その他幕間その3

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dangerousss3

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ドキ! 男だらけの温泉大会~コロシもあるよ~

 都心からのアクセスも容易な奥多摩の温泉宿。その駐車場に、一台の大型バスが停車した。

「さあ、着きましたよみなさん! ここが試合会場の一つ『温泉旅館』!」

 運転手を除くバスに乗っていた者全員が降りると、一番最初に降りた佐倉光素がそう宣言する。その隣には埴井きらら、そして彼女らの前にいるのは殆どが「夕闇の覇者」の参加選手だった。

 光素、きらら、そして選手一同は光素の発案した『ドキドキ! 光素ときららPRESENTS試合場下見ツアー!』でこの旅館を訪れていた。
「下見」というのはただの名目で、莫大な経済効果を生むだろう大会を盛り上げる選手達に対し、勝敗関係なく何か特典めいたモノがあってもいいのではとの考えからであり、マネージャーの銘刈耀も簡単に了承した。こうして選手ならば全額無料の慰安旅行が実現し、多くの者が参加して今に至るのだ。尤も、本当にただの慰安旅行というわけでは無く、選手達は旅行代の代わりにとあることに協力しなければならないのだが……。

「あれ? なんかここに凄く最近光素ちゃんと来た気がする……」

「何言ってるんですかきららちゃん? 私がここに来るのは初めてですよ?
 さて選手のみなさん。参加費は無料ですが、試合前に旅館の建物や備品を損壊すると弁償してもらいますから、暴れるのは試合で。
 今はマナーを守って楽しみましょう」

 光素がきららとのメタメタしいやり取りに続いてそのように注意を喚起する。選手の大半は残念なことにいい大人であるからそんな注意をするまでもないと思われるかも知れないが、そこが信用ならないのが魔人である。

「わあっ! 凄い景色! ヤッホー!」

 子供のようにはしゃぐのは、選手の家族ということで三千円で参加した雨竜院雨弓の妹・畢。見た目の幼さは大会最年少のはずの弓島由一や高島平四葉と変わらない。

「家族(ここでは『かぞく』と発音している)の皆も連れてきたかったけど、流石にあの
人数じゃな……」

 孤児院に残してきた自身を兄と慕う子供達を想って猪狩誠は優勝を誓った。「賞金で皆をどこへでも連れて行ってやろう」と。彼が優勝したとして、そのとき子供達が何人残っているかはわからないが。

「ささ、皆さんそろそろ旅館に入りましょう。チェックインは必要ありませんが、とりあ
えず部屋に荷物を置いてください」

 光素に先導されてぞろぞろと玄関をくぐる選手達。待ち受ける戦いを忘れて、今は純粋
に温泉を楽しめると、このときは多くの者が思っていた。

✝✝✝✝✝

「探偵・警官・ヤクザが同室か……三つ巴(meets dome、三竦みという意味の英語)だな」

 本大会の探偵四天王の一人、ラーメン探偵・真野真実が言う。三、四人に一つずつ部屋が割り当てられており、彼と一緒になったのは魔人警官・雨竜院雨弓と魔人ヤクザ・夜魔口赤帽、砂男のコンビだった。

「別に警官と探偵は敵じゃ無いっしょ。それに、ヤクザの二人も今くらい仲良くしようぜ」

 警官という職業と厳つい外見に似合わず、最もフランクな態度の雨弓はバッグからツマミにと持ってきた鮭とばを取り出し、皆に一つずつ差し出す。

「へへへ、こりゃどうも。つまんないもんですが、俺らからもこれ、お近付きの印にどうぞ」

 ヤクザコンビの若い方、砂男が売店で買った赤まむしドリンクを一ケースずつ真野と雨弓に差し出せば

「こらあ砂男!! 何を媚び売っとるんじゃバカタレ!!
 こんな若造二人に舐められてたまるか!!
 あとつまらんって何じゃ!!」

 砂男の胸ポケットから赤帽の怒声が飛ぶ。砂男がまあまあと宥めたとき、入り口の障子がシャッと開いて猪狩が顔を出し、言った。
 「みんな温泉行こうぜ!!」と。

✝✝✝✝✝

 ――女湯の露天風呂。

「ああ……いいお湯」

 姫将軍・ハレルア=トップライトは普段の固い表情を僅かに緩めて呟く。彼女の元いた世界でも天然温泉はあり、そこに浸かることもあったが、それを入浴施設として整備し、宿を建て、風光明媚な環境と合わせて観光地化するというのは、この世界に来るまで考えもしなかった。

(弱いけど凄いんだなあ……平たい顔族も……)

 心中でそう呟くハレルアから少し離れたところで、バチャバチャとお湯を撥ねさせながら戯れる二人があった。

「んふふ! きららちゃんちょっと大きくなったんじゃありません!?」

「やっ……ん。ホント? ってあれ、おっぱい触るのも前にやったような……」

 光素が背後からきららの発展途上の微乳をやわやわと揉めば、きららも戸惑いと快感、歓喜、そして疑問の入り混じった声をあげる。女湯に相応しい光景である。

「きららの胸、ちゃんとおっきくなるかなあ……。葦菜ちゃんみたいに」

 嘗て高校に入ってから数ヶ月で豊満になった親戚の少女の成長過程を思い出し、自分の胸部の将来に期待と不安を抱くきらら。

「平気平気!! 見よこれを!!」

 バシャリ、と立ち上がって胸を張る畢。その胸は平坦であった。傾斜90度の大絶壁である。

「きららちゃん、今だってボクよりずっと育ってるんだから、さ。
18歳くらいにはバインボインだよ!!」

 自分はそれでいいのかと思われそうな励まし方だが、畢の目には一点の曇も無く、きららの方も「バインボインか……」と少し嬉しそうな表情で自分の胸に手を当てる。

「そうそう!!
 でも男に揉んで貰えばもっとバインボインよ!!
 私みたいにぃ!!」

 見せつけるように自身の豊満を、巨乳を、いや奇乳を揉みしだく元女騎士・ゾルデリア。ぐいんぐいんと揺れる湯に濡れた乳房!!

 その暴力的な程の豊満と、「男に揉んでもらう」という言葉に、湯で火照っていた頬を更に赤らめる平たい胸族の三人。そんなとき、ゾルデリアの背後からそっと近寄る影があった。

「ああんっ!!」

 背中から脇の下を通って正面に手を回しさっとゾルデリアの乳房に触れたのは……偽名探偵こまね!! 探偵四天王の一人!! 平たい胸族四人目!!

「ゾルさんの胸おっきいね~。男に揉まれたか~。こんな感じ?」

 ぐにんぐにんと白魚のような指が乳房に食い込み、揉む!!

「あ、ふぅ……!! ら、ら……」

 処女のこまねだが、揉む手の動きはなかなかのものであり、そして彼女は意識していないがゾルデリアの背中と尻に、それぞれささやかな丘の頂点と、秘めやかな場所が当っているのだ。乳を揉まれた快感でゾルデリアが身を捩れば、それは更に擦り付けられる形となる。

「ふわっ……」

「らめえええええええええええええええええええええええええっ!!
 いっちゃいましゅうううううううううううっ!!」

 予期せず生じてしまった快感にこまねが漏らした微かな嬌声は、同時にゾルデリアが発した絶頂の叫びに掻き消される。
 ZTM(絶対にチンコなんかに負けない)あっさり解除!!

「あうん……らめえ!! ここで戻っちゃらめっんんぅ!!」

 急速に張りを失ってゆく女体をどうにかこうにか維持しつつ、膣からお湯を撒き散らしながらゾルデリアはダッシュで退場!!

 その際湯船の外で景色を眺めていた聖槍院九鈴を突き飛ばす形となった。衝撃で揺れる九鈴の胸(Bカップ。平たくは無い)!!

✝✝✝✝✝

 ――男湯。

「狭くね?」

 誰かが言った。露天風呂はそれなりに広かったが、むくつけき男たちが20数名、何故か一度に入浴しているのだ。実際狭い。

「これだけいれば狭いのは必然。というかもっと詰めて浸かればいいだろう?」

 そう言うのは蛭神鎖剃。周囲の者達は、皆彼から距離を置いて浸かっていた。その理由は、湯から突き出してそそり立つ彼の男根。大男である鎖剃だが、そのちんぽは魔人能力によって1m50cmという超哺乳類級のサイズを誇っている。しかも、先程薄い仕切りの向こうで女性陣の嬌声が聞こえ出してから更に怒張し、長さは2m超、化粧柱のような太さとグロテスクな青筋。同性とはいえ近寄りがたいのは当然であろう。
 しかし、そんなはた迷惑な鎖剃の息子を誰も責めようとはしない。なぜなら、濁り湯のためバレないが、浸かっているメンバーの大半が、彼とほぼ同じタイミングでペニーを膨らませていたのだから。男の悲しい性を見て見ぬふりをする情けが大会選手達にも存在した(彼が必要に応じてディックをミニマム化出来ると知ったら怒るだろうが)。

「あら~男同士裸の付き合い? いいわねえ。
 アタシも仲間に入れてくれる?」

((((((誰だ…………?))))))

 内湯と繋がるドアがガラリと開いて、現れたのは一人の全裸中年男性。選手にはいなかったはずの男の登場に、全員が疑問符を浮かべる。
 全裸中年男性は、肉のつき過ぎた醜い身体を揺らしながら、軽いステップで湯船へと向かう。

「おっさん。走ると滑……」

「あっ、キャアッ!?」

 濡れた敷石に足を滑らせ、ToLOVEるめいた不自然な放物線を描いて全裸中年男性は宙を舞う。ぐるりと空中で一回転し、そのまま湯にダイブしそうになった彼は、咄嗟に目の前の「柱」にしがみついた。

「ヒャアン!!」

「うっ!!!!!!」

「「「「「「「あっ!!」」」」」」

「ふぅ……何故人は戦争などするのだろう……」

 10m程の高さまで打ち上げられ、春の夕空に咲く白い花火。
 全員が急いで湯船から出る中、全裸中年男性は一人(傍らに鎖剃もいたが)、恍惚とした表情で降り注ぐ欲望の残滓を浴びていた――。

シリアスパートに続く→