*DQⅥ [[ドラゴンクエストⅥ>【ドラゴンクエストⅥ 幻の大地】]]のサブタイトルにもなっている、「幻の大地」のこと。 文字通り人々の「夢」によって構成されている世界で、ゼニス王という人物が束ねている。 上下二層構造になっているⅥのフィールドマップの上側の世界で、それ故に「上の世界」とも呼ばれる。 [[【主人公】>【主人公(Ⅵ)】]]はゲーム開始時にはこの世界に住んでおり、「幻の大地」と呼ばれている下の世界と行き来しながら冒険を続ける。 だがストーリーが進むに連れ、当初「幻の大地」であると聞かされていた世界こそが紛れもない現実の世界であり、 元々自分が住んでいた世界の方が人々の夢の世界、すなわち真に「幻の大地」と呼ぶべき世界であったことが明らかになる。 現実の世界(下の世界)とは似て非なる世界で、どちらの世界にも存在する町もあれば、こちらにしか存在ない町などもある。 素直になれない住民たちの本音を夢の中で描いた[[【ライフコッド】]]や、病によって命を落とした少年の夢を描いた[[【クリアベール】]]など、 上下両方に存在する町は「夢」という設定を活かした凝ったギミックが仕掛けられていることが多い。 また、[[【レイドック】]]の[[【ソルディ】]]と[[【トム】]]の関係や、ライフコッドの武器屋が手掛ける[[【せいれいのよろい】]]など、 現実の世界に存在するモノの「理想の姿」が、「夢」という形で夢の世界で実体化していることもある。 なお、上の世界が人々の夢だということはクリアベールの老人と主人想いの犬や、 上の世界で[[【シエーナ】]]があった場所にある一軒家に住む老人の発言などから推察することができる他、 ダーマ神殿南東の小屋に隠れ住むシスターが「ここは人々の夢の世界」という事実を知ってしまったと明言している。 ただ、明確に断言される機会はそう多くないため、初回のプレイではこの世界が夢なのだと気づかない人も多いらしい。 世界観としては、人々の夢の世界だけあって[[【ひょうたん島】]]や[[【空飛ぶベッド】]]などの現実離れした存在が多い。 逆に現実的な娯楽施設である[[【カジノ】]]は夢の世界には無く現実の世界に存在していたりする。 また、現実で既に滅びてしまったものが、人々の記憶に残っている限り存在し続けるのも特徴であり、 現実世界では既に滅ぼされてしまった[[【ダーマ神殿】]]はこの夢の世界にのみ存在する。 ちなみに現実世界の人間は[[【グランマーズ】]]以外夢の世界の存在に気付いていないが、 上記のシスターのように夢の世界の住人は何人か「ここが夢の世界だ」と自覚している節がある。 また、[[【カルベローナ】]]の住民は現実世界のカルベローナが大魔王に滅ぼされた際に、 皆が自ら肉体を捨てて魂だけを夢の世界へと飛ばしたため、この世界がどういった世界であるかは自覚している。 少々変わった例としては、アモール南の井戸の中にある家に住んでいる男性が挙げられる。 この男性は夢の世界に居ながら、現実の世界にある[[【フォーン城】]]へ家の傍にある井戸を経由して行けることを教えてくれる。 フォーン王が海峡にかかる[[水門の鍵>【すいもんのカギ】]]を代々管理していることも知っている他、 DS版では[[「カガミ姫」>【イリカ】 ]]を助けた後に訪問するとそのことも既に知っており、「騒がしくておちおち昼寝もできない」などと言っている。 彼が自分が「夢の世界」の住人であると理解しているかは定かではないが、 少なくとも「こことは違う世界」が存在することは理解しているのだろう。 [[システム]]面としては、二つの世界間はいくつかの方法を用いることで移動することになる。 上下の世界は各地に存在する[[【井戸】]]やフィールド上に存在する階段(上の世界の場合は「下り階段」)で相互に繋がっている。 また、「上」の世界独自の移動法として、大地に開いた大穴(上記のダーマ神殿などが封印された跡)に飛び込むことでも、 「下」の世界に落ちることができる。こちらはこの特殊な世界構造を活かしたギミックと言えるだろう。 ともあれ、SFC版では上下の世界間の移動にはたとえ面倒でもどこかしらのポイントを経由する必要があった。 DS版ではグランマーズに関する[[イベント]]にて[[【ルーラ】]]の移動先に[[【べっせかいへ】]]という項目が追加されるため、 上下の世界間の移動が格段に楽になっている。 本来は上下の世界間は行き来することはできないどころか、そもそも「夢の世界」は大地として成り立っていない。 この世界が確たる大地として存在できているのは、大魔王[[【デスタムーア】]]が夢の世界を支配するために実体化させていたため。 その上で、デスタムーアは人々に知識を与えることによって新たな[[【勇者】]]を生み出しかねない「ダーマ神殿」、 数々の強力な宝を所有し、小さなメダルと引き換えに褒美として賜わす人々の希望の象徴、[[【メダル王の城】]]、 一度は自らの肉体を滅ぼしたほどの破壊力を秘める究極魔法、[[【マダンテ】]]を継承する魔法都市「カルベローナ」、 そして夢の世界の中心であり、自身が隠れ潜む[[【はざまの世界】]]への辿り着き方を知る[[【ゼニスの城】]]の四施設を封印している。 それぞれの封印の管理は、[[【ムドー】]]、[[【ジャミラス】]]、[[【グラコス】]]、[[【デュラン】]]という四体の魔王に任されている。 なお、夢の世界を実体化させているデスタムーアが倒された後は、この世界は現実の世界からは認識も干渉もすることができなくなる。 そしてその際に、実体を持たない夢の世界の住人である[[【バーバラ】]]とも別離の時を迎えることになる。 ただし、実体化が解けて認識することができなくなるというだけで、人々の夢の世界そのものが消えてしまうというわけではない。 大地が認識できなくなった後も、夢の世界の中心たるゼニスの城だけは、[[【天空城】]]として現実の世界の高空に存在し続けることになる。 ----