ハンドアウト
平和な世界、平和な街。しかし、裏切りの世界の中では、指先一つで破壊される危うい平和。

魔術師とその従者が引き起こした騒動から一ヶ月が経ち、K市は一応の落ち着きを見せた。
だが誰もが悟っている……これは嵐の前の静けさであると。

闇から闇へ、影から影へ、無差別に人を辻斬りに処す魔物“夜襲”(ナイトレイド)。
日常を生き、日常に縛られ、日常に絶望する少女。
二つの因子が交錯する時、誰もが予感していた“嵐”が巻き起こる!

ダブルクロスキャンペーン・第五話『束縛されし 絶望の 魂』
世界は既に、変貌していた。

PC①
シナリオロイス:成瀬 歩美  P/N:連帯感/不安
推奨カヴァー/ワークス:高校生/UGN側であれば問わない
 君はUGN・K市支部所属のオーヴァードだ。そのK市の市立校に在籍しつつ、UGNの一員として活躍している。現在、この市では“夜襲”(ナイトレイド)と呼ばれるオーヴァードによる通り魔事件が相次いでいる。その調査に赴いたところ、友人の成瀬歩美が何かに追われるように駆けていくところを目撃する。その尋常ではない様子に声をかけようとしたところ、背後から不意打ちを食らった。日本刀を正眼に構えた、襲撃者に。

PC②
シナリオロイス:美並 香織  P/N:好意/疎外感
推奨カヴァー/ワークス:高校生/指定なし
 美並香織は君にとって、「隣に住む優しいお姉さん」という存在だ。登校する時は決まって挨拶をしてくれるし、お隣さんということもあって、家族ぐるみで何かと親交がある。彼女を含めたこの穏やかな日常を、君は愛していた。そんな折、このK市に通り魔事件が発生する。香織は一人暮らしだし、心配だ。お隣さんとして、気を配ってあげねば。

PC③
シナリオロイス:“夜襲”(ナイトレイド) P/N:好奇心/脅威
推奨カヴァー/ワークス:指定なし/UGNチルドレンorエージェントor支部長
 君はUGN・K市支部所属のチルドレン(orエージェントor支部長)である。近頃、この都市では通り魔事件が頻発している。既に多数の被害者を出していたこの事件は、レネゲイドとして調査することとなった。襲われた被害者の中に、オーヴァードがいたからだ。そんな中、調査に赴いていたエージェントから緊急通信が入る。通信の途中、彼との交信は唐突に途絶えることとなる。オーヴァード、“夜襲”(ナイトレイド)によって。

PC④
シナリオロイス:荒島 夷隅  P/N:任意/不信感
推奨カヴァー/ワークス:指定なし/指定なし
 君の元に、一人の男が依頼を持って現れた。名は荒島夷隅。自分の所有していた“とある物品”を何者かに盗まれたというのだ。それを取り戻すことこそ、君にもたらされた依頼である。




登場NPC
NPC
成瀬歩美
美並香織
“夜襲”(ナイトレイド)
荒島夷隅
その他K市の雑魚支部員さん


シナリオ内容
“魔術師”メリーらが巻き起こした騒動から一ヵ月後、K市には日本刀を凶器にする“夜襲”(ナイトレイド)と呼ばれるオーヴァードによる通り魔事件が頻発していた。
チルドレン・加賀谷秋人は“夜襲”の捜索任務に駆り出されていたが、潜入先の学校のクラスメイトである成瀬歩美(なるせ・あゆみ)が当の“夜襲”に襲われている現場に居合わせてしまい、これを退けた。
エフェクトを見られてしまうものの、頼み込んで口止めをし、安全のために彼女を家に送り届けることに。
ところが、“夜襲”撃破に向かったエージェント達はこの晩に全滅させられてしまう。
これに激怒した支部長・水橋麻耶は自ら調査に乗り出す。
チルドレンである斉藤伊織もまた、支部上にあるマンションのお隣さん・美並香織のことを気にかけつつも、事件解決に向かった。

一方、フリーの仕事屋(なんでも屋)である嵐山聖は、裏の界隈でコレクターとして名高い荒島夷隅に、盗人に奪われたコレクションの“妖刀”を取り戻してほしいと依頼を受ける。近頃、K市で日本刀を凶器に通り魔事件を起こしている犯人こそが盗人ではなかろうかと、かの市に向かうこととなった。
そして到着した直後、“夜襲”の調査を行っていた水橋と駅前でばったり出くわしてしまう。知り合いだった二人は“妖刀”と“夜襲”の繋がりを見出し、協力して調査に乗り出すこととなった。

調査の結果、“夜襲”が使う妖刀は手に持った相手と切りつけた対象を憎悪に染めて操れること、“夜襲”の風貌は高校生くらいの女性であったこと、加賀谷や斉藤が通う高校の女子生徒の制服を着用していることを突き止める。このことから、“夜襲”とは、“妖刀”に乗っ取られた人間なのではないか、という確証を得た。

これを気にかけた加賀谷は自らの疑念を晴らすべく、夜中に街を歩いていた成瀬歩美のことを調べ出した。彼女は教育に厳しい両親に囲まれ、放課後はほぼ塾通いであることがわかる。しかし、同時に“夜襲”の出没地域に彼女の通学路と塾通いの道が重なってしまう。

一方、事件を調査していた水橋と嵐山が“夜襲”と彼女が操る人々の襲撃を受けてしまう。加賀谷や斉藤と共にこれを退け、操られていた数人から“夜襲”の情報を得ることに成功する。

しかしその晩、斉藤のお隣さんである美並香織が“夜襲”の襲撃に遭い、入院してしまう。彼女もまた操られてしまうことを危惧した斉藤は、妹のいる自宅に彼女を招き、保護・監視することを決める。

そしてその翌日、加賀谷と斉藤は“夜襲”の出没エリアに当たりをつけ、二人で直接調査に赴くことになる。その時、成瀬の顔色が優れないことを気にかけた加賀谷が彼女に声をかけると、身の上の相談を持ちかけられる。躾の厳しい両親に勉強漬けの生活を強いられることに不満を漏らす成瀬。そんな彼女に、加賀谷は両親にきちんと話をつければよいとアドバイスを送る。

その晩、アドバイス通り両親に直談判を行った成瀬だったが、両親はこれに憤慨し、逆に強い叱責を受けてしまう。憎悪と憤懣の感情を爆発させた成瀬は妖刀の支配を受け入れ、“夜襲”として覚醒、両親を切りつけて操り人形にしてしまう。

同時に、これまで“夜襲”の被害に遭っていた人々までもが暴走状態に陥ってしまう。美並香織までもがこの暴走に加わってしまうが、状況を察した斉藤はこれを追っていく。

成瀬を尾行していた加賀谷、そして周辺を調査していた水橋と嵐山は完全に怪刀に乗っ取られた成瀬と対峙する。途中から加わった斉藤と共に激戦を繰り広げるが、加賀谷の一撃により成瀬を昏倒させることに成功する。
見苦しく誘惑を続ける妖刀だったが、一切の関心を示さない水橋に引導を渡された。

事件後、病院に収容された成瀬は、妖刀の誘惑に負け、多くの人に迷惑をかけたと悔やみ、罪悪感に苛まれる。償いたい、と辛そうに語る彼女に、加賀谷は暖かく「一緒にがんばろう」と寄り添う。泣きはらしながら彼にすがりつく成瀬は、本当の意味で救われた。

事件は収束し、すべてが丸く収まるかと思われた。が、病院に収容され、落ち着きを取り戻した成瀬の口から出た真実により、すべては予定調和であったことが明かされる。成瀬に妖刀を渡したのは、嵐山に奪還を依頼した荒島夷隅であり、今回の事件は彼の狂言であるという事実が発覚したのである。

破壊された妖刀を片手に、ことの真偽を確かめるべく嵐山が、そして自分の管轄であるK市で勝手を行われたことに憤慨する水橋が、荒島の邸宅へと向かう。

彼は語る。
K市が管理する“蓬莱人形”は因果律を操り、特異点を作りだす物体であると。
ここ最近、K市を中心に起こった事件はそれによって起こされたものであると。
そして、その結果もたらされる【破壊と創造の力】の発言を、自分は見てみたいと。
そのために事件を起こし、人形の成長を促したと告げる。
得体の知れない力の片鱗を見せつけつつ、コレクションや侍女と共に行方を暗ませる荒島夷隅。
“蓬莱人形”とは一体……

第五話の感想はこちらにお願いします。
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  • PLとして久しぶりに参加できました。楽しかったです。自分GMとは違う雰囲気のセッションでくぴぴ。そしてやはり強キャラ臭っていうのが嫌いな自分がよくわかりました@@ -- みりん (2010-12-15 22:40:49)
  • 楽しんでいただけたら何より。ちょっとキャンペーンの核に設定を追加してしまったため、やや戦々恐々気味だった。そしてやっぱり強キャラ嫌いっすか(笑)。夷隅はエンディングの演出として強そうに見せたかっただけなんで、実際に戦えば普通に利きます。 -- やまびこ (2010-12-19 01:34:45)
  • 妖刀使いセッションなのになんで出られなかった俺…… -- スーツ (2010-12-19 03:57:10)
  • 狛井君が妖刀設定キャラなだけに未参戦だったのは確かに残念だった(笑) -- やまびこ (2010-12-20 19:05:39)
  • 強キャラというか、エンディング演出ですかね。自分の中ではどこまでいってもNPCとPCは対等なので、押しても返されない、ていう演出が好きじゃないww -- みりん (2010-12-21 06:05:49)
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最終更新:2010年12月28日 21:57