「がーおー、くまだぞー」
熊ではない。
あなたの目の前に居るのは、くまのキグルミのようなものを着たメイデンだ。
名を“ポーラ・ポップコーン”と言い、眠そうな眼をしてぼんやりと喋る。
~~~~~
時は少し遡る。
拠点に辿り着いたあなたは、突然“ゾンビ熊退治”を依頼された。
なんでも拠点内にゾンビ熊が出るらしく、
もう何人もの子供が食われている、との情報だった。
事態を重く見たあなたは、急ぎ拠点内を探しまわる。
そして見つけたのが、“これ”。
詳しく言うなら、クマのキグルミのようなものを着た少女が子供達と戯れている光景。
~~~~~
「なるほどな~」
騒ぎが落ち着いた後、あなたはポーラと休憩所で温かいお茶を飲んでいた。
「つまり、あたしを見た子供の一人がくまさんを見たって報告して~
それが子供同士だとちゃんと伝わったけど大人には本物の熊が出たって伝わって~
そんでもって、子供達が私と遊んでて戻らないから大人は子供が食べられたと勘違いして~
結果的に、沢山の子供を食べている凶暴なゾンビ熊が出没した……って話になったワケね~」
どこか他人事のように言うポーラだったが、
実際問題彼女は何も悪いことはしていない。
ある意味本当に他人事、いや他熊事だろう。
「さって……」
あなたがそんな事を考えていると、ポーラが突然立ち上がる。
「んじゃあ~、行きますか~
キミについてくよ~? そっちに一人、ちょっとした知り合いも居るしね~」
相変わらず眠そうな眼をしたまま、ポーラは強引にあなたに同行するのだった。
最終更新:2016年06月06日 10:04