その他幕間その2

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dangerousss3

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逆襲の『ドキドキ!光素ときららの試合場下見ツアー!』

≪シーン1.これまでのあらすじ≫

「「大会参加選手たちが激闘により試合場を荒らす前に、楽しそうなところを
  取材という名目で一足先に堪能しつくしちゃおう!!」」

 そう考えた大会実況・佐倉光素と大会解説・埴井きらら。
 手始めに第一回戦の試合場へ下見と称し遊びにいこうと画策する二人だったが、
 海水浴場以外の十箇所は取材費(アイデア)が降りてこず、計画は頓挫した。

「しかし、我々の野望はこれからです! 第一回戦投票中の今こそ、幕間SSという手段で
 キャンペーンを盛り上げる格好の機会ではないでしょうか!?」

「そーだそーだ! 誰もプロローグに出してくれないなら、こっちから動くまでだー!」

 だが、二人は諦めていなかった! 逆風に晒され燃え上がる反骨心!

「という文を書いたのが、確か投票期間が始まってすぐのことでしたね!
 まさか猛烈なスランプにより遅々として進まず完成が投票期間終了後になってしまうとは!」

「ここでこんなとは!」

 まあ、そんなこともあるよね!
 なお数日前に大会参加者の紅蓮寺工藤選手と接触していた模様。道理でメタメタしい。

「というわけで、取材費(アイデア)が降りてきたので『温泉旅館』に行ってみましょう!」

「ウェーイ! 温泉ガチデ!」

 なお数日前に大会参加者の黄樺地セニオ選手とも接触していた模様。道理でチャラい。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


≪シーン2.温泉堪能編≫

「はーい、やってきました! こちらが試合場ナンバー16『温泉旅館』です!」

「ほほおー! なんだか、歴史を感じさせますな!」

 蝶ネクタイの晴れ着姿が眩しい光素とスタンダードな制服姿が可憐なきらら。
 二人を待ち構えていたのは、所謂『ザ・老舗』といった趣きの温泉旅館であった。
 ちなみに温泉旅館内に女将等の従業員はいない。試合場にNPCはいないらしいのだ。

「温泉だー! 旅館だー!」

「さて、まずは何をしましょうか」

 はしゃぎながら旅館にあがりこむきららに対し、彼女が脱ぎ散らかしたローファーを
 揃えつつ、光素はそう問うた。
 きららはくるりと振り返り、スカートの裾がふわりと躍る。

「温泉入りたい!!」

 そう答えた少女は、待ちきれぬとばかりにその場でトットットッと足踏みをしている。
 光素はにこりと笑い、

「ふふふ、私もです! では、お部屋に荷物を置いたら、浴衣に着替えてレッツゴー!」

 ・
 ・
 ・

「ふわあー、極楽極楽……」

 視界いっぱいに日本の美しい景色を睥睨する露天風呂がこの旅館の持ち味である。
 かぽーん、という音が聞こえてきそうな安らぎのひと時を過ごす光素ときらら。

 タオルは浴槽にひたすことなく、もちろん下湯も済ませたよ!
 マナーを守って楽しく温泉!

「本当、いい御湯ですねえ」

 日頃の疲れを癒すように、ぐっと伸びをする光素。
 きららは肩まで湯に浸かりながら、そんな光素の身体――主に胸元を、じぃと見つめる。
 視線に気付いた光素はさっと胸を隠し、

「な、なんですかきららちゃんっ」

「光素ちゃん……あたしより年上なのに、あたしよりおっぱいちっちゃいね……」

「んまっ!」

 そう、哀しき胸囲の格差社会だったのだ。

 きららは先の海水浴場での取材中、マイクロビキニに包まれた光素の胸の慎ましさに
 密かに衝撃を受けたのだった。
 うわっ……光素ちゃんのおっぱい、小さすぎ……?

 もちろん控えめとはいえその胸は女性的な曲線美は有していたし、そもそもきららも
 他人のこと言えるほど胸が大きいわけではなかったが、それはそれとして二人の間には
 厳然たる勝敗の差が存在していた。

「た……確かに事実ですが、胸の大きさがどうとか、私は別に気にしてませんし……」

「うん……でもなんかごめんね……」

「むむむっ……!」

 本当にそこまで気にしてなかったのに、本人に悪気はないとはいえここまで
 憐憫の情を剥き出しにされては、光素としても釈然としないものがある。

(……はっ!) ぴきーん!

 そのとき、光素の頭に仕返しの妙案が閃く。
 元来イタズラや悪だくみの好きな彼女である。きららには少々悪いと思いつつ、

「では――――!」

 どっぱーん! と、突如として光素の両脇に大きな水柱が立ち上る!
 能力かはたまた技術か、いずれにせよ、光素は完全に呆気に取られたきららの背後へと
 水柱を目隠しにしつつ一瞬のうちに回り込み――――

「――――将来有望なきららちゃんのお胸に、御利益を分けてもらいまーーっす!」

「わひゃあああっ!」

 その胸を、掴む! 揉む!!

「や、やあぁーっ! こらーっ!」

「ふははははー! ここがええのんかー! ここがええのんかー!」

 きららの発展途上の微乳を弄ぶ光素!
 なんたる悪辣! 代わってほしい!

 なお、ここで光素がきららの不覚をとれた点について釈明しておきたい。
 いくら世界有数の武術家たるきららでも、先刻は露天の温泉に弛緩しきった状態であり、
 また光素自身も武術の心得があり、というか普通に『やる』人間である。
 これは当然の帰結であって、決してきゃっきゃうふふのためにキャラの格を不当に
 落としたりしてるわけではないということをどうかご理解いただきたく候。

「ちょっ……もーっ! やめなさーいっ!」

 顔を真っ赤にして腕をぶんぶん振り回し抵抗するきらら。
 攻撃20に殴られては敵わない、ということで光素はあっさりと飛び退った。
 荒い息で胸を押さえる少女と満足気に笑む少女の視線が、淡い湯煙の向こうで交差する。

「もおおーっ! きららも仕舞いにゃ怒るよっ!」

「あらら、自分のことは『あたし』って呼ぶんじゃなかったんですかー?」

「っ!! ぐぬぬ……!」

 動揺に付け込み、精神的な優位を逆転した両者。
 このままでは収まりがつかないきららは光素にやり返そうと思い、しかし二人が
 全力で追いかけっこをすればこの美しき露天温泉も無事では済むまいと考え――。

「…………よしわかった! この決着、温泉名物・卓球勝負でつけようじゃないか!」

「いいでしょう、臨むところです!」


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


≪シーン3.卓球激闘編≫

 古式ゆかしい卓球台をはさみ、光素ときららが睨み合う。
 二人はともに浴衣姿。死地に臨む卓球闘士に相応しい戦装束であった。

「それではいきますよ! PING!」

 光素が右手のラケットを振り抜く! ZOOOOOM! 超音速でピンポン球が射出される!
 温泉旅行者同士がしばしば遊興に用いる浴衣卓球は、ピンポン球を弾き返せなければ
 まあ普通に相手に1点入り、11点先取された場合は相手のゲームになってしまう!

「PONG!」

 きららも負けじと右腕を振るう! そして激しい死のラリーが始まった!

「PING!」「PO、」「きららちゃん襟が肌蹴て胸が見えそう!」「わわっ!」がばっ

 慌てて襟を正すきららの横を、ぱしゅーーんとピンポン球が通り過ぎていく。
 あっ、ラリー続かなかった。

「え、えええーッ!?」

「ふっ……油断大敵!」

 なんという恐るべき精神攻撃であろうか!
 しかも浴衣も特に肌蹴ちゃいなかった。それは惜しい。実に惜しいが、ともあれ1点。
 光素のクスクスという笑い声を受け、きららの頬が屈辱色に染まってゆく。

「ふふん、この調子で次もいただきます! PING!」

 光素の強烈なサーブ! ちなみに卓球のサービスは2本交代である!
 きららは左手で襟を押さえながら俊敏な動きでコースに先回り!
 その右腕に縄のような筋肉が浮き上がる!

「PONG!」

 きららの渾身のレシーブ!
 光素の動いた方向と逆のコーナーへの痛烈な打球! これは返せないか!?

「残念でしたね! PING!」

 着弾の寸前、光素は右手のラケットを左手へとパス! 彼女は両利きであった!
 そのまま流れるようにライジングショットで返球!
 虚を突かれたきららは反応できず、打球は少女の後方へ! これは返せないか!?

「まだまだーっ!」

 きららは後方へと驚異的なスピードで空中回転移動! 物理法則を無視したかの如き跳躍!

「おおーーっ 何だあの動……」

 打球を追い越して遊興室の壁へと着地したきららはその勢いのままに壁を蹴り、返球!
 呆然とする光素は反応できず!

「ワイルド!」

 光素が叫ぶ! きららの勝ち誇ったような笑み!
 これでポイントは1-1! この二人、まったくの互角!

「次はこっちのサービスだね! PING!」

「負けませんよ! PONG!」

 ――――勝負はまだまだ分からない!!

「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」
「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」
「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」
「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」「PING!」「PONG!」

 ・
 ・
 ・

「ぜえっ、ぜえっ……!」

「はあっ、はあっ……!」

 筆舌に尽くし難き人智を超えた卓球対決は一時間以上にも及んだ。
 光素もきららも汗だくであり、温泉に入った意味を数多の哲学者が考えかねない惨状だ。
 浴衣も肌蹴に肌蹴きっており、うん、それはまことに眼福である。

「もう、やめましょっか……」

「そ、だね……」

 激闘の決着は、ピンポン球と卓球台が衝撃に耐えられず爆散するという形で訪れた。
 ポイントは99-99。引き分けであった。
 二人はもう一度、揃って温泉に入った。仲良きことは美しき哉。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


≪シーン4.少女夜話編≫

「おっふとーんっ! どーん!」

「もう、はしたないですよ、きららちゃん」

 畳の上に布団を並べ、飛び込むきららと嗜める光素。
 卓球勝負の後、二人は二度目の温泉を今度こそゆったりと堪能し、夕食に舌鼓を打ち、
 三度目の温泉をまったりと経て今に至る。
 なお、板前たちも当然いないので夕食は光素が作った。きららもお皿とか洗った。

「でも寝るには少し早いですし、お喋りとかしましょうか」

「お喋らいでか! 温泉旅館の夜といえば、そう! がーるずとーくですYO!」

 きららは枕をばっしんばっしん叩きながら力説する。テンション高えなこいつ。
 まあ、光素とてそういった与太話は望むところである。
 姦しい盛りの女子二人が布団に並ぶ。

「じゃあねえ、じゃあねえ! 光素ちゃん、ズバリ、好きな人いる!?」

「んー、……いますよ!」

「きゃーっ、きゃーっ! 誰、誰!?」

「それはですねえ…………きららちゃんです!」

「えへへへー! あたしも光素ちゃん大好きー! ……ってそうじゃなくてー!」

 ぺちーん! とスナップの利いたノリツッコミ! 仲ええなあこいつら。
 一拍置いて、きららはぷうと頬を膨らませ、つんと唇を尖らせる。

「まったくもー!! いくらあたしだって、そんな見え透いたはぐらかしには
 引っかからないよ! 観念して白状しろー! 貴様は完全に包囲されているー!」

「あはは、ごめんなさい。でもそういった話、特にないんですよー。ええ、本当に……」

「むうー……」

 光素は心から申し訳なさそうな調子で、というか自分で言っててちょっとダメージ
 負ってそうな雰囲気だったので、きららは大人しく引き下がった。
 そして、先手を譲った分、次はこっちの番だと言うかのように光素は目を光らせる。

「そう言うきららちゃんこそ! 真野さんとは最近どんな感じなんです!?」

「えへへへへー! 訊いちゃうかー! それを訊いちゃうかあー!!」

 自分に水を向けられると、途端「待ってました!」とばかりに目を輝かせるきらら。

 ちなみに、ここで言う『真野さん』とは、ダンゲロスSS3参戦キャラクターである
 『ラーメン探偵・真野事実』ではなく、ダンゲロスホーリーランド3という
 キャンペーンに投稿されたキャラクター『真野八方』のことを指す。
 同じ一族(厳密には違うらしいけど)のキャラがキャンペーンや投稿者の壁を越えて
 出てきたりするのもダンゲロスの魅力のひとつだぜ!(新規さん用コメント)
 で、そいつがどんな奴かと言うと――――、

「真野さんねー! この前も『ここに来てくれ』ってデートのお誘いくれてねー!」

「ふむふむ」

「行ったらねー、爆弾とか火矢とか降って来て、強そーな人がいっぱいやって来てねー!」

「わーお、熱烈歓迎(物理)」

「でねー、みんな倒したら、真野さんさっきまでいたけど、もうどっか行っちゃったって
 言っててねー!」

「わーお、相変わらずですねー」

「そう! 相変わらずシャイなの! ホントはきららに会いたくてアトラクションとか
 用意してお友達と待ってたけど、直前で急に恥ずかしくなって帰っちゃったんだねー!
 まったく恥ずかしがり屋さんなんだからー! でもそんな可愛いところも好きー!!」

(大方、お金に困ったから適当な組織にきららちゃんをぶつけて、混乱に乗じて
 財産を奪って逃げたとか、そんなところでしょうねー)

 光素、大正解である。真野八方とはそういう男であった。
 傍から見れば酷いゲス野郎だが、きららは何故か彼のことを盲目的に信じ、好意を抱いている。

 そういったなんやかんやについて、君はダンゲロスホーリーランド3を見て詳しく
 調べてもいいし、しなくてもいい。本キャンペーンには直接関係のない知識だ。
 だがホリランは非常に楽しいキャンペーンなので、4とかあったら参加することを勧める。

(しかし……(相手がアレとはいえ)やはり恋愛は素敵に楽しそうですねえ……)

 まだまだ続いているきららの惚気(?)をBGMに、光素ははふうと憂いの溜め息。
 彼女は神に近しい存在ではあるが、心はしっかり乙女なのだ。

(きららちゃんだけじゃなく、かなめもほづみも、恋に生きる人たちはみんな幸せそう。
 ……はっ! きららちゃんの胸が私より大きいのも、もしや恋愛経験の賜物!?
 女性ホルモンがドバドバ出てるか枯れてるかの差、みたいな……!?)

 恐るべき仮説に震え上がる光素! 温泉での貧乳のくだりはまさかの伏線だった!?

 ちなみに、かなめ(夢追中)やほづみ(咲ノ倉ほづみ)については、光素の四つ子の
 姉妹だとかそんな感じのイメージで大丈夫だと思う。たぶん。
 それぞれ素敵な相手を見つけ、年がら年中イチャコラしているらしい。

 それらについて気になる人は「夢追中」でグーグル検索してもいいし、しなくてもいい。
 本キャンペーンには直接関係のない知識だろうし、全部追うと情報量がごっついのだ。
 だが夢追サーガは非常に読み応えがあるので、機会があれば調べてみて損はないだろう。

「(……あっ、つい自分の世界に没入しちゃってました!)
 えーーと、ごめんなさい、きららちゃん! 少しぼうっとしていて……」

 喪ん喪んとした思考から我に返った光素がきららに意識を向ける。
 だが、当の少女も意識は既にそちらにはなく、

「ぐう、ぐう……」

「あらー……寝ちゃってますね……」

 温泉や遊興室ではしゃぎ疲れたのか、喋り疲れたのか、はたまたその両方か。
 安らかな寝息をたてるきららを撫で、光素もふわりと微笑む。

「おやすみなさい、きららちゃん」

 そして、『こちら』に向き直り、

「皆さん、読了いただきありがとうございました。
 本日はここ、『温泉旅館』より、大会実況・佐倉光素と大会解説・埴井きららが
 お送りしました。それではまた次回っ。…………があるかは分かりませんが……!」