずは本体に急接近を持ち掛け、それから――――)――――!(泉北の件を斬り払おうと刀を振るったその直後、フェイントに嵌り、跳び蹴りが胸部へ突き刺さるように直撃する)かはっ――――ザザザァーッ…!!(蹴り飛ばされる最中に態勢を整え、間一髪着地する) 」
ラタティム「 バ サ バ サ バ サ ァ … ッ … ! (爆風に靡くコート。白い硝煙の中で、男は先程と同じ態勢のまま佇んでいた) 戦いは…相手の動きをよく見、その先の二手三手を打つ術を瞬時に把握し、実行に移すことが定石。じゃあ、相手の動きが分からねえなら?ありぃは、相手が動きを見せようとしねえなら?……おめぇはどうする。 」
ジュデア「ガチで蹴ってる!?……流石に、黙って見てられませんよ…っ!(陽彩が蹴り飛ばされた直後、脚甲型の固有霊装――ヴァレンバーグ――でのドロップキックで泉北の側面から反撃を叩き込む) 」
エルフリーデ「ほう、よもやよもや……。(上空を見上げ、純玲が舞い降りてくるのを見て)まさか上からの攻撃を許すとは。…世間ではこういうのだったな(スッ)『穴があったら入りたい』、とッ!!(次の瞬間、アルトリウスの刀身が急激に赤熱し、そこから膨大な灼熱の気が噴火するように立ち上る。幻影形態とはいえ、その熱は凄まじい物) 」
泉北「(先程上へと投げた固有霊装……"雷纏イシ漆黒ノ双縛剣"(ツイン・シュヴァルツ・ライジングクリンケ)の許……ジュデアの直上に瞬間移動し、踵落しの要領でジュデアを上から踏み付ける様に、ドロップキックを文字通り"叩き落とす")まあ、ほら、戦いの基本は格闘って言うじゃないですか、これでも前線に出てるタイプだからちょっと自信あるんですよね 」
純玲「 ッ! (噴火のように沸き上がる高熱の熱波に吹き飛ばされたことで急襲が失敗。そのまま着地する) 「水蓮純玲」―――あなたの鈴《 くび 》を貰い受けるわ!(エルフリーデに剣を突きつけ、大きな鞘盾を前に身構えたまま真っ向から突撃する) 」
シオン「…………(じわり、と十字架が血の色に染まっていく)申し訳ないけど……私たちは兵士でも、戦士でも、騎士であるつもりもありません。私たちはただ、神の法に依って生きる者……謀があれば、意志を以て貫くのみ――――(再び構え、ラタティムに飛び込んでいく)姉さんならもっと上手くやれるかもしれない――――でも私には、これしかないから!(踏み込み、ラタティムを斬り付けにかかる) 」
エルフリーデ「ふむ、真正面から来るか。それもよし・・(グググググググ)――――果てるなよ。(轟ッ!!)(低く構えたその足元からまたしても膨大な熱が発し、溶岩地帯のように大地を変異させていく)我が炎に挑む彼女に、祝福あれ―――――ぬんッ!!!!!!!(彼女もまた真っ向から斬りかかる。その勢いはマグマの大津波と言っても差し支えがないほどに」 」
ラタティム「…信教に剣は不要。んなら…――――その意志の強さを見せてみな。(コートのポッケに突っ込んでいた片手を引き抜く) 「 ザキン 」 ( 一声 ) ザ キ ィ ィ イ イ イ イ ン ッ ! ! ! (シオンが振り下ろす刃がラタティムに直撃…しているように見えたが、実際は数センチ"届いていない"。まるで、見えない斬撃が彼女の攻撃を阻害しているように、その斬撃を受け止めていたのだ) 「 ボン 」 ボ オ ォ オ ン ッ ! ! (再び全身が爆発し、シオンを吹き飛ばしその距離を突き放す) 」
純玲「くッ……!!(身構えた鞘盾で前方からの熱風を凌ぐ) いくぞぁッ!! ( ガ ッ ギ イ イ イ ィ ン ッ ! ! ! )(威勢を放ち、こちらも斬りかかってエルフリーデの剣を正面から受け止めにかかる) 」
陽彩「はぁ…っ…はぁ…っ……(胸に痛打した痛みに顔を歪ませながらも立ち上がっていく)まだです!タンッ――――“折鶴”!!(駆け出した直後、鶴を模った斬撃波を放ち、それに続く) 」
シオン「ッ!(斬撃を受け止められ、刃が手に食い込む。その度に十字架が赤く染まっていく)くっ――――けれど、まだ!(覚悟はできていた。そのため大きく吹き飛ばされず、先程よりも速く斬りかかる) 」
エルフリーデ「受けたか…ならば圧倒的な力で……押し通すッ!!!!!(一旦バックステップで距離をおいたと思った直後に一気にまた距離を詰めて上段からの叩き割りに近いような斬撃。――――だがあまりに異様。剣の軌道に合わせるように溶岩もまた彼女に襲い掛かる。) 」
泉北「……まあ知り合いだし良いや(踏み付けたジュデアに"黒雷"を浴びせながら陽彩に向き直り)鈴取らないと終わらないからねー、どんどん向かって来てなんぼだからねー(固有霊装を構えながら"折鶴"を迎える)……見た目からして違う辺り何かしら仕掛け持ちかな、何が来るやら("折鶴"を最小限の動きで身を捻って回避を試み、同時に向かってくる陽彩からは目を逸らさず) 」
ラタティム「 『ブレーメンの音楽隊』――― それが俺の霊装。音を自在に生み出し、操り、それを聞いた者に相応の効果を齎す力だ。 「ドン」 ドォンッ ! ! (一声の後、見えない壁がシオンの斬撃を再び受け止める)ノーシーボ効果を知っているか?所謂、"暗示"だ。聴力を利用した"思い込み"で敵を翻弄する。つまり、俺はただ音や声を発しただけ。これが「攻撃」として認識されるのは、てめぇの耳が「そう」だと認識するからだ。 」
ラタティム「シスター、おめぇは神の声が聞こえるんだろう?俗世の音に左右されない、汚れなき「心音」に耳をすませろ。そうすりゃ光明が見えてくんじゃねえか。 」
純玲「ッッ……!! ギィインッ ! ! (叩き割りの衝撃を盾で受け止め吸収するも、その"圧"に歯を食いしばる)――――!!(だが、目の前のエルフリーデの斬撃を受け止めるだけで精一杯の自分には、追随する溶岩への対処ができない。絶体絶命と思われた、その時―――) 」
志美「――― 被れ、栄冠《 クローン 》 ―――(その時、純玲に襲い掛かる溶岩を、空を舞う六剣が鮮やかに振り払った)スタン…――――お待たせしました、姉さん。(姉・純玲と並列し、エルフリーデと対立する) 」
陽彩「 にっ――――(泉北が“折鶴”を回避したの見やり、口角を僅か上げた) はっ!! (そのまま泉北へ、受け止められる覚悟で斬りかかる)――― 折鶴『 連鶴 』!!(その口上を発した後、回避され、上空へ舞い上がった鶴の斬撃が弾け飛ぶ。すると、それは無数の小さな鶴型斬撃となって折り返すように泉北へと降り注いだ) 」
エルフリーデ「あぁ、そうか・・・聞いたことがあるぞ。(志美と純玲のふたりを見て)姉妹の伐刀者だったか?ふたりでひとりの力を持つ。なるほど、それもまた力か。(ガチャリと大剣を肩に担ぐようにして構えながら一瞥) 」
シオン「――――いいえ。聞こえないわ、そんなものは(斬撃を受け止められ、自嘲気味に笑う)妹には聞こえているらしいけれど――――ね。ご丁寧にありがとうございます、けれど……搦め手は好みませんので。この戦いを終わらせるため――――押し通らせて頂きます(狂気にも思える真っすぐな瞳、真っすぐな意志を見せる)シャッ――――(ラタティムは動かない、そう確信を持って再びラタティムの懐に瞬時に飛び込み、片手で剣を突き出す――――) 」
メトロ「シクラさんの言っていたこと…伐刀者は協調性により、壮大な力を発揮する。あのお二人…「水蓮姉妹」は、一個人は中堅クラスでも、二人一緒ならAランク魔導騎士にも匹敵する強さを発揮する程の、抜群のコンビネーションを持っているという…(スマホに映し出されているデータを参照する) 」
【純玲】〖志美〗:【さあ、ここから―――】(純玲は先行し、エルフリーデへと接近する)〖――――反撃です!〗(その妹・志美は、踊るような挙動で六剣を手繰り寄せ、今駆け出した純玲の後を追わせるようにその浮遊する六剣を放つ)【っはぁ!!】(両刃剣を左右交互に薙ぎ払う。それが塞がれ、あるいは回避され様とも――――背後からの後援・六剣が次々とエルフリーデを突き刺す勢いで降り注いでくる)
泉北「流石に?ちょっと油断したかなこれ……っ(陽彩の仕掛けた”連鶴”、そして本人の斬撃に流石に焦った様な表情を見せる、が)(先程より明らかに一段階上がった速度で、両手に持った固有霊装の内一本を陽彩によって"あえて弾き飛ばさせ"、もう一本で陽彩の斬撃を受け長しながら、スライディングする様に陽彩の懐に入り)よい……っしょォ!!(咄嗟が故に威力は大きく弱まって居ながらも、人体の動きを一瞬だけ止めるには十分な威力の"黒雷"を至近距離で浴びせ、柔道の"巴投げ"の要領で自らの後方上空――即ち降り注ぐ『連鶴』の方向に、陽彩を投げ飛ばしに掛かる) 」
ラタティム「~~~っ……何やってんだか俺は…(「らしくない」、そう言いたげそうな歪んだ顔で後頭部を掻きむしる) 「ボキン」 ボ キ ィ イ ン ッ ! ! ! (一声後、シオンの振るう幻想形態のロザリオの一部が「砕ける」。破損すると精神に大ダメージを負う固有霊装の性質を利用した、新たな攻撃法でシオンを追い詰めようとする) 」
ラタティム「とっ―――――(だが、突き出されたロザリオーー切っ先が破損してもーーに身体が傾倒し、その刹那、腰にぶら下げていた鈴が舞う) 」
エルフリーデ「……滾ってきたぞッ! 祝福しろ、我が灼熱に挑む彼女らの『絆』にッ!!(更に溶岩の熱量とその範囲を拡大させる。彼女の意思に合わせるようにマグマも踊る。言うなれば噴火している火山が意思をもって動いているようなものだ)ハァアアアアアアアッ!!!(噴火で六剣を押し返し、天まで昇る炎の渦と煮え滾る土。そしてマグマを身に纏うようにしながら純玲に大剣アルトリウスを振るう) 」
陽彩「(――――!!) ガキィインッ ! ! (降りかかる剣を横薙ぎで弾き返し、斬り返す。だがそれは受け流され、懐に潜り込まれる) かは…っ゛…!!? (全身に迸る稲妻に感電し、降り注ぐ斬撃の方へと投げ飛ばされてしまい)――――ひきゃあぁッ!!!(麻痺で動けない全身に自らの斬撃が炸裂し、そのまま垂直落下する) 」
シオン「く、ぅッ―――――!(苦痛に慣れているシオンですら顔を歪め、膝を付いて倒れる) 」
【純玲】〖志美〗:【くっ…ぅぉぉおおおおッ!!!】(怒涛の熱を帯びる大剣を、剣で支えた鞘盾でしっかりと受け止める)〖姉さんは「盾」…私はその「剣」となる!!〗(純玲の肩を踏み台に飛び上がり、弾かれた六剣を再び手元へ手繰り寄せる) ガ ッ キ ィ イ イ ン ッ ! ! ! 〖 やああああぁぁっ!! 〗(六剣が一つに束ねられ、大剣に勝るとも劣らない強大な斬撃を放った)
ラタティム「……ったく…強情なねーちゃんだよ、おめぇは。だが、難儀なこったな。どれだけ威勢が良くても、音に左右されるようじゃ俺には届かねえ。……そうだな…本気で叫んでみたらどうだ。俺の声すらかき消すくらいの、心からの叫びを。……今のお前に、その余力が残ってるなら、の話だが。 」
泉北「うっわっ……(投飛ばして自爆させたとは言え、起き上がりながら陽彩の惨状を目にし)ちょっと追い込んだ所あるから結構な出力で出したよね、ごめんねそこまで気が回らなくて……大丈夫?(頭から落ちる陽彩を素早くキャッチし、地面に寝かせる) 」
陽彩「ひえぇぇ~……(ぐるぐる目で半ば気絶している) 」
シオン「――――いいえ。ごめんなさい……この勝負はもう終わりなの(倒れたまま疲れ切ったようにごろりと仰向けになり―――――先ほど剣を突き出した右手と逆、握った左手を開く)私にはやっぱり、貴方と本気で戦うことはできない……神の法に触れていないのだから――――(開かれた左手にはラタティムの腰についていた鈴があった)本気で戦っていても、貴方に敵いはしないでしょうけれど……ね 」
エルフリーデ「ぬうぅぅううううう……ッ!!(ズドンと重い一撃を防ぎつつも持ち堪える。その際にちりんと腰に付けた鈴が鳴る)――――燃やせ、もっと。我のこの……あの日から『冷え切ってしまった心』をさらに滾らせるほどに。…………命を、心を……ッ!!(負けじと自慢の膂力でギリギリと押し返し始める。そして彼女の周りでは再度噴火が始まる。熱量が上がるほどにアルトリウスの赤熱部分が広くなり、威力が増していく。そして)シュバッ!! ドガァアアアアアアアアアッ!!(突如持ち手を順手から逆手に。刃で志美の剣を滑らせながら、自身をコマのように回転させ、その勢いで横薙ぎと追撃のマグマを放った。) 」
【純玲】〖志美〗:〖うぅぅっ…――――― ひゃんっ!!〗(渾身の斬撃をいなされ、態勢が大きく崩れる)【そぉら――――よッ!!】(その隙に、鈴は取れただろう。だが、姉は鈴よりも妹を取るように、彼女に迫る斬撃とマグマから彼女を庇う様に鞘盾で殴り抜けるようにそれらの猛攻を受け止める)【掴むんでしょ?"一緒に"!】〖……! はいっ!!〗(互いに顔を見合わせ、不敵に微笑み合う)
泉北「まあ、無手を覚えろとは言わないけど使えると今回みたいに役に立つかもね、それじゃ、風邪引かないようにね(グロッキー状態の陽彩の傍から立ち去り)……他に喧嘩売られに行くかあ………(ポケットに雑に突っ込んだ鈴を雑に鳴らしながら) 」
ラタティム「…………(鈴を取られたことは自分員は些細な事。それ以外の何かに癇癪した男は、はあ…とため息をつきながら踵を返す)……俺ぁ、元神父だった。早いうちに辞めちまったがな。おめぇら姉妹と同じように神の法に則ていたこともあったが……信じるものが変わっちまったからな。なあ、ねーちゃん。おめぇが何を信じて生きていこうが俺の知ったことじゃねえが…いつかその「心」が安らげるもの、見つかるといいな。(それだけ言い残すと、次の戦いの場へと歩いていった) 」
エルフリーデ「小細工はいらん……このまま、お前たちにこの炎を叩き込むッ!!(グッと低く構えたのち、跳躍するような爆発力のあるスタートダッシュで姉妹に肉薄する) 」
【純玲】〖志美〗:【行くよ、志美―――】〖-――はい、姉さん!〗(爆発の如き速度で迫るエルフリーデを、志美が操る六剣が左右から飛び交い彼女の行く手を遮ろうとする)【はああああぁぁッ!!】(一方、純玲は鞘盾でエルフリーデの進行を正面から受け止めるように遮り、もう片方の手に握られた剣を強く振り抜いた)
シオン「―――――……神を信じるということは……自分を信じるということです。教えに殉じるということは、自分自身と戦い続けるということ――――安らぎなど、必要ないものですよ(上体を起こし、ラタティムの背を見送る)――――さすがにもう、動けそうにないわね…… 」
エルフリーデ「いくぞ……我は任務を、全うする!!(ぐっと溜め込んだ刺突の構え、からの身体のバネとここまでの勢いを利用した。水平に飛翔する巨大隕石の如き勢いを孕んだ螺旋状の大噴火をまとった平突き)ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!(横の範囲も広く、そして前方へ抉り込む熱と刃。幻影形態でなければ被害なぞ計り知れないだろう威力。―――――姉妹の刃と盾と相対する。それと同時に腰の鈴が一瞬鳴り響いた) 」
【純玲】〖志美〗:【〖-―――はあああああぁぁぁぁああああーーーッ!!!〗】(純玲の強い踏みしめにより、鞘盾を勢いよく押し込んでエルフリーデへ正面から強打させる。そして、飛び出した六剣が複雑軌道を描きながら彼女を四方八方から交錯しつつ斬り裂いていく。だが、それらの攻撃は実はフェイクであり――――)
――――― シ ャ ラ ン ッ ♪(六剣のうちの一本の剣が、エルフリーデの鈴を二つ奪い取ったのだ)
エルフリーデ「――――――ッ(完全な策略、ふたりの息ピッタリの立ち回りに鈴の離れた音がより鮮明に聞こえた)――――――ふ、Aランク魔導騎士として、不甲斐無しだ(一気にアルトリウスの効果が消え、彼女自身にも熱が一気に消えた。まるで急激に冷やした鉄のように、スンとした表情で、次の戦場へと歩き去っていった)果し合いに感謝いたします。(そう言い残して) 」
【純玲】〖志美〗:【〖 ( 取った!! ) 〗】【あ…わっ、わあああぁ!!】〖きゃー!姉さん、ちょっ―――うわわあぁ!?〗(鈴を奪取した安堵で力んでいた精神を緩めてしまい、そのまま二人とも背後へ横転してしまう)〖うぅ…っ…ねえさん……おもた……ぁ…〗【誰が重いのよ!!志美より1kgは軽いわよ!!】〖そっ…そんなことないっ…!!///〗【…あ……】〖……〗(軽くいがみ合っていた中、立ち去っていくエルフリーデの背を姉妹は見送り続けるのだった―――)
最終更新:2021年02月14日 12:36