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ダピコの里帰り 第1話 後編
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dmps_fun
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ストーリー
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………… |
| ダピコ | |
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……八重子 何でついてきたんだ？ |
| ダピコ | |
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里を出ていく際の ダピコ様のお顔を見たら 気付けば後を追っていましたの |
| 八重子 | |
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パーフェクトなレディたるもの 見逃せないんですのよ！ |
| 八重子 | |
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きっと何か 言いにくいことが あるんですのよね？ |
| 八重子 | |
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さぁ、今なら誰もいないので 八重子にお話しするんですの！ |
| 八重子 | |
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さ、さすがに 知り合ったばかりの人に 話すには、ちょっと…… |
| ダピコ | |
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……ごもっともですの！ |
| 八重子 | |
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ですが、ダピコ様は 仲が深い方々から逃げるように 去ったんですのよ |
| 八重子 | |
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仲が良いから話せないん ですのね…… |
| 八重子 | |
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それなら、まだ仲が浅い この八重子が聞くのですわ！ さあ！ どんと来いですの！ |
| 八重子 | |
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………… |
| ダピコ | |
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八重子は優しいな |
| ダピコ | |
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……私は巫女という役割が嫌で 里を抜け出した ほぼ家出のようなものだ |
| ダピコ | |
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ここはドラゴンを助ける 巫女を生み出すルピアの里 |
| ダピコ | |
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戦が起こればドラゴンの元へと 駆けつけ、その闘いを 勝利へ導く巫女達の里 |
| ダピコ | |
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その中でも、私は幼いころから みんなより強かった |
| ダピコ | |
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体こそ小さかったが 誰にだって負けない自信が あったんだ |
| ダピコ | |
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まだドラゴンの元へと 向かえる年齢じゃなかったが |
| ダピコ | |
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力を持て余していた私は 里を一人抜け出した |
| ダピコ | |
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それは、早く 闘いたかったんですの？ |
| 八重子 | |
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ああ 私の力がどこまで通じるのか 知りたかった |
| ダピコ | |
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巫女のように踊ったり 歌ったり……そういうのは 苦手だったんだよ |
| ダピコ | |
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じっと時を待つ なんてことが私にはできなかった |
| ダピコ | |
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もちろん、楽な道じゃなかった |
| ダピコ | |
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食べるのには困るわ 心細いわで…… |
| ダピコ | |
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巨大なクリーチャーに 追いまわされ、一人の無力さを知り |
| ダピコ | |
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自分がどれだけ 小さな存在かを思い知った |
| ダピコ | |
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だが、新たな仲間にも出会い 師にも出会い…… 私の旅にも意味が生まれた |
| ダピコ | |
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気持ちがはやって 家出したけれど…… 出会いに恵まれたんですのね |
| 八重子 | |
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そうしてデュエマシティの 方々ともお友達になったという いい話ですのに…… |
| 八重子 | |
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そうだな 私にとっては決して 悪い経験ではなかった |
| ダピコ | |
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この過去があるから 今の私がある |
| ダピコ | |
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だが、ルピアの妹達を見て 色々なことに気づかされた |
| ダピコ | |
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あの子達の顔を見て まず感じたのが再会の嬉しさ ではなく、罪悪感だった |
| ダピコ | |
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私がいれば 里はこんな風にはなって いなかったかもしれない |
| ダピコ | |
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再会を喜ぶ資格なんてないと 感じてしまったんだ |
| ダピコ | |
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なるほど そんなことですの？ |
| 八重子 | |
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そっ、そんなこととは何だ！？ これでも結構思い詰めてるんだ！ |
| ダピコ | |
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ダピコ様！ 八重子が力を お貸しするんですのよ！ |
| 八重子 | |
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気持ちは嬉しいが これは私の問題―― |
| ダピコ | |
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よろしいんですの、ダピコ様？ 世の中は、お金で回っていますの |
| 八重子 | |
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――え？ |
| ダピコ | |
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いや、それは痛いほど 痛感しているというか 何というか…… |
| ダピコ | |
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けどそういうことじゃ ないだろう！？ |
| ダピコ | |
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それはお金があれば 大体のことは解決できる ということですのよ |
| 八重子 | |
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そして、この八重子！ こう見えても お金持ちのお嬢様ですの！ |
| 八重子 | |
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う、うん…… いや、薄々察してはいたが…… |
| ダピコ | |
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だが、この暑さを お金でどうにかできるものなのか？ |
| ダピコ | |
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暑さを和らげる…… |
| 八重子 | |
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要は雨を降らせれば いいんですのよ！ |
| 八重子 | |
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八重子のお父様に頼めば 有名な祈祷師の一人や二人簡単に 連れてこれちゃうんですのよ！ |
| 八重子 | |
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祈祷師に雨乞いを頼めば きっと何とかなるはずですの！ |
| 八重子 | |
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………… |
| ダピコ | |
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（本気で言っているなら これがお嬢様の世間知らず というものなのだろうか……） |
| ダピコ | |
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ちょっとダピコ様！ 全部口に出ているんですの！ |
| 八重子 | |
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さぁ！ そうと決まったら 一旦戻るんですの！ |
| 八重子 | |
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お、おい、 八重子、待て……！ |
| ダピコ | |
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…………あ！ |
| 八重子 | |
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うわっぷ！ きゅ、急に止まるな！ 危ないだろう！ |
| ダピコ | |
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だ、ダピコ様、これって 何ですの…… |
| 八重子 | |
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……！ そこに倒れてるの、人か……！？ |
| ダピコ | |
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お、おい お前、大丈夫か……！？ |
| ダピコ | |
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……！ 目を開いたのですの！ |
| 八重子 | |
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………… |
| ？？？ | |
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私の声が聞こえるか？ 喋れるか？ |
| ダピコ | |
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……ああ 聞こえている |
| 倒れていた男 | |
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里の者……じゃないな？ どこからやってきた？ |
| ダピコ | |
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……わからぬ |
| 倒れていた男 | |
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じゃあ、名前は？ |
| ダピコ | |
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…………わからぬ |
| 倒れていた男 | |
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ダピコ様、これっていわゆる 記憶喪失というものですの？ |
| 八重子 | |
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参ったな、こんなときに…… |
| ダピコ | |
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腹を…… |
| 倒れていた男 | |
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腹を、満たしたい…… |
| 倒れていた男 | |
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……そうか それなら一緒に里に向かおう 立てるか？ |
| ダピコ | |
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ダピコ様！ 無理する必要ないんですの |
| 八重子 | |
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ダピコ様は今 皆に顔を合わせづらいと思うの ですの…… |
| 八重子 | |
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必要なのは心の整理ですのよ！ 私が里へ戻って 食料を貰ってくるんですの！ |
| 八重子 | |
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大丈夫だ 私のことより、このクリーチャーを 助けるのが先だ |
| ダピコ | |
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ほら、八重子も そっちの肩を持ってくれ |
| ダピコ | |
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……わかりましたわ わっ、とても重いんですの！？ |
| 八重子 | |
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すまぬ…… |
| 倒れていた男 |
