信長の野望・全国版
【のぶながのやぼう ぜんこくばん】
| ジャンル |
歴史シミュレーションゲーム |
| 対応機種 |
PC(PC-8801、PC-9801、X68000、MSXなど多数)、ファミリーコンピュータ、メガドライブ、PCエンジン、スーパーファミコンほか多数 |
| 発売・開発元 |
開発・発売:コーエー(現・コーエーテクモゲームス) |
| 発売日 |
1986年3月(PC版)、1988年3月(FC版)など機種により異なる |
| 定価 |
機種により異なる(PC版は14,800円など) |
| レーティング |
審査なし(当時の基準) |
| 備考 |
『信長の野望』シリーズ第2作目、日本全土を舞台にした歴史シミュレーションの金字塔 |
| ポイント |
前作の近畿圏から日本全国50カ国へとスケールが拡大 「織田家」「武田家」などの大名を選び全国統一を目指すシステムを確立 2人同時プレイ(国替わり交代制)の導入により、対戦・協力プレイの面白さを提供 |
| 判定 |
名作
|
| シリーズ |
信長の野望シリーズ |
天下布武の舞台は日本全国へ――歴史シミュレーションの礎を築いた記念碑的作品。
概要
- コーエーより1986年にPC向けとして発売され、のちに多数の家庭用ゲーム機にも移植された歴史シミュレーションゲーム。『信長の野望』シリーズの第2作目。
- 前作『信長の野望』が近畿圏の21カ国を舞台にしていたのに対し、本作では東北から九州に至るまでの日本全国50カ国へと一気にスケールが拡大した。
- プレイヤーは戦国大名となり、内政による国力増強や軍備拡張、外交、他国への戦争・調略を駆使して全国統一を果たすことを目的とする。
評価点
- 耳に残る優れたBGM
- 当時の音源でありながら非常にクオリティが高く、各シーンや合戦を盛り上げる音楽はプレイヤーからの評価が高い。
- 当時としてはクオリティが高い武将の顔グラフィック
- 武将のグラフィックが細かく描かれており、戦国時代の雰囲気やキャラクターの個性を引き立てている。
- 内政・軍事・外交を網羅する高い戦略性
- 内政、徴兵、軍備、外交、合戦といった要素がしっかりと盛り込まれており、限られた行動回数の中で何を優先するかを考える高い戦略性がある。
- 割り切ったシンプルなシステム
- 現代のシリーズ作品に比べて覚えることが少なく、複雑な武将管理などを省いたシンプルなシステムを採用。
- 遊びやすさと懐かしさを両立するデザイン
- システムが分かりやすい点を評価する声や、ファミコン版などを子供の頃に遊んだプレイヤーからは、当時の音楽や操作感を懐かしみ、数十年後に再びプレイして全国統一を達成したという感想が寄せられている。
- 大名を倒すことによる勢力急拡大の爽快感
- 敵の大名を討ち取ることで、その大名が支配する複数の国を一気に獲得できる場合があり、一網打尽に勢力を拡大していく圧倒的な爽快感が味わえる。
- 旧作ならではの大胆なゲームシステム
- 後年のシリーズ作品では見られない「大名の暗殺」といった大胆なシステムが存在する。現実の歴史とは異なる独自の展開を楽しめる点も、旧作ならではの魅力として評価されている。
論争点
- 戦略の幅
- 内政や軍事の仕組みが簡潔で分かりやすい一方、後年のシリーズ作品に慣れたプレイヤーからは、武将を個別に活用する要素などが乏しく、戦略の幅が狭く感じられるという意見がある。
- 歴史シミュレーションとしてのリアリティとゲーム的展開の両立
- 大名の暗殺によって勢力を急激に拡大できるなど、現実の戦国時代では考えにくい展開も起こる。
- 歴史の再現性を厳密に重視するか、ゲームならではの大胆な展開を楽しむかで評価が分かれる。
- 難易度の高さをどう評価するか
- 弱小大名では周辺勢力からの侵攻に対応するのが難しく、序盤に滅亡することもある。歯ごたえのある戦略性と受け取れる一方、初心者には厳しいゲームバランスとも評されている。
問題点
- 厳しすぎる大名の寿命システム
- 本作では担当大名が死亡するとその時点でゲームオーバーとなるため、内政や軍備を十分に整えてからじっくり侵攻するという慎重な戦略が、寿命の短さによって成立しにくくなる場合がある。
- 序盤の高い滅亡リスクと立て直しの難しさ
- 弱小勢力では周辺国から次々と攻め込まれやすく、反撃して勝利しても兵力を消耗し、その後の侵攻でそのまま滅亡する展開が多い。初心者にとっては立て直しが非常に難しい。
- 行動回数の制約によるテンポの悪さ
- 内政や軍備などの命令を一つ実行するだけで行動回数を消費するため、複数の課題を同時に解決することができない。限られた行動をどう配分するかという戦略性につながる反面、全体のテンポの悪さにもつながっている。
- データセーブ・ロードを巡るハード側の制約や不便さ
- 初期のPC版や一部の移植版ではバックアップ機能の都合やセーブデータの容量制限があり、プレイの継続に苦労したという声がある。ファミリーコンピュータ版などでも仕様に関する煩わしさが挙げられることがある。
総評
技術的・容量的な制約の残る黎明期の作品でありながら、「日本全国を統一する」という壮大なコンセプトとシミュレーションの面白さを一般に定着させた歴史的な名作。後発のシリーズ作と比べればシステムやインターフェースの面でシンプルで粗削りな部分はあるものの、日本のシミュレーションゲーム史に燦然と輝く礎としての価値は今なお色褪せない。
最終更新:2026年10月22日 00:28