イベント:図書館ではお静かに

「……お疲れ様です。」

あなたが拠点に戻り一息つくと、
先刻の探索で仲間になったメイデン、ビー・クワイエットがその労をねぎらう。

彼女との出会いは突然だった。


――。

「う、うわーっ! 助けてくれぇっ!」

街の中にある大きな図書館を探索していたあなたは、男の悲鳴を聞きつける。
辿り着いた先では、一人の男が筋骨隆々のゾンビによって今にも引き裂かれそうになっていた。

「まずい、早く助けないと――」

仲間の一人(あるいはあなたかもしれない)が身を乗り出すが、
男とゾンビは吹き抜けの下。 このままでは助からない――

そう思った瞬間だった。

「……図書館ではお静かに」

“彼女”の接近に、あなた達は勿論、ゾンビすらも気が付かなかった。
ただ一撃。音もなく現れた“彼女”がゾンビの横を通り過ぎると、
ゾンビは突然ばたりと倒れ、そのまま眠るように動かなくなってしまった。

「あ、ありがとう……」
「……ありがとう、ではありません。この不届き者め」
「お゛うっ!?」

“彼女”は、地面に尻餅をついて脱力する男を冷たい目で見下ろしながら、
その股ぐらを思い切り踏みつけた。 男は呻き声を上げ、そのまま泡を吹いて気絶する。

「……失礼致しました。この男、蔵書を盗もうとしていたもので。
 こんな状況とはいえ、図書館や本は皆のものだと言うのに……」

“彼女”は次に起き上がる寸前だったゾンビの頭を踏み抜く。
そうして安全を確保した上で、気絶した男を担ぎ上げた。

「……申し訳ありませんが、拠点まで一緒に運んで頂けますか?
 盗人とはいえ生存者は生存者。見捨てる訳にもいきませんので……」

まるで流れ作業のような仕事ぶりに感心するあなただったが、
ここがゾンビの溢れる街の中だった事を思い出し、“彼女”と共に男を拠点に運ぶのだった。

そして道中、彼女の名前(ビー・クワイエット)や
彼女がメイデンチーム「ミニマルライフ」所属である事などを聞き、今に至る。


――。

「……それでは、不肖ビー・クワイエット。
 一時的になるかもしれませんが、◯◯様をマスターとして仕えさせて頂きます」

クワイエットは機敏な動きで一礼すると、
その後はまるでSPか何かのようにあなたの後ろに付いて歩くのだった。


最終更新:2016年06月21日 16:37