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アカウント管理


アカウントを、必要なときに、必要な権限で作り、使われ方を見張り、定期的に見直し、要らなくなったら止めて消すまでの一連の管理です(入社・異動・退職に合わせた付与と取り消しを、プロビジョニング・デプロビジョニングとも呼ぶ)。

何をするか

NIST SP 800-53 Rev. 5 は、セキュリティとプライバシーの管理策の一覧(カタログ)です。どの管理策を求めるかは、組織がシステムの重要度に応じて選びます。その中の管理策 AC-2(アカウント管理)は、主に次のことを挙げています(要約)。なお「AC-2(3)」のような番号は、管理策 AC-2 の3番目の拡張(control enhancement)を表します。
項目 内容
種類を決める システムで認めるアカウントの種類と、使用を禁じる種類を決めて文書にする
管理者を置く アカウントの管理者を割り当てる
条件と承認 グループやロールに入る条件を決め、アカウントの作成には決められた人の承認を求める
作る・変える・止める・消す 決めた方針と手順に従って、アカウントを作成・有効化・変更・無効化・削除する
見張る アカウントの使われ方を監視する
知らせる アカウントが要らなくなったとき、利用者が退職・異動したとき、システムの使い方や知る必要(need-to-know)が変わったときに、決めた期間のうちにアカウントの管理者へ知らせる
見直す 決めた頻度で、アカウントが要件に合っているかを見直す
共有のアカウント 共有やグループのアカウントを使うなら、メンバーが抜けたときに、その認証器(パスワードなど)を変える手順を作る
人事とそろえる アカウント管理の手順を、人事の退職・異動の手続きとそろえる

止めるべきアカウント

AC-2(3) は、次のアカウントを、組織が決めた期間のうちに無効にすることを挙げています。
  • 期限が切れたもの
  • 利用者や個人に結び付かなくなったもの
  • 組織の方針に反しているもの
  • 組織が決めた期間、使われていないもの
また、一時的なアカウントと緊急用のアカウントは、決めた期間の後に自動で削除または無効にすること(AC-2(2))、アカウントの作成・変更・有効化・無効化・削除を自動で監査の記録に残すこと(AC-2(4))も挙げています。

ただし AC-2 の解説は、めったに使わないアカウント(ネットワークの資源が使えないときに使う、その機器だけのログイン用のアカウントなど。「最後の手段のアカウント」とも呼ばれる)を、緊急用・一時的なアカウントと区別し、自動の無効化や削除の対象にしないとしています。非常口として残すアカウントは、持ち主と使う条件を決めて管理します(筆者の整理)。

退職したとき

SP 800-53 Rev. 5 の管理策 PS-4(退職)は、退職のときに、決めた期間のうちにシステムへのアクセスを無効にし、その人に結び付いた認証器と認証情報を失効させることなどを挙げています。アカウントを止めるだけでなく、その人が持っていたトークン、アクセスキー、証明書、共有のアカウントのパスワードなども止めます(PS-4 と AC-2 から導いた筆者の整理)。

異動したとき

異動の後に前の部署の権限が残ると、権限が積み重なっていきます(筆者の整理)。SP 800-53 Rev. 5 の管理策 PS-5(異動)は、異動のときに、今のアクセスの権限が引き続き業務に必要かを見直して確かめ、必要に応じて変えることを挙げています。あわせて、割り当てた権限を決めた頻度で見直し、必要なら付け替えたり外したりすること(AC-6(7))も挙げています。ISC2 の試験アウトラインも、ロールの定義と、新しいロールに就く人の移行(Role definition and transition)を項目にしています。

人以外のアカウント

システムやプログラムが使うアカウント(サービスアカウント)も、管理の対象です。ISC2 の試験アウトラインは、アカウントのアクセスの見直しの対象として、利用者・システム・サービスを挙げ、サービスアカウントの管理を独立した項目にしています。人のアカウントと違って退職で止まることがないので、持ち主と用途を決めておき、権限を絞ります(最小権限の原則。この最後の文は筆者の整理)。

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出典

確認日:2026年10月17日
最終更新:2026年10月17日 17:53