「ぎゃぁぁぁッ!? な、なンだよこの格好ぅ……」
突然の出来事に、ファングはスカートを抑えて戸惑う。
「ふっふっふ……うんうん、キミにはそういうのが似合うよ!」
ズボンから突如丈の短いメイド服に着せ替えられ狼狽するファングを見て、パティは満面の笑みを作った。
当然、それだけで済む筈がない。
「さーて…… ちょっと拝見!」
「うぎゃぁぁぁぁッ!?」
追い打ちにスカートを捲られ、ファングが吼える。
彼女の顔が毛で覆われていなければ、今頃真っ赤になっていたかもしれない。
「てッ、てめえッ、この――」
「――ふふっ、いいねぇ。 それじゃあ」
ここまでして尚、パティの猛攻は止まらない。
ファングがスカートに気を取られ前屈みになっている所に組み付き、
その小さな身体からは想像がつかない怪力で持ち上げる。
「おあッ……ま、まさか、まさかぁぁぁッ!」
「そのまさか、だよっ!」
地面を蹴り、飛び上がる。
同時に両脚を掴み、股を開かせる。
「や、やめろ、やめてぇぇぇぇっ!!」
「問答無用ーっ!!」
ファングの懇願も虚しく急降下する二人。
轟音。砂嵐。全身の骨の折れる音――
――それらが収まり、情けない格好になったファングと、
それを抱え上げて満足そうな顔をするパティの姿がはっきりと見える。
「がは……っ」
「ふぃー、スッキリしたっ!」
やりきった顔をしたパティが、一瞬だけ悪魔に見えた――かもしれない。
最終更新:2016年07月13日 10:34