ある日のこと、拠点に戻ったあなた達は、見慣れない屋台を見かける。
「らあめん……? 飯屋か?」
ドラクルは最初、見慣れない屋台に対して怪訝な顔をする。
が、直後、鼻をひくつかせてふらふらと屋台に引き寄せられていく。
「……ん、んんっ。この匂いは……!」
「いらっしゃぁい! 今席いっぱいだからちょっと待っててねぇ」
やや間延びした独特な口調の店主にそう言われ、ドラクルはそわそわしながら後ろに並ぶ。
「レッドラーメン、ニンニク増し増しで!」
「あいよぉ!」
「……に、にんにく……! やはり!」
客の注文を聞いたドラクルは目を輝かせ、あなたの袖(……が無いなら腕)を引っ張る。
「◯◯! 今日のお昼はここにしよう! 私もれっどらあめんのにんにくましましを食べたいのだ!」
そしてドラクルの熱烈なリクエストに根負けし、今日の昼食はラーメンに決定した。
少し待っていると不健康そうな男たちが食事を終え、店主が後片付けをして席があく。
「お、おおっ……! 店主! れっどらあめんのにんにくましましだ! 早く作るのだっ!」
「あいよぉ! でもぉ、いいんですかい? レッドラーメンは……辛いですよ」
遠回しな子供扱いに、ドラクルは眉をひそめる。
「むっ……子供扱いするなっ! とにかく言われた通り出せばいいのだ!」
「あいあい、そんじゃぁレッドラーメンね。 そっちの方は――」
何やかんやで食事を取りたいものは全員注文し、
店主の手さばきに感心しながら出てくるのを皆で待つ。
そして――
「あいよ、お待ちぃ!」
「お、おおおっ! これがれっどらあめんか……にんにくのいい香りが漂ってくるのだ……」
そう言いつつも、ドラクルはやや引き気味だった。
なぜなら――予想以上に、レッドラーメンのスープは真っ赤だったのだ。
その様はまるでマグマ、いや、血の池地獄のようだった。
「やっぱりちょぉっとツラいんじゃないですか?」
「うぐ……こ、この程度なんともないのだ……! いただきますっ!」
結局は負けん気と食欲が勝った。
ドラクルは箸で器用に麺を持ち上げ、ふうふうと少し冷ましてから口に含む。
ちゅるちゅると音を立て、真っ赤なスープが絡んだ縮れ麺がドラクルに吸い込まれていく。
「ふぐぉっ……! おぐっ……!」
「ほぉら、言わんこっちゃなぁい……」
意地だけでラーメンを飲み込んだドラクルは、まるで火でも吐いているかのようにはあはあと息を吐く。
そして一気にお冷を飲み干し、今度は深呼吸。 その顔中からは、汗が大量に吹き出していた。
「ま、まるで地獄の業火のようなのだ……だが……美味い……! 辛いが美味いっ……!
体中にほとばしる熱っ……! これは……例え辛くても、熱いうちに食わねば勿体無いっ……!」
そこから、まるで何かに背中を押されるように一気に食べ始める。
最初は子供を見るような眼で見ていた店主も、ドラクルの気迫に感心し何度も頷いていた。
「ぷはぁっ……! どうだ、汁まで全部頂いたのだっ!」
「おぉう……! お粗末さまぁ! お嬢ちゃんやるねぇ……」
器をカラにしてしまったドラクルを見て、店主はニヤリと笑う。
「ふ、ふふ……ふははははっ!
この程度を乗り越えずして夜の王は名乗れんのだっ!
美味かったぞ店主よ。 新しい技の参考にもなった……んっ?」
そこまで言って、ドラクルはふと屋台のカウンター奥に目をやる。
「こ、これは…… お土産にんにく……!?」
「あぁ、はい。ウチで使ってるにんにくなんですがね。単体発売もしておりましてぇ」
ドラクルが眼を輝かせながらあなたの方を見る。
――どうやら、今後は出費が増えそうだ。
以下のスキルおよびアビリティを習得します。
スキルEX「ヘルイグニッション」
【絆50強化後使用可能】
攻撃時、通常攻撃の代わりに使用可能。
「武器/魔法5(炎)」扱いの攻撃を3回発動。
攻撃先はそれぞれ同じ対象でも違う対象でも構わない。
SPは消費しないが、MPを5消費。
アビリティEX「にんにくパワー」
【絆50強化後使用可能】
拠点で「にんにく」を1つ資金5で購入可能。
「にんにく」は最大5つまで所持でき、使用するとドラクルのHPを2、MPを3回復する。
戦闘中に使用すると、使用したターンの間ドラクルの「肉弾」を2倍にする。
最終更新:2016年07月20日 16:05