職務の分離
重要な業務を1人で完結できないように、権限や担当を複数の人に分ける原則です(英語では Separation of Duties、SoD)。NIST SP 800-192 は、「どの利用者にも、単独でシステムを悪用できるほどの権限を与えないという原則」としています。
なぜ大事か
- 不正の防止:1人で「申請」と「承認」の両方ができると、自分で自分の不正を通せる。分けておけば、不正には複数人の共謀が要る
- 誤りの発見:別の人が確認することで、うっかりの誤りも見つかる
- 被害の限定:1つのアカウントが乗っ取られても、それだけでは重要な操作を完結できない
例
| 業務 |
分ける役割 |
| 支払い |
支払いの申請/承認/実行 |
| システムの変更 |
変更を作る人/レビューして承認する人/本番に反映する人 |
| アカウント管理 |
権限の申請/承認/設定 |
| ログ |
システムを操作する管理者/その操作ログを監査する人 |
最後の例は特に大事です。管理者が自分の操作ログを消したり書き換えたりできると、
責任追跡性が成り立ちません。
実装のしかた
- RBAC の役割の組み合わせに制約を付け、同じ人に「入力」と「承認」を同時に割り当てない
- 重要な操作に、2人目の承認を要求する(四つの目の原則)
- 人数が少なく分けられない場合は、事後の監査やログの点検で補う
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出典
確認日:2026年10月14日
最終更新:2026年10月15日 09:54