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視線誘導標(でりねーたー) 愛子(まなこ)

性別

女性

表の職業

アイドル

二つの愛ざしの純情な感情(ヒトヨヒトミデヒトメボレ)

視線を物理的に感受することができる。
視線に物理的に干渉することができる。

他人の視線を物理的に感じとれる。
他人の視線を掴んで曲げることもできる。
自分の視線を物理的に感じとらせる。
自分の視線を掴んで曲げることもできる。

能力原理

視たい、視られたいという精神から発生した魔人能力で
汗や涙などと一緒にまなこ粒子という特殊フェロモンを分泌するようになった女の子。
このフェロモンを浴びている視線は物理的に存在するようになるぞ。

視線の物理的強度は浴びているフェロモンの濃度に準じ濃ければ濃いほど強度が増すぞ。

つまり涙が出てくる彼女の目から出る視線は強度が物凄く強く。
汗が出てくる彼女の素肌を見つめる視線はそれに準じるくらい強いんだぞ。

参戦動機

「ここに参加すると目立つんですよね?私、やります!!」

会員との契約内容

「参戦中は私のグッズを会場内で販売してね☆」

キャラクター説明

承認欲求の塊。

生まれ落ちた時から母の乳房より母の眼に見られることを望んだナチュラルボーンサイトジャンキー。
見られることが好きな先天性の性質と親の教育などによりよいこに育った後天的な性質が組み合わさり
他人を見ること、見られていると感じさせることを最大の愛情表現であり嬉しい事と認識している。
その感覚は生死よりも重いぞ。

見られることを愛するので見られるような職業になるのは必然ともいえた。
視線はテレビ越しでも通るので見られていること自体には満足しているが
自分の視線を射程距離の関係上相手に通すことが出来ずそこが不満の種である。

能力を知られているマネージャーに握手会などは止められているがそんなことであきらめる彼女じゃあない。
今日も彼女は己の視線を他人に通すための機会を虎視眈々と狙っている。

プロローグSS

イカれてるって・・・何が?
みんなそういうのよね。私はぜんぜぇ~~ん『フツー』なのにねえ?



すこやかせいそせいじゅんプロ。
清楚系アイドルたちが集う平和なアイドル事務所。

その一角に。

妖しくも美しい、悪魔が降臨していた――――!!

「みんな――――!!!今日はアリガトーーーー!!!」

FooooooooooooooooWWW!!!

2月。福井県。サンドーム福井にて。

いまをときめく人気アイドルグループの全国コンサートライブツアーは中盤を迎えていた。

サンドームおとふけから盛運輸サンドームと続き方々を回る。
サンドームせんだいまで回ったら最後はサントリーホールで〆るという日程の超長期ツアーである。

人情噺聞七元結 聞之嬢(にんじょうばなしぶんしちもっとい きくのじょー)、視線誘導標 愛子(でりねーたー まなこ)、不死産老口 オム夏口(ふじさんろくオムナック)による今を時めくアイドルグループ『サンアイズスタジオ』。

サードアルバム『僕のサンドロック』、好評発売中!


◆~3年後~◆


2月。福井県。東尋坊にて。

ザッ!!

ホタテの串焼きの香りが漂う観光名所東尋坊にて、一人の女性がいた。
2月。まだ寒い時期。空は蒼く澄み渡りはしばしで雪が凍り付いている。

そんな中。
「…相変わらずそのような恰好をしているでごザルか、愛子」
一人の少女が。
そんな風景の中でひときわ目を引く少女が。
ホタテをかじっていた。

それはかたつむりのような麦わら帽子にかたつむりのような虫取り網にかたつむりのようなサンダルに。
かたつむりのようなスクール水着を着込んだ夏に迷い込んだかたつむりのような少女だった。

「キクノジョー」

そんな少女が一際耳を引く少女に返答する。
それにキクノジョーと呼ばれた少女は返答する。

「おぬしの噂は寡聞として聞かなかったでごザルが…腕は鈍っていないようで安心したでごザルよ」
「戻ってこい愛子。すこやかせいそせいじゅんプロにはオヌシの力が必要なのでごザル」

ドーナッツとレモンとミカンとファイトと空と羅刹と死を思わせるデザインの服を着た少女は返答する。

何やらものものしい雰囲気を漂う。
一触即発ともいえるそんな空気だ。

「無理だよ、そんなの」
「だって、アタシは・・・!!」

一陣の風が吹く。
風にあおられてゴミが舞い上がる。
そのゴミは本日の新聞紙であって。

【いやんうっふんおいろけプロ所属、どスケベエロエロアイドル視線誘導標 愛子格闘家デビュー!?】

とても煽情的なかたつむりのような水着を着ていた愛子の姿がそこにはあった。

「やっぱりもっと!!ファンの皆に!じっくりねっとり見られてたいから・・・!!」
「ふざけてんじゃねえぞこの露出狂がああああああああああああ!!!?」

キクノジョーはキレた。盛大にキレ散らかした。
彼女は武家の娘である。エッチなことには人一倍いけないことだと思っていた。
必ずこの唐突に雲隠れしたと思ったら限界スレスレまで脱ぎ散らかしてるこの荒淫無恥な女を連れ戻そうとした。

「ファンも!!不死産老口も!!こんな破廉恥なことしでかす手前をまあいいじゃんとか言って甘やかすしよお――――!?」
「ここであったが100年目!!手前の所作も!身だしなみも!それがしがキッチリ更生させてやるでごザルよぉおおおおお!!!!」

「『努創零落三代猿股(どそうれいらくみしろのふぁすなー)ぁあああああ』!!」
キクノジョーがそう叫ぶと彼女の履いていたスカート・・・いや、袴が翻り無数の
ファスナーの付いた猿股(スパッツ)が露わになる。

キクノジョーは武家の娘である。だがこの現代社会において武器の携帯は禁じられている。
故に常に身に着けても問題ない『ファスナー』を暗器とする武術体系が編み出された。
キクノジョーは娘なのでズボンではなくわざわざファスナーのついた猿股(スパッツ)を身に着けることで使用可能にしている。

なお、努力の果てに創設されたこの技法は全く流行らずに三代で零落した。当たり前だ。

長子である兄に押し付けられて逃げられて、このファスナー捌きの最終後継者となった彼女は今。
こんな武術で身を立てるつもりなど一切なくアイドルとして生計を立てようとしている――――!!

ばち、ばちばばちばち!!!

「――――ッ!!!」

キクノジョーがファスナーを高速で下げると。
そこから発生するカマイタチが愛子の周囲をファスナーで開いたかのように裂き開いていく。

「遅い!!」

ジャキ、ジャキジャキジャキジャキ!!!

そしてファスナーを高速で上げると。
そこから発生する真空がその割き開かれた裂け目に干渉して閉じさせていった。

現代人なら着けてても何も違和感のないファスナーを自然に上げ下げすることにより発生する動き。
それを周囲の物質に連動させる脅威にして熟練の魔人武術。

全て同時に下ろしてしまうと『ノーパン』になってしまう諸刃のファスナーを。
彼女は己の持つ驚異的な貞操観念で使いこなしていた・・・!!

ばかあああ!!!!

次弾のファスナーが迫る。
一番大切な局部を隠すための『ファ』を除いた『ド』『レ』『ミ』『ソ』『ラ』『シ』の六条を一斉開放。
愛子の足元に六筋の亀裂を走らせて体勢を崩す。

「さあこの『ファスナー』で手前の両手両足を完全に閉じて!そのだらしのない恰好も完全に閉じ尽くして!!」
「お前はベイビィフェイスとして!!清楚なアイドルとして生きるでごザルよAIKOOOOOO!!!」

それら六つのファスナーを愛子に向け、一斉に閉じ――――
「――――ごめんね、キクノジョー」

ガリ、ガリリガリリ!!

その手前で『何か』に遮られ、防がれた。
「『二つの愛ざしの純情な感情(ヒトヨヒトミデヒトメボレ)』・・・『愛視(アイシ)-ルド・21』」

愛子がかざした手。そこには視えないが。視えないが確かに『何か』が巻き付いていた。
硬く、堅く、固い。曰く言い難い強靭な『何か』が。

「・・・っ!!」

キクノジョーは察した。愛子の何らかの魔人能力。それを使用して攻撃を防いだのだと。
ならば、その防御をぶち抜く『開き』のファスナーで・・・!!

ばちゅうううん!!!!!!

そうして飛ばした次弾は。

「・・・なぁあっ!?」

体勢を崩され、走ることもままならず動きもしない愛子に対し。
ファスナーたちは。まるで見当違いの方向へ逸れていった。

キクノジョーが眼を押さえる。
確かに愛子に狙いを定めたはずだ。先ほどのように。
なのに。

「あなたの『視線』、私も感じてた・・・強く強くてとってもいい『視線』」

愛子がそこを手で遮った瞬間。

「だけど」

視線を狙いを急速に違う場所へと『逸らされた』――――!!!

「アイドルに同じ視線は通じない。これは最早常識・・・!!!」

ギンッ!!

強い強い、覇気の篭った瞳をこちらに向け、手を自分の眼もとにかざす愛子。
マズイ、何かをしてくる、体をかわさなくては。
そうして動こうとした時に。

『ぐんんっ!!』

視線が急速に愛子の方へと向けさせられ、身体が硬直する。
それはまるで、さっきとは真逆の現象。

そう。

「それがしのファスナーと同じ!同一の能力を二つのアクションで、別の能力として使い分けて・・・!!」

その発想にキクノジョーが至った時にはもう。

「愛(メ)ダリス刀(ト)!!」

愛子が持っていた『何か』が振るわれ。
それの先端がまるで目でもついているかのように局部である『ファ』部のファスナーに吸い込まれていく。

ばきいいいん!!!

そして。ファスナーを完全に砕かれて。
キクノジョーは『露出』することになってしまった・・・!!!


◆それからどした◆


「・・・クソッ!!」
キクノジョーは袴を搔き集めてなんとか下半身を隠していて、身動きが取れないでいた。

そんな彼女からくる視線をいとおしそうに見つめながらも、視線誘導標 愛子は。

「ごめんねキクノジョー・・・でも私、もう決めちゃったから」

もういかないと

名残惜しそうに、その双眸をキクノジョーから外した。
そう、すべては。

「私のことを待ってる、ファンたちの生視線がある」
「私を視てくる、新しくて新鮮な視線。」
「私にはそっちの方が重い――――!!!」

新しい戦場に向かうために。

「この・・・ドエロ娘があああああああああああああああああ!!!?」

こうしてダンゲロスコロッセオに新たなる闘士が参戦した。

その名前を視線誘導標 愛子(でりねーたー まなこ)

金のためでもなく。闘争心のためでもなく。
ただ、愛のために闘技場へと赴いた、一人の愛の戦士である。

【つづけ】
最終更新:2026年04月30日 21:37