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ignition 過去ログ②.2

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ホタル「――――………もう、大丈夫…? 」

フレイミス「……っ… ああ…すまねェ…… 泣いたのは……ほんとに久しぶりだったからさ……(ホタルからもらった黄色いハンカチを本人へ返却する) 」

ホタル「うん……それでも、いいと思う。私もお母さんに会えなくて何度か泣いた夜もあったけれど…それじゃあ、天国にいるお母さんに心配かけちゃうかもしれないからって… だから、笑い続けることにしたんだ。そしたら、お母さんも安心してくれるはずだから。 」

フレイミス「……ホタルは…心が強ぇんだな… 流石お姫様だよ。だったら……男のおっれがいつまでもくよくよなんかしてるわけにゃあ…いかねェよな……!(ぐしぐしと赤く腫れた目元を腕で拭い、いつもの調子でへっとほくそ笑んでみせる) 」

ホタル「うんっ…♪フレイミスもこれから強くなるよ…!だって、お父さんのことを、誰よりも尊敬しているんだもんね…♪それはすごく素敵なことだと思う…!私も頑張る…だから、フレイミスも一緒に頑張っていこう? 」

フレイミス「……!ああ……! 」

カブトムシエレン「(調子を取り戻したフレイミスの傍にて、事の成り行きを見て安心したのか、だらけ切った態勢でクッキーをぼりぼり貪っていた) 」

アルミナ「フッ……いい友ができたようだな、サキエル。さて…フレイミス。父君に「会いたい」と、確かにそう言ったな?その望み…私が叶えさせてやる。 」

フレイミス「えっ……?それって、どういう……? 」

アルミナ「あのヴィナミスの息子である君がこの地に赴いたことには何か大きな由縁があると思っていたが、先の話を聞いてなるほど理解した。ヴィナミスの死後…彼の遺体を担いできたレインドが、"ヴィナミスと深い所縁のあるこのレゼリアに埋めていった"のだ。父君の墓は、この国にある。 」

フレイミス「―――― なんだって…ッ!?(更なる衝撃の事実に、つい前のめりかかる) 」

アルミナ「だが、この世界を管理した偉大な男の墓だ。その墓が立つ地は…我々王族の一部の者にしか知れ渡っていない。余所者に口外するなどもっての外だが、君は例外だ。むしろ…君はそこへ向かうべきだと私は思う。父君に会いたいという君のその願いを、このような形でしか叶えさせてやることができないが……どうだ、会いに行くか? 」

フレイミス「………ああ、もちろんだ。会って…ちゃんと「親父」と向き合って…今度こそ、ずっと抱いていた俺の"想い"を示す…! 」

アルミナ「(少年の強い決意をその小さな瞳に見出し、国王はふっと不敵にほくそ笑んだ)……よかろう。では、場所を教える交換条件として一つ…私の頼みを聞いてはくれぬだろうか…? 」

フレイミス「王様の……?ああ、もちろんだ…!俺にできることがあれば何でも……! 」

アルミナ「………………(国王は瞳を閉ざし、改まった厳かなる表情で微動だにせず無言する。そして小さくはない気を吸い、その条件を突き付ける――――) 」

アルミナ「  私が娘「サキエル」を、この王都レゼリアから連れ去ってほしい   」

フレイミス&ホタル『…………………………………』

フレイミス&ホタル『えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?』




フレイミス「………………お、王様……?それは………どういう意味ぃぃぃ~~~~ッ????(素頓狂な声を出して転倒しかける) 」

ホタル「お、お父様…!?私もそんなこと聞いてないよ…!?💦 」

アルミナ「落ち着け、二人とも。よいか、ヴィナミスの墓標の在処を知る人間は、今ここに私とサキエルしかいない。だが私はもう歳だ。ここは若い者同士で行くのが良いだろう。だがかくいうサキエルは件の世界会議に向けて現在は王政を学ぶために光姫の奴から謹慎処分を受けている。あの生真面目な光姫だ。いくら国王である私の命令であろうとも断固としてサキエルを城から出さぬつもりだ。その圧に抗えぬ私もいかがなものかと思うが…それはまあよい。 」

フレイミス「アンタ国王なんだよな…? 」

アルミナ「そこでだ!他所からやってきた君が我が国の宝であるサキエル姫を誘拐し、王都の外へと連れ出すのだ。さすれば国中に徘徊している親衛隊の者どもが血眼になって君を追い回すだろうが、構わずサキエルの誘導に従って目的の地へ進め。 」

フレイミス「アンタ国王なんだよな!!? 」

アルミナ「案ずるな。この件は国王自らが立案したものとして、有事の際はこの私が責任を持って償おう。これは私の計画でもあり、君のためでもあり、他ならぬサキエルのためでもある。サキエル…お前は十分に勉学に励んでいる。たまには外へ羽を伸ばしに行くと良いだろう。こんな広くも狭い王宮に閉じ込められる思いはもう散々だろう。光姫はきっと許さぬだろうが、机上の空論よりも、今一度母国をその目で拝み、この国の今を、その現実を直視するのもまた学びの一つ。よいか、必ずフレイミスをかの地へと導くのだ。 」

ホタル「……!お父様……(父の思惑を汲み取り、そこに彼なりの慈愛があることを受け取り、口角が緩んだ)……うん、わかったよ…!必ずフレイミスを導いてみせるね…♪ 」

アルミナ「そしてフレイミスよ。おそらく我が国の親衛隊たちはお前を許さず、必死にその首を討ち取りにこようとするだろう。立ちはだかるものあれば構わず蹴飛ばしていけ。だが、くれぐれも命まで取ってくれるなよ…?国中の人間のすべてを敵に回しつつもサキエルを守り抜き、無事に目的の地に辿り着いてこそ…初めて私はお前を彼の息子だと正式に認めよう。何度も奇跡を呼び起こしてきたあの男のことだ。息子の君もきっとやってのけると私は信じているぞ。 」

フレイミス「あ、あぁ……!安心しろ王様。俺は誓っても殺しはしねェ…!とにかく、ホタルを連れて無事に二人で目的地に辿り着けばいいんだろう?やってやるよ…!親父に会うためにいろいろ乗り越えてきたんだ…こんくらいの試練…乗り越えてやらァ!! 」

カブトムシエレン「(やはり逃走劇か。いつ出発する?私も同行する) \ パイーーーーーン! / (パ院(イン)を両脇に抱えて出撃準備を整える) 」

アルミナ「潔い覚悟だ。フッ…つくづく、彼に似ているな。(嬉々たる笑みを静かに浮かべる)さて…まもなく夕暮れだ。日が暮れる前に向かうといい。すべてがうまくいった後のことは私に任せておけ。 」

フレイミス「わかった……あ、そうだ…!(ここでふと何かを思い出し、アルミナに向き直る)王様、実は…ここに来る道中で……――――(かくかくしかじかと何かを告げ始める) 」

アルミナ「…………ふむ……そのようなことが…… わかった、その件については私が預かろう。しかし、残念なことだ…我が国でそのようなことが起きていたとは…やはり、直接国の情勢を見て回る必要があるな、サキエルよ。 」

ホタル「うん…そうだね… フレイミスが言っていたことが本当なら、見過ごすわけにはいかない。行こう、フレイミス…!私、どこまでも付き合うよ…♪ 」

フレイミス「王様…ホタル……ありがとな……!っしゃ……!ならもう遠慮はいらねェ…!俺は逃げも隠れもしない。必ずこの足で…『親父』に会いに行くぜ!! 」



― PM16:30 レゼリア城 ―


フレイミス「――――……っし、こっちはいつでも行けるぜ。ホタル、大丈夫か?(窓の外が茜空に染まっていく光景を眺めながら屈伸運動を繰り返している) 」

ホタル「う、うん…!ちょっぴり緊張しているけれど…フレイミスを信じて全て任せるよ…!案内はしっかりするから…! 」

カブトムシエレン「 😤 (全身に非常食兼武器となる食料を括り付けるように装備して鼻息をふんふんさせている) 」

フレイミス「任せな。あらかじめこの国の地図を見たが…やっぱり来たばかりの俺にはすぐに理解できねェ。やっぱりホタルの案内なしじゃ「親父」のもとへ行くどころかこの王都を出ることもできねェだろうな… それに俺は今囚われの身になっている体…そしてこれから一国の姫様を攫った極悪人になるわけだ。生きて帰れるといいがな。 」

ホタル「……その割には、なんだか笑ってるようにも見えるけど…? 」

フレイミス「ヘッ。たぶん武者震いって奴だろな。それに…これから『親父』に会えるんだ。これ以上興奮することなんかねェさ。っさ、時間もない。準備運動も整ったところだし…そろそろ行くか!お前にも期待しているぜ。(足元で興奮しているエレンに不敵な笑みを送る) 」

カブトムシエレン「 😏 (口角を釣り上げ無表情のドヤ顔で応える) 」

フレイミス「っしゃあ!掴まれ、ホタル!(自分の背中に捕まるように促す) 」

ホタル「 うんっ! (フレイミスの背中に乗り込み、その首元に両腕を回す) 」

フレイミス「 今行くぜ…――――― 『 親父 』 ィ ! ! (少年は大胆不敵な笑みと共に、背に乗せた少女と共に王室の窓ガラスに向かって躊躇なく飛び込んだ――――!) 」


――――――― ガ シ ャ ア ア ァ ァ ァ ァ ンッ ! ! (城内一帯にガラスの破裂音が響き渡る―――――)




衛兵『今の音は何だ!? サキエル様の私室の方から聞こえたぞ! おい!城内の庭に見知らぬ人影がいるぞ! あれは……サキエル様…ッ!?大変だ!!サキエル様が侵入者に誘拐されたぞ!! なんだって…ッ!!』

フレイミス「―――― ス タ ン ッ … ! (スローモーションに流れる世界の中で煌びやかな輝きを放つガラス破片と共に庭の芝生の上に華麗に降り立ち、そのままアーチ型の出入り口へ真っ直ぐに飛び出していく) 」

カブトムシエレン「ポフンッ!ポテポテポテ……!(もちもちとした弾力で高所から弾むように着地し、フレイミスの後を追いかける) 」

衛兵『報告ッ!!!城内に侵入者あり!!10代の少年と思わしき人物と…カブトムシが一匹! カブトムシだってェーッ!? 現在、侵入者はサキエル様を誘拐して城内を逃亡中!!直ちに拘束してサキエル様をお救いせよ!! 国王様にも急ぎ報告を!!それから…王都内にいる「親衛隊全部隊」にも通達!!いそげぇ!!』

デック「(その頃地下牢獄―――)……?(城内がやたら騒がしい……もしや……)……フレイミス君、どうか無事でいてくれ…(檻の中で一人、固唾を吞む) 」

ホタル「ちょっ、ねえ…!フレイミス…!わざわざ窓を突き破らなくてもよかったんじゃ…!さっそく見つかっちゃってるよ!?💦 」

フレイミス「いや、これでいいんだ。窓を割ったことは謝るよ。国王様が何考えてんのかは知らねェが、これだけははっきりわかる。"俺は試されている"。だったら逃げも隠れもしねェ…!振り落とされねえようにしっかり掴まってろよ!(慌てふためく城内の喧騒になりふり構うことなく、正門に向かって疾走しだす) 」

衛兵『止まれ侵入者ァッ!!サキエル様を解放しろォ!! 正門を包囲し閉門(とじ)ろ!!決して奴を城内から逃がすなァッ!!(剣や槍を携えた衛兵たちが着込んだ鎧をガシャガシャと鳴らしながらフレイミスへの迎撃態勢に入る)』


ズッ…ゴゴゴゴゴ…ッ…――――― ! ! (剥き出しにされていた正門の上から、堅牢な壁がゆっくりと下ろされ閉ざされようとしていたが―――)


やたら人種が違う兵士達「俺は攻撃を行う!」「俺は防衛を行う!」「俺はCaptureを行う!」「了解!」「了解!」「駄目だ!」「駄目だ!」「駄目だ!」「突っ込めええええ」「突撃ィィィイィ!!」「ばんざあああああい!!!!」 」

フレイミス「――――遅ぇよ (廊下の赤いカーペットを強く蹴り上げ、迎撃陣形を組む鋭意兵たちの中へ果敢にも飛び込んでいく)ガッ――ドッ――ゲシィッ――ドガガッ―――ガンッ――――ゴォァッ!!(持ち前の俊敏性をいかした速撃。ホタルを背中に乗せているが故に両腕が使えないハンデを負いながらも、有象無象の兵士相手如きには何ら苦戦しない。低空跳躍から両脚のみを縦横無尽に振り抜き、終いに繰り出した旋風脚で次々と薙ぎ払いながら兵たちを一蹴していく) ダンッ―――― ヒ ュ オ ン ッ ! (そして、閉門するその間隙を縫うように飛び出し、まずは第一関門である城を突破。そのまま上層部の王都へと下 」

衛兵『ぐわああああぁぁぁーーーッ!!! くそッ…強い…!突破されてしまったぞ…!! 侵入者…いや犯人はそのまま上層部の王都へと進行中!!現地の親衛隊たちに迎撃態勢を取らせるんだ!!早く!!』


― PM16:40 レゼリア国・上層部・王都 ―


ホタル「ふぅ…!まずはお城を抜け出せたね…!このまま南下して下層部へ向かうよ…!まずは城下街を道なりに下って―――― 」

フレイミス「よし来た任せろ(―――― ダ ァ ン ッ ! )(ホタルの指示に従うように口角をつ挙げると、城下街のストリート…ではなく、建物の屋上へと一気に跳び上がった) 」

ホタル「ふええええぇぇぇぇっ!?な、なんで上にいいいぃぃ~~~!?💦 」

カブトムシエレン「 にょいーーーーん! (自慢の角を建物の壁に食い込ませ、某調査兵団も驚きのワイヤーアクションで進んでフレイミスと並走する) 」

親衛隊・隊員『報告によれば…誘拐犯はここを通るはずだと――――!いたぞ!!奴に違いない!このままここで押さえて……って、なあにいいいいいい!?!? 建物の上へ逃げたぞ!!クソッ、何とか追いかけろ!!絶対に見逃すなぁ!!(未然にストリートにバリケードを強いていたが、フレイミスの機転を利かせた行動にしてやられ動揺が収まらない)』

フレイミス「やっぱりな…!通常のルートだとすでに兵士たちが押さえている…!だったら、同じルート上でも奴らが届きにくい場所なら問題ねェ…!!(屋上から屋上へと飛び移っていく) 」

ホタル「な、なるほど…!フレイミスがここまで運動神経が抜群だったなんて知らなかったよ…!うんっ…これならきっと行けるかもしれない――――(そう確信しかけるが―――) 」


―――― ヒ ュ オ  ァ   ッ    !    !    (だが、フレイミスが突き進む三手先の方角。屋上間の隙間、その真下より人並外れた跳躍をもって一つの人影が姿を現したのだった)


槍偉「 そーはいかねえッスよ! (屋上を駆るフレイミスの道先に立ち塞がるのは、青い短髪の好青年。一本鎗をその右手に携え、好戦的な眼差しで相対しだす) こっから先は一方通行ッスよ。進みたきゃ姫を置いていきな。 」


―――― レゼリア国親衛隊七人衆 『槍偉』


ホタル「……!!槍偉…!フレイミス気を付けて…!親衛隊の中でも強い七人衆…その一人だよ…!槍使いの天才なの…! 」

衛兵『槍偉様に続けェーッ! 建物に梯子をかけろ!我らも屋上へ特攻するぞ!! (いそいそと建物の壁に長い梯子をかけ、フレイミスへの奇襲をしかけようと準備を始める)』

カブトムシエレン「ぽいっ、ぽいっ!(っ'-')╮=͟͟͞͞🍍(屋上からパイナップルを投げつけ、梯子で登ってくる衛兵の顔面へ叩き付ける。普通に凶器で痛い) 」

衛兵『いっでええええええ!!! クソッ!!隊長!屋上からカブトムシがパイナップルを投げつけて我々を妨害してきます!私はパインアレルギーなのに……ッッッ!!! 知るかァ!!つべこべ言わずもう一度特攻しろ!!我々レゼリアの誇り高き親衛隊がカブトムシごときに臆していられるかァ!!』

愚かなバナナ「イィ~~~~~イィ~~~~~~~😭(ついでに投げつけられ、自分を踏んだ衛兵にスリップ自傷を齎す) 」

彩雲「―――――トン、トン、ト―――ッ―――(静かに、そして軽々と……ホタルたちの背後を取る形で、覆面の忍が屋上へと駆け上がり)ヒュン!!ヒュン!!(大量のナイフを投げ付け、パイナップルを次々へと撃墜する)………ホタル様、そろそろお戯れは止めにして頂きたい 」

危険なリンゴ「ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォッltルッッッッ!!!!!!!!!!   ドンッ!!!!!  ( > > >  天  <  < < )(ついでに投入され、一人の兵士をボコボコにし、背中に天の文字が刻まれる) 」

ホタル「彩雲…!?どうしよう、囲まれちゃったよ…!💦 」

フレイミス「構わねェ…正面突破あるのみだ!(手練れ二人に包囲されても尚、不敵な笑みを崩さない)レゼリアの"矛"か…なら、姫君を守る"盾"(オレ)を貫いてみなァッ!!(今の自分は誘拐犯。そのヒール役に徹するように不敵な笑みが徐々に悪辣さを演じ初め、槍偉へ向かって飛び掛かっていく) 」

槍偉「正体を現したな誘拐犯…!だが、俺っちの槍が貫くのはお前の悪逆心だけだ!(―――― ヒュババババババッ!!!)(両手で握り込んだ槍による目にもとまらぬ連続突き。その圧は宛ら壁のように広範囲に広がり、飛び掛かるフレイミスへの抑止力には申し分ないが―――) 」

フレイミス「だららららららァッ!!(ドッガガガガッ、ガッ、ギィッ、ガガッ、ドッ、ガッ、ガガガッ!!!)(低空跳躍からの接敵。そして横薙ぎの暴風雨の如く次々と押し寄せる矛先の残像に対し、両足の義足のみで蹴り抜くように衝突戦へと発展する) 」

槍偉「――――!(こいッつ…足だけで俺っちの槍を…!?意外とデキる……だがッ!)グルルンッ、グルンッ―――― そぉいッ!!(ギャルンッ、ギャルンッ、ギャルンッ!!)(華麗なやり捌きから何回転かさせた直後、側転へと移行。全身による大車輪の遠心力を加えた叩き付けるような薙ぎ払いで突撃戦を仕掛ける) 」

彩雲「(ホタルを巻き込むリスクを嫌ってか、投擲物による遠距離戦を断念。軽々とした身のこなしで素早く、高く飛び上がり……)シュッ………バッ!!バッ!!バッ!!(槍偉を援護する様に、フレイミスへと格闘戦を仕掛ける) 」

フレイミス「ッ――――!(一気に間合いを詰めてきた槍偉に対し、思わずその分の距離を退かれてしまうように反射的に後退する) ――――(まさしく一本鎗みてぇに前進あるのみなタイプの野郎だ…だがな――――)(大車輪を繰り返す槍偉の挙動を冷静に見極める。回転と共に槍が振り下ろされる…その直前のタイミングで勝負に出るように今度はこちらから距離を一気に詰めなおした) 」

フレイミス「――――――後隙ががら空きだぜッ!!!(蒸気を噴かした跳び蹴りによる爆発的な突撃。矛先が反れたタイミングで槍偉の脇腹に重い跳び蹴りをめり込ませると―――)――― そ ぉ ぉ ぉ お ら ァ ッ ! ! (蹴り抜くのではなく、足の爪先にめり込ませた槍偉の体ごと全身を捻り、背後から接近を仕掛けようと迫る彩雲へそのままぶつけるように蹴り飛ばした) タ ン ッ ――― ダ ッ ! (回転後に屋上へと降り立ち、そのまま二人を出し抜いて先へと進みだす) 」

槍偉「が、ふ―――― ッ゛ ! ! ? (がぁ…ッ…!俺っちの回転の隙を狙って……やられた…ッ!!)(フレイミスの足先に全身が強制的に捻りだされ、意図せず彩雲と激突する形で撃破されてしまった)だああああああぁぁぁぁ~~~~~っ!!??(そして、そのまま真っ逆さまに二人ともに屋上から転落し、ストリートの脇道に積まれた木箱の上へ盛大に落下した) 」

彩雲「―――ッ!?こいつ、槍偉を軽々と………っば、ま、わわわわわっ……!!!??(予想外に吹き飛ばされた槍偉と見事に衝突し、バランスを崩してごろごろと木箱へと落下) 」

ホタル「すごい…っ!あの状況で二人を落としちゃうなんて…!あっ……!フレイミス!一度下へ降りて、トンネルをくぐって! 」

フレイミス「っし、この調子で行くぜ(ホタルの指示通りに屋上から飛び降り、トンネルの中へ飛び込む。光差す方角へ真っ直ぐに走り抜け、穴道を潜り抜ける―――) 」

ヴィオス「……あれが報告に上がっていた主犯か。どう見ても俺たちより幼いガキじゃねえか… いや待て…あいつらが通ってきたところには槍偉と彩雲が陣を構えていたはず……まさか…!(鎧を着込んだ若き精鋭。鞘から剣を引き抜き、向かってくるフレイミスを睨み付けるように見据える) 」


―――― レゼリア国親衛隊七人衆 『ヴィオス』


セイ「…なるほど…彩雲まで出し抜かれてしまいましたか… 幼いとはいえ侮りがたいですね。では、ここは我々二人でサキエル嬢の奪還を果たしましょうか。(ヴィオスと背合わせになるような姿勢で弓矢を構えるのは、艶やかな白髪と縁無しのメガネを着用した気品ある男であった) 」


―――― レゼリア国親衛隊七人衆 『セイ』


衛兵『親衛隊の精鋭が二人も…!この布陣ならば今度こそ奴もおしまいだ! 逃走ルートを完全に包囲しろ!万が一でも下層部へ逃がしてはならん!あそこには民間人も大勢いる!ここで何としても食い止めるぞ!!』

ホタル「……!(ヴィオスにセイ…!普段はすごく心強いのに…今だけは恐ろしい組み合わせすぎるかも…っ…) フレイミスッ、あの包囲網を突破しないと下層部にいけない…!なんとか突破できる…!? 」

フレイミス「ああ…見るからに強そうだ… でもやるしかねェよなァ…ッ!!(ホタルの懸念さえも吹き飛ばす豪快な覚悟に、吊り上がった口角が下がることを知らない。大軍を前にしても走る速度を落とすことなく突き進む) 」

ヴィオス「俺が前に出る。セイは援護しろ。(チャキリ、と剣を水平に構えて飛び出していく) 」

セイ「わかりました。(弦に指先を添え、爪弾くようにフレイミスの足元めがけ矢を放つ) ヒュドドドドドァァアッ!! (次々と放たれる矢は、ホタルへの被爆を考慮するようにフレイミス本人ではなく、あくまで牽制としてその地面に突き刺さる) 」

ヴィオス「っはぁぁぁあああ!!(臆することのない気迫で剣を振りかぶり、フレイミスへと何度も斬りかかる。後方支援に徹するセイの放つ矢の牽制に合わせるようにフレイミスを追い込んでいく) 」

フレイミス「くッッ――――(剣と矢の波状攻撃。直撃しまいと切羽詰まった表情で辛うじて回避を成功させていくが、まんまと敵の策中に嵌ってしまうように後退を余儀なくされる)……抜群のコンビネーション…それにこの数……俺一人じゃぜってー突破はできねェだろうな……?(ふと、何かを閃くようにピクリと顎先が上がる) 」

ヴィオス「(よし…壁に追い込んだな…このまま確実に仕留める――――)――――― せやぁあッ!!(間合いを詰め、一歳の油断と慢心を曝け出さずフレイミスへ突撃していく) 」

フレイミス「…ちッ…性には合わねえがやるしかねえ…(何を思ったのか、背負っていたホタルをそっと下ろして両腕を解禁する)―――― すまねェホタル!!(と思われたその次の瞬間!ホタルのか細い腕をグイッと引き寄せる)グルンッ――――ゲシィッ!!(なんということだ、あろうことかホタルを盾にするように前に出してヴィオスの油断を誘う。直後、再びホタルを引き寄せると同時に後ろ蹴りをヴィオスへ叩き込む) 」

ホタル「ふぇっ―――――ふわああぁっ!?(フレイミスに突発的に引き寄せられて仰天する) 」

ヴィオス「 !? (なに――――ッ!?)(油断した。守るべきホタルを盾として突き出されたことで歴戦の剣士も硬直してしまい、その隙を突かれるように後ろ蹴りを見舞われる)貴様――――!(しかし、屈することなくフレイミスへ何度も斬りかかろうと前進する) 」

フレイミス「(俺一人じゃ突破は無理だ。だが、今の俺には「ホタル」がいる…!恨んでくれていい…だが今だけは―――!!) グイッ―――ガンッ! クルンクルン―――ガッギィンッ! グンッ――――ドッグォァッ!! (ヴィオスが攻撃を繰り出すタイミングでホタルを再び手繰り寄せては油断を誘いつつ攻撃を弾き返し、今度は彼女を背後へくるくると回すように動かしては義手で斬撃を受け止めつつ、胸元へ引き寄せ抱きかかえてはハイキックでヴィオスの側面を蹴り飛ばす。囮と攻撃のヒットアンドアウェイ。それは宛ら若い男女による即興のバレエのようにどこか優雅な空気を醸していた) 」

ヴィオス「ッ゛――――!?(クソッ!調子が狂う!!)がぁッ…!(まるでホタルと二人で踊るように入れ替わり戦法を駆使するフレイミスに翻弄されてしまい、結局決定打を与えられないまま蹴り飛ばされてしまった) 」

セイ「ほう…これはこれは…やり口は非紳士的ではあるが、どこか紳士らしい振る舞いも感じられる。心なしかサキエル嬢も楽しんでおられるようだが、流石にこのまま見過ごすわけにはいきませんね。(翻弄されるヴィオスを援護しようと弓矢を構え直すが―――) 」

ホタル「ふえぇぇぇぇ~~~~っ…!め、めがまわるぅぅ~~~~~!!😵‍💫💦💦(フレイミスとの即興ダンス?に巻き込まれて目がぐるぐる渦巻く) 」

衛兵『あの小僧!!良くもサキエル姫を囮に…なんと卑劣な!! ヴィオス様を援護しろ!!我々も突撃だあああああぁぁぁーーッ!! ウオオオオオオォォォーーーーッ!!!(ドドドドドとなだれ込むように大軍がフレイミスたちへ押し寄せていく)』 」

KBC「脂っこいど!!!(衛兵の足元に大量の油をこぼす) 」

衛兵「うわあああああああああああーーーーっ!!!やめろおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!(衛兵の先鋒たちが、KBCの油に脚を取られて盛大に滑って行く) 」

大剣兵「(衛兵の中でも、一際大きな体格の兵士が押し出されるようにフレイミス達の前に現れ)―――わ、わっ……と、投降して……ください……っ…!(弱気な震え声とは裏腹に、体格通り堂々と、そして一切ブレの無い体幹で大剣を構えて立ちはだかる) 」

蝶野正洋「(衛兵全員にあのビンタを執行する) 」

阿部さん「ウホッ♂いい男たち(衛兵とついでに蝶野も片っ端から身体の隅々を触っていく) 」

如月「(押し寄せる隊列の後方。身の丈ほどある巨大な十手を背負った白髪の女性が腕を組み状況を俯瞰する。気怠げな灰色の瞳はただ一点、ホタルを注視し)………。(何かを納得したように頷くと、一歩引いた)――――弓兵、後方火力支援部隊構え。目標を注視 」

弓兵部隊「き、キサラギサァン!?! まずいっすよ!!サキエル様を盾されては打つ手が……ッ 」

如月「一切は私が責任を負う、合図と同時に射て。照準用意、構え(冷水を浴びせるかのような一声を弓兵部隊に浴びせ、自身の方を向く弓兵には殺気さえも向ける) 」

弓兵部隊「オンドゥルルギッタンデスカァ!!キサギサァンマズイッスヨォ!! わ、わかりぃ……ましたァ……!!(そう弱々しく帰すなり、あますことなくフレイミス達へ屋の矛先を向けようと全員が進行方向を向いた、その刹那―――――) 」

如月「    コ ゛    ッッ     (十手を横一線に"振り抜き"弓兵の隊列よりも前に出る。 一回転させ背に収め)  ト サァ  (糸が切れた人形のように、彼女の背後で弓兵部隊が一斉に崩れ落ちた) 」

衛兵「ってえ!?なにやってんすか如月サァン!!!!!貴方の指示通りに動いた兵士たちになんてことを!?(状況がまるで呑み込めず大パニック) 」

赤ピクミン「赤ピクミンは火に強い♪(フレイミスや衛兵たちの前を通行する) 」

青ピクミン「青ピクミンは溺れない♪(続けてやってくる) 」

黄ピクミン「黄ピクミンは高く飛ぶ♪(続けてやってくる) 」

岸辺露伴「 岸辺露伴はッッッッッ!!!!!!動かないッッッッッッ!!!!!!!!!!!!! (フレイミスたちの前で動かない) 」

フレイミス「うるせええええええええええ退けええええええええええええええええーーーーーーーーーッ!!!!!!!(ドッゴーーーーーーーーンッ!!!!!)(ホタルを背負い直すや否や、臆病な大剣兵だろうが阿部さんだろうがピクミンだろうが露伴先生だろうがみんなまとめてお構いなくぶっとばしていく) 」

如月「約一名私の指示に従っていなかった(と思う)から連帯責任で全員罰した。あとお前も目標を向いてなァい刑罰刑罰ぅ~~(衛兵にヘッドロックを決め絞め落とす)―――――(アルミナのじじいめ……ローナの休日あたりでも履修して"お忍びの段取り"ぐらい卒なくこなせるようにしておけと何度…… 光姫は堅物だけど話がわからんでもないしー……  いやどうだったかな、この後私がシメられる流れか?納得いかな~~……) 」

衛兵「げぶしっっっっ!!!(理不尽なヘッドロックで卒倒する) 」

守衛「伝令ー!伝令―!!城内の混乱に乗じて収監されていた囚人の一部が脱獄ゥーー!! 」

守衛長「な、なァァーんだってェ~~~!?何人だ!何人出てきたァー!!三人か?三人も出てきたのか欲張りさんめ!! 」

守衛「ご、ご、ご、ごォォ~~~~……   」


.>>五人も脱獄して5meeeeeen!! 御機嫌よう下郎の皆さん!!<<


カブトムシエレン「――――― ガ   ギ ィ˝    ン   ッ˝ ! ! ! (セイが弓矢を構えた瞬間に発生した金フラッシュのタイミングでクソデカペロキャンで彼の武器をパリィするカブトムシ) 😏 (セイに勝ち誇ったような態度を取り、フレイミスの後を追う) 」

セイ「ッ…!?(横やりを入れてきたカブトムシエレンに武装を弾かれて大きく仰け反る)小さいのになかなかやりますね…しかし……んんっ…?(なんということだ!パリィされた瞬間にエレンが持っていたペロキャンのべたべた粘液が弓矢に付着!まともに矢を射ぬことも叶わなくなってしまった!)………やられましたねぇ……(やれやれと参ったようにフレイミスたちをそのまま見逃してしまう) 」


謎の聖帝S「  >> 俺 様 だ << フハハハハハ!!聖帝にはあるのだよ、脱GOく!!する権利がァ!! 知れば誰もが思うだろう、南斗でGOmenのようになりたい!南斗でGOmenのようでありたいと!!!!フハハハハハ!!そのための業!!!!重ねてきたのはこの聖帝だァーーーー!! 」


――――サウザー!シュウ!レイ!シン!そしてクルーゼ!!南斗の5囚人が世に解き放たれ、レゼリア国を恐怖のドン底に叩き落とした!!!!というのはどうでもいい別の話であった!!!!!!!!(完)


今日のユダ:ついにハブられたショックで死亡すらできず退場


ヴィオス「やられましたねぇ……(キリッ)じゃねえんだよ! クソッ!早くあいつを追いかけろ!!光姫の奴は何してんだ…!? 」

光姫「(その頃、下層部では――――)――――なに?サキエル嬢が誘拐されただと…?既に親衛隊の包囲網も何度か突破されている…!?わかった…私も出る!(報告係の兵から事情を聴き、毅然とした佇まいが一変する。一切の情けも許しはしない鋭い鷹の目の眼光が閃きだす) 主犯格の特徴は!? 」

伝令係「はっ!10代と思わしき少年で、黒いマントを身に着けておるそうです! 」

大柄な大剣兵「(相手は親衛隊を蹴散らす様な相手、でも一合でも止め……え!?)えぇ!?如月様、何して………んぶううううううううう!!!(フレイミスに盛大に吹き飛ばされる) 」

光姫「……黒いマントの…少年……?(少ない情報。だが、すぐに思い当たる人物像が脳裏に浮かぶ。数時間前に出会った、あのフレイミスという若い旅人のことを。だが…)………(にわかには信じられない、と自分に言い聞かすような眼差しが、躊躇いに揺らぎかける。しかし、一国を揺るがす事態。守るべき主の命の危機にさらされているかもしれない状況を前に、騎士道精神にその躊躇が叩き切られる)……――――― バ ッ ! (そして紅のマントを靡かせ、颯爽と駆け出していく) 」


― PM17:00 レゼリア国・下層部・城下町 ―


バウムおじさん「(すでに店じまいしていく城下町の通りの真ん中を、やつれた顔でリヤカーを引いていた)ぜぇ……ぜぇ……!まっっっっったく!!酷い目に遭った!!今日はとにかくなおさらだ!もうこの国で商売するのはダメだ…他所へ行くしか……ん?(何かが押し寄せてくるような進撃音に振り返る) 」

親衛隊・隊員『いたぞおおおおおおおおおお!!!あの小僧を追ええええええええ!!! うおおおおおおおーーーーーッ!!!!!』

バウムおじさん「ってゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ!?!!?!?!?!?(それがレゼリアの衛兵たちであるのに気付き、トムとジェリーみたいに目玉が分裂したように飛び出す)くっそおおおおお!!今度は軍隊引っ提げて私を捕まえに来たのかああああ!!冗談じゃなあああああああい!!!(などと盛大に勘違いしてリヤカーを引きながら全力逃走する) 」

フレイミス「ハァッ、ハァッ…くそ…どんどん増えてきやがったな…―――――ん!?(前方に見覚えのあるリヤカーを発見し眉を顰める。もしやと思い、爆発的脚力で飛び出してそのリヤカーと飛び移る)頼むおっさん!!!全力で走ってくれ!!! 」

バウムおじさん「Σッゲェーーーーー!!??お、お、お前はあの時の坊主ーーーー!!??何を言うか!!今はお前なんぞに構ってる場合じゃない!!!私の商売人生終わり寸前まで差し迫ってるこの状況なんだぞおおおお!!!!うおおおああああああああ!!!!!!(などと嘆きながらもガッシュベル作画よろしく顔面崩壊しながら死に物狂いでリヤカーを引き続ける) 」

ホタル「ふぅ…!ちょっと休憩しておやつタイムだね…♪(リヤカーの上にぺたりと座り込みしれっと商品のバウムクーヘンを口に含んでいる) 」

カブトムシエレン「 モッチャモッチャ (ホタルの隣で大量のバウムクーヘンを滝のように口内へ流し込んでいる) 」

バウムおじさん「お前らああああああああああああああ!!!ウチの商品を勝手に食うなあああああああああああ!!!!!!!!! 」

如月「(紙袋マスクを被った状態でしれっとリアカーに腰掛けつつバウムクーヘンをおもむろに口の中に放り込む)これが〜〜法外な値段をふっかける上脱税天下りの温床、無認可の屋台かぁ~〜いけないなぁおじさんーーモグモグモグモグ 」

ホタル「あれぇ~…?その声は……如月もいたんだ♪もしかして私を連れ戻しに来たの?(紙袋マスクをかぶってもバレバレのようだ) 」

バウムおじさん「んひいいいいいいいいいいいいいいお助けをおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! 」

スフィアード「 パカラッ、パカラッ、パカラッ…――――― 逃がさんぞ!  (だがそこに、リヤカーと並走するように鎧を纏った黒馬に騎乗した男が薙刀を片手に参上する) 」


―――― レゼリア国親衛隊七人衆 『スフィアード』


スフィアード「――――― ふぅんッ! (長刀を両手に握りしめて振りかぶる。リヤカーの右車輪めがけて勢いよく振り落とし、分解させようと狙う) 」


――――― ガ ズ ゥ ン ッ ッ ッ ! ! ! (スフィアードが振るった薙刀の一閃により、リヤカーの片車輪が斬り落とされてしまい、バランスを崩した車体がギャリギャリと地面を強く擦りながら減速していく)


バウムおじさん「の˝お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!!!ローンで買った自慢のリヤカーがあああああああああああああ!!!!!(ガリガリガリガリガリガリ)(車輪を片方失ったリヤカーをっ無理矢理引きずっているため、凄まじい摩擦音を響かせながら、減速しようとも、それでも必死の形相で引きずり続ける。 ※一応"人力"です) 」

騎馬隊『スフィアード様!標的を挟み込みました! サキエル様!どうかこちらへ手を伸ばしてください!! そのまま人力車を包囲せよー!!(6人からなる騎馬隊がスフィアードに続くようにリヤカーを完全包囲する)』

フレイミス「チィッッッ……!!(不味いな……いや、待てよ――――)(募る焦り…しかしすぐに機転を利かせるようにアイデアが閃く)――― 行くぞ、ホタルッ!!(瞬時の判断でホタルを抱き上げると、スフィアードと挟み込むように並走する騎馬兵の一人を蹴落とし、そのまま馬を奪取する) 」

ホタル「え、ちょっ…まだ食べてる途中―――ふええぇっ!?(バウムクーヘンを抱えるエレンを抱きかかえたままフレイミスに抱きかかえられ、騎馬兵の一人が残した馬の後部に着地するように座り込む) 」

馬「ヒヒイイイイイインッ!!!(主がフレイミスに変わったことでパニックに陥った馬が大きくいななき、前足を高らかに上げて乱暴に走り出す。その際、隊列を維持する他の騎馬兵たちを乱暴に突き飛ばしていく) 」

バウムおじさん「ぎゃあああああああああああああ!!!!!!!もう許してくれえええええええええええええええ!!!!!!(ズンガラガッシャアァァァァァン…―――――)(馬に横から突撃されてついに転倒!リヤカーは木っ端みじんに破裂し、残骸と共に無様に転がり続けてフェードアウトしていくのだった…) 」

フレイミス「くそッ、このッ…!!落ち着けってんだこの野郎!!うおおああぁぁッ!?(パニックで暴走する馬に振り落とされないように食らいつき、何とか腰を落として跨る)ッ……!馬なんて乗ったことなんかねェけど…!!四の五の言ってる場合じゃねェーーーッ!!やってやらァッ!! 」

スフィアード「 なにッ――――!? (フレイミスが咄嗟に取った行動に目を見張る)……!(この少年…馬の扱いはてんでなっていないが、あの状況で咄嗟的に我が騎馬隊の包囲網を掻い潜るとはな… その勇敢な勢いだけは褒めてやる…だがッ!!)バシィンッ!(手綱で馬を鞭打ち加速させる。少しずつフレイミスたちを乗せた馬に後方から接近しつつ、瞬く間に追いついてみせる) ふんッ!! ( ブ ォ ン ッ ! ! )(後部に居座るホタルに被害が被らないよう、フレイミスの身に狙いを定めた斜め斬りを繰り出す) 」

フレイミス「ッ゛―――――!?(ギア・チェンジ!モード「開拓型」(ブレイド)!!) ガ ッ ギ ィ ィ イ イ ン ッ ! ! (真横から振り下ろされた薙刀の刃の餌食になる直前、瞬間的に左腕をブレード化させて受け止める)っおらぁぁぁぁあああ!!!(ガッギギギッガッ、ギャギギッン、ギャギィンッ、ガギンッキンキンッ!!!)(右手で手綱を握り、左腕のブレードのみを一心不乱に振るってスフィアードと並走しながら斬り合う) 」

スフィアード「 ふぅ…ッ!! (ガギンッ、ガギンッ、カキャッ、、ギィンッ、ギャギギギィンッ!!!)(両の脚力のみで馬の背に全身を固定化させ、バランスを維持したまま両腕による薙刀の乱舞で応戦。騎馬戦による並走を保ちつつ両者一向に引けを取らない剣戟に火花を散らしていく) 」

騎馬隊『す、すごい…!!騎乗したスフィアード様と互角に斬り合っているだと…ッ!? サキエル様はご無事なのか!? ダメだッ!我々ではまったく追いつけぬ!! あっ、そーだ!!「あのフォーメーション」で行くぞッ! やるのか!?やるのだな!?よし分かった!!いくぞぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!』

騎馬隊→騎馬タワー隊『 > > > 合 ☆ 体 < < < (\ヒヒヒヒヒィィィィイイイインッ!!!!!/)(5人の騎馬隊が取った突然の行動!それは、一人の騎馬兵を土台にもう一人の騎馬兵がそのまま飛び移り、更にもう一人、そしてさらにもう一人、更にさらには最後の一人が高くまで飛び移り、縦一文字に積み上げられた新たな騎馬隊のフォーメーションが完成したではないかァーッ!!)待てええええええええ!!!!(ぐにゃんぐにゃんと不安定に傾倒しながらも、何故かその馬力は一個人を凌駕した5倍!圧倒的スピードを得てフレイミスを追随する!!!何で早くなっているのか原理は不明だ!!)』

如月「ち、ちがぁぁーーーーう、私はバウムマンだぁーーーーー(胡座をかいたままの姿勢で大破するリアカーから飛翔!!騎馬タワー隊のトップの両肩に膝を絡めコントロールを奪おうとする!) 暴れるな、暴れるなコラ!人馬一体だ!私が呂布でお前がウマ!これで人馬一体!!身の程をわきまえろ~~!!(じたばた) 」

ピカウマン「ヒヒン!!!!(ネズミなんかやってる場合じゃねえ!!追い上げてきたのはヒシアケピカ!!ヒシアゲピカだァーーーー!!) 」

カブトムシエレン「 ポイッ! (愚かなバナナの皮を投げ捨て騎馬タワー隊をスリップさせる) 」

愚かなバナナ「イィ~~~~~イィ~~~~~~~😭(騎馬隊に踏まれて自分もこける) 」

騎馬タワー隊『うわあああああお前らしっかりしろ!!! コントロールが効かねえ!! あ、ふなっしーだ! 腹減ったなあ…俺もあのバウムクーヘン食べたいなあ……って、うわあああああああああああああああああああ!?!?!?!!?!??(ガラガラガッシャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!)(一枚のバナナの皮程度でスリップした土台の馬が転倒したことで案の定盛大に崩れた)』

スフィアード「フッ、ハッ……!なかなかッ、できるな少年…!ここまでタメを張ったのは久しい…だが!我々親衛隊はその身に変えてでも陛下と姫様を守り抜く義務がある!たとえ悪戯小僧と言えど…慈悲は与えられんぞ!!(――― ブ ォ ン ッ ! ! )(横薙ぎの一文字で斬り伏そうと薙刀を強く振るう) 」

フレイミス「――――いらねえよそんなもんッ!!(再び背負わせたホタルと共に馬の上で跳躍し、スフィアードの一閃を回避すると―――) ギア・チェンジ―――モード「加重型」(ピストン)ッ!!( メ ゴ ォ  オ˝ ―――― ッ ! ! ! )(宙を舞う最中、右脚が瞬時にパイルバンカーへと変形。重力を上乗せした蹴りの如く鋭い右足を突き出し、スフィアードを馬から転倒させようと圧倒的優位な上空から急襲する) 」

スフィアード「むッ゛――――!!?( ド グ ゥ ォ ア ア ン ッ … ! ! )(頭上へと身を放ったフレイミスの即座の反撃に対し薙刀で受け止めにかかるが、衝突の圧力に押し任され、体に黒馬共々転倒。自身は辛うじて受け身を取るが、再び顔を上げた時にはフレイミスに先を越されてしまっていた)…………無念。(悔恨。しかし、何故か清々しさとも感じられる小さな笑みを内側で零した) 」

光姫「あそこか…―――――!(建物の屋上から屋上へと華麗に飛び移りながら、遠方にて騎馬戦を繰り広げっるフレイミスたちを持ち前の鷹の目で目撃する。だがその瞬間、マントを靡かせながら馬を手繰るフレイミスの姿に、何かが重なったように見えた。それは幼き頃に見た、憧れだった英雄の勇猛なる姿。脳裏に一瞬リフレインした偶像が、現実のフレイミスへと切り替えられたことで…何かを考えこむように目を細めた) 」

馬「ヒッヒイイイイイイィィンッ!!(フレイミスたちを乗せていた暴れ馬はそのままどこかへ勝手に走り去っていったとさ) 」

フレイミス「っし…!あのおっさんと馬のお陰で一気に進んだはずだ…!ホタル、このまま町を抜けたらいいんだよな!?(背負っていたホタルをお姫様抱っこに切り替えて道なりに疾走していく) 」

ホタル「うんっ…!町を抜けたら噴水広場を右へ!そしたら――――― 」

デュクス「 ┣¨ シ ィ ――――――――― ン … ッ ! ! ! (だがそこに、圧倒的巨体を誇る大男が地盤を踏み粒ように落下し、フレイミスの行く先を遮る巨壁として立ちはだかった) 通さん (無骨に、不愛想に、男は四股を踏んだ姿勢で大きな両腕を広げてフレイミスを真っ向から受け止めにかからんと構えた) 」


―――― レゼリア国親衛隊七人衆 『デュクス』


フレイミス「ッ―――――!?(なんだアイツ…デケェ…ッ!あの感じはおそらく親衛隊の強ぇ奴…まともに闘り合うわけにはいかねェ… どう突破するか――――)―――――ん?(圧倒的巨躯を誇る大男を前に突破口への策を必死に模索する中、デュクスの迎撃姿勢を見て何かを閃く) 」

フレイミス「 ホタルッ!目を瞑れッ!! (デュクスの射程範囲内に入る直前、なにを思ったのか今度はお姫様抱っこしていたホタルを天高く打ち上げたではないか) 」

ホタル「ふえ…?  ほわわわぁぁっ!!?💦  (フレイミスの指示に従い目をきゅっと瞑るが、体がふわりと宙に浮かされたような不思議な感覚を察し、思わず絶叫してしまう) 」

デュクス「―――――!!(フレイミスを拘束しようと身構えたその瞬間、救出対象である姫君が自分の頭上を越えていくほどに高く打ち上げられた子音で意識がそちらに向かれ、落下しゆく彼女を受け止めようとその大腕を伸ばすが――――) 」

フレイミス「 悪く思うなよ――――――ッ!!! (ズザザザァーッ…―――― グ ル ン ッ ! )(ホタルを打ち上げたと同時にデュクスの股をスライディングで潜り抜け、間髪入れない動作で踵を返すと―――)――――― ずえ˝ぇ゛ぁ゛あ゛ッ゛!!!( ド ッ グ ゥ ォ オ ア ッ ! ! ! )(大男の両膝の裏側に対して強烈なソバットを叩き込み、足元を盛大に崩しにかかった) 」

デュクス「  !!?  ( ガグンッ ―――― ズ シ ィ ィ ィ ィ ン … ッ … ! ! )(ホタルに意識を持っていかれたことで眼下を潜ったフレイミスに致命的な欠点を曝け出してしまう。宛ら膝カックンのように両膝を強制的に屈折させられ、膝を地について崩れてしまう)…不覚…ッ……! 」

フレイミス「 ポ フ ッ … ! (デュクスの頭上を越えたホタルを再びキャッチし、崩れた大男の背をバックに駆け抜けていく)何度も迷惑かけてすまねェ…! 」

ホタル「うーうんっ…!ドキドキしてるけど、実はちょっぴり楽しかったりして…♪こうやって誰かに守られながら走るの…すごく懐かしくて…(いつか木の下で出会った青年との日々が、少女の色褪せぬ記憶として今も輝いているのか、そのことを懐かしむようにほくそ笑んだ) 」

カムイ「……?(一方その時、噴水広場にてご老人を相手に祈祷を行っていたところに、ホタルを抱きかかえたフレイミスたちの姿を目撃する)……今のは……サキエル様でしょうか…?ですがあの表情…… ふふっ…満更なく楽しんでおられるようですね。どうか、あの方々に神のご加護があらんことを…――――(親衛隊の一人でありながら剣を持たぬ修道女は、ただ彼らの無事を祈るだけに留めた) 」


―――― レゼリア国親衛隊七人衆 『カムイ』


フレイミス「そうか……!(ほくそ笑むホタルを抱え、少年は不敵に笑む。もう少しで、憧れた「父」のもとへ辿り着ける。そう確信したが――――) 」


ウェカピポの妹の夫「この俺から逃げられると思ったのか?マヌケが。……せっかく手柄を立てたのによぉ~~~。テメー。俺の顔に泥塗ろうってか?狼藉者の分際でよ~~~~(眼前に現れ静かな怒りを顔に宿らせる) 」


―――― レゼリア国親衛隊・隊員『ウェカピポの妹の夫』


とりまき騎士『へへっ!あのガキ脱獄したのかよ! やっちゃってくだせぇ!兄貴ィー!!』


フレイミス「――――― ! (七人衆たちを退けた後、噴水広場にて待ち構えていた見覚えのある男に目つきが鋭くなる。悪辣に怒りを表す男をその目に捉え、数時間前の出来事がフラッシュバックする)………ホタル、"いいよな"?(徐々にその距離を詰める最中、背面に掴まる姫君へ静かに問いかける) 」

ホタル「うんっ……!フレイミスのこと、信じてるから…! 」

フレイミス「じゃあ…―――――― このまま"最大速度"で振り切るぜ!しっかり掴まってろよッ!!( ガ チ ャ ゴ ォ ン ッ ! )(義手の両肘からバーニアが展開される) 」

ホタル「 うんっ!  」




ウェカピポの妹の夫「(左の腰に備えている剣に左手を添え)おいおい、王族攫いまでやってんのかテメー。よろしい!天誅をくだすッ!処刑道具はもちろん────!(バッと剣を横へ放り)『鉄球』だッ! 祖先から受け継ぐ『鉄球』ッ! それが流儀ィィッ!(右腰に取りつけていた衛星付きの鉄球『レッキング・ボール』を投擲しようとする) 」

フレイミス「 "直角"(ロング)ッ! ( ギ ュ オ ゥ ウ ッ ――――!!)(展開されたバーニアが火を噴き、ブーストをかけて驀進する)ギュンッ――ギュンッ――ギュインッ――――ギュオッ――― ギ ュ イ ン ッ ! ! ! (直角に屈折を繰り返しながら凄まじい速度で空間を飛び抜けるように疾走。音速を超えた神速の影が夫の手繰る鉄球の圧力に押し潰される―――――間際を掻い潜り、ついに本人の目と鼻の先に肉薄する) 」

フレイミス「  "エア・ドライヴ" ッ ! ! !  (――――――― ┣¨ グ   オ˝   ォ˝   ゥ˝  ッ゛ ! !  !   !  )(加速に加速を増した鋭い跳び蹴りが、ウェカピポの妹の夫のどてっ腹に強くめり込む)うおおおおおおおおらあああああぁぁぁぁぁああああああーーーーーーーッ˝ ! ! ! ! ( ボゴォンッ――ボゴォンッ―――ボグゥォオンッ――――ボッゴォンッ――――― ボ ッ グ ォ ォ ア ア ン ッ ! ! ! )(ブーストは勢いを止まず、超加速を経てそのまま夫と共に彗星の如く建物を次々と貫通。そしてその最後に渾身の力を込めて夫を大きく蹴り飛ばしたのだった)」

ウェカピポの妹の夫「な、────…………にぃいいいい!?(彗星の如く美しくも圧倒的な質量。生身の肉体はそれに反応する術もなく)ド ボ ォ   オオ  ッ!!     ブハッ!!(白目を向き、壁に激突。磔にされたようにめり込んで意識を失った) 」

とりまき騎士『 > > > > > ( 絶 句 ) < < < < <  (ウェカピポの妹の夫の子分のとりまきの騎士たちの目玉が一斉に飛び出し、誰もが信じられない光景に硬直した)』

フレイミス「――――今のは俺じゃねェ。あのおっさん(根暗の男)とデックさんの分だ。(ヘッ、としてやったりな笑みを浮かべつつ、ついに人気の多い町を抜けていく)振り落とされてないなホタル?あとはどうすればいい!? 」

ホタル「私は大丈夫だよ!早すぎて何が何だかって感じでびっくりしたけど……!うんっ、このままいけば森に着くよ…!森林の中は迷いやすいけれど、私が細かくエスコートするから…!まずは…―――――(そして、少年の背中に跨ったままついに森林地帯へと潜り込んでいく――――) 」

ウェカピポの妹の夫の同僚「やめとけ!やめとけ!あいつに勝てないようじゃ俺達は分が悪いんだ! 」

光姫「ッ―――――(自身と同じ階級の七人衆、更には多くの親衛隊たちが次々と退けられていく光景を遠くから追跡の間際に眺めることしかできず、小さく舌打ちする)――――― ! (噴水広場…あの少年と初めて出会ったところか。だが…なぜそのまままっすぐに国を出ない…?そっちの方角には国外への出入り口などなければ、迷宮ともいえる森林地帯―――――)(フレイミスの進路先を分析し、訝しむように見つめていたが―――」) 」

光姫「   !!   (彼の意図を察したのか、表情が険しく一変した)…まさか……彼の"本当の目的"は―――――ッ!!(急がねば。高貴なる女性騎士はなりふり構わない挙動で町を駆け抜け、必死にフレイミスの俊足に食らいつかんと追いかけるのだった――――) 」



― レゼリア国・秘境の花園 ―




そこは、幾万もの花々が咲き誇る広大な花園。
夕凪のように花々がしんと静まり返るこの秘境の地に、人が常に踏み込むような痕跡はなく、 あるがままの自然な光景が広がっている


フレイミス「―――……着いた……ここが……!(花園の中央を裂くように伸びる長い一本道、そのスタート地点に踏み込む) 」

ホタル「……そう…ここが…私たち王族の中でも、ごくわずかに限られた人ただけが知っている秘密の場所。レゼリアの自然をこよなく愛したお母様が最後に残っていった花園なの。(フレイミスの背中からゆっくりと降り立ち、感慨深そうに目を細めては花園を一望する) 」

ホタル「……ここには…お母様のお墓がある。そして…フレイミス……君の…お父さんも……この先に… 」

フレイミス「…………ああ。(少年は義手の手を静かに握り込み、その一本道を強かに踏みしめるように突き進む) 」


太陽が西へと沈む。それでも、かの少年の足取りは沈むことなく進む。
いくつか分かれ道はあったが、迷わず真っすぐを突き進んだ先に見えた一基の十字架の墓標。そこに刻まれていた名こそ――――


――――――――『 Vinamis・Teal'c・Chaos 』


フレイミス「―――――――――(花の道を超えた先に、ようやく憧れた続けた『父』との邂逅を果たす)………(その表情には悲壮感も、困惑も、動揺もない。ただこうなることを誰よりも切に願い、予想していたが故か。少年は若さゆえの脆さを垣間見せず、未だ一定の距離を保ったまま墓標と相対する) 」

フレイミス「…………………『親父』…―――――(長い沈黙の末にようやく唇を開きかけた、次の瞬間だった――――) 」


――――――――  待て 


ビ ュ オ ォ ォ ォ オ オ ――――――― ッ ! ! (静かにも厳かな一声が少年の背中を突き刺すと共に、静寂に包まれていた花園に騒がしい突風が吹きつける)


光姫「―――――――(フレイミスたちが振り返った先にいたのは、高貴たる意思を宿した赤毛の女騎士。一寸の揺るぎを見せない鷹の目が、墓標の前に立つフレイミスを静かに睨み付けていた) 」

ホタル「……光姫……!(驚嘆に目を丸くする) 」

フレイミス「……アンタは……(振り返り、その正体に既視感を覚えて眉を顰める) 」

光姫「……なるほど……これが貴様の"真の狙い"だったとはな。その若さで、それもたった一人の犯行でサキエル嬢の誘拐など無謀にも等しいと思っていたが… 本当の狙いは、王族の中でも限られたものだけが知るこの花園への道案内だったわけか。王都全体を騒がせてまで、何故この地に赴いた。言え。(無言でホタルを下がらせると共にっフレイミスへの注視を怠らない) 」

ホタル「待って光姫!これには訳が―――― 」

フレイミス「会いてえ人がいるからだよ。 」

光姫「………それが、貴様の背後にいると…?貴様のような少年が、『彼』と何の関係が? 」

フレイミス「教えても信じねえだろ、その目は。(光姫が放つ鷹の目の眼光に動じない強い眼差しで対峙を示す) 」

光姫「……まあいい。いずれにせよ、貴様は一国の姫君を誘拐し、衛兵たちを傷つけ、そして…国王様が今日まで守り抜いてきたこの秘境の地に土足で踏み込んだ。五体満足でこの地を出すわけには、いかない。 」

フレイミス「それなら結構だ。どうせ俺の体はもう五体満足どころか欠陥だらけだ。今更何を捥がれたところで泣きゃあしねェよ。 」

ホタル「待って…っ!光姫も、フレイミスも…!どうしてバチバチに睨み合うの…っ?私が事情をすべて話すから、いったん二人とも落ち着いt―――― 」

フレイミス「――――ホタルッ!!(慌てふためく姫君に一喝を放つ)……でぇじょうぶだ… どうせ話し合いで通じるなんて端から思っちゃいねェんだよ、俺も…そいつも…。それに…最初にこの国の入り口で会った時……多分こうなるんじゃねえかって、薄々感じてたんだ。こういうのを、武者震いって言うのか?(フッ、と不敵にほくそ笑みながら義手の腕を黒マントの内側から曝け出す) 」

ホタル「で、でもっ…! 」

光姫「サキエル嬢はお下がりを。(片腕を伸ばして後退を促し、自身はそのまま一歩前進する)武者震いか…よくもまあ強気なことが言えるものだ。フレイミス…と言ったか。見損なったぞ。初めて会ったあの時…君のことは直感的に気に入っていたのだがな。だが…貴様はもう一つ罪を犯した。それは……我が『恩人』が眠るこの地に、喧騒を起こしたことだ。『あのお方』が安らかに眠られるこの園に訪れる余所者の足音など、我が刃が斬り落としてくれる。(腰に携える鞘が顔を出し、その柄に手をかける) 」

フレイミス「だったら力づくでも追い出してみろよ。俺はぜってぇ退かねェ。アンタの大義って奴も重かろうがな……俺にだって揺るがねえ想いがある。その示しをつけなきゃならねェ!(ガッと両の義手をかち合わせる) 」


ォ ォ ォ ォ オ オ オ … … ―――――― ッ ! ! (風が吹きつける。花が揺れる。太陽が沈む。世界が…より深みを増した琥珀色に包まれていく―――――)


フレイミス「……………… 」

光姫「……………… 」

光姫「 レゼリア国親衛隊・七人衆が一人、『光姫』。推して参る―――ッ!  」

フレイミス「 俺は示す、俺の在り方を―――ッ!  」



――― Vs. 【 レゼリア国親衛隊・七人衆 】 光姫 ―――



――――― ダ ッ ! / ダ ッ ! ―――――


花園の一本道。限られた路の上を、二人の少年少女が向かい合うように駆け出し始める。
鉄拳と赤刀。両者の武器が降り抜かれ――――


フレイミス / 光姫『 ッ˝―――― ! ! / っ゛―――― ! ! ( ガ ッ˝ッ˝ ッ˝    ギ ィ˝  イ˝  ン゛ ッ˝ ―――――― !  !    !    )(―――同時に衝突。衝撃が大気を震わせ、寝ぼけていたように静まり返っていた花々が一気に目を覚ますように大きくなびいたのだった)』

ホタル「 ひゃ…っ!? (迸る衝動を前にし、草花のように吹き飛ばされかける) 」

フレイミス「 ギ リ リ … … ッ˝ ! ! (ああ、"やっぱり"な……ッ!この感じぁ……!!) 」

光姫「 ギ ャ リ リ リ … … ッ˝ ! ! (初手でこの"重み"……っ…!やはり、ただの少年ではない……!) 」

フレイミス「 バ ッ ! (ほぼ同じタイミングで飛び退くと、着地と同時に大地を蹴り上げて爆発的な接近で一気に懐に詰める)だらららららァッ!!!( ヒュドドドド ドッ  ドドドッ  ド ォ ッ ! ! )(両拳による目にも留まらぬラッシュを畳みかける) 」

光姫「ズザザザァ ー ー ッ … ―――― ス チ ャ ン ッ (滑るような後退とと同時に納刀。顔を上げた先には無数の拳の残像が目と鼻の先まで迫っていたが―――)――――― ヒュッ フォッ フンッ   フォンッ スンッ  ヒュッ ヒュッ  ヒュンッ !  ! (常人ならばまず見切れるはずのないその光速連撃を、柄に手を当てたまま軽い身のこなしで次々と受け流していくではないか) 」

フレイミス「――――――ッ!?(なにッ…!?掠りもしねェ…ッ!?)(自慢の速撃が悉く受け流されていく状況に動揺を曝け出す) 」

光姫「なかなかに素早い連撃だ。これを前にすれば避けることさえも叶わないだろう。(麗しい赤毛を靡かせながらも涼しい顔立ちで余裕を含んだ声音を零す)  私でなければな  (―――― ド ッ グ ゥ オ ァ ッ ! )(そして今度はこちらの番だといわんバリに拳の斬撃、その間隙を瞬く間に潜り抜けると、フレイミスの隙だらけな腹部に柄頭による強打を炸裂させた) 」

フレイミス「 ど ッ は ―――――― ァ ! ? ( ズ シ ャ ア ア ア ァ ァァ ー ー ー ッ ! ! )(鋼鉄の体の中心部に響いた一点突きの衝撃に突き飛ばされ、地に横転していく)――― ズザザザァ……ッ!!(土煙を後方に巻き起こしながら耐え抜くように着地する)ぜぇ……っ……!(んだよ今のカウンター…いや、カウンターがどうってより……奴の動体視力だ…!最初に見た時に苦手意識を感じてた…あの『目』……!明らかに他の奴らとは違う何かを持っていやがる…こいつ…ッ!) 」

光姫「サキエル嬢を抱えながら親衛隊の精鋭たち、その包囲網を潜り抜けただけの実力はある。だが、彼らとて決して脆弱などではない。命に代えてでも守り抜くべき姫君を盾にされては迂闊に手も出せまい。だが…今は違う。姫君を背にした我ら親衛隊の力、目にも見せてくれる!(脱兎の如き疾走と共にずっと維持していた抜刀姿勢からついに刀身が伸び出す。刺突居合。鋭い切っ先がフレイミスの喉元へ一気に押し寄せる) 」

フレイミス「ッ―――!(ああ、そうだろうな。お前の言う通り他の連中だってとんでもなく強かったのは間違いない。だがそうじゃねェ…こいつは――――)(反射的ん位仰向けに仰け反り、胸元を切っ先が掠める) どらぁッ!! (その姿勢から刀身をサマーソルトキックで蹴り上げててバク転し、反撃姿勢を作り出す)―――― ギ ュ オ ン ッ ! ! (砲弾の勢いにも勝る突撃をしかける) 」

光姫「(刀身を蹴り上げられようが一切動じることなく持ち手を即座に切り替えて敵の反撃への反撃に備える) タ ン ッ ―――― ダ ァ ン ッ ! (その場で垂直に跳び上がったと思えば、フレイミスが突き出した拳の甲に華麗に着地。そのまま踏み抜くように体重をかけて彼の片手を地面にめり込ませる勢いで踏みつけた) 」

フレイミス「ぐ ッ ―――― ! ? (この至近距離でもダメか―――ッ!!)(反撃からの先手必勝の突撃。それさえも見事に看破し己の拳を完封した光姫の神業に狼狽しながらも、めり込んだ右手のサポートに入るように全身を捻り、左脚部で足元を薙ぎ払いかかる) 」

光姫「バッ――バッ――バッ―――!(フレイミスの黒いマント、その死角からわずかに顔を出した左足を『目』で捉え、攻撃の手を即座に止めて三回バク転で距離を取る) どうした、自慢の拳が上の空だぞ (親衛隊のマントを大きく靡かせながらの蹴りと斬撃の混合攻撃。靡くマントを囮に、その内側から鋭い蹴りと刃が交互に顔を出してフレイミスを攻め立てていく) 」

フレイミス「ちッ……くそ…ッ!!(めり込んだ右手を引き抜いた時には既に光姫のターンを許してしまい、マントによる攪乱から蹴りと斬撃の同時攻撃を慌てて回避、あるいは両腕で防ぎこんでいくが、その足は次第に後退を促されていた)ギンッ、ガギィンッ、ギギィンッ――――(このままじゃこいつの掌の上で踊らされっぱなしじゃねェか…!!けどだからって闇雲な攻撃をすりゃあ全部見透かされ確実に反撃される…くそッ…どうすりゃあいい…ッ!?) 」

光姫「フン、その焦り…万策尽きたか?恥じることはない。そもそも貴様と私では潜り抜けてきた修羅場が違う。歴戦の重みが違う。背負う覚悟が、違うのだからッ!!(容赦なく攻め立て続けていく) 」

フレイミス「――――――!(だが、光姫の放つ言葉により、少年の奥底に秘められた闘争心に火をつけたような衝動が走った―――) ッ˝ ――――― で ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛  ッ゛ ! !  ! (―――― ド ッ グ ゥ ォ ォ オ オ ア ア ン ッ ! ! ! )(獣の様に雄叫びを上げたかと思えば一思いに振り上げた拳を光姫…ではなく、足元の地盤へと盛大に叩き付け、花園一帯に土煙を充満させた) 」

光姫「……!(土煙か…これで私の『眼』を欺けるという算段か?フン……やはり青い…――――)(いくつもの戦いを繰り広げてきた自分にとって、このような情景は既に見飽きた。鷹は五里霧中な視界においてもその視力が損なわれることはない。いかに悪天候に見舞われようと、その天賦の才をもって与えられた『鷹の眼』が狂わされることはない。大胆不敵に、しかして奢らず、姿を消したフレイミスの出方を冷静に待ち構える) 」


ボ フ ン ッ ―――――― ! ! (光姫の後方、まさに死角より、フレイミスが纏う特徴的な黒いマントが姿を現す―――!)


光姫「(フン、そこか―――――)――――― ヒ ュ ォ ッ !(身を翻すと同時に黒い影に向かって刃を一文字に薙ぎ払った) 」


フ ワ ァ … ッ … … ! (奇襲を仕掛けてきたフレイミスを裂く赤い刃。だが、手応えの無さを彼女はすぐに感じた。彼女が切ったのは黒いマントの裾… そこに、「本人」はいなかったのだ)


フレイミス「―――――― づ ぇ ぇ ぇ ぁ ぁ ぁ あ あ あ ッ ! ! ! (光姫が振り返った先の背後から、マントを脱いだ姿勢で飛び出す。既に大きく振りかぶられた鉄拳を、光姫へとついに炸裂させる) 」

光姫「 !? (これは…フェイクッ!?しまったー―――)―――― ぐ ぅ ッ ! ! ? (威勢の良い叫び声が聞こえた方角へ咄嗟に答申を構え直すが、出遅れた欠点からフレイミス本人の急襲を受け止めきれず―――)―――― が ぁ ッ ! (膜のように広がる土煙から殴り飛ばされていく) 」

ホタル「……!?(光姫が……吹き飛ばされた…!?一体、何が起きて……!?) 」

フレイミス「 グ イ ッ ―――― バ サ ァ ア ッ ! (囮に使ったマントを手繰り寄せては再び身に着けて、晴れわたっていく土煙からその全貌を曝け出す)ふぅ…ふー……っ……!テメェの言うとおりだぜ…光姫…!お前は俺よりも多くの死線を潜り抜けてきた…んなこたぁその強さを見ればわかんぜ…。だがな……――――― "背負う覚悟の重みは、比べるもんじゃねェ"!!!

光姫「―――――― ! ! 」

フレイミス「ぜぇ…ぜぇ…… 俺も、お前も…ホタルも…国王様も…この国や、国の外に広がるたくさんの世界に住む奴らも…みんながみんな、それぞれの覚悟を背負って生きてやがる…!大義を守る覚悟も、大切な誰かを守る覚悟も、その辺に咲いている一凛の花を守る覚悟も……違っているようで全部同じ『覚悟』なんだよッ!!!

フレイミス「だから俺は…!格上のお前を前にしても恐れねェし…戦う力を持たねェホタルを尊敬できる!!俺たち誰もが持っている『自分だけの覚悟』を背負っているからだッ!!そこに違いなんかありはしねェ…!餓鬼の戯言だと罵るなら勝手にほざきやがれ!!これが俺の示し方だッ!!俺は絶対にこの在り方を曲げはしねェ!!! 」

ホタル「……フレイミス…… 」




光姫「―――――(啖呵を切るフレイミスの言動、そしてそこに迸る熱意が、地面や空気を伝って己が心臓に伝道する。痺れるような震え。圧巻的驚異。自分よりも一回りか二回りも年齢を下回る少年のものとは思えない熱量を含んだ言葉を真に受けて、赤毛の騎士は―――)……くっ…ふふふ… ははは…――――――― あーっはっはっはっは!(高笑う。腹の底から。愉快気に、誇らしげに) 」

光姫「………やはり憎んでも憎み切れないな、少年!実に惜しいよ…君のような有望な若い芽をこの手で摘まなければならない我が矜持に…!久しぶりだ…躊躇するなど…!あるいは葛藤だとでもいうのか?守るべきものを背にしてあってはならない感情だというのはわかっている。だが…私は君に抱く感情は二つ…敵意と敬意!それがこの刃を重くするなど、滑稽至極この上ない…! 」

光姫「ならば……示してみろ…!本当に貴様と私の『覚悟』が同等だというのか。その意思が…修練も戦歴も超える可能性を秘めているのか…!(左目を応用に装着された愛パッチに手を取り、今…)――――― バ ッ ! (徐に、脱ぎ取った。曝け出された左目が陽炎のように揺れ動く。鷹の眼とは異なる幻楼なる歪みの闘気を纏う、眼が――――) 」

光姫「  ここから、本当の『覚悟』を見せてやる  (左目の揺らめきが刀身に乗り移るように、刃が熱をもって揺れ動く。赤い刀身は赤熱を経て揺れ、歪み、炎を纏いて妖刀「絶炎」として顕現される――――) 」

ホタル「―――― ! (光姫の左目が…解禁された……!?『アレ』は―――――) 」

フレイミス「だったらここからは…意地と意地のぶつかり合い…―――――『覚悟』の見せ所だ…!!(―――― ガ ジ ャ ゴ ォ ン ッ ! )(腰を低く、90度に曲げた肘からバーニアが展開され、いつでも急発進するための点火がはじまる) 」


太陽が海に沈み、空の向こうに隠れていた星が顔を出す。
本日は曇りなき晴天なり。夜空に広がる星々が、静かに廻りだす――――


光姫「 ス ン … ――――――(静かに両目を閉ざし、両手に握り込んだ赤刀…否、妖刀に闘気という名の熱を込め、反撃の瞬間を座して待つ―――) 」

フレイミス「   行 く ぞ ォ ァ ア ッ ! ! !   (―――― ズ    ォ˝ ゥ˝     ア˝   ッ !  !   !  )(一転凝縮された点火エネルギーが暴発。弾ける様に急発進された全身は真っ直ぐ水平に飛び抜け、1秒単位で遅れて軌跡上の花々が乱れ舞い花弁が大きく飛散する)ぅぅぅぅぉぉぉぉぉおおおおおおおああああああああーーーーッ ! ! ! !(バーニアから噴き出すバーナーの如き細長い炎の推進を受けて、突き出した拳が一気に光姫へと差し迫った) 」

光姫「―――― カ ッ  !   !    !  (開眼―――閉じ込めていた眼球奥の高熱が大気中に放出され、左目の周辺が大きく歪みを帯びた) ヒ ュ バ バ バ バ バ ッ ! ! !  (開眼と同時に起きた摩訶不思議な現象が驀進するフレイミスの刹那的視界のの中で襲い掛かる。一つ身しかない赤毛の騎士から無数の残像が拡散し、大気中を埋め尽くさんほどの質量を帯びた分身…いや、幻影の包囲網が彼を迎え撃つ。一人一人が手に手繰る妖刀は既にその切っ先を一人の少年に突きつけ、地上・空中から斬りかかろうと襲い掛かる) 」

フレイミス「――――(分身した―――今更そんな芸当に動揺することはない。高い戦闘術を持つ相手のことだ、手札なんかいくらでもあるだろう。ならば自分は、相手の土俵の中へ飛び込む挑むだけ…否、その土俵を丸ごと覆す気概で立ち向かう姿勢で行かなければ、勝機はない。割り切った決意からスピードを1mmも止めることをせず、幻影の包囲網をまずは真っ直ぐに突破する)ギュインッ――――クゥン―――ギュォッ―――― ズ オ ァ ア ッ ! ! (振り切った直後に直覚的に旋回。背後に回した大勢の残像たちの追跡へ挑むように再び特攻していく) 」

光姫「振り切れるか?第二の眼…"幻惑の眼"(ヴィジョンアイ)の迷宮から!!(高熱を灯す妖刀を振りかざすいくつもの幻影、その一つ一つが有象無象らしからぬ確固たる決心を宿してフレイミスへ迎撃戦を仕掛ける。横一列に隊列を成す群体、その背後から順を成して飛び掛かる奇襲部隊、その間隙に一寸の突破口も許さない防衛に徹する幻影。同じ顔をした「自分」を、光姫自身が指揮し巧妙巧みに操る盤石最強の布陣が、フレイミスを待ち構える) 」

フレイミス「――――ギア・チェンジ!モード「開拓」(ブレイド)ッ!!(即座にブレードに変形させた両腕を振り抜き、一つギアを上げるように速度を上げる)――――ギャッギギギ ギ ィィィイイイイインッ!!!(先頭から迎え撃つ群体を力任せに押しのけ、それを起点に浮上)グルングルングルンッ―――ギャリリリィィイイッ!!ギャギカキャキャギギィャアンッ!!!(身を捻じりながら遠心力をつけた斬撃で第二波への抵抗。激しく火花を散らしながら駆け上がる様はもはや花火そのものの如し。本物と相違ない質量を灯した幻影たちを意地のみで圧倒し、包囲網の中核へと躍り出る) 」

フレイミス「ズオッ――バッ――ザンッ――ズンッ―――ォツ――――― "バースト・クレセント" ッ˝ ! ! ! ( ズ ォ バ バ バ バ バ ァ˝ ッ˝ ! ! ! (包囲網の中核で一心不乱、狂喜乱舞なるままに両剣を縦横無尽に勢い良く振り抜きまくり、その最後に全方位に三日月状の斬撃波が無数に拡散され、幻影群を搔き斬っていく) 」

光姫「(数え切れぬほどの幻影たちが次々と斬り裂かれて霧散する中、本体の光姫自身が果敢に斬撃の嵐の間隙を縫いながら飛び掛かった)―――――― "絶慧" !!(――― ズ ォ˝  バ ッ ! !   ! )(闘気の熱を纏い、錐揉み状に揺らめく波動を纏う刀身から繰り出す鋭い刺突をフレイミスへ仕掛ける) 」

フレイミス「―――― ッ˝ ッ˝ ! ! ? (あわや喉を貫かれる気迫の突きを間一髪仰向けに沿って回避を達成させる)ガシャコォンッ――――ズォボォァアッ!!(その間際、両手を腕内部に格納させ空洞になった手首から炎が噴き出す。逆走するように全身を一気に後退させて着地し、再び両手を曝け出す)―――――― へっ ( クイッ、クイッ )(「こいよ」と不敵な笑みと共に挑発をかける) 」

光姫「――――― ッハ ( ブ ォ オ ン ッ ! ! )(悪童の挑発、その誘いに乗るように女騎士もまた愉快気に口角を釣り上げて急降下。聖火のように燃え揺らぐ妖刀を己が頭上で振りかぶり、目いっぱい振り下ろした) 」

フレイミス「――― ヅ ゥ˝   ッ˝ ! !  ! (――― ボ ッ˝  グ ゥ ォ オ ア  ア ッ ! ! )(顔面を覆うように交差した鋼鉄の両腕で光姫の斬撃を真正面から受け止める。その衝撃の余波が全身から大地へと震動するように伝い、足元の地盤が大きく拉げた) 」

光姫「君の勇猛なる姿に、私は在りし日の『憧れ』を思い出した!何かのために、たった一人で大勢の敵陣に突き進む姿を!傍から見れば無謀だと嘲られようとも、かの者の眼差しに揺らぎはなかった!!それもそうだッ!何故なら『彼』の背には、守るべきものがあったからだッ!!!(低空から激しい衝撃と火花を散らしながら、防御姿勢を維持するフレイミスへ熱量を込めた声音で叫び語る) 」

光姫「あの時…まだ幼き私にはその『覚悟』はついぞ理解できなかった…だが―――――― 」


「 この景色をよく覚えておいてください、光姫。これが…未来の貴女が見る景色です 」


光姫「――――……今なら解る… 負うべき背中の影が消えようとも、その面影は決して潰えない…ッ!『彼』の背を見て、その背に負っていたいた『覚悟』を見出し!私はこれからも国や民のため…愛すべきもののために戦うと誓ったのだッ!!!(鷹の右眼が雄叫び、幻惑の左目が歪むように、彼女の双眸が大きく揺らぎはじめる) 」

フレイミス「ッ゛、ッ˝…――――― ッヘハハ!!俺もだ…!お前のことを嫌いになれねェ理由… 俺たちは似た者同士だ…ッ!『憧れた誰か』の背中をただ追い続け、その意味を追い続けながら少しずつ知っていく!いつか同じラインに立って…あの時感じたその意味に辿り着くために…!俺も、お前も……!!まだ止まるわけにはいかねェ…!!そうだよなァ!!?光姫ィィイイイッ!!!(圧倒されても尚不敵な笑みを崩さず両腕に力を込めて押し返す余力を発揮する) 」

フレイミス「お前の本当の『覚悟』は感じた…!なら…ッ!!俺も示してやるッ!!未来から過去へ、そして今度は過去から未来へ!!俺たちが追い続けてきたことは間違ってなんかなかったって!!この『覚悟』を胸に抱いて…俺はその意志の炎(ひ)を燃やし続けて突き進んでやるッ!!! 」


シ ュ ボ ッ 、 ボ ォ ア゛ァ ッ ――――――― ! ! (覚悟の炎を滾らせる光姫の熱量に引火するように…少年の穢れ亡き純粋無垢なる闘志の瞳に、翡翠(あお)い灯が点火(やど)された―――――)


ホタル「……!!(フレイミスの瞳が……"燃えた"…?でも、あの色は光姫のものとは違う……っ… なのに……)………なんだろう……とてつもなく……あたたかくて、優しい炎をしているみたい…(いつの間にか少年の翡翠に輝く炎に見惚れてしまっていた) 」

光姫「―――――― ! ! ? (この少年…一体、どこまで強く――――― ッ ! ? ) 」

フレイミス「――――――ィィィェェェァァァアアアアアアアアッ!!!(――――― ガ ッ ギ ャ ア ァ ン ッ ! ! ! )(交差していた両腕を振り抜き、光姫の斬撃を彼女諸共突き飛ばして見せた)ぜぇ……ぜぇ……ッ…!!(方で大きく息をしながらも、右目に宿した翡翠の炎の存在に反応することなく、眼前にて相対する彼女だけを見据える。あるいは気づいていないのかもしれない。自身の身に起きた新たなる異変のことも――――) 」

光姫「ッ――――― ! ? (弾かれた…ッ!!あの状況で…我が刃を……っ…?)(大きな動揺と共にも連れかけた足取りで何とか着地する)……君もまた…あの変革の奪還者のように…この私をここまで追い詰め…熱く滾らせてくれる…!ふ、ははは…!久方ぶりの昂揚だ!実に小気味いい!!いいだろう…!!ここまで私に健闘したことを讃えよう… そして、恐れを知らぬ君に、圧倒的な力量差に絶望をくれてやる!『覚悟』だけは乗り切れぬ絶対的な壁があるという現実を、その目に焼き付かせてくれよう!! 」


―――――― ボ ウ ッ 


フレイミスが新たな力の覚醒の兆しを遂げたように、光姫の幻の如く歪んだ左目が更に大きく捻じれるように歪みを帯びて…やがて黒く染まりゆく。その中核に発火した黒い焔が灯される。それはまさに"死"を具現化したような禍々しさを描き、目にした者すべてに絶対的恐怖を植え付けん戦慄が走った――― 」

フレイミス「……!(今までの比じゃねえ圧力……ッ…!あんな化け物みてぇな切り札まで隠し持ってたのか…?コイツ……―――)……く、ははッ……!これが、恐怖ってやつか…?いいや…武者震いだ…ッ!今更怖えものなんかありはしねェ…それに……やっと"あったまった"ところなんだ。臆してる暇なんかねーよ…ッ!(グッ、と両拳を握り込むように身構える) 」

光姫「 "死の眼"(デッドアイ)――― 私が最も忌避する神以外に使うことは滅多にない切り札だが…君の本当の姿を見て使わずにはいられなくなってしまった…!(ズズズ…と左目の黒い焔が刀身にも伝道師、刃が黒く染まりゆく)……この眼を真にしても恐怖せぬその姿勢…やはり気に入ったぞこの瞳と、この刃の輝き!貴様の脳裏に刻み付けろッ!!さァ…ここからが本番だ…!!私を楽しませてくれ、フレイミスッ!!! 」

フレイミス「逢いたかったのはこっちもだぜ…本当のお前に……!ああ、やってやるよ…ッ!行くぞォアッ!!光姫ィィィイイイイイイイーーーーーーッ ! ! ! 」


――――――――――   ズ   ッ˝    ガ    ァ˝     ア゛   ン゛     ッ˝   !  !  !  !  



フレイミス / 光姫『 うおおおおおおおおああああああああぁぁぁあああああーーーーーーーッ ! ! !  / はああああああああああああぁぁぁぁぁぁああああああーーーーーーーッ ! ! ! 』


ガ ッ / ギ ィ ン ッ ――― ド ォ ン ッ / ザ ギ ィ ン ッ ――― ド グ ゥ ッ / ズ ァ ア ン ッ ――― ド ゴ ゴ ゴ ォ ア ッ ! ! / ズ ギ ャ ギ ィ ィ イ ン ッ ! ! (二つの残像が花園一帯を駆け巡る。翡翠(あお)と漆黒(くろ)に染まる光の軌跡が縦横無尽に走り抜けて、火花と衝撃と汗水と花弁を撒き散らしながら衝突し合い、暗い夜空を眩しいほどに照らし出す)


フレイミス「――――ずぅぅぇぇぇええあああああッ!!!(一方その頃、スローモーションに溶け込んだかのように花々が欠伸が出るほどにゆっくりと傾倒を繰り返すような世界の中で、赤熱した鉄拳による怒涛のラッシュを叩き込み続け、右脚による薙ぎ払い→跳躍→踵落とし→そのまま縦に回転しながら切り裂くような連続蹴りの連撃を浴びせ続ける) 」

光姫「――――せやあぁぁあああああッ!!!(空中に停止する舞い上がったいくつもの花弁を裂き、あるいは灼きながら、その黒い刃は流星群のように降り注ぐ拳の乱打の一つ一つを確実に弾き返していく。右足による薙ぎ払いをバク転で受け流し、その最中に跳び上がったフレイミスを見上げると同時に両腕で握り込んだ黒刀でギリギリと受け止め続ける。衝動の余波が刀身から両腕に伝い痙攣しかけるが、それすらもこの激闘のスパイスとして高揚感に置き換え、笑みが絶えず零れだす) 」

ホタル「――――――― ゴクッ (摂理を超えて空間を超えゆく二人の実像は決して目には見えないが、固唾を呑んでその顛末を祈り続ける) 」

光姫「フッ…!ハハッ!!いい、良いぞッ!!もっと私に立ち向かってこい!!そして示してみろ!!君の在り方を!!(ボオゥッ、と大きく燃え広がる黒い焔が全てを呑み込まんと押し迫る。少年にとって立ちはだかる大きな壁として顕現された黒い焔の熱圧が―――) 」

フレイミス「 だ ぁ らららららららら ァ˝ ア゛ ッ˝ ! !  !  ( ドンッ―ドムッ――ドスッ―――ドグゥォッ――――ドッグオオオア アァッ ! ! ! )(殴り、殴り、殴り抜ける。黒い焔の浸食など微塵も恐れない乱打が、太鼓を刻むような激しい鼓動のリズムを掻き立てていく) 」


ビキッ、ビシッ―――ビギィッ――バギャァッ――――!!(黒い熱壁に、翡翠に輝く拳型の火痕が次々と刻まれ、亀裂が生じていく)


光姫「限界を超え!目を見張る、その満々な意欲!!変わり、進化し続ける!!なりふり構わず、勝ちにしがみ続ける熱き意志と野心!! 我が熱量をも凌駕するその『覚悟』、認めようッ!!これが君の示した路!!君の在り方!!(超えたからに喝采を叫び、女騎士は黒い刀身を勢いよく納刀。い合い抜きの姿勢を取り、眼前に展開した黒い焔の巨壁が崩れ突破されるその瞬間を待ちわびるように、指先に意識を込める―――) 」

フレイミス「―――― ッ˝ ず ぇ゛ ぇ゛ ぇ゛ ァ˝ ア゛ ア゛ ! ! ! (―――――― バ キ ャ ア ア ァ ァ ン … ッ ! ! ! )(そして、ついに済し崩す。神でさえ難攻不落とされたあの死の圧ともいうべき黒い炎壁を。その拳一つで。だが、まだ熱は鎮まらない。その拳を届かせる最後の相手にぶつけるために、奥底に秘めていた限界点の熱量を暴発させ、翡翠の炎を纏った右拳が世界を照らし出す) 」

光姫「      (ああ、眩しい炎(ひかり)だ。まるで、あの時見た『彼』の姿そのものであるかのように――――)(黒いマントを靡かせ、勇猛果敢に跳び上がり、奇跡のような輝きの炎を灯す少年の姿に…在りし日の記憶の中で出会った『偉大な何者か』の姿が重なる。その懐旧を眩しそうに見つめて瞳を閉ざし、瞼に過去を置き去り、今…未来を見据えるために全身全霊の一撃に応えようとその一歩を踏み出した――――!) 」

フレイミス「       (見ていてくれ――――――) 」

光姫「       (見ていてくだされ―――――) 」


――――― 『 親父 』 / 『 カオスマスター 』 ―――――


フレイミス「―――――  "イグニッション・スパーク" ッ ! ! !  ――――― 」

光姫「―――――  " 絶 炎 一 閃 " ッ ! ! !  ――――― 」


┣¨ ――――――――――― ゥ˝ ッ˝ ッ˝ ッ˝ ! !  !   !     !       !    



世界に激しい炎(ひかり)が炸裂する。揺れ動く花園。
それでも静かに佇む一つの墓標。すべてが真白に包まれていく、その瞬間まで――――



…… …… ……



フレイミス「――――――――――― 」

光姫「――――――――――― 」


炎(ひかり)が潰える。消し飛んだかと思われた花園は依然として平穏の面影をありのままに残したまま保たれ、墓標には罅一つ入っていない。
ただ儚くも美しく花弁だけが風に舞い、夜に包まれた二人の少年少女の背中を吹き抜ける。
やがて、何かが風を切るように落ちてくる音が聞こえた。それは…――――


ヒ ュ ン ヒ ュ ン ヒ ュ ン ヒ ュ ン … ―――――――― ザ グ ゥ ン ッ ! ! (光姫の刀だ。夜空の彼方から回転しながら落ちてきた刀身が花園の道に突き刺さり、闘志が抜け落ちるように刀身を染め上げていた漆黒が本来の真紅に戻っていくのだった―――)


光姫「―――――…………フッ………私の完敗だな…(潔く負けを認めるその顔は、どこか満更でもないように感じられた) 」

フレイミス「………………楽しかったぜ、光姫。けどこの勝負はなかったことにしようぜ。どうやら、俺たちは互いに思い違いをしていたのかもしれねェからな……(肩の荷を一気に下ろしたように落胆し、振り向きざまに乾いたような笑みでヘッとはにかむ) 」

光姫「……?思い違い……とは……? 」

ホタル「……聞いて、光姫。フレイミスはね……―――(今がその時だと、姫君は一歩前に出る。そして光姫にフレイミスの正体、その素性のすべて明かす―――) 」

光姫「――――………未来から来た…『カオスマスター』の…ご子息……だと…っ……?君が……そうだというのか……?(ホタルの弁解から、にわかには信じられないと双眸を泳がせる) 」

フレイミス「……………………(光姫からの懐疑と驚愕の眼差しを受けながら、あの墓標を見つめる) 」

フレイミス「………『 フレイミス・ティルク・カオス 』………あの時名乗れなかった俺の本名だ。俺はただ…『親父』に会いに来ただけなんだ。たった…それだけだったんだ…… 」




光姫「  !!  (その名を聞き、衝撃が体を走る。そして悟る。彼と初めて会った時に感じた既視感のような違和感を。見覚えのあるあの黒いマントを。それが嘘偽りでないことも…鷹の眼を介さずとも自ずと理解できた。故に、息が詰まる。何故なら、彼が一国を揺るがしてまで会いたがっていた『その者』は…自分が憧れた人であり、そして……もうすでにこの世にはいないという事実を―――――) 」

光姫「…………そう、か………そうだったのか………(いついかなる時も毅然とした佇まいを誇示していた女騎士の厳かな顔立ちが、初めて崩れかける)……………君の言うことが……事実ならば……私は………謝らなければならないことが山のようにある…っ…… 」

フレイミス「…光姫………?(彼女らしからぬ弱弱しく丸まったその背に、怪訝な眼差しを向ける) 」

光姫「………ほんの数か月前のことだった…… この世界を侵略しに現れた地球軍との戦闘で……『あのお方』は亡くなられた…… 我々レゼリアが戦地に駆けつけてきた頃には、既に戦争は終わっていた… 」

光姫「私が……私の…責任だ… 誰よりも先陣切って向かったはずの私がもっと早く間に合っていれば…あんなことにはならなかったのだ…っ……!マイテイ軍が負けることも……戦友たちが血を流すことも、そして……!私の……たった一人だけの『恩人』を失うことも……なかったのだ……――――(語る毎に痙攣する両手で地面を殴り、指先を土にめり込ませる) 」

フレイミス「――――― ! (戦争の一件は国王から聞いたばかりだ。だがそれよりも驚愕に値したのは、光姫と初めて出会った時に話してくれた、彼女自身のあの話だった―――) 」


「 しかし…そんな時、私は『奇跡』に出会った。この国と深い所縁のある『ある男』が現れたのだ  」


「 『彼』の言葉が、鶴の一声のようにこの国の人々に勇気をくれたのだ。決して折れることのない不屈の意思を。
可能性ある未来への希望を。そのおかげで、レゼリアは長い年月をかけて再興し…今に至る 」


「 誰もが絶望に暮れた…だが、そこに『ある人物』が現れたのだ。何者かは私には存じないが…
幼き光姫様はそのお方の言葉に触れ、レゼリア復興に燃えるようになったと聞く。今の光姫様を形作ったという大恩人らしいが……
その邂逅を経てから、光姫様は誰よりも国の未来を想うようになったといわれている。この国の影と光を踏みしめて…成長されたのでしょうな… 」


フレイミス「――――――………(そして今、散りばめられていたピースの一つ一つが合わさり、レゼリアというすべてのパズルが完成するように、断片的な記憶が繋がった。自分が追い続けていた「偉大な父」が遺した想いが、自分の人生だけでなく、目の前で崩れかける少女に、そしてこの国や世界に駆け巡っていたということを) 」

フレイミス「…………(はじめは無関係だと思っていたこの国が、何の因果か、今は自分のことのように深く愛おしく感じる。光と影を歩き、それでも眩しさと暗さに遮られることのない進歩を遂げてきた。これが自分の父が示したことなのか。あるいはそうなるように未来を馳せた結果なのか。本人亡き今、その真意を知る者はいない。それでも―――――) 」

光姫「ぜんぶ……私のせいだったのd――――――― 」

フレイミス「―――――それでもよ (光姫の嘆きを遮るように、墓の方角を見据えて背中で語りだす)……『親父』は、この国やアンタたちを愛していたんだと思うぜ。でなきゃ、レゼリアさえも巻き込むような戦争にしなかったはずだ。 」

フレイミス「国王様から全部聞いたんだ。あの戦争で、『親父』が死んだことも…この国のために今までしてきたことも、全部。光姫……お前の気持ち、わかるぜなんて他人事を言うつもりはねェけどよ… 「親父」の顔を直接拝んでその本音を聞いたことなんか一度もねえけどよ… きっと、そういうことだったんだろうぜ。 」

フレイミス「大切な何かを守るために、自分の身を投げうってでも成し遂げる。レインドのおっちゃんを庇って逝ったように… 俺をお袋の中に置いて戦場へ向かったように… 故郷までも奪われないように遠く離れた戦場で敵を迎え撃ったように…… …アンタが憧れた俺の「親父」は…そういう人間だからって、俺自身が一番わかってっからよ…… 」

光姫「…………(強く握りしめた手が、無意識に緩んでいく) 」


瞳を閉じれば、懐かしい記憶が今でも昨日のことのように思い出される――――



― 15年前・レゼリア国 ―


黒く焼け焦げた大地。草木や花はなく、ぽきりと折れた矢が刺さるだけの不毛の地。ここは、レゼリア。
昨日をもって、敗戦国となり果てたばかりの大国。かつてないほど災禍に巻き込まれた住民たちは誰もが疲弊し、
跡形もなくなった衣食住を取り戻そうという気力は感じられなかった――――


光姫(当時8歳)「 うわぁぁぁあ…っ…!! (声を発する余力もない大人たちが残骸の四隅で蹲る中で、一人の赤毛の少女の泣き叫ぶ声だけが木霊する。当時、まだ小学生だった光姫その一人である―――) 」

光姫「 あぁぁ…ぁ゛……っ… ぐすっ…ぁ……! (憩いの住処を失った。愛でていた自然を失った。親しき者を失った。残されたのは、ただ一人ぼっちに明け暮れる自分だけ。どれだけ叫んでも、周りの大人たちは助けてくれない。いや…本当はその逆だ。だが、誰もが既に諦めていたのだ。救済などどこにもない、この焼け焦げた亡国のどこにも、と――――) 」


こうして、長きに渡るレゼリアの歴史は終幕を迎え――――――


パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ…―――――― ! 


光姫「………―――――― ? 」


その結末に異を唱えるように、遠いどこかの向こうから大地を駆ける馬の蹄が微かに鳴り響いてくる。
水平線の向こうから、焦げた大地から漂う熱波の陽炎に揺らめく馬とその主と思わしき人影。
それは徐々に確かな輪郭を覚えて、ついに一人の少女のもとへと近づいた―――――


カオスマスター「 バ サ ァ … ――――― ! (丹念に手入れされたであろう美しい毛並みを持つ馬に跨るその男は、白い仮面に素顔を覆い、砂埃交じりの風に黒いマントを靡かせる。仮面越しに微かに揺れている金色(こんじき)の髪がふわりと輝いている) ス … … (男は、その仮面に手を取り、素顔を曝け出す) もう大丈夫ですよ。「レゼリア」は、まだ救える。 (泣きじゃくる少女に、男は安堵の笑みを送った) 」

光姫「    !!     」


それが、少女と男の出会いであった――――――






それから一週間が経過した。不毛の地となり果てた亡国の大地の上に、苗木や建造中の鉄骨が次々と増え、水平線は次第にその陰に隠れるようになった。
あんなにも欠落していた人々の活気はどこからともなく沸き起こり、誰も彼もが汗水を流しながらも小さな笑顔を浮かべてくにの復興に励むようになっていた。
そんな彼らの中核に立っているのは国王と、あの男であった―――


アルミナ「すまない…心から恩に着る、ヴィナミス。そなたが救援に駆けつけてくれなければ、今頃…私も路頭に迷い続けていただろう…… 」

カオスマスター「迷うだけの心があれば大丈夫です。諦めて全てを投げ捨ててしまうよりも、微かな可能性を秘めているのですから。アルミナ王、共に立ち上がりましょう。ここは…私の大切な住居(こきょう)でもありますから。(アルミナと肩を並べるように、復興活動に奮起する住民たちを眺めていた) 」

光姫「はっ、はっ、はっ…――――― 国王様~!(子どもらしい忙しない足取りで彼の下へ駆け寄ってくる)見て…っ!お花が、お花が咲いたの…!今度は…もっとたくさんの花を町中に咲かせるんだ~…♪(両手に大事そうに抱えていた小さな植木鉢を高らかに見せつけ、無邪気に微笑む)……あっ……?(そんな時、国王の隣に佇んでいた男の存在に気づいて呆然と彼の顔を見上げた) 」

カオスマスター「君は確か……光姫、と言いましたね。ふふっ…美しい花だ。ええ、きっと貴女ならこの国中に素敵なお花畑を咲かせられるはずです。……!そうだ、ひとつ、私に付き合っていただけませんか?(アルミナではなく、光姫に自らの手を差し伸べる) 」

光姫「………? 」




パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ…――――――


光姫「 わぁ~~~~っ♪  」

少女は、男が手繰る馬に跨っていた。
その最前席から見渡すいつもの光景は、背伸びしたそれよりも高く見渡し、見えなかったもののすべて場視界に一斉に入り込んでくる。
駆ける馬の疾風が頬を撫で、かつてない興奮を掻き立てる。このまま、どこへでも行けそうだ。
そんな胸の高鳴りを抑えきれず、少女から溢れんばかりの笑顔が自然と零れだしていたのだった―――


カオスマスター「この景色をよく覚えておいてください、光姫。これが…未来の貴女が見る景色です。(光姫を前に乗せて、男は悠然たる佇まいで手綱を取ってレゼリアという国のすべてを駆け抜けていく) 」

光姫「……未来の……自分が……? 」

カオスマスター「ええ、そうです。いつか私のように大きくなった時、きっと今見ている目線と同じ景色が広がっているはずです。今日この瞬間を、決して忘れないでください。これは……貴女が立派な大人になった証となるのですから。そして…今度は貴女の番…――――― 」

カオスマスター「 この国の未来を切り開くのは、国を愛する貴女自身だ  」

光姫「………―――――― う ん っ ♪ 」









光姫「――――――…………(そして、時は現在へ。あの頃見た景色を、片時も忘れたことはない。今もあの時の景色に近づいたかと言われれば、きっとまだまだ届いていない。それでもここまで来れたのは…あの時、『彼』と出会えたから。あの奇跡の出会いを、決して忘れはしない。だからこそ、彼の言葉から受け取った想いを胸に今日まで強く生き続けてきたのだから) 」


故に、あの偉大な恩人が命を落としたことを聞きつけた時は、酷く絶望したものだそれは滅びかけたレゼリアを目前にしたあの幼き日の時のように。


きっと誤報だ。何かの悪い夢だと。信じたくはなかった。だが…現実は、どれだけ覚めようと自らの頬を殴り続けても覚めることはなくて。
大人になって、初めて子供のように泣き叫んだことも、つい昨日のことのように残響する。


今度は自分の番だったのに。あの時受けた恩を返す時だったのに。
それすらも間に合わず…彼の最期にかける言葉すら届けることもできず、行き場のない悲しみだけが、今の自分の軛だ。
もはや自分で抜くことも叶わないほどに深く心に突き刺さった痛みだ。


こんな残酷な感情を、命を、運命を創った神を何度も呪った。その被造物である自分自身すらも。
その呪縛から解き放たれるために首筋に刃を突き立てたこともあった。


だが……できなかった。自分の命が惜しいから?きっとそうかもしれない。だけどそれ以上に、失いたくないものがあった。


『彼』と出会った奇跡だけは、失いたくなかったから――――


光姫「………私は……ただ……『あの方』に感謝を告げたかっただけだった… せめて、それだけはしたかったんだ…っ…… あの出会いがあったから……私も……この国も…変われたんだ…っ……! 」

光姫「返し切れない恩義だ… 追いかけたくても追えられぬ背に…… このまま抱えて墓場まで行くなんて……息が苦しすぎる…っ……! 」

光姫「……私は……私は……どうすれば……っ…? 」

ホタル「……光姫……っ……(誰よりも正義感に溢れ、他人にも自分にも厳しく律し、それでも博愛の心をもって今日まで親衛隊の主格として国を支え続けてきた光姫。そんな彼女が弱みを曝け出すことなど一度もなかったが、本当は知っている。彼女がこの花園へ花束を添えに向かうときの横顔は…泣いているように見えたことを。彼女自身も、一人の人間だったんだということを―――) 」

フレイミス「 ギ リ ィ ッ … ―――― ! (少年の義手が強く握り込まれる)……こんの……――――― バッキャロウが ぁ ッ ! !(崩れる光姫の胸ぐらを強引に掴み上げる) 」

フレイミス「テメェがその口で言ったんだろッ!?『親父』がアンタにこの国の未来を託したって!!だったらもう既に答えは出てんだよッ…!!『親父』は…アンタが憧れた『カオスマスター』って男は!!その"想い"をアンタに託してこの故郷(くに)を旅立ったんじゃねえのかよッ!!?

光姫「  !?    」

フレイミス「ゼェ…ぜぇ……!甘ったれた泣き言言ってんじゃねえぞ…ッ!!俺なんかな……俺なんかはなァ!!!『親父』の顔も見れず、声だって聞けず、今日まで墓参りすら行けなかったんだぞッ˝!!俺のいた未来に…希望なんてないって思ってた…!けどな…『親父』が……親父が、俺を産んでくれたことにはきっと大きな意味があるって、御袋が教えてくれたんだ!!だから俺は生きている!生き続けている!この手足が使い物にならなくなろう立って!地べたを這いつくばってでもどこかに必ずある希望を信じて生きてきたんだぞッ!!!

フレイミス「……アンタは……羨ましいよ… 憧れた人に…直接託されちまったんだもんな…… だから…失った辛さは…きっと俺よりも深いのはわかってる……けどッ!!『本人』が見ているかもしれねえ目の前でそんな顔できんのかよッ!?その惚けた面がレゼリアの未来か!?笑わせんじゃねェ…!!お前はこの国のように強い人間なんだろッ!?絶望に突き落とされたって、何度だって立ち上がってきたんだろッ…!?

フレイミス「 だったら示し続けてみせろよッ!!お前がお前であるために!!『親父』が認めた、お前自身であるためによッ!!  」

光姫「 ぁ っ ―――――――――――  」




この感覚を……私はどこかで感じたことがある。あれは、いつだっただろうか?……ああ、すぐに思い出した。忘れもしないあの時だ。


彼が語る一言一句に胸を打たれた幼き日。親しき者たちよりも心に強く優しく響き渡るあの言葉に、私は救われたのだ。


それはきっと大人になった今でも。ずっと、ずっと、ずっと…―――――


この少年の強い眼差しに見覚えがある。いつまでも傍に居たかったあの人と同じ眼をしているなんて、不思議なこともあるもんだ。


幼いが故の荒さ。しかし、嘘も欺瞞も知らないような揺ぎ無い言葉の重みが、いつか聞いたあの人の声に重なったような気がした。


もしも……この少年が本当にあの人が遺した意志そのものだというのなら… この出会いは……あるいは…再会は……


光姫「…… …… …… 」

光姫「……………ふっ……ははっ…… そう……か……(掴まれた胸倉を解放され、墓標へ一瞥を与える。そこに生前者の表情(かお)も見えず、言葉(こえ)も聞こえないが、感じることができた気がした。想いを……こんな自分に託されたものを。) 」

光姫「………………ありがとうございます。おかげで今……あの時の景色に大きく近づいた気がします。きっとまだ高く見渡せるかもしれないその日まで…この刃に誓おう。レゼリアは…貴方の意思は、永久(とわ)に不滅だと。その想いを絶やさずに、これからの未来を切り開いていくことを。(墓標の前で胸元に手を添え、深く一礼。夜風に舞う花弁と共に、赤毛が揺れる。あの日、共に国を駆け巡った際に感じた風に吹かれた時のように―――) 」

光姫「…………そして、君にもだ、フレイミス。(ささやかな黙とうの末に、今度は背後に佇む少年へと振り返った) ……ありがとう… いつまでも過去に囚われ続けていた私に、未来を示してくれたことを。もう、迷いはしない。これから多くの犠牲を強いることになろうとも…あの方から受け継いだ意志を、そして…レゼリアの希望だけは、この命に代えてでも守り抜いてみせる。(フレイミスからホタルへと、優しくも不敵な笑みを送る) 」

ホタル「……うんっ、それでこそ光姫だよ…♪(その笑みに、姫君は満面の笑みで応えた) 」

ホタル「……光姫、フレイミス… 私も、今日という日を境に、もっと前を向いて行けるように頑張るよ。誰もがみんな傷つくことのない未来を、国を、みんなと一緒に築いていけるように。ここから…私たち三人、大きく羽ばたいてこっ? 」

フレイミス「ああ……そうだな。光姫、ホタル… お前たちのお陰で…この国にも…この世界にも…もっと希望を持てた。過ぎ去った過去は変えられねえけど、未来なら変えられるって。お前たちと過ごせて…そのことを強く思うことができた。進んでいこうぜ、ここから。俺たちそれぞれの未来をな…!(拳を突き出す) 」

光姫「ああっ…! 」

ホタル「うんっ♪ 」


ト ン ッ … ―――――― (三人の拳が突き合わさる。ただそれだけのことだったが、微かに時間の流れが大きく進んだように感じられた―――)



後日―――――


あれから、アルミナ国王より国中に重大発表が行われた。
姫君誘拐事件は、他ならぬ国王自らが立案した緊急合同訓練だということが報じられた。
これに安堵する者や不満を零す者こそはあれど、サキエル嬢の身に何事も起きなかったという結果に誰もが口を噤んだ。


そして、今回の一件を機に親衛隊や衛兵たちのこれまでの経歴や素性が住民たちの証言を得てすみずみまで洗われ、
職権乱用した悪辣な兵士たちは即時に身分を取り上げられた挙句、国の永久追放が命じられたという。


ウェカピポの妹の夫「く、クソがぁぁぁ……よくも、よくもこの俺を……………………許さねえ。俺に恥をかかせやがってっ!!(レゼリア国外で、歯軋りをし)……この借りは必ず返す。覚えておけよぉぉぉおおおおお!!!! 」

大柄な大剣兵「……く、訓練………ひ、一太刀どころか、何も出来なかった………こ、こ、こんな、私達、このままじゃ………あばば……… 」

バウムおじさん「はぁ~~~……もうこんな国はさんざんだで……リヤカーも元に戻れないくらいかなり破損しちまったし…これからは新しい事業でもはじめるかな……(はあぁぁぁ…とクソデカ溜息をつきながら渋々とレゼリアを出ていこうとするが…) 」

光姫「 待て (背後から男を呼び止める) 」

バウムおじさん「ッヒィィィイイイイイイ!!!?こ、こ…光姫様ァァァ!?い、今から国を出ていくとこなんで!!へへっ…!ど、どうもうお節介をおかけしやした…!な、なのでもうこれ以上はご勘弁をぉぉぉ~~~…っ!! 」

光姫「 ピラッ (毅然とした佇まいで、踵を返そうとする男に一枚の書類を差し出す) 」

バウムおじさん「……こ、これは……請求書……とかですかい……?? 」

光姫「 営業許可書だ。 」

バウムおじさん「ああ、なんだ…ただの営業許可書か……………って、ゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ~~~~~~~!?!?!!?!?!??(書類を二度三度見つめて目玉が飛び出る) 」

光姫「下層部の街で、ちょうど使われていない小屋を確保できたところだ。これからはそこで商売を行うといい。ただし、条件がある。これからは、他所の国の得体の知れなぬものではなく…我が国で採れる食材を使って販売することだ。小麦も卵もバターなど、正式に国の認可が取れたものを必ず使用する。これを条件に、貴殿の営業販売を許可する。また、昨日の一件で我が隊が破損させたリヤカーについても、新たなものを配備させてもらった。もはや必要はないと思うが、弁償の代わりに受け取るといい。 」

バウムおじさん「そ、そんな…い、いたれりつくせりであります…!!あああああっあっあっありがとうございます光姫あぁぁぁっ~~~!!!し…しかし、いったいどういう風の吹き回しでぇ……?いくらなんでも、こんな待遇を今更もらっちゃうなんて……アッシ…なんか悪いことでもしましたかねぇ…?へ、へへへ……っ……?(変な汗が止まらない) 」

光姫「ふっ……礼なら私ではなく、『かの少年』に告げたまえ。(マントを大きくなびかせ名原颯爽と踵を返していく) 」

バウムおじさん「……かの少年……??? ………!! (そんな奴いたか?と前進語と首を捻りだし、数秒かけてやっと何かに気づいたようにピーンッ!とまっすぐに直立した) 」

フレイミス「(その頃、レゼリア城―――)……よかったな、デックさん。アンタの濡れ衣も無事に晴らせたみたいでよ…! 」

デック「ああ…おかげでもう一度親衛隊に戻ることができた。大いに感謝するよ、フレイミス君…!この恩は一生忘れない。もしもまたこの国で君の身にトラブルが起こったなら、私がいの一番に駆けつけて君の味方となろう! 」

フレイミス「はははっ…もう厄介ごとにゃ巻き込まれたくねーよ。(そんな風に、二人でなんてことない冗談で笑う合う) 」

如月「はははは、そう願いたいものだよ坊主。お陰様で私は半年の減給だ。 お 前 を 殺 す (デデン!!!!!) 」

ホタル「如月待ってぇ~~~~~っ💦💦 私も共犯だったとはいえフレイミスは悪くないから許してあげてぇ~~~!><(如月の裾をぐい~っと掴み伸ばして静止させる) 」

アルミナ「国中の人間みんなが大混乱に陥ったのはすべて私の責任だ……だが私は謝らない(清々しいまでの仁王立ちッ!王の風格ッ!!) 」

フレイミス「アンタ国王なんだよな!!?(如月とホタルに挟まれながら) 」

ヴィオス「まったく……とんだ茶番に振り回されたものだ…(腕を束ねて不服そうにそっぽを向く) 」

セイ「ですが、サキエル嬢がご無事で、そして楽しそうで何よりでございます。 」

カムイ「はい、わたくしもそう思います。神への祈りが無事に届いたこと、私も喜ばしく思います。 」

槍偉「とはいえ~…俺っちらももっともっと腕を磨かねえっとすね。マジでガチな時にあんなヘマはしたくないっすから… 」

スフィアード「そういう意味では、良き訓練になった。今回の教訓を胸に我々親衛隊も切磋琢磨していかねばならないな。 」

デュクス「…………(無言の同意) 」

如月「あたしゃそこらの育ちがいい甘ちゃんと違って叩き上げの切れたナイフだった頃だってある腕っぷし自慢の狂犬なんだ!餌の食いっぱぐれでグレるし噛みつきもするんだぞぅ!キィー!!(押さえつけられながらも十手を振り回す) 光姫の奴覚えてろ~~!休憩室にあるお前の鉱物全部買い占めてやる~~! 」

バンガロール「訓練なんて必要ないわ、あなた達ド素人? >> 私 は 大 砲 よ << 」

彩雲「(覆面越しに落ち込んでいる様子が見える位落胆している)………良い訓練になりました、感謝しています……サキエル嬢もお楽しみいただけたのであれば、望外の喜びでございます… 」

フレイミス「ははは…… あ、そうだ…!ホタル、国王様!この国を出る最後にもう一度だけ…『親父』に挨拶しに行ってもいいか…? 」

ホタル「うんっ、いいよ!じゃあその間に光姫も呼んでおくから、行ってらっしゃい♪ 」

アルミナ「うむ。心行くまで語らってこい。お前さんなら、もうあの地を自由に行き来するといい。 」

フレイミス「ありがとう……んじゃ、ちょっくら行ってくるぜ…! 」



― レゼリア国・秘境の花園 ―


フレイミス「 ふぅ…………――――― ん? (レゼリアの森林地帯を今度は一人で抜けて、もう一度昨夜に訪れたあの花園へと踏み込む。一本道を突き進んだ先に父の墓がある。その道をまっすぐ突き進もうとした時、遥か先の墓の前に人影を見出す)

翠玉の魔法使い「―――――――(爽やかなそよ風に吹かれ、数枚の花弁が舞う花園。そこに佇む墓の前に立っているのは、光姫でも…ましてや国の衛兵とも思えない風貌をした一人の少女だった。エメラルドグリーンの長い髪が風になびかれる中で静かに花束を添えていた) 」

翠玉の魔法使い「 ス ッ ――――― (そして、片手に握られていた魔法使いのような大きな唾を持つ帽子を被りなおすと、踵を返すように来た道を辿っていく)………?(帽子の内側から、片目だけを覗かせて対面からやってくるフレイミスの姿を捉えて思わず歩みを止めた) 」

フレイミス「………アンタは……? 」

翠玉の魔法使い「…………(少年の問いかけに少女は何も答えるそぶりはなく、ただ無言でその顔を見つめ続けていた)………フッ……"そういうこと"…(フレイミスの足のつま先から胸元、そしてその表情に宿る瞳の隅々を見つめると、何かを悟ったように帽子の内側で静かにほくそ笑んだ) 」

翠玉の魔法使い「……キミとはまたどっかで会いそうだね。(すれ違いざまにそう言い捨て、魔法使いの少女は静かにその場を後にした―――) 」

フレイミス「……??(意味深な言葉を残して立ち去る少女を不思議そうに見送るも、すぐに振り返って目的の墓へと向かう) 」

フレイミス「……ふぅ…… やっと……会えたな……『親父』… 」

フレイミス「……ああ、そうだったな……俺が誰だか…今の親父にはわかんねえよな……(しまったなと後頭部をかきむしる)……俺だ、フレイミスだ。未来から、アンタに会いにやってきたんだ。長い長い時間を超えて…やっと……やっと、会えたんだ…… 」

フレイミス「……『親父』のこと、いろんな人から聞いたよ。嬉しいこと、悲しいこと… 『親父』のことを語るみんなの顔はそれぞれで、でも…みんながみんな、そんな『親父』のことが大好きだったって。未来のおふくろも…もちろん俺だって。 」

フレイミス「もっと早く…いや、遅く来ていれば、今度はちゃんと顔を会わせられたのかな…?でも、わかってんだ… 俺と『親父』は、 "これでよかった"んだって。 」

フレイミス「ほんとはさ……いろんなことを話したかったし、話してほしかった。俺の知らない昔のこと。俺たち家族がもしも三人いたらやりたかったこと。数えきれないくらいの…たくさんの話をしたかった。 」

フレイミス「俺のいる未来はちょっとばかし暗いけど…そんな中でも御袋…ううん、母さんも元気でやってるぜ。友達と呼べる奴もどんどん減ってったけど…親友だっていたんだ。俺の命を救ってくれた恩人もいてさ… その人のお陰で、俺は『親父』がいたっていうこの時代へ来たんだぜ…? 」

フレイミス「この時代に来てまだ日も浅いけど……たくさんの奴らに出会ったんだ。『親父』が愛したこの国で、アンタのことを愛していた人とかさ。国のために…自分にできる精一杯のことをやろうとしている人とかさ。何考えてるかわかんねえけど頼りになるカブトムシとかさ… 」

フレイミス「……この時代で…俺を知らないこの世界で…たった一人ぼっちな俺のことを「家族」だって迎え入れてくれた人とかさ…… 」

フレイミス「そんな奴らと……友達に、なれたんだ。未来にも、過去にも、『親父』には会えなかったけれど……新しい友達ができたから、俺……もう寂しくなんか感じねえよ。本当だって…! 」

フレイミス「………グスッ……寂しかったのは…ほんとのことだけどよ……でも、もう大丈夫だ。だって、やっと『親父』に会えたから。『親父』が遺したこの世界で、俺はまた新しい未来に向かって進めそうだから。 」

フレイミス「……『親父』から貰ったこのマントと命…… 大事にして生きていくよ。これだけが、俺たちを繋ぐ唯一の絆だもんな。 」

フレイミス「だから……見ていてくれ、『親父』。いつか俺は示してやるんだ。人に、国に、世界に…俺の在り方を。

フレイミス「 …… …… ……  」

フレイミス「………じゃあ、もう行くぜ。未来が俺を待っている。


そして少年は最後に静かに黙祷を捧げ、その"想い"を胸に抱くように黒いマントを手繰り寄せる。


決してもう振り返ることはない。しかしこれは決別に非ず


いつか…いつかきっと、未来が変わることを信じて


あるかもしれない奇跡の再会を願って


少年は、新たな旅への一歩へと、踏み出したのだった―――――



― レゼリア国・正門 ―




ホタル「……寂しくなるね。 」

フレイミス「なあに、またいつかもう一度来るさ。だって、友達(ダチ)の国が立派になった姿…見てみてえじゃんか。 」

ホタル「ふふっ…♪じゃあ、そうなるように私も立派にお姫様を務めるね。あっ、そうそう…♪「お土産」があるんだよ…!良かったらもっていって…! 」

カブトムシエレン「 ヒョイッ (ホタルに促されるように現れたあのカブトムシ。胴上げするようにその頭上にバウムクーヘンの入った紙袋を持ち上げ、フレイミスへ差し出すように全身を傾けた) 」

フレイミス「おっ…!あのおっちゃんとこのか!今度はまともになってるみたいだな。サンキューな。あのおっちゃんにもよろしく言っといてくれ。それに……お前にも何度か助けられたな。あんがとな…!今度会う時は…こっちでうまいもんを用意してくるからな。楽しみに待っとけよ? 」

カブトムシエレン「 ピョインピョインッ♪ (真顔でぴょんぴょん跳ねている) 」

光姫「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……――――― !! (そんな時、遅れて正門へと駆け付けるように参上した) 」

光姫「はぁ……はぁ…… 行かれるのですね…『フレイミス様』……!(慌てて駆けだしてきたのか、肩で息をしながらもその顔は敬意の色を崩さずフレイミスを見上げるように見つめていた) 」

フレイミス「……………………………は???????? 」

フレイミス「ホタル……こいつ、別人か……?そっくりさんか…?なんかおかしくねえか…?光姫が…んなこと言うはずがねェ…… 」

光姫「なッ…なにをおっしゃるのです!私こそ、正真正銘本物の光姫でございます!昨日は貴方様に向けた数々の無礼を…どうかお許しください…!この光姫、猛省して昨夜より修練を何倍以上にも過酷に重ねておりますれば!すべては偉大なる『カオスマスター』のご子息である、フレイミス様に報いるためにも…!! 」

フレイミス「なんでなん??????????? 」

ホタル「あっははは……ごめんね…光姫ったら、こういう性格でさ…… 一度敬意を強く表した人間には妄信的になるというか……まあ…忠犬ワンちゃんみたいで、可愛いよね…?(謎フォロー) 」

フレイミス「はあ………ま、まあ好きにすりゃあいいんだけどさ……せめてその呼び方はやめてくれよ…… 」

光姫「では…「殿」! 」

フレイミス「もっと嫌なんだが… はぁ……もいいや、好きなように呼んでくれて… とにかく…改めてよろしくな、光姫。(上から目線ではなく、あくまでも対等な友としての眼差しで、彼女に手を差し伸べた) 」

光姫「……! 」

光姫「  ええ、フレイミス様  (差し出されたその手を、強かに握り返す。畏敬と感謝の念を込めた眼差しを込めて) 」

フレイミス「(光姫との絆を深めたその手をゆっくりと放し、二人と一匹に手を振り、見送られながら国の正門を潜り抜けていく。名残惜しさはある。だからこそ、来てよかったと心から思える瞬間を味わった。『父』に会えたことも。『彼』が遺したこの世界がこんなにも素敵だったことも。またひとつ、暗かった自分の人生に明かりが灯ったことで自然と笑顔が零れる様になった) 」



フレイミス「 ♪~ (口笛をふかしながら、街へと続く並木道を一人歩く。レゼリアへのたった2日間の滞在だったにもかかわらず、既に歩いたこの道がなんだか懐かしささえ感じてくるほどに、あまりにも忘れがたい濃密な時間を過ごしたなと静かに実感する)………?(そんなことを思いながら歩いていると、ふと、目の前に誰かが歩いてくる姿が目に入った) 」

ハナ「――――――――(さわさわと心地よい風に吹かれる緑の並木道の真ん中に、淡い桃色の髪をした一人の女性が立っていた。風に揺れる横髪を指先で正し、対面した少年に母性的な微笑みで迎え入れた)………おかえり、フレイミス。 」

フレイミス「……姉ちゃん……! 」

ハナ「あはは……ごめんね?帰りが遅かったから…心配して迎えに行こうと思って。でも……行ってよかったでしょ?旅立つ前より、良い顔になった気がするよ…♪(後ろに手を回し、枝木から差し込む陽光に天使の微笑みが眩しく照らされる) 」

フレイミス「ああ…ごめん… いろいろあって、疲れてて連絡する暇もなかったんだ…… でも……姉ちゃんの言うとおりだったぜ。話してえことがたくさんあるんだ。……あっ…そーだ…!(何かを思い出したようにがさごそとマントの内側を弄る) 」

フレイミス「 姉ちゃん これ、食べながら帰ろうぜ (バウムクーヘンが入った紙袋を見せびらかし、少年のような無邪気な笑顔を浮かべた) 」

ハナ「 ……! (たった数日顔を会わせていないだけで、なんだか大人びたように表情が変わったフレイミスの心境の変化に、思わず口元が緩んだ―――) 」

ハナ「―――――― うんっ♪   」





今はまだ、芽吹いたばかり。やがていつか花咲くために、少年少女は歩き続ける




いつまでも、いつまでも… 想い届くまで――――――








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最終更新:2026年06月22日 22:19