エドワード(シザーマン) 



出典:クロックタワー2
年齢/性別:10歳程度/男性
外見:金髪碧眼で、透き通った白い肌と美貌を持つ10歳程度の少年。
 シザーマンと化したときは、せむしの醜い矮人であり、黒い服を着て巨大な鋏を両手に持っている。
環境:エドワードは仮の名で、巨大な鋏で少女達を切り裂いた「シザーマン事件」の生き残りとして、施設で生活をしていた。
 事件以前の記憶が無く、出自その他は不明とされているが、実際はシザーマンの仮の姿である。
性格:機をうかがい、人に紛れて潜む。エドワードの姿の時は、大人しく聡明な少年を演じている。
 シザーマンのときは人としてのコミニュケーションをしないので、内心どう考えているかなど不明だが、知能が低くなっているわけではない様子。
能力:半不死。ほとんどの物理衝撃による身体的損傷を魔力にて無効化する。(倒れたり押されたりはする)
 シザーマンとして、巨大な鋏を持ち人体を両断出来るほどの力を持つが、動きは速くない。
口調:エドワードの時は、大人しく理性的。一人称は「僕」など。
交友:クロックタワー2の主人公ジェニファー、ヘレンを初めとした主要登場人物と面識がある。
備考:クロックタワー2エンディング後、異次元の裂け目から追放された後に、この地で覚醒した。
 シザーマンの正体は、15世紀から続くイギリスの辺境貴族の家系、バロウズ家に伝わる邪神信仰により生まれた"偉大なる父の使徒"と呼ばれ、死と恐怖をもたらす邪神の使いであるらしい。
 自らの世界とは異なる場にいるため、ゲーム本編より能力的には劣っている可能性がある。
 又、マイケル・カウフマンにより浴びせられた「赤い液体」の効果により、魔力を多く失っている。



PSYCHOLOGICAL ANALYSYS ~REPORTED BY FRANK SCHUBERT~
フランク・シューバーツの心理分析

謎の少年、エドワード

少年を分析する際に最も注意すべきことは、「その分析結果を断定的に考えてはならない」という点である。
それは、少年期が未成熟な時期だというだけではなく、少年にとっての真実における“事実”と“虚構”の差が判然としていないために、その分析がきわめて困難であることも、考慮に入れておかねばならない。
特に、エドワードの場合は救出時に記憶を喪失していた。
そのため、生い立ちや家族構成などの基本的プロフィールがまったく不明であり、彼の言述から事実と虚構とを分けるファクターが欠如しているということが、我々の分析をさらに困難なものとしている。
ゆえに、ここでは言述ではなく、その話し方や動作などの外に表われた部分と、サミュエル・バートン教授が行なっている催眠療法の結果から、エドワードを分析することにする。
さて、エドワードの動作の中でもっとも我々の注意を引くのが、会話時における独特な間の取り方だ。
彼は、話をする前に必ずと言っていいほど数秒間の間を取り、慎重に言葉を選んだ後にはじめて発語する。
その間の取り方は、内向性志向型の典型であるが、彼のそれの場合は緻密に計算された戦略的な間であるように思われる。
このことについては、彼が自分の意思を主張するときには、こうした間を取ることなく発言する、ということが傍証となるであろう。
その戦略的な間は生存のために身についたと思われ、それによって彼は巧みに人心を操作する。
グラニット孤児院の教師であり、エドワードの保護者でもあるケイなどは、短期間のうちに人格的にだが彼に隷属してしまっている。
また、バートン博士の催眠療法によって彼は潜在的な多重人格の可能性を有しているということがわかった。
「多重人格」=「剥離性アイデンティティ障害」は、大戦前後でその原因が異なる特徴的な障害だが、近年の多重人格は、幼児期における虐待、特に性的虐待が原因であることが多い。
虐待による心的外傷のために人格の剥離が起こり、複数の下位人格に分かれてしまうのだ。
このことは、エドワードがその幼児期に何らかの、特に性的な虐待を受けていたであろう可能性を示唆するものである。
多重人格の問題は、彼とシザーマンとの関係を考えるときに重要となろう。
しかし、先に述べた通り少年期の分析には限界があるので、その結論に関してはバートン教授の研究が進むまで保留するものとしたい。
なお、「少年に凶器である巨大なハサミが持てるか」という点について言及するなら、それは通常では不可能だと言わざるを得ない。
しかし、無意識状態においては人間は常態の数十倍の筋力を使うことができる、というケースもレポートされており、また彼の潜在的人格の中に成人化した特殊な存在があると仮定すればその可能性は皆無というわけではない。

                                     F. Schubert



INVESTIGATIVE REPORTING BY FRANK SCHUBERT
フランク・シューバーツの捜査報告書


リトルジョン

「Little John from the Castle」 「大きな城のリトルジョン」

1.Little John from the Castle 1.大きな城のリトルジョン
Plays with a little boy 元気な男の子と遊んでる
Snip,snip,off goes his head チョキチョキ頭を刻んだら
Bright red, bright red 中から出てきた赤い水

2.Little John from the Castle 2.大きな城のリトルジョン
Play's with a little girl かわいい女の子と遊んでる
Stab, stab, she loses her sight チョキチョキ瞳を刻んだら
Bright white bright white 中から出てきた白い水

3.Little John of the Castle 3.大きな城のリトルジョン
Has found another friend 小さな坊やと遊んでる
Slash, slash, in to his tummy チョキチョキお腹を刻んだら
Out it slides, red and rummy 中から出てきた赤い紐

Little John from the Castle 大きな城のリトルジョン
Little John from the Castle 大きな城のリトルジョン
Little John from the Castle… 大きな城のリトルジョン…

 これは、バロウズ城がある地域において、かつて子供たちの間で流行した童謡である。
今回の事件の現場であるバロウズ城から、以下の文章とともに発見された。
文体から見るに、文章は多少錯乱した精神状態の中で書かれたものと思われるが、
今回の事件との関連性を考え、原文のまま参考資料として掲示する。

リトルジョン……なんておぞましくも能天気な歌詞なんだ。
ここには死とエロティシズムという快楽の二大要素が、童謡の姿を借りて無邪気に遊んでいる。
この歌詞の深層にはもっと暗い漆黒の闇が妖しく光っているんですよ。おわかり?
だって、“リトルジョン”といえば男性性器の象徴でしょう?
そのリトルジョンが、元気な男の子、かわいい女の子、そして小さな坊やと遊んでいる。
その上、男の子と遊ぶときには赤いものが、女の子と遊ぶときには白いものが出るんです。
バイセクシャルな快楽の願望が見え隠れしているでしょう?
しかも、チョキチョキ切られてしまうなんていうのは、去勢願望と去勢恐怖の混在以外の何ものでもないんだ。
大人になりたくない少年、男になりたくない坊や、でもちょん切られるのはもっとイヤだ! という少年の叫びが聞こえてくる。
男の子なら頭を刻む、お腹を刻む、でも、女の子だけは瞳を刻んであげよう。
瞳を刻むという行為は、古代中国からシルクロードを渡って世界中に輸出された習慣でした。
美しい少年少女は、幼い頃にその瞳を刻まれ、童子として宮廷に仕えさせられました。
目がないから、余計なものは見えませんし、考えません。
いつまでも純真な童子のままで、宮中にとどまっていられるのです。
 だから、“瞳”という漢字には“童”という字が入っているのだ。
少年ならば去勢もします。これで後宮でも安全。
去勢をすれば、カストラートのように声もいつまでもボーイソプラノ。
これぞ「神の声」というわけなのです。
……歌詞の中の“大きな城”とはバロウズ城“リトルジョン”とはシザーマンのメタファーなのだろう。
文章の中にある“宮廷”とは、初代の大量殺戮者から綿々とつながる暗黒の家系のことを暗に示している。
そして。瞳を刻むシザーマンは、暗黒の家系を背中に担った記憶の伝達者なのかも知れない。
F. Schubert

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最終更新:2012年01月26日 22:14