☆渋谷凛


――――!?

異変に気づくのには、多少の時間がかかってしまった。
ただ、凛は本能的に以前、自分を攻撃してきたアヴェンジャーの存在が気になり、振り返る。
階段の踊り場で倒れ伏せていた彼はおらず。
セイバー・シャノワールの位置も、少しだけ違ったような気がした。
無論、アヤの方も気付く。

「アヴェンジャーさんは?」

彼女の疑問に、シャノワールは落ち着いた様子で答える。

「彼は周辺の捜索に向かった。アヤ・エイジア、君が我々と共にいる以上、彼も不用意な行動は取らないだろう」

「……そうだとしても、少し不安ね」

純粋に。
アヤは彼女なりにアヴェンジャーを理解しているからこそ、不審でなく不安と言う。
感覚と判断は正しい。
凛ですら、彼を他とも『セイヴァーとも』異なるものを抱いている事を。
それが、単純な復讐者たる『復讐心』が正体であるか不明だ。

無論、シャノワールも長くアヴェンジャーの行動を許すつもりは無い。
凛が次の行動を尋ねる前に、シャノワールが非常階段にしかけた氷を解除しつつ告げた。

「直ぐにここから脱出できるよう駐車場に移動した方が良い」

「わかった。……でも、一つだけ確認。マスコミの人達は『どうやって』足止めするつもり?」

アヤへの予告状みたいに、突拍子もなく余計な真似をされては困る。
念の為、凛は確認する。
シャノワールが余裕込めた笑みで教えた。

「彼らの『車』を再起不能にする……簡単に言えばタイヤをパンクさせるだけさ」

「ちょっと……」

「悪いと思うが我慢して欲しい、マスター。私が可能な『穏便な足止め』は豊富になくてね」

致し方ない。
やれやれと思うが、凛は目をつむり、アヤと共に階段を下りて行くと。
先導していたシャノワールの様子が変化した。
音に聞こえる息を飲む動作。
そして、続いて外より破裂音か何かが遠くより聞こえたのに、凛も顔をしかめ「何?」と歩を止めた。
シャノワールは、一層緊迫感ある空気を纏い、彼女らに伝える。

「即、ホテルから脱出した方が賢明だ。『銃声』は住宅街方面から聞こえる」

「じゅ――」

花火か何か大差ない破裂ではなく、ハッキリと断言されたのに凛は目を見開く。
そして、シャノワールは颯爽と階段を降下する体勢を見せ、話を続けた。

「駐車場までの施錠は私が解除しておこう。急いでくれ」

目に見えない早さ。よりも、瞬間移動じみた在り様。
シャノワールが凛たちの眼前から消える。霊体化した訳ではなさそうだ。
もしかして、時の静止?かも。セイヴァーやアヴェンジャーが時を止めている間も
シャノワールは自在に行動可能なのだ……余計な憶測は止めておく凛。

無事、駐車場に到着し。アヤの車に乗り込むまで格別トラブルに見舞われずに済んでいる。
……が。アヤも表情を硬くし、席に座ってから間を開け、凛に言う。

「少し飛ばした方がいいかもしれないわね」



◇◇◇




周囲の異常をいろはが理解した。
響く銃声と……セイヴァーの消失を。彼が目を離した隙に、姿を消していた。
最低限、いろはの感知内に存在しない事は明白。
サーヴァントには『霊体化』という実体を眩ます能力を持つが。
果たしてソレを使用したのだろうか?

いいや。する理由もない。
彼女らが気付かぬ間にセイヴァーは移動したと考えるのが無難。
なら……いろはが、動かぬ屍と化した沙々を眺め。もしやと推測した。

セイヴァーが沙々のソウルジェムに何か……まさか魔女に……?
ソウルジェムから『どのように』魔女が産まれるのか、未だに原理は定かではない。

結局、セイヴァーの手中に収まっているのに変わりないのだ。
今度はいろはが沙々を背負い、銃声が聞こえた方角へ駆け続ける。
魔法少女の身体能力は、並の人間を凌駕するとは言え、人を背負った状態ではスピードは低下。
戦闘が発生していると分かっても、いろはが現場に到着するまでロスをした。

銃声は住宅街で響いた影響もあり野次馬や、外に出ずとも家よりスマホで撮影らしき行為を行う者の様子が分かった。
それをいろはは警戒してしまう。
魔法少女の恰好が目立つのが当然として、こんな時間帯で少女が徘徊するのも変だ。
別の意味でウワサとなる。

冷静に、呼吸を整えるいろは。
だけども、思考が冴えるほど状況は好転しないと分かる。
セイヴァーの手には、沙々のソウルジェム。戦闘で負傷を負ったシュガー……いろはに出来る事が、何も………
どうにか物影から現場だけでも確認する。

マンション前の道路を中心に事件は起きていた。
座り込んで途方に暮れる少女。明らかに深く切られ倒れ伏すアヴェンジャー。
双方に視線を注ぎ、接近しようとするセイヴァー……
そして、彼らを取り囲む野次馬や撮影をするテレビクルー。
誰も……少女やアヴェンジャーを助けようとはしない。

「………!」

憤りを覚えるいろはだが、仕方ない――当然のことか。
セイヴァーに歯向かったところで、サーヴァントでもマスターでもない彼らに成す術はないのだ。
この状況を打開する術を探すのを優先するのだ。


銃声。


今度の銃声は、当事者三人のものではない。
一体誰の仕業だと、誰もが意外性を覚え反応に送れる。
セイヴァーも漸く『ある存在』に対して、アヴェンジャー達から視線を逸らし、振り返った。

彼こそ愚者の英霊たるマジェントだった。
辛うじて。
所謂、宝具で命を取りとめた下っ端の殺し屋が、地を這いながらも。
アヴェンジャーが落とし放置した拳銃を拾い、救世主に銃口を向けるのだ。

「この俺に対し、跪きやがれッ!『Dio』―――――!!」

誰もがこの男を勝手に死んだと思いこみ。渦中の三人に対し大差ない者だとばかり思い込んで、すっかり眼中になかった。
故に! マジェントが拳銃を数発続け、セイヴァーに打ち込む所業に。
一種のパニックが発生する。
流れ弾に当たれば不味いと野次馬は後ずさり。テレビクルーも数人、車内に避難した。

ただ、マジェントの攻撃がセイヴァーに命中しない。
殺し屋である彼の腕前が、スゴ腕レベルでないにしろ。流石のマジェントも、血みどろながら手元が震えた。

「ど……どうなってんだぁ……!?」

何故なら!
セイヴァーは振り返ったものの、微動だに場を踏み出してすらいない。
標的が動いてもないし、動作すら皆無に関わらず。どういう訳かセイヴァーに銃弾が命中しない。
凍てつく声色でセイヴァーが告げる。

「返してやろう」

セイヴァーが掌を開けば、数発分の銃弾があった。
銃弾を軽く転がし、宙へ放り投げ――指で弾き、マジェントへと超スピードで向かう。
パチンコ弾などと比較にならない。命中すれば肉体損傷を引き起こすだろう威力を予想できる。

「ハッ!?」

不味い、と判断したマジェントはスタンドを発動させる。無意識の反射行動だ。
『20th Century Boy(トゥエンティース・センチュリー・ボーイ)』 。
マジェントの肉体に纏わりつく、絶対防御のスタンド。
銃弾程度を防ぐには勿体無いのだが、最早『Dio』という存在の攻撃に、恐竜化以上の未知数を感じたマジェント。

影ながら戦闘光景を目撃し、いろはも入りこめる余地がないと察した。
ふと、周囲を見回した時。崩れ座り込んでいた少女とアヴェンジャーの姿が無くなっている。

「あっ……」

アヴェンジャーが残した血痕が、マンホールの蓋に続いていた。


◇◇◇


★アヴェンジャー(ディエゴ・ブランドー)


予想外だったのはマジェント・マジェントが動けた事実。
幸運にも、セイヴァーの意識は下っ端の行動へ注がれたお陰で、ほたるを無理に引っ張り、下水道に逃れられた。
深手負ったお陰で流れる血も、水で消えるのだから問題ない。
ディエゴの予想外は
前述のマジェントの事を含めて、セイヴァーが予想以上も長く『入門』した点。それと警官が駆け付けなかった事だ。

彼は本来、警官がパトカーを引っ提げ現場に現れると予想したが……来ず。
代わりにマスコミ関係者が現れたものの。
『逃走用の車』を確保する以前に、ディエゴが深手を負ったのも含めれば最悪、セイヴァーに殺されて――

否。
セイヴァーは――あれほど派手にやっておきながらも――ディエゴに殺意はなかった。
生半可に死ぬ事は無いと考え、攻撃の手も生ぬるいと分かる。
『生かして』何を企む魂胆か。正直、想像したくもないディエゴ。

奴は、自分の全てを『奪う』だけだ。

深読みせず、ディエゴはセイヴァーをそう結論付ける。
問題は――――


「う……うう………」


汚らしい下水道に連れて来られたショックで涙を流している訳ではない少女・ほたる。
彼女自身、もう何をどうしたらいいのか分からない。
何を信じれば。自分は一体、どうするべきかも分からなくなっていた。

「……おい」

シラを切らしたディエゴが声をかければ、やっとの事でほたるはポツリポツリ話す。

「ごめんなさい……ごめんなさい、アヴェンジャーさん………助けて下さって、ありがとうございます」

「は?」

ほたるが少し驚き顔を上げれば、不愉快極まりない苛立ちを浮かべるディエゴががそこに居る。
ますます理解出来ない。――どうして、この人は怒っているんだろう。
彼女は、もう一度。しっかり伝えた。
最初の時。『助けてくれた時』に言えなかった事を。

「そんなつもり、無かったのかもしれません。でも私は助けられました……ちゃんとお礼は伝えないと、駄目だと思います」

「……………………」

異様な長い沈黙をし、ディエゴは少女に尋ねた。

「お前、まだセイヴァーの味方になるつもりか?」

問いに対し彼女は、内で悶々とし続けた思いを明かす。

「わたし……私もセイヴァーさんが『善い人』じゃないんだって分かります……で、でも………ライダーさんは」

ほたるの言葉は上手く続かなかった。
ライダー。彼女のサーヴァント……そのクラス名に過ぎない。
未だに彼女を放置する底知れた英霊を全て理解したとは断言できないものの。
彼女が語った内容から、ディエゴも大方予想をつけた。だからこそ『利用』出来る、と。

「なら―――お前のライダーは『騙されて』いるかもな」

想像外の推測に驚いたほたるが、全うにディエゴと視線を合わせれば、至って普通の復讐者の表情がある。
彼は、ほたるを余所に話を続けた。

「善人ほど『ああいう奴』に利用される。英霊の座につけるほどの存在だったら尚更
 セイヴァーは手駒の一つとして、生前利用したんだろうぜ。ライダーの方は、そうとは知らずの状態って事だ」

「…………!」

ほたるは絶望から活力を取り戻すように、目を丸くさせている。
真実は不明だ。案外、本当に騙されているとしても、過程はどうだって良い。
ディエゴは、ほたるを利用し、セイヴァー側の戦力となりえるライダーを利用出来ればいい。
実際『騙されている』のは白菊ほたる当人である。露知らぬほたるは、涙を消していた。

「じ、じゃあ……早くライダーさんに――」

「話しても無駄だ。余計な事を真似はしない方がいい」

「どうしてですか……?」

「お前は『ただの知り合い』から聞いた話を間に受けるか? 家族や友人の方を信頼するだろう、普通はな」

「―――」

マスターとサーヴァントの関係は『ただの知り合い』と呼ぶには相応しくない。
しかし――友好関係上、最初の内は同レベルに等しい。
少なくとも、生前より続く『友情』と数日前からの『信頼』、どちらが勝るか……説明は不要だ。
ほたるも納得した様子だが、もどかしい思いを募らせていた。

「私、何をすれば……」

「……まだセイヴァーが追ってくる」

「えっ!? せ、セイヴァーさ……んが……?」

「奴の感知範囲から逃れるのが先だ。いいか、まずは俺のマスターと合流する」

「は、はい」


◇◇◇


★アヤ・エイジア


『セイヴァーさんは私達に気づいているの?』

『……さあな』

念話をし続けながら、アヤは車のエンジンを起動させる。
住宅街で発生したセイヴァーと交戦した事実を、アヴェンジゃーから伝えられた。
彼女は、表面上は凛にも教えずに、シャノワールが開けてくれた駐車場の料金場をスルーするように通過。
一応、周囲に動く車などがないか確認したうえで、地上に顔出す為の上り坂をスピードつけて走った。
同乗している凛は、遠心力で振りまわされない為に掴める場所に手をかけ、体を支えた。

アヴェンジャー・ディエゴの念話が続いた。

『セイヴァーが俺狙いなら問題ない。奴を引き寄せればいいだけだからな……』

『どうしてアヴェンジャーさんを狙っているの?』

『俺に聞くなよ。理由を考えるだけ無駄だ』

アヤの車が駐車場出口に到着すれば、例のマスコミたちの群れが出入り口から離れた位置で確認可能だった。
案外、想定より少ないとアヤも数を見て感じる。
それはアヴェンジャーの銃声などの仕業だ。
数組のテレビクルーは、話題のアヤ・エイジアよりも緊急速報として報道できる事件を優先させたのである。
逆にチャンスだ。

走り去ろうとするアヤの車を発見した彼らは、急いで乗り込んだ時。
そこで、タイヤがパンクしている事態に気付ける事だろう。
……とは言え。
追跡される恐れは十分高い。人目つかない場所を探すのが無難。

現在、彼女らがいる都心にはテレビ局や病院に始まり、様々な公共施設が集っているが。
この一帯で『人気無い場所』は少ない。限られているし。
都心である以上、住宅街側よりも目の数は圧倒的だ。

となれば。アヤは運転を続けながら言う。

「アイドルさんには悪いけど、一度工業地帯に行くわ」

一度、シャノワールとセイヴァーが交戦した方面ではあるが比較的、あちら側に人の目が少ないのは明白。
凛は頷くが、一つ尋ねる。

「セイバーにも念話で伝えておきます。あの……アヴェンジャーは?」

「大丈夫みたい。でも意地張って無理する事もあるから、その時は令呪を使うわよ」

実に慣れたアヤの物言いに、凛も言葉を失っていた。
しかし、彼女も単純な逃亡を模索している訳じゃあない。周囲を警戒しながらも、アヤは話を続ける。

「妙ね……セイヴァーさんは、何故アヴェンジャーさんを狙うのかしら」

「狙う? 今、狙われているんですか……?」

「勘違いじゃなければ、そうみたい。でもそれって凄く変よ」

「私も全てを把握している訳じゃないですけど……セイヴァーも気になってるんじゃないですか?
 自分に似ているアヴェンジャーの事を……」

「でも。アイドルさんのセイバーさんが言うには『仲間』を探しているらしいわ。
 流石にアヴェンジャーさんが、セイヴァーさんの『仲間』になってくれるとは思えないけど」

凛が指摘する通り。
単に自分と酷似する存在への関心や興味はあるだろうが。
果たして、アヴェンジャーが仲間となるかは不明だ。
なったところで、利用したり。凛にした様に不意打ちや奇襲を仕掛けないとは言い難い。

『嫌な予感』がする。

差し詰め、悪寒を覚えるほどだが実際は分からない。
アヤに関しては、セイヴァーと直接対面した愚か住宅街の戦場すら目の当たりにしてない。
全ては憶測に過ぎなかった。




【B-2/月曜日 早朝】


渋谷凛@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]無傷
[令呪]残り3画
[ソウルジェム]有
[装備]なし
[道具]生徒名簿および住所録のコピー(中学、高校)
[所持金]女子高生の小遣い程度
[思考・状況]
基本行動方針:セイヴァーを討伐する
0.住宅街方面から離れる
1.まだ仲間が必要。どうやって集めればいいのかな。
2.島村卯月、白菊ほたると何らかの接触をしたいが……
3.アヴェンジャーはセイヴァーと関係ない?
[備考]
※見滝原中学校&高校の生徒名簿(写真込)と住所録を入手しました
 誰がマスターなのかは現時点では一切把握していません
※自分らがセイヴァーに狙われている可能性を理解しています。
※アヴェンジャー(ディエゴ)のステータスを把握しました。
※アヤ組と同盟を組みました。


【セイバー(シャノワール)@グランブルーファンタジー】
[状態]魔力消費(小)肉体ダメージ(小)
[装備]初期装備
[道具]多数の銃火器(何らかの手段で保管中)
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:怪盗の美学を貫き通す
1.美学に反しない範囲でマスターをサポートする
2.セイヴァーを警戒する
[備考]
※盗み出した銃火器一式をスキル効果で保持し続けています
 内訳は拳銃、ライフル、機関銃、グレネードランチャーなど様々です
※アヴェンジャー(ディエゴ)の宝具を把握しました。


【アヤ・エイジア@魔人探偵脳噛ネウロ】
[状態]魔力消費(小)
[令呪]残り3画
[ソウルジェム]無
[装備]
[道具]ナイフ
[所持金]歌手の収入。全然困らない。
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界への帰還
1.怪盗Xに対する警戒
2.セイヴァー(DIO)の動向に不穏を覚える。
3.凛たちは信用する。今のところは。
[備考]
※テレビ局の出演は決定されました。テレビ局入りは彼女自身のみで行うと伝えてあります。
※セイバー(シャノワール)のステータスを把握しました。
※事務所の人間の一部がセイヴァーに掌握されていると考えています。



【C-3 下水道/月曜日 早朝】

【アヴェンジャー(ディエゴ・ブランドー)@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]魔力消費(中)、肉体負傷(大)
[ソウルジェム]有
[装備]
[道具]
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯の獲得
0.セイヴァーを撒いて、アヤと合流する。
1.怪盗Xに対する警戒
2.どこかでセイバー(シャノワール)を始末する
3.ほたるを通じて彼女のサーヴァントを利用する
[備考]
ホル・ホース&バーサーカー(玉藻)の主従を確認しました。
※弥子&アーチャー(魔理沙)の主従を確認しました。
アイルがマスターであること把握しました。
※アサシン(ディアボロ)に関する記憶は喪失してますが、時間停止の能力に匹敵する宝具があったと推測してます。
※凛&セイバー(シャノワール)の主従を確認しました。
※アサシン(マジェント)の存在を把握しました。


【白菊ほたる@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]精神的ショック(中)、疲労感(中)
[令呪]残り3画
[ソウルジェム]無
[装備]寝間着姿
[道具]
[所持金]中学生程度のこづかい。現在所持していません
[思考・状況]
基本行動方針:???
0.今はセイヴァーから逃げる
1.ライダーさんが騙されている……? どうにかしなくちゃ……
2.アヴェンジャーさんは良い人、です……か?
[備考]
※セイヴァー(DIO)、アヴェンジャー(ディエゴ)、アサシン(マジェント)のステータスを把握しました。
※現在、ライダー(プッチ)がセイヴァー(DIO)に騙されていると思っています。



◇◇◇




(……不味い! このままじゃ――)

いろはは即座に理解した。その理解力に黄金の輝きが灯ったかと思うほどに。
セイヴァーは、スタンドを発現させたマジェントに意識を向けている為
『まだ』アヴェンジャーとほたるが、マンホールの下水道へ逃走したのを気付いていない。
周囲の人間達も――だ。
だが、気付くのは時間の問題。

(あの人達を逃がさないと……!)

ちょっとした『勘違い』だが、いろははアヴェンジャーとほたるの二人が主従なのだと思い込んでいる。
状況的に、思い違いが生じても仕方なかったが。
何であれ彼らを、これ以上セイヴァーの毒牙に受けさせるのは、駄目だ。

一方。マジェント・マジェントは動かない。
動けないのだ。無敵のスタンドが発動している最中は、彼が一歩たりとも動く事は叶わない。
セイヴァーは、周囲に屯する野次馬やテレビクルーへ視線を向けようとした。

「場が騒がしくては、話も捗らない。『片づける』とするか……」

気付かれる! アヴェンジャーとほたるの逃走を―――!!
いろはが魔法少女の武器たるクロスボウを構えた。
二人の姿がない現実は、いづれ見抜かれてしまうが、少しでも時間を稼がなくてはならない。
心で謝罪をし、覚悟を決め。クロスボウの矢をセイヴァーに放った。

直感を持つセイヴァーに不意打ちなど無意味に等しい。
今回に限っては、攻撃の軌道を見抜き。あっさり矢を見逃すセイヴァー。
矢は、自分に命中しないと看破したのだ。


そう――いろはが狙ったのは、セイヴァーではない。


正確には、セイヴァーの居る方角の奥。報道陣のワゴン車めがげてだ。
矢が車体に直撃した金属音が鳴り響いて、緊張感ある現場に戦慄が走る。

「なんだ!? 今の――銃弾!!?」

「も、もう危険です! 我々は現場から離れましょう!」

セイヴァーは、攻撃の主たるいろはに睨みを効かせるが、野次馬たちは命の危機を感じ取って、一目散に走り去って行く。
報道陣もスナイパーの銃撃かと恐れ、ワゴン車へ乗り込み。
急発進するスリップ音が、閑静な住宅街に響く。
悪の救世主に視線を注がれた魔法少女・いろはが決死の思いで叫ぶ。

「沙々ちゃんのソウルジェムを――返して下さいッ!」

「………」

彼が無言で注目したのは、環いろはの精神。
先ほど、洗脳された状態ながら魔法少女の末路を知った筈の少女。
少女が取った行動は、自分を洗脳した者を助ける為の決死行だった。
愚かしいが、彼女の精神は黄金を放っていた。運命を理解し、それでも尚、前進するという覚悟だ。

「返して欲しいのは――コレかな。環いろは

「―――!!」

セイヴァーが見せつけて来たのは――件の、沙々のソウルジェム。
宝石の色彩はドブに沈められた穢れで満たされており。呪いを帯びているのは、いろはにも察せた。
例え、取り戻したところで、これでは………
再びソウルジェムを手中へ握り、セイヴァーは言う。

「取引をしようじゃあないか」

「取引……」

優木沙々を魔女にするのは、今しばらく止めておくとしよう。期限はアヤ・エイジアのライブ放送まで
 件のテレビ局で、君が『あるサーヴァント』を連れてくれば、それと交換にソウルジェムを渡そう」

一体何を考えて提案しているのだろうか。
いろはにも、ただならない緊迫感を覚える他ない。

「『時間泥棒』のウワサを知っているかな」

「時間……泥棒」

「『時間泥棒』を探し出し、私の所へ連れてくればいい」

いろはが明確な動揺を見せた。
彼女なりにウワサを収集しているからこそ、分かるのだ。
姿を見せない、自らの痕跡を残さない。サーヴァントでいう『アサシン』クラスに該当するだろうソレを
探し出した上で、セイヴァーの元へ……?

相当の無理難題。
いや……あえて無謀なものを押し付けてきたのだ。セイヴァーは。
第一、セイヴァーを完全に信用するべきではない。いろはも彼から名状しがたい邪悪を感じ取っている。

だが――気付いた時には、セイヴァーの姿は無かった。

「!?」

周囲を確認するも、やはり彼の気配は完全に消失している。何故?
セイヴァーはどこへ消えた? アヴェンジャーたちを追跡したのだろうか。

(時間泥棒を探す……? セイヴァーは時間泥棒に何を……従っちゃ駄目な気がする………)

マンホールの状態を確認するが、いろはが見る限り再び動かされた痕跡は無い。
ように感じる。セイヴァーは侵入してないなら……まだ間に合う筈。
どちらであっても、いろはがアヴェンジャー達を追う方針は既に心で決めていたのだ。

当然の事だが。
深手を負ったアヴェンジャーを見過ごせないし、いろはの魔法なら彼の傷を治せる。
そして何より……アヴェンジャーそのものが、セイヴァーと似ていた事も。

いろはがマンホールの蓋を開けようとした矢先。
サイレン音や他の車が走り向かう喧騒が聞こえたのを感じた。
呑気に蓋を開ける余裕や時間も無い。第一『死体状態』の沙々だって傍らに居る。

(下水道だったら、他のマンホールから入れば……?)

躊躇している間も周囲はぐるぐると動き巡っている。
沙々を背負って再び移動を始めたいろはを、見届けた存在が1人。

やっとの事でスタンド解除をしたマジェント・マジェントだ。
酷い負傷を受けながらも、スキル等でセイヴァーからも逃れる事が叶ったものの。
彼も、少し冷静さを取り戻し。マスターである沙々の状態に困惑していた。

「おい……ササの奴。どうなってやがる? アイツの魔力が感じなかったぞ。
 いや、俺は消えちゃいない。生きてはいるんだろうがよ……」

錯乱状態から回復したものの。
Dioとよく似たセイヴァーを警戒しながら、彼もまた仕方なく
沙々を持って下水道へ向かう、いろはを追跡するのだった。



【C-3/月曜日 早朝】

優木沙々@魔法少女おりこ☆マギカ~symmetry diamond~】
[状態]肉体死亡状態、魔力消費(中)、『悪の救世主』の影響あり(畏怖の意味で)
[令呪]残り3画
[ソウルジェム]無
[装備]
[道具]
[所持金]一人くらし出来る程度
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯狙い
0.―――
1.セイヴァーはヤバイ奴。どうにか逃げ出したい。
2.でも、ソウルジェムの浄化はどうしたら……
3.見滝原中学には通学予定。混戦での勝ち逃げ狙い。
[備考]
シュガーのステータスを把握しました。
※セイヴァー(DIO)のステータスを把握しました。
暁美ほむらが魔法少女だと知りました。
※ほむらの友人である鹿目まどかの存在を知りました。
※いろはの洗脳が解除されたことに気づいていません。
※肉体から魂が離れた影響で、一時的死亡状態です。ソウルジェムが彼女の肉体に触れた時、意識を取り戻します。


環いろは@マギアレコード】
[状態]肉体ダメージ(大)
[令呪]残り0画
[ソウルジェム]有
[装備]いろはのソウルジェム(穢れ:なし)
[道具]
[所持金]おこづかい程度(数万)
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争の調査。戦いは避ける。
0.アヴェンジャー(ディエゴ)たちを追いかける。
1.沙々のソウルジェムを取り戻す。
2.時間泥棒を探す……? まだ早計に決めたくない。
[備考]
※『魔女』の正体を知りました
※セイヴァー(DIO)のステータスを把握しました。
暁美ほむらが魔法少女だと知りました。
※アサシン(マジェント)、アヴェンジャー(ディエゴ)のステータスを把握しました。
※少女(ほたる)がアヴェンジャー(ディエゴ)のマスターだと勘違いしています。


【アサシン(マジェント・マジェント)@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]魔力消費(大)、肉体ダメージ(極大)、錯乱(小)
[ソウルジェム]有
[装備]
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯狙い。ディエゴの殺害優先?
0.いろは達を追って様子見。
1.もうDioとは関わりたくない。
[備考]
※Dioに似たマスター(ディオ)とそのサーヴァント(レミリア)を把握しました。
※バーサーカー(シュガー)の砂糖により錯乱状態ですが、時間経過で落ち着きます。
→錯乱状態は落ち着いてきてますが、場合によっては再び悪化するかもしれません。
※ほたるがマスターである事を把握しました。
※沙々の肉体に魔力(生気)がないのを感じました。


【C-3/月曜日 早朝】

【バーサーカー(シュガー)@OFF】
[状態]霊体化、肉体ダメージ(大)、魔力消費(大)
[ソウルジェム]無
[装備]
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:砂糖を食べる
0.しばらく、おやすみする
[備考]
※時の神(杳馬)の存在を気付いているか言動的には怪しいです
※怖いコウモリちゃん(レミリア)を記憶し続けられるかは、怪しいです。
※令呪の効力は完全に無力化されました。



◇◇◇


★セイヴァー(DIO


成程――『人間』だ。


セイヴァーは一つの情報を得た。
アヴェンジャーの『ディオ・ブランドー』は良くも悪くも、障害もなく、過剰な強化も得ず、純粋かつ
神にすら穢されて無い、正真正銘の人間だ。

人間賛歌がどうとか耳にしたような、しなかったような。
しかし、人間の限界が『たった五秒』で体現されている。
人でないセイヴァーは『五秒以上』の時間停止を再現可能だが……アヴェンジャーの彼は本当にアレが最盛期なのだ。
サーヴァントは最盛期を基準にしている以上、当然の話でもある。

故に幾つか疑念がある。
例えば――救世主はどうなのだろうか?
セイヴァーは『最盛期』よりも『誰かが願った英雄の虚像』だ。
本来の『DIO』は、奇妙極まりない事実だが……『別人』に近い産物なのだから。

そして、アヴェンジャーの『ディオ・ブランドー』がセイヴァーにないものを持っている。
復讐心だ。
父親を地獄へ引きずり落とす。どこかで抱いた憎悪の念。
天国への模索に至るまで、それは消え去った感情であり『DIO』には不要となったものだ。
……それを彼は持っている。

人間だから。復讐だの、憎悪だの。余計な感情に捕らわれているのかもしれない。
だが、それはかつてあったものであり。
ある意味『ディオ・ブランドーから失われた産物』だった。

それに―――

復讐者の方は、件のアサシンが見せたビジョンに映り込んだ方『ではない』と分かる。
彼が飲み込んだ『ソウルジェム』。
その魔力を、彼からは感じられなかった。どういった発想で『飲み込む』に至るのかも考え深い。

俄かに信じ難い話。
瓜二つの存在が――二人居る。
存外、双子なんて可能性も否定はできないが、セイヴァーは違うと確信した。
それらが『二人』いる。因果や関係性が一切無いとは呼べない状況。
ならばこそ、あのアヴェンジャーを逃がす訳にはいかない。


残る議題は一つ。
時を司るアサシンは『何故セイヴァーとアヴェンジャーの接触を回避させようとしたのか』?
結局のところ。
セイヴァーがアヴェンジャーと交戦する最中も、彼は介入愚か。
能力を使用した形跡すらない。どこかで傍観者気取り、観察していたのだろう。

もしくは……アサシンの狙いは『それ』じゃあない。
異なる事象にセイヴァーが介入するのを恐れ、露骨な誘導でセイヴァーにアヴェンジャーをぶつけた。
ただ。それでも、あまりに回りくどい。


「奴の魂胆は別として、件の復讐者はまだ近くにいる。そちらを回収しなくてはな」


セイヴァーがアヴェンジャーの血痕が続いたマンホールで下水道へ移動したのには
彼の追跡以外にも『太陽』という弱点を考慮しての行動だった。
人ではない吸血鬼たる唯一の欠点。『可能』な行動は限られてくる。
やがて日により制限される以上、可能な行動を優先するのは自然である。

……否。
もう一つ、行動可能な手段はある。
セイヴァーの手元にある沙々のソウルジェムだ。
魔女と呼ばれる怪物は、通常『結界』を発動させて身を潜めており、獲物を結界へ引きずりこむか誘導する性質。
結界を、魔女をセイヴァーの宝具で支配すれば、太陽に晒されず自由に移動は可能となるだろう。

最も、環いろはとの約束は破られる。

「いいや。それが『肝心』だ……環いろは。奴もジョースターに似た『黄金の精神』の片鱗を見せたが
 如何に強靱な精神を持つ魔法少女であっても、魔女という名の絶望から逃れられない」

セイヴァーの目的はその一つ。
いろはも、魔法少女候補に含まれている鹿目まどか達と同じく。
魔女や絶望エネルギーを具象化する道具として『利用』する為に過ぎなかった。

そして――
輝かしい正義の精神を持つ魔法少女が救われる事は無い。
ここに居る救世主は『悪』にしか手を差し伸べないのだから。




【C-3 下水道/月曜日 早朝】

【セイヴァー(DIO)@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]魔力消費(小)
[ソウルジェム]有
[装備]
[道具]優木沙々のソウルジェム(穢れ:極大)
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯の獲得と天国へ到達する方法の精査
0.アヴェンジャー(ディエゴ)の追跡
1.他サーヴァントとの接触を試みる
2.『時の神』は優先的に始末したい
3.『悪』の回収。暁美ほむらをあえて絶望させる?
4.再びナーサリー・ライムの固有結界に侵入する。
5.頃合いを見て沙々を『魔女』にする。
6.どこかでレミリアと話がしたい。マスター(ディオ)が邪魔。
[備考]
ナーサリー・ライムの固有結界を捕捉しました。
※『時の神』(杳馬)の監視や能力を感じ取っています。時の加速を抑え込んでいる事には気付いていません。
→杳馬の能力が時間操作の上位である空間支配だと推測しています。
※自らの討伐令を把握していません。
※ウワサに対し『直感』で関心ある存在が複数います。
※過去の自分(マスターのディオ)には関心がありません。
※ランサー(レミリア)の存在を把握しました。
※沙々のソウルジェムは、DIOの宝具で魔女化せずに保っています。彼の手から離れれば、魔女が孵ります。
※アヴェンジャー(ディエゴ)と彼の宝具を把握しました。
※ライダー(ディエゴ)とライダー(プッチ)の存在を把握しました。



◇◇◇





そして―――1人の未熟なアイドルたる少女・島村卯月が決断を下した場面に戻る。

「凛ちゃんのところに向かいましょう、アサシンさん。やっぱり、いざって時――近くに居ないと駄目です」

渋谷凛の護衛。
もとい、周辺の敵の排除を目標とする事に決心した彼女。
アサシンは試すように、一つ念を押した。

「成程ねぇ。一応、その選択の欠点を挙げるなら、効率的にサーヴァントの排除が進まない点だ」

「は、はい……分かりました。でも、そうします。凛ちゃんを守る方を優先します」

『攻め』ではなく『守り』に徹底する作戦。
これに関しては、他の主従同士で潰し合う……聖女のライダーのように、卯月の知らぬ場所で事が終わるのを願うものだ。
聖杯の獲得や、聖杯戦争を『終結』させるには非効率的。
ただ。卯月に関しては、渋谷凛の命を第一に置いていた。勝ち抜いても、凛が生きて無ければ無意味なのだから。

少女の決心を聞き入れたアサシンは、シニカルな笑みを浮かべ指を鳴らす。
瞬く間に彼女は移動していた。

瞬間移動。
単語で表現すれば単純な類であるものの、繁華街周辺と変わって。
周囲を見回せば、遠くに駅が確認できることから。
見滝原中学を通り越して、河川を挟んだ向かい側にある都心付近まで移動した事になる。

彼らはあるホテル前の物影に移動していた。
ホテル特有の地下駐車場出入り口付近にマスコミ関係だろう人々が、こんな時間にも関わらず群がっている。
しかし、さほど数は多くない。

どういう経緯か、彼らはアヤ・エイジアの居所を掴んだのだ。
何故なら――………

「ここに凛ちゃん達はいるんだけどなぁ、厄介っていうか面倒になっちまって」

アサシンが天を仰ぎつつ、呑気に言う。
話の流れ通り、ここがアヤと凛がいるホテルだった。
霊体化可能なアサシンに対し、隠れようもない普通の少女たる卯月には、どうしようも出来ない状況。

途方に暮れる寸前。
場違いな発砲音が卯月たちの離れた方角から響き渡る。
卯月の体は自然と跳ねあがって、マスコミ関係者らが何事かとざわめくのが聞こえた。

アヤ・エイジアでないが別のスクープの可能性を抱き。
早速、カメラを回して実況をするアナウンサーの姿もそこに居る。
そのテレビクルーらは、迷うことなくワゴン車を動かし、現場へ急行する姿は潔い。
他は、アヤ・エイジアの登場を待ち構えるべきか、躊躇を現す。
立て続けに発砲音は響き渡る。平穏な日常とは対なす事態が付近で起きていた。

(り……凛ちゃん)

卯月に緊張が走る。
銃撃犯がサーヴァントかマスターにしろ、凛に命の危機がある以上、卯月も気が気でならない。
当然、わざわざ凛は銃撃の方面へ向かう真似をしないと願っているが。
最悪の場合を想定しなくては。

不安をよそに、アヤ・エイジアの車が駐車場から現れた時には、マスコミの数も先ほどよりは減っていた。
いつの間にだろう。
停車されていた報道陣らの車は、全てパンク状態となっており。
彼らを歌姫を追跡する事は叶わず。状況を打開する策も思いつかずに混乱している。

これはアヤのサーヴァント?
もしくは凛のサーヴァントが起こしたものか?
卯月が目を丸くさせる横で、相変わらず飄々とした態度でアサシンが呼びかけた。

「こいつはぁラッキーじゃねぇの。俺達以外、凛ちゃん達を追跡する奴はいなくなったって訳だ」

促すアサシンが言うのは、至極全うに聞こえるものの、不思議にも釈然しない部分が幾つか。
だけど、卯月は前進するのを優先させた。
躊躇する場合じゃあない。
一瞬の油断が――友の死に直結しかねないのだ。


◇◇◇


★アサシン(杳馬 あるいは■■■■)


長い長い与太話が終わったんだが、結局どういう展開?
思いたくなるのは当然だろうなぁ。
他の連中も薄々気づき初めて、疑念を抱き始めたりなんらかアクションを取ってくれているアレだ。
セイヴァーのそっくりさんが多いって奴だよ。

誰かが縁とかで引き寄せられてる説を唱えてるように、俺もその線は悪くないと思うぜ。
実際、時を止めるセイヴァーと俺や時間泥棒が能力繋がりで所縁あるし。
だのに。セイヴァーとは全く縁がない奴もちらほらいるじゃねぇか。
セイヴァー以外の連中とは、ん~……微妙に関係性は結びつかなくもないところだな。

だからこそだ。
律儀にセイヴァー似の連中が揃い揃ったのに『理由』はあるだろうよ。
この世界を覆ってる結界?も敷かれちゃねぇ。
アレも気が向けば、突破『できなくもない』が流石に『まだ』だよなぁ?
派手にやり過ぎちまうと主催者サンにも警戒されちまう。

とは言え――……
セイヴァーの逸話とかはサッパリなもんで。試し次いでとして『あえて』接触させてるって事だ。
かき回すには、まず情報収集が基本……存外地道だぜ? こういうの。

それとだな。
凛ちゃん……のサーヴァント。ねぇ。お察しの通り、実は相性が悪過ぎるもんでお手上げに近い状態だ。
都合良く、サーヴァントだけ倒れて欲しいが、最悪……凛ちゃんが死んじまっても悪くないだろ!

第一、まだ聖杯戦争始まって数時間程度しか経ってないんだぜ?
体感時間は大分経過してるんじゃあねぇの思うけどな!



【B-2/月曜日 早朝】


島村卯月アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]精神的ショック(大)、罪悪感
[令呪]残り3画
[ソウルジェム]無
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]女子高生の小遣い程度
[思考・状況]
基本行動方針:友達(渋谷凛)を死なせないため、聖杯戦争に勝ち残る。
1.凛を追跡し、周囲を警戒する。
2.ライダーさん。杏子ちゃん……ごめんなさい……
[備考]
※ライダー(マルタ)のステータスを把握しました。
※杏子のソウルジェムに関する情報と教会で起きた戦闘を把握しました。
※凛がアヤと同盟を組んだのを把握しました。


【アサシン(杳馬)@聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話】
[状態]魔力消費(小)
[ソウルジェム]有
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争をかき回す
1.マスターを誘導しつつ暗躍する
2.機会があれば聖杯を入手する
[備考]
※杏子のソウルジェムに関する情報と教会で起きた戦闘を把握しました。
※凛がアヤと同盟を組んだのを把握しました。
※ライダー(ディエゴ)とライダー(プッチ)の存在を把握しました。
※セイバー(シャノワール)の存在と彼の宝具に関しては、把握しています。
※アヴェンジャー(ディエゴ)と彼の宝具を把握しております。
最終更新:2018年11月17日 10:24