カッサンドラ
- 読み
- かっさんどら
- 綴り
- Κασσανδρα
- 登場
- Moira
- CV
- MIKI
- 意味
- 人名。『死と嘆きと風の都』冒頭に登場する高級遊女。同じく高級遊女のマリッサと共にイリオンを訪れていた。
- 彼女らの見習いの一人が、まだ幼い奴隷の娘、アルテミシアである。
- 女奴隷の末路は概して悲惨なものだが、きわめて希な例として、高級遊女(ヘタイラ)の道がある。彼女らは、神殿娼婦の中でも特に容姿に優れ、音楽、詩歌そして諧謔とあらゆる妓の技に長け、おまけに王侯貴族を相手にしても引けを取らない知性と教養を備えている。絶対的な男尊女卑社会の中で、唯一「男と対等」とされる存在であった。そのはずで、ギリシャの都市によっては、国が彼女らを養成し、文化成長の一翼を担わせたともいう。
- カッサンドラやマリッサらにも、苦界にある身ながら、そこらの娼婦とは一線を画していることを誇る心境があるようだ。
- ちなみに古代中国でも、名門の妓女は下手な士大夫よりも儒学経倫に優れていたといい、日本でも、高級遊女と呼ばれる位置づけの花魁が、やはり諸芸に優れていた。
- :|特にストーリーに絡むシーンはないが、殊更に後輩いじめをするような陰湿な描かれ方はされておらず、誇り高い太夫(?)として振る舞っていると思われる。
- しかし、故意なのか油断したのかは不明だが、風神(アネモス)の変態神官のもとへ、まだ幼い見習いであるアルテミシアを差し出している。むろん客を取る年齢に達していないはずだが、アルテミシアは変態神官に襲われ、結局逃亡してしまった。