「毛玉」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
翌日も、その翌日も、窓の外には一枚の銅貨が置かれていた。不思議に思ったおかみさんが眠ったふりをして見張っていると、夜半になって一匹の毛玉がふらふらと飛んできた。 毛玉は全身を埃だらけにして、口に銅貨を重そうにくわえている。あの日、おかみさんが助けた毛玉に違いなかった。