拠点に辿り着くやいなや、あなたは見慣れない少女に目を奪われる。
いかにも海賊っぽい帽子、いかにも海賊っぽい眼帯。
そしていかにも……イカ……? そうだ、イカだ。 イカの匂いがする。
「……ん? お前、我輩に何か用か?」
イカ……いや、少女はあなたに気付き声を掛けてくる。
よく見ると、遠目では髪の毛に見えていたモノがイカの下足だということが解る。
「何ださっきから。我輩の顔に何か――」
そう言いかけて、少女の動きが止まる。
どうやら一点に視線が釘付けになっているようだが、その視線の先には――手に入れたばかりの海賊団バッヂ。
「お前、一体それをどこで……いや、この際野暮な事は言うまい!」
急に詰め寄られ、急に手を握られる。
「我輩はクラーケンだ。人間、これも何かの巡りあわせだと思って我輩の頼みを聞いて欲しい」
クラーケンは自分が【クラーケン海賊団】の船長である事、
そして今回の騒動で団員たちと離れ離れになっていることをあなたに告げると、
海賊団メンバーを探す代わりに戦力となる――と、「頼み」と言いつつ有無を言わさぬ雰囲気であなたに迫る。
「よし、では行くぞ! 錨を上げろっ!」
こうして、クラーケン海賊団の船長、クラーケンがあなたの仲間に加わった。
――いつの間にか団員扱いされている事にあなたが気付くのは、もう少し先の話。
最終更新:2016年05月30日 15:12