名前:ジェニファー・シンプソン
出典:『クロックタワー2』
年齢/性別:15歳/女
環境:幼くして両親を亡くし、グラニッド孤児院で育つ。
14歳で養子として友人らと共に引き取られた先で、後にノルウェーを震撼させる『
クロックタワー事件』の当事者となる。
クロックタワー事件から1年後、犯罪心理学の助教授であるヘレン・マクスウェルに引き取られるも、再びシザーマンに遭遇。
バロウズ城にてシザーマンを次元の彼方に追放し、平穏な生活を手に入れる。
外見:太めの眉が特徴的な、黒いロングヘアーの美少女。(ちなみにモデルはジェニファー・コネリーである)
性格:可憐な容姿とは裏腹に強靭な精神力を備え、様々な窮地においてその秘めたバイタリティを発揮する。
機械や読書は苦手らしく、警報装置を誤作動させたり、高く積まれた本の山に対し「頭が痛くなる」とコメントしている。
能力:バイタリティは高いが、身体能力はごくごく平凡。
口調:一人称は「私」で二人称は「あなた」。基本は女性らしい口調で、年長者に対しては敬語を使う。
交友:原作にて
エドワード(シザーマン)と交戦しており、その正体も知っている。
備考:原作終了後からの参加。
PSYCHOLOGICAL ANALYSYS ~REPORTED BY FRANK SCHUBERT~
フランク・シューバーツの心理分析
ジェニファー・シンプソン
被害者としてのジェニファーの分析をすることは、プロファイリングを行なう上で重要な作業である。特にジェニファーは、前事件に続いて本件でも被害者になっている。なぜ、ジェニファーは被害者になりやすいのだろうか。
ジェニファーの性格類型は、外向性直感型に属する。しかし、周囲の人々、特に男性は彼女の性格について各々違った意見を持っているようだ。ある人は、ジェニファーのことを「物静かな女性だ」と言い、またある人は「奔放な女性」と言う。これは各々の男性が、自分のエスや超自我によって歪曲したさまざまな女性像をジェニファーに投影して、自分なりの“ジェニファー像”を勝手に作り出している結果なのである。その像は、現実のジェニファーの姿というよりは、それを発する人間とその周囲に現実に存在する女性との関わり方を示す転移の象徴であると言うことができよう。
また、男性は自分の中にある女性的な部分(アニマ)を現実の女性に投影して、その相手に対して特定の感情を持つ。ジェニファーは、多くの男性によってそのアニマを投影されやすい存在でもある。そして、ジェニファーが男性のエスやアニマの投影を許している間ならばまだいいのだが、相手の持つ暗
い無意識の部分までも引きずり出してしまったとき、それが犯罪となって爆発し、その結果、投影対象であるジェニファーが襲われ、被害者となるのだ。
このように、ジェニファーに対して暗い無意識をさらけだし、犯罪にまで至ってしまう男性を見ると、超自我(あるいは親)による締めつけとエスやアニマの衝動とのダブルバインドの中で、日常的に閉塞状態にある者が多い。それは、青年期において自我の健全な発達が妨げられた人間であり、換言すれば生身の女性に対して恋愛行動を起こしにくい者たちであろう。
しかし、ここで重要なことは、ジェニファー自身がそのような転移や投影を引き起こしやすい人格であるという点である。これは、ジェニファーの中に、相手のエスや超自我、そしてアニマを刺激して、投影や転移を誘引する要素
が強く存在しているということを示している。それは、恐らく彼女の心的外傷が作り出したものであろうが、彼女自身がその存在に気づかない限り、常に被害者たり得る危険性をはらんでいる。
しかし、転移や投影を戦略的に起こすことが精神分析の治療であるとするならば、彼女がこのことに気づき、それを自在にできるようになれば、彼女はウンデッド・ヒーラー(傷ついた治癒者)として、ヘレンにも劣らぬ優秀な精神分析医となるであろう。
F. Schubert
最終更新:2012年01月26日 22:15