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【レブレサック】 - (2013/01/26 (土) 17:12:21) のソース

*DQⅦ
Ⅶに登場する村の一つ。
DQプレイヤーにとって最悪の印象が残ったと思われる村である。

この村は魔物達が作り出した濃霧によって封印されており、村人達は長らく悩まされていた。
そして原因究明のために村一番の強者の男と腕自慢の木こりの夫婦([[【ルカス】]]少年の両親)、
そして[[村の神父>【レブレサックの神父】]]が[[【魔物の岩山】]]へと向かったが、4人が帰還することはなく、
さらにしばらくすると山からやってきたバケモノが村の教会に住み着くようになってしまう。
その魔物が村人達に直接危害を加えることはなかったが、
村人達はその魔物が山に向かった4人を殺し、濃霧も作り出していると考え、日増しに魔物への憎悪を募させていった。

そんな村を訪れた主人公達は珍しい旅人として歓迎され、件の魔物の処刑にも参加させられることになる。
だが、村人を襲うどころか教会に引きこもり、悲しそうな目をしていたその魔物を見て、
「あの魔物は本当は神父さまなのでは?」と悟ったルカスと主人公達は、村人達の暴行を止めようとする。
しかし村人達が考えを改めることはなく、逆にルカスと主人公達は魔物の仲間と疑われ魔物の岩山に幽閉される。

そしてその山で実は諸悪の根源である魔物の[[【ボトク】]]と、村の神父の姿が入れ替わっていたことが判明する。
ボトクが出した「自らの姿を魔物に変えるなら、お前が生きている限りは村人に手を出さない」という取り引きに神父は応じ、
彼は村の平和のために自らおぞましい魔物の姿となって村へと帰還していたのである。

一方、主人公達がそんなボトクと戦っていた頃、村では村人達がついに魔物(=神父)を磔にしていた。
主人公達とルカスが村に戻った時には既に火炙りにされかけており、事の真相を知ったルカスが必死に事情を説明。
そうしているうちに、傷だらけの状態で神父は元の姿に戻り、真実を知った村人達はひどく悔恨する。
その後、神父は村人達が悩まぬよう自ら村を後にすると主人公達に告げ、村の外までの同行を頼む。
追ってきたルカスの「せめて傷が癒えるまで待つべきだ」「そもそも神父様が出て行くことはない」という訴えも、
「こうするのが村人のためだ」として受け入れられることはなく、
彼はルカスから[[【女神像】]]だけは受け取り、傷も癒えぬうちに村を出て行った。

この一件の後、村の住人達は一連の出来事での自分たちの行いに対して反省し、
二度とこのような過ちを繰り返さないよう、この一件のことを形に残せるものの制作を始める。
そうして、村の中央には事の顛末が刻まれた石碑が立てられたのだった……。

だが現在のレブレサックでは石碑の内容が作り変えられ、
村を襲った魔物は主人公達で、神父が村を救った、となってしまっている。
村に住む少年[[【リフ】]]以外の人間は、石碑の捏造された歴史を信じており、むしろリフが異端者扱いされていた。
しかし、その嘘を信じていた村の子供達が、隠されていた真実の書かれた[[【古びた石碑】]]見つけたことで事態は一変……
……しないのがこの村の実に始末の悪い部分であり、多くのプレイヤーの怒りを買った部分でもある。

主人公達が村長に石碑を突き付けると、村長は村の真の歴史を隠すためにそれを叩き壊し真実を闇に葬ってしまう。
その上、DISC2では村の大人達は村の人間以外を敵だと思い込む始末である。
それでも真実を知った子供達はかつての村で起きた出来事の真実を忘れず、後世に伝えてくれるようだ。
この子供たちが大人たちに染まらず成長してくれることを祈るばかりである。
この子供達とリフとその父親、宿屋の女将(ついでに小さなメダルを5枚も残して逝ってくれた[[【ヌルスケ】]])がいなかったら
あのまま滅んでしまえばよかったのに、と思ってしまうのも仕方のない村である。

ただし、現代のレブレサックの住人は旅人にウソをついているわけではない。
正史の書かれた村の石碑は遥か昔の時点で改竄されてしまっており、
そこからリフの家系の者以外の間ではその改竄された歴史が代々伝えられることとなった。
石碑の改竄以降に生まれた者達にとっては、今ある石碑に書かれていることだけが全てなのである。
彼らが語るのは彼らの知る村の真実であることには違いなく、そこに悪意などは存在しない。

時の為政者が自分達にとって都合の良い歴史を作り、正史を闇に葬り、
それが長きに渡って連綿と語り継がれれば、それはもう後の世の人間にとっては疑いようのない一つの事実となる。
現代のレブレサックの村長の様に、真実を示す遺物が後になってから明るみに出ても、
諸々の現状を維持するためにはそちらの方を否定せざるを得ないというような状況は現実世界でも往々にして存在する。

現代のレブレサックの村長は言動でこそ清々しいまでのクズっぷりを見せつけてはくれるが、
村と村民を守り束ねる立場にある者としての判断という意味では、
あながちその判断そのものは間違ってはいなかったという面も無きにしも非ずである。
村長としても、村人皆が曽祖父以前の時代から受け継いできた立派な祖先の話は全て偽りで、
真実は祖先達は旅人が来なければ神父さまを殺してしまうところだったらしい……などと、
今更になって村人達に公表するわけにもいかなかったのだろう。もちろん自分自身の立場もある。
「こんなもの あっては ならないんですよ……。」
村の平穏のことを考えるなら、これも一つの正しい選択なのだろう。

ちなみに、かつて黄金の女神像を持って村を去った例の神父は、後に[[【プロビナ】]]へとたどり着いている。
ストーリーの進行上、攻略の順番がプロビナ→([[ルーメン>【ルーメン】]]→[[マーディラス>【マーディラス】]]→[[聖風の谷>【聖風の谷】]])→レブレサックとなっているため、
レブレサックのシナリオを終えた時点でプレイヤーはその後神父がどうなったのかを知っているという、
Ⅶの中でも特に変わった構成になっている。
また、プロビナを侵攻したのはマーディラスシナリオで登場する[[【ラグラーズ】]](魔物が騙った偽物だが)だったり、
ルーメンのイベントでは選択肢によってレブレサックより前にプレイヤー自身が「真の悪」を見極めることになるなど、
この周辺のイベントは中々複雑で手の込んだ作りになっていたりする。

ちなみに、ストーリー展開ばかりが話題に挙がるレブレサックだが、過去レブレサック周辺は熟練度稼ぎにもお勧めのポイント。
[[【サンゴの洞窟】]]と並んで人気が高い。

**レブレサックとプロビナに関する矛盾点
ただ、このあたりの展開に関しては、発売からしばらく経った後で矛盾点があると指摘されている。
プロビナを訪れた神父は、女神像を持っていたことや、記憶を取り戻した後に「主人公達の姿に見覚えがある」などと言っていることから、
「レブレサックを後にした神父に違いない」と判断されているわけなのだが、それはすなわちこの時点であの村の一件は解決済みということになる。
つまり、過去のプロビナのシナリオは、「主人公達が過去のレブレサックに介入した」ということを前提として成り立っているのである。
しかし、ボトクが倒されていない以上、あの神父が封印から解かれたレブレサックを後にしてプロビナに辿り着くことは有り得ないはずなのだ。

これについては様々な説が推測されており、
+&bold(){「全ては予定調和であり、レブレサックが滅亡しない事も確定している」}&br()たとえ主人公達が過去のレブレサックへの介入を行わずとも、レブレサックはボトクの策略から逃れ封印から解放され、&br()後に神父は女神像を持ってプロビナへとたどり着く……という一連の流れは確定している、という考え方。&br()一応、村人の蜂起のきっかけ自体が主人公達の来訪なので、それがなければ別の展開となっていた可能性はある。&br()とはいえ、封印世界の住人が自力で解決できれば苦労はしないし、レブレサックの住人の様子からも解決は不可避そうではある。&br()なんにしても、そこまで考えるのは詮無いことである。
+&bold(){「レブレサックが滅んだ歴史でも何らかの理由で神父は生き延びた」}&br()たとえレブレサックが滅びようとも、何らかの理由で神父が女神像を持って村を後にさえしていれば大体の辻褄は合う。&br()ただし、封印が続いている以上は他の地域に移動できない可能性が非常に高い。&br()実際、レブレサックの住人は特殊な霧によって一定範囲外への移動を封じられている。&br()一応、物語の終盤で現代にて封印が行われた際には、封印された地域間の移動はできるようだが、&br()石版世界では封印開放前に他地域への移動が自由にできる例はほぼ存在しない。&br()また、主人公達を何処で見たのかと言う点も問題になる。
+&bold(){「レブレサックの神父とプロビナの神父は実は別人」}&br()これなら矛盾はしないが、女神像の存在や神父自身のセリフとの整合性が取れない。&br()わざわざ繋がりを見せるような構成にしている以上は、両者は同一人物でほぼ間違いないのだろう。
+&bold(){「単にシナリオ上のミス」}&br()単純に、開発段階ではここで挙げたような矛盾点には誰も気づいていなかったという説。
……などの説が挙がっているが、全ての矛盾を完全に説明しきれる確たる説は未だ挙がっていない。

発売当初は多くの人がこの矛盾に気づいていなかったというくらいのミスではあるが、DQにしてはこの手のミスは珍しい。
Ⅶが石版世界を行き来して各地の封印を解いていくというオムニバス形式を取っている以上、
レブレサックの後にプロビナが来るように攻略の順番を入れ替えるだけで全てが丸く収まるはずなので、
既に予定されているリメイク版にて、この矛盾点が解決される可能性もあるかもしれない。
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