Rainyday Re:tribution log4

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おっとぉが喧嘩で負けたって聞いたときはびっくりした。おっとぉはオラの村じゃ誰よりも強かったし、それに勝つっていうことは世界で一番強くて、世界で一番怖いやつのはずなんだ。

おっとぉは、そいつにかなり迷惑をかけたらしいので、もう誰にも迷惑をかけないように『ひとぢち』をとるらしい。そのひとぢちがオラだって聞いたときはよくわからなかったけど、とにかくそいつのとこにオラが行くんだってことだけはわかった。すっごくこわかくてねむれなかった

『初めましてクソ ミのクソガキ。私はドロシー、一番大事なものを奪うっていう戦士の約定に習ってお前を引き取ることになった。 ……あれ?これ私程よく厄介払いされてない?』

そいつはおっとぉはもちろん、オラよりもずっと小さな人間の女だった。で、ほんとうにおっとぉはそうだども、オラよりもずっとずっとずぅーっと強くって……オラ達狼よりもずぅーっっとこわがりな女の子だった

ドロシーは強いのに怖いものが多くて可哀想だ。強いのに怖いっていうことは、生き物にとってとってもかわいそうなんだ。強ければこわいものなんてなくなるはずなのに、こわいっていうことは『絶対にどうしようもないこわいもの』っていうことだ。それがたくさんあるなんて、ほんとうにほんとうにかわいそうだ

だから、オラはオズとヤクソクしたんだ。みんなでドロシーを守ろうって。









この列車はァーー~~……【東部中央駅】発ゥ~~~ 【北東中央駅】行ィィィ~~快速列車ですゥ”ゥ”ゥ~~ 間”も”無く”ゥゥゥ【月見坂】駅ィ”ィ”ィ”ィ”~~【月見坂】駅ィ”ィ”ィ”ィ”~~にィィィイ到着ゥ致しますゥゥゥ~~~……お降りの際はァァ~~~……——————————— 」

濁っている気の抜けた車内アナウンスが繰り返される。座席シートに着いている客人は各々ラップトップ端末をスーツケースに収納する、コートを羽織るなどして下車の準備を進めていた手を止め天井を不安げに見上げ首を傾げていた。 」


今の聞いた?月見坂駅って……。」「いや聞いたことないな、月見浜駅を出たら快速だから……終点だろ?」「うわ雨だ、おっかしいな今日はこの辺快晴だって予報で……」「……この雨変じゃないか?なんか黒……」 」

『忘れるな』


『月見坂』かい?知ってるよぉ……失くなった駅だけど……もうそんなに遠い昔になったんだねぇ……。で、それがどうかしたのかい?」「いやだからねお婆ちゃん、次の駅がそこだってアナウンスが—————— 」


『忘れるな』『忘れるな』『忘れるな』 」


ねえパパー見て!でっかいワンちゃん!」「ワンちゃん? どれどれ?………———————。———————……デカ過………ぎないか……いぬ……? おいおいおいおい犬って大きさじゃないぞ……馬、競走馬なんかよりずっとでか………———— 」


『忘れるな』『忘れるな』『忘れるな』『忘れるな』『忘れるな』『忘れるな』『忘れるな』 」


エディ「(会話から感じとられる不穏な気配から、開いたまま顔に乗せていた文庫本を取り払い外を見やる)でかい犬……。この近辺に生息しているのはせいぜい灰色狼ぐらいの筈だ……(不味い、何かが —————)————————。いや、あれ……犬……じゃ、ねえだろ…… 」


『君の父も母も友達もずっとここにいる。我々はずっとここにいる』


■■「    オ     オ  ッ      (黒い霧が『何か』の形を成したような異形が目と思しき赤い光を二つ灯し、今まさに、乗客の親子に襲いかかろうと車窓へ牙を向き迫っていた) 」

エディ「———————!! くっそ……ッ 」



『【絆】を忘れるな』





—————いかにも『軍用です。』とでも言いたげな重厚な外装に巨大な車輪のジープが線路沿いの田園を行く。きっちり法定速度、それ以上も以下もなく、組み木細工のように正確に走行速度を安定させジープは移動を続けた。 」
ヴィヴィ「私魔術師のヴィヴィ。そして今は——————(運転席の”助手席”に腰を掛け借りてきた猫のように表情一つ微動だにせず張り付いた笑みを浮かべたまま石のように動けずにいる)呼吸の 『危機』 。あの無理言って同行させていただいてもうしわげございましたあばばばばば(運転手の女性に対し既視感がある。それが原因なのか目線ひとつ合わせられずにいた)フェリシア……さm……フェリシア、さん? 」

フェリシア「いえ。魔術に精通するお知り合いの方がいらっしゃるとのことで内心安堵しております。政府軍異能対策班を名乗りこそしましたが、私はそちらに全く素質がないもので……。それとフェリシアで構いません。(鈍感なのかヴィヴィのぎこちない様子は気に留めずハンドルを握りひたすら進行方向を見やる)雨雲一つない快晴ですが……、その『量子特異点』というのは突発的に出現するものなのでしょうか。エリアス殿 」

エリアス「うんうん、天候は現代物理学の分野であって、量子特異点は物理学や魔学で未だに解明できない未知の領域、量子力学の深淵にあるような類だ。起床レーダーや、人工衛星等の現代科学で観測はできない。最悪、量子特異点の発生源から我々に接触していない限り、認識できない可能性の方が高いね(ヴィヴィの荷物の上に厳重にくくりつけられたカンテラの中かから声を発する)あれだね、政府軍異能対策課は情報不足の懸念があるね、大丈夫? 」

フェリシア「お恥ずかしい限りです……一応政府軍『本部』には量子特異点発生の際に生じる『歪み』を感知するレーダーを完備しているとのことですが……誠に遺憾ながら、我々のような末端の部署には正しく情報共有がなされないもので。(言葉とは裏腹に淡々と言葉を返しつつ、ラジオのチャンネルを弄る)——————ですので、現場にいる同僚に音声を拾ってもらっています。(本当は盗聴ですが黙っておきましょう)聞いてみますか—————————— 」


『座標KN112に量子変異波動を検出!現場付近を走行中の北東中央行国鉄の信号ロスト、何らかの攻撃を受けている可能性がある!『量子異合種』との交戦となる可能性有!』

『本部より北東K377支部へ伝達。支部駐屯の大佐以上の士官は直ちに『対異能部隊』を編成し現場へ急行、本隊到着まで戦線維持』


ヴィヴィ「フェリシアさ……ん?(張り付いた笑みを浮かべたままラジオと彼女の横顔を何度も交互に見、目をパチクリさせている)なんか偉い事になってますけど……!? 」

フェリシア「———————。(彼女の動揺が直に伝わったかのように速度計が法定速度を一瞬上回る。慌ててロードマップを見、表情が険しくなった)—————座標KN112……この先4kmです。——————(マークスさんが目撃したという人狼……鉄道の信号ロスト……『対異能部隊』の編成……胸騒ぎがする)調査は中止です。現場に急行します。お二人に戦闘への参加義務はありません、我々が戦線に合流次第、この車を運転し退避してください。 」

エリアス「『量子異合種』は手強いけど大丈夫かい。魔術、ましてや量子特異点の知識なしに対抗できるても対処可能な相手ではないよ。ああいや不要なお世話だったね。 ここは彼女の言葉に甘えようヴィヴィ、マークスくん。我々はあくまで『協力者』なのだから 」

ヴィヴィ「———————(——————。助手席で小さくなり膝に視線を落とす。手にした魔道具入りのアタッシュケースにこもった力が抜けない)—————。(何か言いたげだが、言葉は身体の方に遮られ出てこない。そんな様子で、フェリシアを見続けた) 」





———————ジープが進むに連れ幕のような霧が濃くなってゆく。心なしか気温が下がって感ぜられ、ふと前方を見やると霧が薄くなり、線路から乗り上げ停止している列車らしきものが視認できるようになった。列車には外傷もなく、惨事に至ってはいないようだった。 」


「こ”わ”か”った”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”—————!!!!こ”わ”か”った”よォ”ォ”ォ”~~~~ンンン」「お客様のォォ安全のォ確認のためェ点呼を取りますゥゥウ!! アイウエオ順で呼びます!呼ばれた方は返事をしてくださィィィ!!!ハイ!エディ・アルクインさんんんん!」「はい」「エディ・アルクインさんんんん!」「鼓膜破れるんだわ!はいはいいますよ!います!いーまーすー! 」


—————列車の外では車掌と思しき男性と、マウンテンパーカーを羽織った青年が立っていた。車掌は側にいる青年を最初に、乗客が全員無事社内にいるか確認する為、無線で呼びかけているようだった。 」


フェリシア「—————(全員無事……かはわからないが想定した事態に至っていないと確信しひとまず安堵し肩を落としながらジープを降りる)……敵性反応なし……。今なら避難誘導ができる……いやしかし、これだけの人数は…… 」

フェリシア「(—————。まずは状況を把握しないと)失礼、鉄道関係者の方ですか。政府軍の者です。鉄道保安局から通報があり参りました。詳しい状況をお聞かせ願えますか(点呼を取る車掌に声をかける) 」

車掌「え”ぇ”ーーーーー……政府軍の方ァ……です、か!ご苦労様です(後頭部に手を添え何度も頭をさげる)何がってえーぇー……いや、自分もよくわからないんですよぅ!どうしてこんな事になってるんですか! 」

エディ「あーあーはいはい、はいはいはい俺が話します、話しますから車掌さんは引き続きお客さんの安全確認して(会話に割って入り要領を得ない車掌を無理やり車内に押し込め)—————(フェリシアを見、腰に手を当て項垂れる)……。(風の国の騎士様か。めんどくせぇ)—————攻撃があった。得体の知れないデカイ犬……いや『ワーウルフ』だ。(ひしゃげている第二車両を親指で示し、顎をくいと捻る)交戦はしていないがそいつの体当たりか何かで列車は脱線。幸い速度を落としていたからか軽症者多数で済んでいる 」

ヴィヴィ「ヒョコー……スススス……(ジープから顔を出し、抜き足で移動。道中エディを一瞥し首をかしげるも、すぐに列車近くへ移動。ひしゃげた列車の外装に手を当てる)それなりに強度があるはずなんだけど、これ…… 」

中華外務省パンダさん「待機している場合じゃねえ、笹食いたい!(車内で発作を起こしガタガタ揺れている) 」

碧「………?(車内で寝ていたが、状況に気付いて起き上がる)何が起こってるの…? 」

凪沙「………なんだか、獣が体当たりして電車が脱線したみたい…(碧の横に座っていた。寝起きなのか、ぼんやりとした表情で状況を説明する) 」

デルフィナ「(軍用バイクで走りながら、辺りを見回し)確か反応が消えたのはこの辺り……!?(停止した電車、そしてジープが目に入り)あー……良かった、此処で良いのか…?えーデルフィナ…こちらデルフィナ・エランゲル……現着いたしましたぁ……電波飛んでるんですかねこれ(バイクを停車させ) 」

マークス「(のそのそと車から出て現場を確認する)…私は警察や専門家でないので、スイマッセェン、脱線に関してはなにもできないですが。―――――調査はできます。ワーウルフ。なぜ奴がここに。いえ、奴はなにをしにここへ? なぜ電車を襲わなければならなかったのだろう…電車の中に敵性を感じたからか?う~ん…(現場に歩み寄り、注意深く観察) 」

フェリシア「なるほど、徒歩で移動を始めず車内で乗客が待機しているのはあなたの考えですか(腕を組み頷きながら、改めてエディを観察するように目を細める)場慣れはしているようですが、軍が到着した以上民間人を前線には出せません。現状維持には感謝します、あなたも車内へ避難を 」

エディ「いいや、見たところあんた部隊を率いていない通りすがりだろ。少なくとも対亜人種・異能の編成じゃない。リスクはあろうが、腕に覚えのある奴で頭数を揃えて列車全体に防衛戦を張るべきだ。少なくとも俺は避難しない、断る(フェリシアとの相性が良くないのか腕を組み口元をひくつかせながら) 」

フェリシア「デルフィナ……!助かりました、私一人ではどうにもならず手を拱いて……えっ、電波……っ(デルフィナの合流を喜び笑みを見せるもつかの間、咄嗟に自身の通信端末を取り出し何度もタップする)……。県外、孤軍……ですね。(現状を認識し直し再びエディに一瞥をやる)わかりました。協力の申し出、有り難く受け取らせていただきます。(ぐぬぬ) 無理はなさらないでください。有事の際は当初伝えた通りに(マークスの言を受け頷く)敵らしき存在の目的を把握するのは重要ですね。 あなた、エディ・アルクインでしたか。その生物はあなたを狙ったのですか 」

エディ「何かと俺を悪い立場に置くのやめにしない?なんなの?騎士様はガラで判断するの?(逆ちっくな三白眼で口元をひくつかせ)多分違うな。俺が目的なら現時点でどっちかがくたばってる。 最初の攻撃は、『この領域』に列車を留めとく為じゃないかと思うが  そのワーウルフはそれ以来姿を見せていない……が、まあ"居る"だろうな。少なくとも奴から俺達を攻撃可能な範囲に 」

ヴィヴィ「(フェリシア達の会話を耳に入れつつも列車の外傷を確認する。 途中、碧達と目が合い口元をミッフィーのようにキュッと結んだ)() 」

ヴィヴィ「(フェリシア達の会話を耳に入れつつも列車の外傷を確認する。 途中、碧達と目が合い口元をミッフィーのようにキュッと結んだ)ど、どうも~~  」

マークス「わかっています。有事の際はホント、是非。えぇ、バリツはできないんで、スイマッセェン(フェリシアにペコペコ) 領域、ですか。ふむ。領域内にはこれだけの人数。エサとして見るならばうってつけですね。現状下手な動きはできないわけですから。攻撃可能な範囲にいる……か。だとしたら今襲わない理由はなんだ? ……たとえばワーウルフが、1匹ではない場合。(エディの言葉を参考に最悪を想定したイメージを膨らます) 」

デルフィナ「やっぱり止まってます?電波……うーん、ちょっと困ったちゃんですねえ、私達でなんとかしないとって訳ですか。えー、民間人の皆さんもセットなんですね、かつ明確に人間をターゲットにしている、と……あっ、お二人とも、申し遅れました私そこなフェリシアちゃんの同僚のデルフィナです、よろしくお願いします(にっこりと愛らしい営業スマイルを浮かべ、マークスとエディにそれぞれ握手を迫る) 」

エディ「包囲されているとなるとシンプルに厄介だな。充分に考えられる最悪のケースだわ。何人か犠牲になるぞ(焦って居るそぶりこそ見せないが列車を見肩を落とす)だがあれは本当に『生物』なのか? よう見えなかったが、体毛があるないとかじゃなくって……なんていうか黒い液体がワーウルフの形をしているっていうか————— 」

エディ「(いや憶測で物を語るなってシャーロックホームズも言ってるな。黙っとこ……)エディ・アルクインです。どーも(丁寧な営業スマイルに営業スマイルで返し業務的に握手を返……さない)ス……(手から嫌な魔力を感じるな。警戒はしとくか……) 」

エリアス「『量子特異点』の知識がいるかな?(カンテラの状態で使い魔の青アゲハに自身を運ばせながら会話に割って入る)面白い考察だが、言うまでもなくこの列車並びに我々は『量子特異点』に干渉されている。で、『攻撃』をしてきたと言うことはまあつまり『悪性量子特異点』の類だろうね。今回のパターンは状況から察するに『土地が記憶したトラウマ』に『合致した状況が揃った』過去の残影が僕達や列車を『当時の攻撃対象』と認識し襲ってきたとかんがえらr 」

ヴィヴィ「もー!エリアスッ!!わかりやすく!!魔術に関係しない人にも魔術に関係する私にもわかりやすく!(なっがーーい杖でエリアスを殴る) 」

エリアス「ゴンッッッ  あー……まあ例えばここがその昔、戦場だったとする。量子特異点が発生させている過去の兵士達の残留思念みたいなものが、僕達を『敵兵』と認知して無差別に攻撃してくるみたいなもんだよ。つまり、『過去の再上映』がお紺割れてるワケ。つまり……そのワーウルフっていうのはかつてここにいた何かで、列車か何かにトラウマがあったんだろうよ だから『列車の外』は安心さ。だって——————— 」

ヴィヴィ「————————。—————!!(エリアスの性格、行動規範をこの場の誰より熟知している彼女はその意図を読み取り一気に青ざめ、ガッ!とエリアスの入った鳥かごを両手で押さえつける)エリアス!!まさかあなた……それでわざと、私には『前線に出ろ』だなんて……ッ! 」

マークス「あ、これはどうも御丁寧に。探偵のマークスですぅ。名探偵でないのは、まぁ、ご愛嬌ということで(そう言ってデルフィナに握手)量子特異点……以前話してくださったあれか!(エアリスの説明に納得したように反応) 」

フェリシア「フェリシア、ちゃ……ゴホッ ゴホッ (デルフィナの消化に合わせ会釈しつつも拳で口元を覆い視線を右往左往させる)ええ、マークス氏のおっしゃる通りです。敵が複数体、というのが最悪の…… ?(空気感の変わったヴィヴィの様子に疑問符を浮かべ首をかしげる)ええとエリアス氏?大丈夫ですか 」

デルフィナ「……(握手に応じなかったエディに怪訝な表情一つ見せず大人しく引き下がり)(成程……勘が良いみたいですね…)あっ探偵の方……鋭い考察期待しています。個人的には複数の線はありそうな気がしてますけどね、列車事故と言い向こうが組織的に動いている事も考えるべきでしょう……あっ、列車の皆様は詳しいようですね、成程、特異点の干渉……確かに矛盾は無いように聞こえますね、あっどうもよろしくお願いします(再び営業スマイルを浮かべ、ヴィヴィとエリアスにそれとなく握手を迫り) 」

ヴィヴィ「ええっとぉ……!つまりその、その、この現象は『過去にこの場所で、列車か何かにワーウルフが攻撃していた』という事実を繰り返して居るものなの!つまりコレが言いたいのは私たちが列車の外にいる間は『攻撃対象でない』んだけど、つまりそれだと列車が『一番危ない攻撃対象』って訳で……!あ~~う~~!(身振り手振りて要領を得ない説明をしながらも、対処法が思い浮かばず頭を抑え目が渦巻く)とにかく!ワーウルフ、いえ『過去の残影』が列車を攻撃してくる!どうしよう!以上! あ、これはどうもご丁寧に。魔術師のヴィヴィといいます……じゃなくって!! 」

エリアス「手というか肉体がないのが残念だねははは(カンテラの中かから愉快そうに光が点滅し) どうするも何も列車から離れなさいよ。君が立ち向かったところで足引っ張るってば 」

エディ「いやそれ一番ダメなパターンだろ、ふざけんなナメてんのか(真顔でしれっとブチギレる)もろ自然災害の類だろうが。その過去の残影……量子特異点だっけ?それが一体でないと手の打ちようが—————— 」



■■「  ゴ      ン    ン  ン  ・・・・……(雷鳴にも似た金属を打ち鳴らす音が轟く。 宙空から垂直に落下した『ワーウルフの形をとった黒い霧の塊』のような『敵』が列車の屋根に降り立ち、赤い双眸から光を鈍く放っていた。 その背丈、体格は以前マークスが遭遇したワーウルフ、『トト』と全く同一のものであった) 」




マークス「――――!!?(ワーウルフの出現。本能が警鐘をならす中、努めて理性を働かせる)あれは……まさか、『彼』なのか? 見た目や大きさはそっくりだが。 」

ヴィヴィ「———————。—————(既視感。最初にそれに対し覚えた感覚はそれだった。次に吐き気を伴う不快感、そしてシンプルな恐怖)嘘、本当に出た…… ハッ やばい、列車が攻撃される————!! 」

フェリシア「 !! (『敵』と断定できる存在を視界の端に入れるや目の色が代わり、まずマークスの前へ出る。そして手にしたアタッシュケースのグリップに仕込まれたトリガーを握る)————スレイヴニール!!(アタッシュケースそのものが変形し、大盾と槍が一体化した重武装、パイルバンカーへ変形。腕に装着) ┣¨ ン  ッッ!!(間髪入れず拳を振るいそれを■■へ射出、屠りにかかる) 」

碧「……どうもー…(ヴィヴィに頭を下げる)…なるほど、ただ事じゃなさそうだね…(雷鳴に似た音を聞き、スッと立ち上がる) 」

デルフィナ「状況はまあ、概ね分かりました。これから行うべき対処の方も……(懐から曲刀を抜き、魔力を帯びた指先で軽く刀身を撫で)……『月光剣』(魔力に反応し、鈍く輝き始めた曲刀を■■に向けて振るい……"魔力の刃"を射出する) 」

■■「   ゴン (『裏拳』一発でフェリシアの放った雷槍を容易くいなし、『白刃取り』でデルフィナの一閃を受け止める)■■■……?■■■?(フェリシア、デルフィナの両名を視界に入れるなり、列車ではなく、外にいる彼らへ首の向きを変える)……。………■■■ー。■■■ー……■■■イデ……。■■■ーヲ  ツレ テ イクナ……カエセ カエセ ■ノ キシ……!! テイコク……テイコク……!!(『人語』を発した。合成音声に似たノイズ混じりの不明瞭な声だが、確かに愛憎の混じった人語をその獣は発し) 」

■■「ヴィンタニアアアァァァァアアアアア了了了了了aaaaaaAAAAΑΑΑ■■■■■■■■——————— ッッッ!!!!!!!((獣の雄叫びを上げ、デルフィナを剣ごと地上へ放り投げ、屋根から跳ね上がり、衝撃波の発生する蹴りを、地面へ叩きつけ一網打尽にしようとしてくる) 」




VS【量子異合種01:■■】




ヴィヴィ「—————!!(まずい、列車が……!)  ダッッ  (落下予測地点を避け列車へローリングし距離を詰め、彼女の身の丈ほどのある木の杖を床に突き刺し)————『トロイヤの守護』ッ!!(杖から伝う光が列車と自らを包み込み『コーティング』。直で受ければ粉微塵になるそれを凌ぎきる)つ、ア……ッ!! 」

デルフィナ「……なっ…?……チッ(曲刀を余りにも容易く止められ、微かに聞き取れた、■■が発した言葉に何かを察したのか軽く舌打ちし)……二の手を使……ちょっちょっ!!(魔力を込めた手で■■の腕…と思われる部分を掴むが、抵抗も空しく列車から地面に叩き付けられ)が……っ!(起き上がる間も無く、蹴りによる衝撃波で更に吹き飛ばされる) 」

エディ「  ┣¨   ッッッ   (ワーウルフの水天直下蹴りを槍の如く突き出した同じく『蹴り』で互いに足を交錯させ、衝撃波を半減させる)ッ……!!(並みの格闘型マイテイ人以上……ッ!生身にはきっついなコレ……ッ!!) 」

エリアス「あ、コラヴィヴィ!!(静止が間に合わず駆け出し、既にダメージを負った弟子に舌打ちし)チ…… 仕方ないな、君はそういう奴だもんなッ!!(喋るだけのカンテラにも関わらず矢のような速度でデルフィナの着地予測地点に移動し)『ジャックの豆!』(枝豆を模したクッションを地面から生成し、デルフィナを受け止めさせる)頭数が減るとヴィヴィの生存確率が下がる!!いいかい!くれぐれも彼女優先だ!彼女優先だ!!!!!(ちくしょう) 」

凪沙「……これ、やるしかないよ(スッと碧と共に列車から出てくる) 」

ヴィヴィ「エリアス!そういうところだぞエリアスァ!全員平等に守れコラ!!(ギザ歯を見せ抗議する最中、丁度傍のドアが空き、凪沙の登場に目を丸くする)えっ、ちょ……やるって……!?だめだよ!あんなの敵いっこない!時間を稼いでいる間に逃げ……っ! 」

■■「  バンッッッ (地面に手をつけそれを軸にベイ駒のように回転し蹴りで拮抗状態にあったエディを払いのけ)■■■■■■■■!!(木から木へ驚異的な脚力で移動、その過程で豪腕と小太刀のような爪による切り裂きを放ち列車外の面々をこうげきしつつ翻弄する) 」

マークス「(この激戦区の中で、男は生唾を飲み)――――――あの、スイマッセェン。こんな状況でなんですが、すごくごくつまらない質問です。……この地区に水道管は通っていますか?もしくは近くに川とか水場があるとか。("不可解な質問"しかしそれこそ重要な風な物言いで聞く) 」

フェリシア「   ゴッッッ  (真っ先にマークスの前に立ち、大盾で獣の爪による切り裂きを受け流し、飛び交うそれを目で追う)—————アレに心当たりがあるのですか(手短に伝えるように、愛でそう伝えると戦況全体へ目を配る)デルフィナは……まあ無事でしょう。それより……(エリアス殿が心配するのも頷ける。思考と実践能力に差がありすぎる、あれじゃ長生きできない筈だ) 」

エディ「(払いのけられ、続けざまに繰り返される攻撃の嵐の中『徒手空拳』でそれらを受け流し続ける。)くっそ埒が明かない……  は?水道管……?(マークスの言に目をパチクリさせるが、この状況下での発言と冷静に受け取ると周囲を素早く見渡し)"ある"。ここら一帯は水路がある。そこから近くの集落に水を汲んでいる筈だ! あーくっそ一撃一撃が全部重いなこの野郎!! 」

碧「…アップル・スラッシュ!!(爪による切り裂きに対し、同じくリンゴのような形をした固有霊装で軌道に合わせ応戦する。動体視力は計り知れないものがあるようだ) 」

デルフィナ「……なーいすカバーでーす(カンテラにお疲れ、とでも言わんばかりに軽くタッチし、クッションから降り)……ゴリラタイプじゃあないのであんまり良いのを貰っちゃうと多分色々折れたり破裂したりするんで、いい感じに立ち回りたいんですけどね…(眼帯を外し、"魔眼"を露に)しかしまあとんでもない速さと膂力です。骨が折れますねえ(再び曲刀を撫で、魔力を纏わせる) 」

マークス「はい、話したこともあります。ですが……(内容はなんだったか。朧気で思い出せない。鮮明に覚えているのは黒い雨と『彼女』だけ)……そうですか。ありがとうございます。お陰でお力添えが出来そうです。さっき、バリツは出来ないと言いましたが、訂正させてください。バリツは出来ませんが、『別の手段』なら可能です。――――では(頭に手を添えて、顔を引っ掻くような動作で一気に下へ、すると)―――――ギャンッ!!(それはまるで髑髏のような、またはホッケーマスクのような仮面。そして……) 」


メキメキメキ……(マークスが仮面をかぶった直後に起こる地響きめいた音。次の瞬間)――――ズガァァアアアアア!!(地中の水道管が一気に破裂。いくつもの噴水。それは真っ直ぐ上へ上ったかと思えば……)ジュパーーーーー!!(それはさながら鞭のようにしなりそれぞれがワーウルフに斬りかかりにかかる)


凪沙「逃げるって言っても…列車にまで狙いを定めてるようじゃ遅いみたいですよ…!(魚のヒレの形をした固有礼装を発現させ、碧の援護に回る) 」

■■「  ゾ ブッッ  (固有霊装を『実体』として認識しきれないのか、回避する素ぶりを見せず脇腹にアップルスラッシュが炸裂。鮮血……ではなくコールタールをぶちまけつつ、地を蹴りバク宙しながら距離を置くが……) シュ  バァ———z____ッッッ(マークスの異能によって精密に動く水の刃が襲いかかり、身を捩り回避を試みるも内一本が踵を捉え空中で動きが鈍る)……!! 」

フェリシア「この場においてはバリツより上等なのではないでしょうか!(屈託のない笑みでマークスへ賛辞を送り、パイルバンカーを再装填)デルフィナ、合わせてください!(重厚な音を立て照準をロック、■■へ合わせ、直線上の雷撃に似た槍を発射する) 」

エディ「!!(効いた……!)ナイスカバーだ、助かった!(ワーウルフの攻撃を中断させた碧へ短く礼を伝え)隠し球ならもったいぶらず披露しやがれ、宴会じゃーないんだ(マークスの異能の発現に悪態をつくも歯を見せて笑い、手元へ魔力の蒼炎を束ね『剣』の形を生成し)そらワンコロ、おかわりだ。喰らいなァ!!(蒼炎の『壁』が駆け抜けるような一刀を縦に振るい、ワーウルフへ浴びせにかかる) 」

デルフィナ「はいはい、お任せあれ……折角絶好のチャンスを作ってくれたわけですし(その場に立ったまま曲刀を■■に向け……フェリシアと全く同じタイミングで、■■に向けてビーム状の魔弾を発射する)……大サービスですよ! 」

凪沙「……(血じゃない?もしかしてあれって…)…てやぁっ!(飛び上がり、??の脚めがけ横一閃に固有霊装を振るう) 」

■■「      。 (空中では体勢を立て直せない、四人の一斉に放った攻撃が囲むようにして迫る。詰みだ)■■■■■■■■■■■■!!!!!(エネルギーが一点に収束、四散るという爆発の過程に巻き込まれ、四肢をもがれ、左半身が吹っ飛んだ状態で爆風に煽られ地に叩きつけられる)………。—————— (即死だ。遺言を残す間も無く生き絶え、そして消え————————) 」

ヴィヴィ「……。(凪沙の言葉に理があると悟り、戦況を見守る) き……決まった!(即興ながらも確実に効果のあった連携に目を輝かせ両拳を握りその場で飛び跳ねる) 」

エリアス「————————いいや(ヴィヴィの肩近くに浮遊し、冷淡に否定、事実を突きつける)前にも話しただろう。『量子特異点』は過去に根を張り、そして現在へ向かって枝を伸ばすことで今を生きる我々に干渉している。あれは枝だ……つまり—————— 」

■■「(消えない。地面にコールタールの池が生成され、まるで『土地』が彼を生かすかのように、コールタールが負傷した部位に纏わり付き、新たな恥肉となることで再生させていく)イカナ、イデ ■■■ー……■■■……!■■■ー……マモル、カラ オラ ガ ……オズ ガ マモル……マモル……ッッ!!(執念。過去の残滓とは思えぬ程の何かへの執着によって、そのワーウルフは立ち上がる) 」

ヴィヴィ「……。……………………う、そ……(自分の力では対抗どころか、加勢もできない。しかしここにいる戦力でトドメを刺せない。否、倒せても、勝てても『終わらせられない』という現実を前に目から光が消え呆然と立ち尽くす) 」

マークス「基本武力行使は専門ではないので、お役に立てたのでしたらなによりです(フェリシアに)スイマッセェン。色々と事情がありまして(申し訳なさそうにエディに)……(オズ?)どうやら、まだ来るみたいですね。これではじり貧です。なにか対抗策は……。 」

凪沙「…やっぱり。ただの生き物ではないと思ったら…(コールタールを見て) 」

デルフィナ「随分色々喋るんですね、特異点とやら……大本を断ち切らないとアレは斃れない、って事ですか(曲刀を軽く振り回しながら■■と距離を詰め)……どちらにしろ、余計なことをあれこれする前に仕留めたい物なんですけどね。難しいですかね……一応ダメ元で試してみましょうか…ブツブツ……■■■■■(呟く様な声で、何処の国との言語でもない詠唱を始め) 」

エディ「まあ手の内を見せない事情にも覚えがある。悪かったな、無理させて(へっと鼻で笑い、砕け散った蒼炎の剣を投げ捨て再び『シラット』の構えを取る)さっきの話が本当なら……あれは『場所』そのものだ。まずいな……人形シメても人形使いは痛くもかゆくもないってことか 」

フェリシア「切ってダメなら飛沫にすれば!!……そういう話ではないのですね……(勢いのままに殴りかかろうとするが周囲の空気感から察するや構え直す)……!(デルフィナ……間近であまり彼女の本気を見たことはありませんでしたが、聞いたことのない詠唱です。いったい……) 」

マークス「(オズ……オズ……聞いたことがあるような……他は誰だ? 誰の名を呼んでいる? 『■■■ー』? ワーウルフ、オズ、『■■■ー』……この3つの組み合わせは……なんだ!? 頭の中で何かが組み上がるような感覚は!)……行かないで、守るから、行かないで、守るから、ワーウルフとオズが守る。誰を?『■■■ー』を?……まさか、『彼女』なのか? …………『ドロシー』!!(答えがつながった。そしてその叫びはワーウルフに告げるかのように) 」

エリアス「—————。スゥゥゥ…………(カンテラの角度が上向きになり、空を仰ぎ見るような動作をしながら溜息を発する。)まあ、なんだ……『自衛』だ、そう割り切ろう。 ヴィヴィ……。この場においては許すよ。君の本来の使命に準ずること 」

ヴィヴィ「………。——————(エリアスの言葉の意味を察するや、まるで今にも呪詛を吐きそうな、それでいて全てを許しそうな諦観と憎悪の入り混じった目で自らの手を見、肩を落とす)………。うん、そうだね。宿題をほっぽるにも限度があるよね…… 」

デルフィナ「『―――混沌の炎よ、彼の地を呑み賜え』(■■の周囲の地面から紫色の炎が吹き上がり、■■に纏わり吐く様に燃え上がる)……なんてことはありません、錬金術の応用ですよ 」

■■「カ”カ”了”了”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ァ”ァaaaaAAAAA————(愛憎、そして執念、手負いの獣ならではの敏捷性に万全な健康状態にある生物の身体能力が合わさった動きで、真っ先にデルフィナの喉を、いや首を吹っ飛ばそうと腕を振るうが)             。(マークスの放った叫びが、その名が一種の呪であるかのように全身がビクンと痙攣し硬直、マークスへ首の向きを変え……) 」

■■「 ゴ  ウ ッッ —————!!—————!!(デルフィナの術が成立、地そのものを焼く炎に包まれ、その場で狂ったように悶え出す。 削げ落ちた胸部には『首輪』と思しき物体が埋まっているのが見える。地面そのものが燃えているので効率こそ悪いが、それでも尚この地は彼という泥人形を留めようとコールタールを生成し、再生させようとする) 」

ヴィヴィ「———————だああああぁぁぁぁァァァうおああああSHINEえええええええエエエエエエエ!!!!!!!!!!(やけくそ。自らを奮い立たせるため考える限り最大に暴力的な言葉を吐き散らかし、『鍵』に変形した木の杖を両手に振り上げ、デルフィナの前をすり抜け、飛び、■■へ振りかぶった) 」

量子特異点「  ゴボォッッッ  (乱入者に是が非でも再生を邪魔させたくないのか、ワーウルフの足元から木の根が槍のように伸び、ヴィヴィを串刺しにしようとする) 」

デルフィナ「うおっ危なっ……(微かに仰け反らせ、マークスの叫びによる硬直で攻撃が中断された事を確認し、そそくさと■■から距離を取り)……一応阻害はちゃんと出来てますね、熱は苦しいんですかねやっぱし 」

碧「…危ない!(木の根に丸いリンゴのような軌道を描き切り裂こうとする) 」

エディ「(掌に拳を当て突き出す『肘鉄』を穿ちヴィヴィを狙う木の枝を粉砕)  こざッ!!!!—————— 」

フェリシア「——————かしィッ!!(エディとほぼ同時に大盾を振り下ろし木の根を捩じ伏せる) 」

ヴィヴィ「あああああああああああ!!!!!(両サイドから迫る死を、援護を受けて切り抜け、木の根の破片が、火の粉が、目から溢れる雫が飛び交う中。少女は非力な上で、脈打つこの地の残影の心臓へメスを突き下ろした) 」

■■「——————————————。———————————  ………?オマ、エ 」


       ドロシー……        

.
———————————————   ┣¨  ジュ……


ヴィヴィ「         ハァ…… ハア……  ハ  ハァ……   (杖の先端は■■の胸部に内包された『首輪』を突き抉り、そのまま貫通させる形で『摘出』していた。仰向けに倒れる■■に覆いかぶさる形で突き立て、やはり既視感のあるその『人狼』の顔を濡れた瞳で見下ろし、今にも泣き崩れそうな、弱く荒い呼吸を繰り返している) 」

凪沙「……やった……!? 」

■■「・・・・・…… .. ..   .   .           (雨の気配はなく。乾いた風が吹き灰の塊となったワーウルフを形作ってっていたものは、砂絵が波にさらわれるかのように崩れていく。 最後に残った顔が、静かに目を閉じて寝息を立て、完全に消失した) 」

エリアス「今なら使ってもいいよ。うんうんお約束は破るためにあるんだ(スッとさりげなく喋るカンテラが凪沙の頭上に乗り) やったァァァァ!! いやーどうなるかと思ったよ。好奇心は猫をなんとやらって言うけど、無事に課外授業が終わってよかったね!死ぬような思いをしたが生きてるんだからノーカンだ!そうだろうヴィヴィ! 」

マークス「……コッ、コッ、コッ(靴音を響かせながら消失したその場所まで歩み寄る)……思い出をずっと繰り返す思い出、か。永遠に迷子になって苦しみ続ける……。切ないものですねぇ。 」

デルフィナ「やっ……危ない、やったか!?って言いそうになりました、おお怖い……一応消えてはくれましたかね、何も持ち帰れ無さそうなのがすこーしばかり気に掛かりますが…良かった、とりあえず皆さん無事で(曲刀を仕舞いながら) 」

ヴィヴィ「………。(エリアスの言葉には返さず、誰にも振り返らずただ空を仰ぎ見)————本当、ですよ。嫌になっちゃいますね、趣味の悪い呪い……なんだから……っ(涙を絶えず飲み込み、震えながらマークスの言の葉へ同意を示した) 」

マークス「…つくづくこの仕事を受けて正解だと思っています。『迷子探し』は本業の一環ですからね。微力ながら、探偵として全力を尽くします(ヴィヴィの肩を優しくポンと叩くと、面々に振り向いて) 」

フェリシア「—————いえ。(デルフィナの言葉を受け、ようやく沈黙を破りヴィヴィ……ではなく、彼女の杖へ視線を落とし、眉間に皺を寄せる)————“それ”が量子特異点の”核”ですね。エリアス氏。そうでなければ、この子がその首輪に狙いを定めた事に説明がつかない……。(踵を返し、エリアスを見やる)あなたは彼女を、『ヴィクター・ヴァレンタイン』をただの魔術師見習いと言いました。それは虚実ですね 」

ヴィヴィ「キュ……(なんでもいいから何かを掴んでおきたいのかマークスの服の袖を指でつまみ、フェリシアから少しでも距離を置こうと首をあらぬ方へやる) 」

エリアス「うん、確かにすべての情報を共有はしていないね。(あっさりと悪びれずフェリシアの地球を認める)でも彼女が『量子特異点を切除する魔術を習得』していないなんて一言も言ってないだろう?何せ手間暇かけて育てた弟子だ、もし一度でも軍属の前でこれを見せたらどうなる?いやさ、君達ならどうする? まず彼、そこな探偵は知的探究心、いや好奇心から彼女を頼る。まあそこまではいい、君達はどうかな。さぞ便利な『道具』を手に入れた、そう思うだろうね 」

デルフィナ「ああ……それらしい人工物っぽいものとはいえ、随分正確に一点に狙ってましたものね、確かにその辺知ってたなら理由としては納得行っちゃいますね(フェリシアと挟み込むように、ヴィヴィの背後へと軽い足取りで移動し) 」

フェリシア「………。(デルフィナの言葉に頷いて肯定し、そしてどこか躊躇いがあるようにマークスや凪沙を始めとする『一般人』を見渡してからエリアスを正面から向き合う)我々は公に属し、公益と民の安寧を信条に置く軍属です。決定権はありません、しかしこれを報告する義務があります。上があなたの言葉通り、彼女を『使う』とするなら………。(出かかった言葉を喉に詰まらせ、そこで目線を切る。機械になりきれない人間のように) 」

エリアス「……。まあ妥当な答えだ(ふーむと考え込むように点滅し)—————で、納得すると思ったかいヴァカめ。彼女の魔術は他言無用だ。報告だろうがなんだろうが、政府や君の本国の連中に言伝するというなら僕は『詠唱破棄』で『対粛清防御』をヴィヴィに施し、僕は『極星魔術』で自爆する。ここら一帯は消し飛ぶだろうが彼女は無事だ、なにもマイナスはない(冷淡に、ただ今後の方針を業務的に報告するかのように告げる) 」

エディ「おい待て。それってこのお嬢さんに絶対防御バリア張って他の連中諸共自爆するって言ったのかおい。  おいおいおいおいおい(某漫画家よろしくエリアスに詰め寄り両手で挟んで何度も縦に振る)おい、誰かこれ機能停止させろシャレになんねーぞ。寝言は寝て言え、いやこれが寝てるってどういう状態なんだ、おい 」

デルフィナ「……はい、はい!素敵なランタンさん!(揶揄う様に軽く手を上げ)もう手遅れだったとしたらどうなります?今この場で爆発して死にます?私達の作戦記録はもう情報関係の部署に流れてるんですよね、ぶっちゃけ。要員のKIAで何も起きないってパターンが最悪なので、今時の軍事組織ってそんな感じになってるんですよ(んまあ、ハッタリなんですけどね。ちょっとおちょくって様子を見て…後でチクる方法なんかこの場の全員の両手両足の指でも足りないくらいありますし) 」

凪沙「……な、なんですか!?いきなり人の頭に乗って…!(エリアスを見て驚いた顔で) 」

エリアス「つまりそれは……。僕が君の作戦共有『魔術回路』を逆探知して『もう一回』爆散してあればいいってこと?(さも当然のようにカンテラが傾く)まあ死んでるけど不死身ではない、せいぜい爆散しても2回が限界だが、まあ? "フィクション"なんだ、フィクション的な返答でも構わないだろう? はっはっはっは。 ああ失礼、僕の特技は人の頭の上に乗る事なんだ(凪沙から浮遊しつつ、ぐるぐる回り) 」

マークス「(裾を掴むヴィヴィを一瞬見て)横から入るようでスイマッセェン。その、なんの解決にもならない提案かとは思うのですが。―――私がトドメを刺して、その弱点を突いたというカバーストーリーはいかがでしょう?ほら、私探偵ですし。……今ここでヴィヴィに脅しをかけるのは私としても不都合です。まぁアナタ方からすれば知ったこっちゃないことですが。ですが、私自身量子特異点に関して無関係ってわけではありません。そこは彼女と同じです。…あ~どうでしょ? 」

ヴィヴィ「   ガッッッッ    (からかうように浮遊するカンテラ、エリアスを両手で掴み) ゴンッッ(地面に植えつけるようにめり込ませ念入りに踏みつける)————デルフィナさん、でしたか。(フェリシアには名指しせず、彼女だけに『諦観』の先にある、くたびれ果てたが故に肝が座った目を向ける)本部か本国か、そちらの事情はわかりませんがこうお伝えください。『魔術師ヴィヴィ』は、『量子特異点』の切除依頼があらば引き受けます。依頼人が国であろうと、一般人であろうと隔たりはありません。術師に替えができるまで、それを私の職業とします……と 」

凪沙「………あまり頭の上に乗られるのは好きじゃないんです。小さい頃のトラウマがあって……(ジト目でエリアスに) 」

エリアス「ヴィヴィ!?ねえちょっと……————ああマークスくん!君も対粛清防御の対象にしよう、金輪際!金輪際彼女は量子特異点と関わらない!穏やかに生きる為に魔術を学ぶって約束させてくれ!!さもないと……あー……さもないと僕もろともこの辺消しとばして全員死ぬ!!なあなあ説得してくれよう大人として!!(ガタガタア) 」

フェリシア「君は……。そうか、気を使わせてすまないな……(目の前の小さな少女に『人間』と認識されたと理解し、ただただ申し訳なさそうに目を伏せる)確かに、承った…… 」

デルフィナ「何でもアリか、やっぱり面白いですねカンテラさん……ま、ヤメですヤメ。ケイオス全部ぶっ飛ぶ方が速そうです(高度で広範な魔術……恐らくこいつの言ってる事はハッタリじゃあない…こいつに会えたのは私の幸運かもしれませんね、ある意味…) ナイスアイデアですマークスさん!それで行きましょう。貴方への報奨金も確保できますよ! "量子特異点の切断"……成程覚えておきましょう。きっと依頼する日がまた来ると思いますから(ヴィヴィの諦観混じりの目に、ある種同質の気配を感じたのか……ヘラヘラとした営業スマイルとは別種の、微かな笑みを浮かべて返し) 」

マークス「スイマッセェン、エアリス。私は知りたいのです。そしてドロシーに会わなくてはならない。そういう意味では、彼女を利用している汚い大人です。……ヴィヴィは決心したようですね。なら、私もそれに従いましょう。 」

ヴィヴィ「——————よろしくお願いしますねっ!(にこーっと吹っ切れたお天気お姉さん的笑顔を向け、首をわずかに傾ける) マークスさん、さっきはカバていただきありがとうございました(ぺこりと疲れが隠しきれない垂れ気味なお辞儀をし、踵を返し列車へ駆け出す)ようっし!じゃあアフターケアってことで列車の修理も手伝うぞーう!(腕をまくり、脱線している先頭車両へ向かって駆け出した) 」

エディ「(いつのまにか周辺の木の陰に背をつけ、重い溜息を零し肩を竦める)悪いな嬢ちゃん。俺も『風の国』関係の仕事じゃ別の嬢ちゃん庇ってるから、そっちで手一杯だよ……。(フェリシア、デルフィナを多めに見)  ダッッッッ  (クラウチングスタートからの全力疾走で走り去る) 」

デルフィナ「(そろそろ……彼等に仕込んだ"目"も開く。その後でのんびり色々と覗かせてもらいましょうかね…)(去って行く面々を見送り)……さあて、特異点………色々調べないといけませんね。誰が知ってるかなあ……妹にも聞いてみましょうかね 」

碧「…(トラウマ、ねぇ…)(凪沙を見て)そういやこっから目的地ってどれくらいあったっけなぁ…(頭をかきながら列車に向かって歩く) 」






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【12:20:00】


———政府軍西部上空 政府軍輸送機内———

『座標位置S54 重力波歪曲数値20-70! 量子特異点現象と断定! 本部より伝達!異能対策班の早急な出動を要請! 』

西部支部中佐「(対戦車マグナム砲に匹敵する弾丸を5発手甲に装填。マントを翻し隊列の中心を闊歩する)————対異能戦闘部隊配備、全員『概念透過ゴーグル』の装備、整備を怠るな!量子特異点の『狂気』に取り込まれたらどうしてやることもできん!そん時は俺が眉間を打ち抜く!!傀儡になる前に死んで役に立て!! 」

西部支部小隊員「 Yes sar !! 」

西部支部中佐「戦場は救いだ!貴様らのようなゴミであろうと生き残れば猛者!勝てば英雄!!功績を挙げたなら神だッ!!!! 天国に登りたければ敵の首を掲げろ、栄光はそこにあるぞッ!! おら逝け逝け逝け逝け逝け逝け!GOGOGOGOGOGO!!!!!!(親指を地獄へ向け突き下ろす。それを合図に輸送機床のハッチが開き、ハンガーに吊るされたような状態だった兵士が次々と固定具を外され降下する) 」

西部支部小隊員「ヤァ—————ハァ———————!!



【12:35:00】

——カオス界西部某所 量子特異点内部——


20分前までその町は、東部と西部を繋ぐ鉄道の行き来するターミナル駅を中心に栄える繁華街として有名だった。現在に至るまでの話だ。ある一点を中心に拡大した”ドーム状の黒霧”に包まれ、平穏と賑わいは焼失した
色素の喪失した黒と白、そして灰しか存在しない安穏とした領域。草木や花に生命の伊吹はあらず、現在においては人の営みがある街の情景は、紛争によって崩れ果てた石塊の残骸を敷き詰めた荒廃とする戦場へ逆行していた。
時代錯誤もいいところ、中世の砦が、木造の家屋が、それらの残骸が立ち並ぶこの領域は、否、この領域のみがモノクロフィルムの如く過去の情景を再現していた。そして——————


ガチャ  コ  ン  (立ち並ぶ民家の一つ、正面入り口の鍵穴に緑白色の光が瞬き、戸が開く。戸の内側は民家ではなく、おそらくこことは異なる場所の景色が広がっていた) 」


ヴィヴィ「(民家に開いたドアから咳き込みながら、杖に吊るしたカンテラを頼りに、灰色の景色を照らす)—————現場到着しましたァ!!ゲホ……ゲホッ!! アンカー設置完了、いつでも転移できます!よろしくお願いしまーす!(無線らしき古ボケた端末へそう声を張り上げると、それをしまい街中へ走り出す)思ったよりも『量子特異点の核』に近い座標までダイブできたね、思ったより状況は芳しくないみたいだけど(杖を握り締め、周囲を警戒しながら前進し、杖に吊るしたカンテラへ呼びかける) 」

エリアス『(杖に吊るされたカンテラが瞬き返答を返す)ははは、思ったよりも今回の核は”馬鹿正直”な性質なのかもしれない。ただそれだけ腕に自信がある武闘派か、そもそも隠しきれない気配を持つ何かだってことだ。警戒するに越したことはないだろうさ、いつものことだけどね』

ヴィヴィ「そうはいっても戦うしか手段はないんでしょう? 向こうだって私達をその時代の敵対者だと認識してるんだから……ら……(やらかい何かを踏んだ感触がブーツ越しに伝わり足を止める。恐々と目線を移すと、そこには案の定というべきか、想定していたものが転がっていた)人の腕…量子特異点由来のものじゃない、ここの住人……ううん、装備からして政府軍の——————— 」

西部支部中佐「   ぇ に” ギ ギ   ギ   オボボボボボボオボ (自身の頭部、いや身の丈の倍はあろう”棘付きの鉄球”が、防御姿勢を取った政府軍中佐の上体を捉える。空間を抉るかのように振るわれた特大モーニングスターは触れるだけで肺を、内臓を、骨格を圧砕し)ビチ ジュジュジュジュジュジュジュジュ(挽肉にされた胴体から上が消し飛んだ。立ったままの下半身からは内包物が芋虫のように垂れ下がり、赤が噴水となる) 」

西部支部小隊員「 中佐ァ!! きさm    ブチッ  」「うわぁだめだ!にg   グチッ 」「おかあs   グシッ  」(嗚咽、断末魔、慈悲を乞う啜り泣き。それらは総じて分け隔てなく圧砕される、圧砕、圧砕、圧砕に次ぐ圧砕。対異能班の到着から10分足らずで挽肉が無尽蔵に並べられていく。その中枢に、奴は存在した) 」

■■■■■■■「—————姑息!姑息!姑息!姑息! 名乗り上げぬ非礼! 名乗るに値せぬ愚浪! 我輩の前に”立てる”猛者は何処や!我輩に実感を、”ハート”を実装せしもののふは何処や!最早”彼女”なきこの世にはあり得ぬと抜かすか!!バスカヴィルの忠犬共!! 」
身長8m 幅にして5mはあろう正しく巨漢。全身を甲虫が如き甲冑に身を纏い、鉄球の時点で大の大人二名を格納できそうなモーニングスターを引きずり闊歩するそいちうあ、腕の関節や足の長さからして人に酷似しながらも、人のそれと比較すれば異形たる容姿であった。しかして演説めいた言動の節々には武人たるが故の高潔さが見え隠れする。 そいつは尸の道を闊歩し、名乗り上げた 」

ヴィヴィ「"これ"とやりあうの………悪い夢でしょ………?(口橋を引きつらせ、思考に先立って足が後ずさる) 」


■■■■■■■→ブロンウッド「—————————我が名は『ブロンウッド』!!精霊国『泉の国』を守護せし最後の戦士!! 流血と極苦死を以て汝らの罪を許そう!!慈悲である!!粛清である!!!!!おお姫君!!!!我が姫君!!!!必ずやあなた様をお救いする!!!!! 覚悟せよ帝国の蛮族共!!!!!!血闘の刻印を以って我が誓いをここに示さん!!!!!!! 」



VS 量子異合種02
勇猛果敢にして恐るべき尊大なる騎士長
ブロンウッド・ウォンハート



ブロンウッド「 ボマァアァァァァァ———————アアァァァ ラッサァ———— シニョーラ!!!!!!(量子異合種1のワーウルフと異なり、明確な”知性”を以て発せられた雄叫びを上げ 飛 翔 。その巨体にも関わらず軽々と9m上空までかっ飛び、ヴィヴィを含む胴体へ向けモーニングスターを縦一文字に振り下ろしながら急降下してくる)ボ ハァ—————z_____ムン ッ ナッッッ  サァァァ!!!!!!!!(その衝撃波は接触部位の石畳を砂塵に変え、衝撃波はビスケットのように地表を裏返し、砕きながら一帯へ広がる) 」

ヴィヴィ「 “ヒュッポリテ!” (ポシェットに忍ばせた皮袋を床へ投擲。中から溢れた”豆”が四散し、緑白色の魔道結界を球体状に展開しヴィヴィを覆う) ヅッ !!  痛ッ………ァ”………!!(衝撃波の威力は1/10まで抑えられるが、貫通してきたそれがヴィヴィの肩を抉り、ただ掠めただけにも関わらず木の葉のように吹っ飛ばす。 軌跡を描くような流血、激痛に顔を歪め倒壊した馬小屋の上へ仰向けに叩きつけられる)あぁーもう……! デタラメか……!ビーンズクッション貫通するってどんだけだよぉ!(魔状を文字通り杖代わりに体制を立て直しぼやく。屋根藁の裏に身を潜めつつブロンウッドの動きを注視する) 」

ブロンウッド「おお姫君!!!!あなた様は何処や!!!!世界は彩りを失い文明の土塊が何もかもを覆いつくしてしまった!!!!!私はこのような世界の有様をあなた様にお見せするのはあまりにも口惜しい!!!!!!おお圧砕せねば!!!!粛清せねば!!!!!ボーマッハ!!!!!アラッサプリンシア!!!!!(風呂場で発するようなくぐもった怒号を、テノール歌手の歌声のように張り上げる。再びモーニングスターを振り上げ、暴力の矛先を探し首を左右に振った。足元で生存している政府軍の兵士を感知できていない様子からして視力に難があるのだろうか……) 」

ヴィヴィ「姫君……、姫君……?(様子を伺い眉をひそめながらも、ブロンウッドの足元に転がる政府軍兵士を発見し、足が前へ動きそうになるが……)いや、あれはもう無理だ。元凶の対処に専念しないと……(自身へ言い聞かせるように、押し殺した声で囁きながら魔状を強く握りしめる。ポシェットから取り出したるは”紫色のキノコ4つ” “赤色のキノコ2つ”)どう見てもあの鎧は戦車の装甲に匹敵する強度。まずはあの防御を剥がさないと…… 」

ブロンウッド「 フンナァァァ———————ハムサンバ・ボナァァァァァヤァァァァァ—————!!(何語かも解せぬ意味ありげな何かを声高らかに歌いモーニングスターを豪快なスイングで振るう。無差別攻撃、暴れているに等しいそれだが広範囲に渡る巨大鉄球とその風圧による暴力は脅威そのもの。ヴィヴィが隠れる馬小屋も含めて瞬く間に圧砕していく) 」

ヴィヴィ「うわぁ急に理性を失うなッ!!(半泣きしながらダミ声で叫び馬小屋の屋根から飛び降り、巻き添えを回避。着地と同時にローリングし、紫色のキノコの束を手に、ブロンウッドの視界に映らぬよう意識しつつ、彼の死角を中心に旋回するようにして走りながら紫色のキノコを等間隔に落としていく)バレませんようにバレませんようにバレませんようにバレませんようにバレるなバレるなこっち見るなこち見るなこっち見るんじゃねぇ!! 」

デルフィナ「えーえー、こちらデルフィナ…デルフィナ・エランゲル現着いたしました…(大型の軍用バイクを近くに停め、呑気にヘルメットロックを掛けながらブロンウッドに向かって歩き)……やっぱり、あの人を追い掛けたらちゃんと出くわせるんですねえ……(懐から曲刀を抜きながらブロンウッドを観察し)……絵に描いたような巨人兵ですね、びっくりした 」

???「ズ ン ッ(突然上空から、その輪郭すら認識不能な速度で何かが落下し、大きく土煙を上げる) 」

ブロンウッド「 姫君ッッッッ!!!!(突然痙攣を起こしたかのようにビクンッと震えたかと思えば沈黙し)…………? ??(辺りを見渡す。その最中、デルフィナの姿が視界橋に映り、明確な”敵意”をむき出しにモーニングスターを構え直した)おおッ!!おおッ!!やはり今のは……ともすれば貴様か!!バスカヴィルの飼い犬よッ!!!!姫君をどこへ連れ去ったかその所在を明らかにせよ!!!!貴様の脳髄を引きずり出した後でだァ!! モガ・プリンシア!!イ・デュナッハ!!!!!!(さながらサイの頭突き、兜の角を剥き出しにし刺突しようとデルフィナへ全力疾走する) 」

ヴィヴィ「 ! (デルフィナさん……!シメた、今の私の役割は明白……!) 弾けろッ!! (ブロンウッドを囲うようにして設置した紫色のキノコへ向け、赤い色のキノコを着火したマッチと共に投擲)デルフィナさん!装甲を砕きます!!後はこう……なんかうまくやってください!!(くわっ) ってうわぁ!?何、何!?新手……!?え、でも量子特異点に核は一つだけでは……て言うことは味方? は、はろー……?(半泣きになりながら引きつった笑みを浮かべ???へ意思疎通を試みる) 」


  カッ  ボ  ォォン !!(紫色のキノコから紫電が迸りブロンウッドの鎧へ帯電。 そこへ爆発する赤いキノコと起爆剤のマッチが放り投げられ爆散。 熱と電流の"過負荷"によって、ブロンウッドの腹部の走行が砕け、虫の腹のような生身が一部露出する)


デルフィナ「やっぱり、”姫君”か……妬けちゃいますねえ、どんな人なんでしょうか(きっちりパスカヴィルまで発音したな、こいつ……)ええ、任されました。折角なので色々やってみましょうか(曲刀を撫で、紫に輝く魔力の焔を纏わせ……スライディングでブロンウッドの頭の下を潜りながら、その表皮を切り裂きに掛かる)  ……え?新手?マジです?(落下してきたなにかに目を奪われ) 」

???「……座標確認……予定と違う、転移ミス?勘弁してくれ……よく分からん所への初実地で更によく分からないところに飛ばされても……(煙が晴れてその姿が見える。確かに人型だ。だが、全身はベージュの装甲に覆われ、頭部は側面から伸びる一本のアンテナと、目元と思われる場所を覆う青いバイザーが特徴的なヘルメット?で隠されている) 」

ブロンウッド「ぐぬァアァァ————!!(露出した腹部から頭皮に至るまで深い切れ込みを入れられ鮮血……ではなく黒くドロドロとしたコールタールのような液体が滴り落ちる)犬ごときがァ!!汝らに剣術なぞ不要物!!押収!!没収!!その英知を大地に返す時だァ!! ハムナン!!!?(落下してきた何者かの存在に気付き、モーニングスターを構え直し)ブァハハハハハハ!!無駄、無為!犬の遠吠えに導かれたコヨーテなぞ烏合……、烏合? 犬の衆!!屈せよ!!圧砕!!圧砕!!(再び動けるデブの字義に忠実に軽々と飛翔、大質量の急降下による圧殺、衝撃波の攻撃をデルフィナ、????へ浴びせにかかる) 」

ヴィヴィ「よし入った!って生きてるし!だァーーーーー!いちいち飛ぶなこのやろう!!(ギザ歯で抗議するも無意味。???にとりあえず敵意がないことを確認すると、デルフィなを含む両名へ青い木ノ実を投擲。体表にあたるなり青白色の角ばったバリアを生成し包む)お守り程度のアレです!!たぶんあまり効果はないと思います!!(自分は全力疾走で落下予測地点から離れながら) 」

デルフィナ「ナイスアシストです、かなり深く行きましたよ!おかげさまで……!(素早いステップでとにかくブロンウッドと距離を離し)しかしめちゃくちゃ色々知ってますねこいつ……  …おっと、機械兵って感じなんでしょうか。これマジ?(警戒を顕にしながら???を見つめ) 」

???「……何だ?(左腕に備え付けられた盾で少し後ずさりながらも容易く受け止める)……戦闘中、か?だとしたら……こっちが敵だよな(と、巨体に右手に保持した銃の銃口を向ける) 」

ブロンウッド「  !?  メゴォッッッ(巨体に相当する重量が受け止められ、???を中心にクレーターが発生。攻撃が不発に終わったため衝撃波は発生せず)この……異臭、文明の申し子……!ここまで腐り落ちたかバスカヴィルの犬共!! ヴゥァァァァァ!!!! (くぐもった唸りを上げ無理やり地を足につけ、俊敏なバックステップで???の直線状から離脱。同時に???とデルフィナを自身の間合いへ納め)—————ボナンハン!!!!!!(モーニングスターを力任せに真一文字に振りぬき、両名諸共砕きにかかる) 」

???→ハチキュウ「図体より速い……(盾を斜めに構えて受け流す形で対処し、その勢いのまま後ろへと跳ぶ)……君たち、現地人か?俺は……(と、名乗ろうとした瞬間、何やら考える様子を見せた後、自らの肩に貼られたマーキングを見て)……ハチキュウ。ハチキュウと呼んでくれ 」

ヴィヴィ「ぴぃ!?(普通に流したよこのひt……ヒト……!? アツィカモイマカンガエタナコレ)ヴぃ、ヴィヴィです。今の状況にヴィヴィってますなんちゃって(パワーとパワーのぶつかり合いに圧倒され借りてきた猫のような顔をし小刻みに震えながら) 」

デルフィナ「ブツブツブツブtブツブツ……えぇ!?いや、私現地民と言えば現地民……ではないですね!私はもっと北から此方に出動した次第でして……(此方に向かって来るブロンウッドを見据え)――力押しが得意なら、まあ……私としてはやり易くて助かりますけどね(高速で詠唱を終え、その場に倒れ込みながら"紫の巨大な焔の波"を召喚し、ブロンウッドへと叩き付ける)古代言語は使っていないとは言え、しっかり焼けはするはず… 」

ブロンウッド「 ぬ ふック……!?此奴、我が恐るべき華麗なるして豪快屈強無双なる一撃を受け流し……  (ハチキュウの盾裁きに目をみはるもつかの間、デルフィナの放った炎の波が視界を覆う)ヴぁァァァァァァ了!!!! 精霊……言語……呪術に近しい、魔力……がァァァァ!!!犬共、犬共!!我が祖国の叡智さえも奪わんと言うのかッ!!(効果”大”といった様子でよろめき、狙いも定まらぬまま悶えながらがむしゃらにモーニングスターを振り回し続ける) 」

ヴィヴィ「すっご……… 居合わせたメンバーなのにタンクと火力が合わさって連携が取れてる……(魔杖を握り、先端に魔力で結ばれた飾り布を解く。レイピアに匹敵する銀の縫い針とでも形容できそうな杖の先端が露わになり、それを手に身構える)(チャンスは少ない。トドメを打ち損なったらどなるかわからない……絶対に、絶対に外さないようにしないと……) 」

ハチキュウ「……つまり俺からすれば現地人か……よし(振り回されるそれを盾で正面から一回、斜めに二回三回と受けながら、隙を伺い、見つけたその瞬間に飛び上がり、頭部へと銃口から迸る光線をぶつける) 」

ブロンウッド「  ガッッ (書劇がハチキュウの盾にヒットし”位置”を感知。手探りで方奥を絞りモーニングスターを何度も振るうも豪腕と無駄なく効率的な盾裁きで流され間合いに入り込まれる。しかし—————) デオ・デュナン ハ ン ッ!! (”頭部”は彼の致命傷である以上に”武器”であった。カブトムシの角を模した兜を盾一文字に振り下ろし光線を両断、ハチキュウを貫きにかかる) 」

デルフィナ「頑張ってくださいねー、よーく見てますよー(ヴィヴィに気の抜けた応援をしながら) 俺からすれば!?えぇっ、どういう感じですかそれ……!飛んだし……! 」

ヴィヴィ「(まず……!)アラーシュ!!(魔杖を床に突き刺し固定、一人でに三日月型に反り返り、事前に巻きつけられたピアノ線が魔力の矢をつがえ『弓』を成し、魔力弾をブロンウッドの首へ射出。ハチキュウへの刺突の軌道を変えようとする) あーいいですねこの肩筋貼らないノリ……気が利いてて泣けてきそう……!(相手に遠慮がないからなのかデルフィナへ悪態をつき苦笑いを浮かべる) 」

ハチキュウ「……!!(咄嗟に盾を構えて防御、が、衝撃を殺しきれず吹き飛び、頭から壁へ激突する)……ぬかったな、ツノは飾りじゃないのか(と、平然と自らの身体を壁から引き抜き構え直す) 」

エリアス『確かに飾りではない、だがそこを狙ったのは正解だ(浮遊するカンテラ、正確にはその中で発光するアゲハ蝶状の物体が青年の声を発する)彼は生物ではなく量子異合種だ、心臓を貫いても泥が吹き出るだけだろう。脳を破壊し機能を停止させ、その間に『核』をヴィヴィ……あー、このちんちくりんの女の子に切除させるのが効果的だろうね』 」

ヴィヴィ「 ゴンッッ (エリアス入りの鳥かごを殴りつけつつ、ハチキュウに駆け寄り)無事……!………みたいですね……よかった(ほっと胸をなでおろしつつ、デルフィナへ目配せ)デルフィナさん、あの炎もう一回行けますか。かなり”博打”なんですけど、策があるんですけど……(引きつった笑みを浮かべながら震えを殺しきれていない声で) 」

ブロンウッド「  ヌグ ゥァ !! (角が勢い余って床石を貫通し頭部ごとめり込む。引き抜くのに数秒時間を要し、ようやく外れると)ヒ ヒヒ ヒ ヒメ ギ ミ……ギギミミ……(魔炎のダメージが大きく、そこへ盾との衝突による衝撃が響いたのか、節々に亀裂が走った鎧から黒々とした液体を流し続ける。元々生物ではないが故なのか、残った残滓としての理性すら磨耗したのかおぼつかない足取りで前へ前進し、モーニングスターを持ち上げようとしている) 」

ハチキュウ「あー……聞き慣れない単語が出てきたが……ニュアンスは分かった。と(と、武器を拾おうとするそれに盾からミサイルを放ち牽制する) 」

デルフィナ「……何処から来た人なのやら。うーん、彼女とその周りの調査のつもりだったのに仕事が増えるな……よいしょォ!!(魔力を込めた曲刀をブロンウッドの腕目掛けて投げ付け、モーニングスターの拾得を阻止)大丈夫ですかー!?そこの格好良い機械兵の人―!!  多分大丈夫だと思いますよ~、ちょっと時間は必要ですけどね……ブツブtブツブツ…(ヴィヴィへの返答もそこそこに、詠唱を始め) 」

ヴィヴィ「……。コク(デルフィナへ小さく頷き)ミニム・ゼウス(魔杖を一振りし、ハチキュウの盾に装填されたミサイルが蒼白に発光。”雷属性”の魔力を付与させる)一撃必殺です。武器を失ったあのやろうが残された手段はマジで厄介ですが、それが反撃のチャンスでもあります。合図をしたら同時に……お願いしますね、マジでお願いしますね……!(自身への暗示とでも言いたげに、不敵に、弱々しく引きつった笑みを浮かべる) 」

ブロンウッド「  ボ  グ  ォッ  (曲刀、ミサイルはモーニングスターそのものを粉砕。恒常的にブロンウッドを丸腰にする事に成功した。虚を、地面を繰り返し何度も握り、ようやく獲物が消失したことを悟ると、重い腰をふらつきながら持ち上げ) グ…グ…… ひメ ぎ ミミ ミ  ワワワ……我が……誉………   ギギ ギイィィィィィィィ——————!!!!!!(最早本物の虫である奇声を上げ、最硬であるカブト虫の角を備えた兜による刺突を行おうと、三人めがけ突進してくる) 」

ヴィヴィ「——————今です!!(魔杖を前方へ突き出し先端から『旋風』がブロンウッドへ真っ直ぐに押し出される) 」

デルフィナ「『―――Kaosz langjai, rohanjatok elem.』(ヴィヴィの声に合わせ、ブロンウッドへと直線状に紫の豪炎を放つ)さあ、お願いしますね… 」

ブロンウッド「   ガッッッ    (片方だけ残った肉眼は捉えた、”折られ朽ちゆく自身の角を。何事か、そう理解する思考力も残っていない過去の残滓は黙したまま———————……) 」


——————風の魔力によって勢いを増した魔炎は瞬く間にブロンウッドの全身を焼き炙り、雷属性を纏ったミサイルが直撃する。風・炎・雷。三属性の加護を受け魔装と化したミサイルはブロンウッドの兜を貫通し頭部へめり込み、敵の脳髄の中で爆ぜた 」





———————何者にも原点が存在する。赤子から少女へ、少女から麗しの姫君へ。
私は……精霊国に”発生”した自然の延長、生物とすら自称し得ぬ、取るに足らぬ虫に過ぎなかった。
魔法と奇跡はこの世界に存在する。絵本を蟲共である我々へ読み聞かせる彼女へ、幼くも無知なる私は言った。『私は必ずや、あなた様をお守りする騎士となりましょうぞ』。
彼女はそんな夢物語を笑わなかった、私に成長する岩の肉体を与え、そっと頭を撫でこう言ったのだ。

『ええ、きっとね』

おお我が姫君、麗しの姫君。
あの日の誓いを違えたことはありません。
あの日の熱はこの冷たき岩エーテルの肉体に熱を灯し、我が心を使命と誉に焦がすのです。
だのに……だのに!!救えなんだ、だのに!!我が心はあなた様の苦悩に共感し得なかった!!
何故だ、何故気づけなんだ、何故導けなんだ!!騎士道にあるまじき醜態、なんたる無力!!

ああ、違う、違う!否、否、否、否、否、否、否である!

我が身への侮蔑はこの肉体をくださった姫君への侮辱に他ならぬ!!
犬共だ!バスカヴィルの犬共だ!!奴らのせいだ!!おお、おお!!許さぬ、決してゆさぬぞ!
おのれジョン・ワイズマン!!おのれ、マイクロフト・ヴァンシュタイン!!奴らが!奴らさえ現れなければ!!
あああぁぁぁぁァァァァァァァ!!!!!!主よ!精霊の源よ!何故彼女を救わなんだ!ヒトよ!文明の遺物よ!!貴様らのような毒でさえ救おうとした彼女の善意を何故拒んだ、何故あのようなむごい仕打ちを!!
ああ、ああああああア”ア”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”……


ブロンウッド「ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ア”ア”ア”了”了”了”了”了”了”ッッッッ!!!!!!!ア”ア”ア”ァ”ァ”ア”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!!!!(嗚咽と慟哭、断末魔を記録した古ぼけた蓄音機のように叫び、悶え、甲冑の隙間から、砕けた部位から、肉体が溶解し発生した黒い泥を撒き散らし状態ごと首を振り回し続ける)……シ……ドロシー……ドロシィィィ……ッッッ!!!!!!ァ”ァ”ァ”ァ”ア”ア”ア”了”了”了”了”了”了”ッッッッ!!!!!!!(悪夢から解放されることはない、悪夢そのものである彼には目覚めることはできない、共すれば自らという悪夢の中で責め苦に魘され続ける) 」

ヴィヴィ「       ┣¨   ズッッ      (悪夢はより深い眠りへ突き落とさねばならない。 引導を渡すのは、浮遊し続ける魂を闇の底へ縫い付ける糸しか存在しない。  彼女は槍の如く構えた魔杖を、ブロンウッドの溶解した肉体に串刺しにし、引導を渡した) 」

ブロンウッド「……。・・・・・・。………。そうか ………私では、なかったのか……。  オズ……ワルド…………。"お前"だった……か………—————— (破損し、惨たらしい穴を開けた鎧が虚しい残響を響かせ転がる。 中身の腐肉は四散し消え果てる。そこにはそもそも、巨大な虫の形をした死骸しか詰まっていなかったと語るかのように) 」

ヴィヴィ「 ……。……フ—————   トス (腐り果て、そして塵に帰るブロンウッドを道退けると、忘却していた呼吸をようやく思い出し、両膝をついて崩れた)……————— は ァ !!ゼェ……ぜぇ…… し、しぬ、死……死ぬかと、思った……無理、絶対一人じゃ無理……! (弱音の洪水を遅れて吐瀉し、膝をついたま上体を捻り、デルフィナとハチキュウを見やる) 」

ヴィヴィ「あ、あの——————……(今にも泣き出しそうに、嗚咽交じりに何度も言葉に詰まりながら、ようやく言葉になった声をひねり出し倒れこむ)あ"り"が"と"う"ござい"ま"し"た"ぁ"……!!う"ぅ"……う"う"う"う"う"!!こ"わ"か"った"ぁ"!!こ"わ"か"った"よ"ぉ"!!今度から誰かに頼るぅ"ぅ"ぅ"……!うわーーーん!! 」

ハチキュウ「仕留めたのか……あぁ?(溢れ出したように泣き出すヴィヴィを見て、言葉に詰まり)……困るな、こういうの……初対面の相手に、こうも泣かれると……対応に……隊長ならこういう時も格好よく対応するんだろうか……(と、頭の後ろを掻く) 」

デルフィナ「(雄叫びを上げ、崩れ落ちるブロンウッドを凝視しながら)……うーん、良く燃える。炎も彼の気持ちも……ジョン・ワイズマン……マイクロフト・ヴァンシュタイン……ドロシー……オズワルド……色々行ってくれますねえ…… お疲れ様です、ヴィヴィさん!こちらこそご協力で着てよかったです!いやあ見事ですね、その魔杖!! …あー泣かないで、よく頑張りましたよ本当 」


——————灰色の空が崩れ、町一帯を包んでいた黒霧が消失した。 情景は量子特異点に侵食される以前へ、何事もなかったように戻る。政府軍兵士の残骸、破壊の残骸を除いて


ヴィヴィ「(デルフィナ、ハチキュウへ腕を伸ばしたまま陽光を浴びて突っ伏している。)スー…… スゥー……(フィジカルに至っては人並みに過ぎない彼女はここ一週間分の体力と気力を使い果たしたのか、知り合って間もない二人を頼るようにして寝息を立てていた……——————)





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最終更新:2023年07月13日 02:38