街を跳ねるもの達 18KB
虐待-普通 悲劇 理不尽 自業自得 差別・格差 自滅 家族崩壊 飼いゆ 野良ゆ 赤子・子供 都会 現代 今回は人間無し
「街を跳ねるもの達」
・羽付きが出てきます
・人間は出てきません
・一部生き残るゲスがいます
「ゆゆ!おまえが"はねつき"なのかぜ!?」
端の下のダンボール箱から飛び出した自分を見て飛び跳ねてくる丸い影。
ああ、いつもの奴か…
見れば、典型的なゲスまりさである事が分かる。
ニタニタと砂糖細工の歯を剥き出し、泥やほこりを巻き込んだ小麦粉の皮。ガチガチの底部にベッコリとへこんだ帽子…
枚挙すれば切りがないがこんなところだろう。
見たところ一体、つまりは単独か。
大方、「金バッジを取ってこい」だの「飼いゆっくりが通るルートを教えろ」だのそんなしょうもない事を腐りかけた果物か萎びた野菜くずで聞き出そうと言う腹か。
「いったいなんなのかぜ?」
自分がそう聞くとそのゲスまりさは「ゆふん」と底部を大きく突き出して見降ろすように自分を見つめるとこう言った。
「ゆ!かいゆっくりのとおるばしょをまりささまにおしえるんだぜ!」
…案の定自分の予想の一つを口に出したゲスまりさ。バカにはしない。この街から抜け出るには飼いゆっくりになるしか方法がないのだから
街と言うのはかなり特殊な場所だ。そこに適応してしまった自分たち街ゆっくりはもう、この場所にしかいられない。つまり人と共にいる場所でしか生きられないのだ。
しかし下らないと言えば下らない。バッジ付きですら捨てられると言うのに、自分を含めて薄汚い街ゆっくりを誰が拾うと言うのか。
自分が閉口しているとそれにイラついたのかゲスまりさはプクーっと大きく膨れると大声で怒鳴り始めた。
「なにさっきからだまってるんだぜ!おまえみたいなすかしたごみにこのまりささまがわざわざこえをかけてやったっていうんだからさっさとおしえるんだぜ!」
…よく今まで生き残れた物だ。多分、見かけによらず憶病なんだろう。
蛮勇なゲスゆっくりなら自分に話を通すなんてしち面倒な事はしない。おうち宣言でもして飼いゆっくりのいるところまで乗り込んで無理やりすっきりをするだろう。
当然、そこでゆん生も終わりだが…
そんなどうしようもないゲスゆっくりはすぐにいなくなる。だが何故ゲスゆっくりが街にはびこるのか?その答えが今、自分の目の前にいるゲスまりさだ。
自分より強いゆっくりや人には媚び諂い、弱そうなゆっくりを見つけて高圧的にタカり始める。
多くは徒党を組むがそれも長い間チームになるのはごく一部だ。大体は目標を達成してしまうと解散になってまた別のゆっくりとチームを組む。
ある意味臆病なゆっくり。それが街のゲスゆっくりの正体だ。
大体は増長して無茶をやらかし、明日には潰れると言うのが多い。
「それよりあまあまとかもってきたのかぜ?」
自分がそう口を開くとそのゲスまりさは餡子(うんうん)がこびりついたあにゃるが見えるほど体を寝かして高圧的に自分を見降ろすとこう言いのけた。
「ゆゆ!まりささまがかいゆっくりになればまりささまのけらいとしておうちにおいてやってもいいんだぜ!」
「…それはとってもゆっくりできるほうしゅうなんだぜ。そのはなしにのったぜ」
「ゆ!なかなかかしこいまりさなんだぜ!でもちえくらべにおいてはこのまりささまのほうがいちだんうえなんだぜ!」
「でも、きょうはもうかいゆっくりはかえってるんだぜ!あしたここにくればいっしょにあんないできるんだぜ!」
「ゆっくりわかったんだぜ!」
とにかく今日はお帰りいただく。
ゲスまりさはニタニタと笑って帰って行った。多分、自分が金バッジゆっくりとして飼われる夢でも今夜は見るんだろう。
こんな話を持ってくるゆっくりは良くいる。
…本当に良くいる―――
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それから次の日、所々灰色の雲の隙間から青空が覗いている天気の中、ゲスまりさは意気揚揚とやってきた。
ご丁重にチラシを下半分にくるんで「靴」を作っている。多分、飼いゆっくりがよく巾着袋を底部に履くマネだろう。
「ゆゆ!さっさとあんないするんだぜ!」
開口一番挨拶もなしにいきなり本題に入るゲスまりさ。
「ゆっくりわかったんだぜ。ゆっくりついてくるんだぜ!」
準備も終わった自分はそう切り出すと底部に力を込めて大きく跳ねた。ゲスまりさも同じように続いていく。
道中、自分はゲスまりさにこう聞いた。
「ゆゆ!まりさはつよいのかぜ?」
「ゆっへっへ!まりささまはれみりゃにだってかったことがあるんだぜ!」
…多分本当だろう。と言ってもまだ大きくなり立てのれみりゃとかそんなオチが付くだろうが。
自分の予想としては弱りかけてたれみりゃを集団で襲ったといった感じだろう。
れみりゃやふらんを圧倒できるゆっくりなんて希少種かドス、この街でいえば「あぶれゆっくり」の一部ぐらいだろう。
ゲスまりさの自慢話を聞いているうちに公園につく、ベンチの前には数人の人と様々なバッジをつけたゆっくりが、タムロしていた。
ゲスまりさが途端に青ざめて驚く。
「きいてないんだぜ!にんげんさんがいるんだぜ!」
どうやら人間にはかなり警戒心を抱いているらしい。典型的な「街ゲス」の様だ。
「ゆゆ!にんげんさんにまりさのはなしをしたら、"ぜひともうちのゆっくりとすっきりーしてほしい"っていってたんだぜ!すきなゆっくりをえらぶんだぜ!」
自分がそう言うとゲスまりさはとたんにニターッと笑うとこっちへ向いて高笑いを始める
「げらげら!そういうことなのかぜ!まりささまのみりょくにひかれたのならしかたないんだぜ!」
そう言うとゲスまりさは一気に大きく飛び跳ねた。自分も付いていくがかなり早いので苦労した。
ゲスまりさは飼いゆっくりの間に飛び込むと周りをじろじろと見まわし始める。
「ゆっへっへ!まりささまのおめがねにかなうゆっくりはどこかぜ~?」
一体だけテンションの高いゲスまりさに比べ、他の飼いゆっくりの反応は冷たい。
辺り前だ。あの飼いゆっくり達は心底「街ゆっくりに恨み骨髄」なのだから…
「ゆげぇ!いだいいいいいいいい!」
自分の目の前でゲスまりさが一体のバッジ付きれいむに突き飛ばされた。
「なにするんだぜえええええ!ゆっぐりじゆびょっ!」
立ち上がって怒るがすぐさまバッジを付けたありす種に後ろから打ち倒される。
舌には小石が握られていた。
あっという間に周りの飼いゆっくりがゲスまりさに群がった。帽子とチラシをはがれ逆さまに転がされる。
「ばなぜええええええええ!までぃざはづよいんだぜええええええ!」
底部をグネグネと動かしながら絶叫するゲスまりさ。
だが所詮多勢に無勢、目の前で砂糖水の涙を流しながら逆さまを向いてそんな事を言っても説得力の欠片もありはしない。
飼いゆっくり達が爪楊枝を舌に持っている。何をするかは容易く理解できた。
「ゆっくりしね!」
一体の銀まりさが舌を振り下ろして底部近くに爪楊枝を突き刺す。プスっと音がして途端にゲスまりさは声を上げた。
「ゆっがあああああああ!いだいいいいいいいいいい!までぃざのあんよざんがあああああああああ!」
ぶっちゃけた話オーバーリアクションだろう。砂糖水の涙とも涎ともつかない様な液体を辺りにまき散らしながら激しく底部をグネグネと動かす。だが辺りの飼いゆっくり達はそれを見ても微動だにしなかった。
他の飼いゆっくり達がどんどんと爪楊枝をブスブスと刺していった。そう、中枢餡には届かない程度に。
「ゆぎゃああ!ゆぎっ!ゆがあああああああ!やべでぐだざいいいいいいい!いだいいいいいいい!いだいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
あっという間に穴だらけになるゲスまりさ。飼いゆっくり達はその様子をニヤニヤと笑いながら見ていた。
…飼いゆっくりには飼いゆっくりの悩みがある。
街ゆっくりが飼いゆっくりを蔑んでみるのと同じように、飼いゆっくりも街ゆっくりを蔑んでみているのだ。
ましてやこの場に集まった飼いゆっくりのそれは尋常でない。
実は街ゆっくりが飼いゆっくりに戻るのはそれほど難しい事ではない。
むしろエサを食らってやる事と言えば「ゆっくりしていってね!」と連呼するかのーびのーびするかすーりすーりするか、後は「おうた」ぐらいしかない純正の飼いゆっくり何かよりはある程度経験豊富な賢い街ゆっくりを飼うという人間も多いのだ。
人間からしてみれば、そんな声が出るだけで役にも立たない事しかしないうんうんを垂れ流すだけの糞袋の様な置物よりかはある程度張り合いのあるゆっくりが欲しいのだろう。
きめぇ丸なんかは特にそうだ。話し相手になるので引く手数多という話だった。
実際、自分の周りでもそんな賢いゆっくり達は皆、手を引かれて飼いゆっくりになっていった。
そんな糞袋機能の付いた置物とある程度話が出来るすれた街ゆっくり、需要が逆転すれば当然の如く、純正飼いゆっくりは顧みられなくなる。
良くある話だ。拾ってきた街ゆっくりの方がデキる奴だった。飼いゆっくりになるためだけにそのゆん生を捧げてきた飼いゆっくりからすれば嫉妬の対象になるだろう。
それのストレス解消も兼ねていると言うのが今目の前の出来事だ。
もう一つは「護身」
飼いゆっくりが何故街ゆっくりに負けるのか?それは飼いゆっくりが「ケンカ」のやり方を知らないからに過ぎない。
当然だがゆっくりの強さは大きさで決まる。栄養状態のいい飼いゆっくりが街ゆっくりに負ける事は本来ないはずなのだ。
それの慣らしとしてという側面もある。
…と言っても自分の目の前にいる飼いゆっくりは明らかに前者の方だが
金バッジだろうがプラチナバッジだろうが、餡子の底から善良なゆっくりなんて存在しえない。
ましてや目の前で小汚い街ゆっくりが愛られ、自分が除け者にされるのはさぞや怒りを覚える事だろう。
自分の目の前であのゲスまりさはどんどんボロボロになっていく。
悪いとは思うがこれも仕方がないことだ。
いつか必ずああ言ったゲスゆっくりはおうち宣言や飼いゆっくり襲撃を行う。
野放しにしておけば、人間と交流をもつゆっくり達にとって大きな迷惑だろう。
ふとゲスまりさの方に目を向けると、そこには飼いゆっくり達が団子のようにうねうねと固まって動いている光景が目に入った。
「ゆぎゃあああああ!ばでぃざのがみのげびっばらないでぐだざいいいいいいいいいいいい!ゆぎゅぇええええええええええええ!?」
ボヨンボヨンという音に混じって時折、「パチッブチッ」と音が聞こえる。飼いゆっくり達の隙間から、縦横無尽に小麦粉の皮が引っ張られながら口から砂糖水の涎と寒天の目から涙を垂れ流し、凄まじい表情でグネグネと動いているゲスまりさの姿があった。
あっという間に砂糖細工の産毛を数本のこした禿げ饅頭が完成していた。だが、飼いゆっくり達は今度はつまようじを舌にとって一斉にゲスまりさに突き立て始める。
「ゆっぐりやべるんだぜっゆぎゅがああああああああああ!!」
無数の爪楊枝がゲスまりさの小麦粉の皮に突き刺さる。数本はゲスまりさの寒天の目に刺さっていた。
グリグリと動かすたびに間から餡子がピュッと漏れ出し、ゲスまりさは凄まじい声をあげている。
「ゆっ!?ゆ”っ!びゅっ!ゆ”!ゆぎっ!」
不意にブチンと音がした。コロコロと寒天の目が二つ、飼いゆっくりの底部に転がる。
「っっっゆぎぃぃぃぃいいいいいいいいいいい!!!!までぃざのおべべがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
最早、小麦粉の皮をグネグネと動かす他に何もしなくなったゲスまりさは、ぽっかり空いた穴から砂糖水の涙を滝のように流して涎をそこらへ飛ばして散らす。
飼いゆっくり達がニヤニヤとしながら後ろへと移動した。一人の飼い主らしき人間がゲスまりさらしき禿げ饅頭を足をあげて一気に踏みつぶす。
「までぃざのおべべっ・・・おべべぇぇゆぎぃっ!?」
ゲスまりさの寒天の目が合った穴と口からゴポっと餡子が流れ出した。真ん中に目がけて振り下ろされた足はゲスまりさの小麦粉の皮を「凹」の様な形のままで踏み千切ってしまったようだ。
「…ゅ!…!!」とゲスまりさは微かにピクピクと震えて動かなくなってしまった。二つに分かれた底部の部分だけがむなしく「ぷりんぷりん」と左右に振られている。
それを「ゲラゲラ」と声を上げる金バッジや銀バッジのゆっくり達。
「ゆっくりする」という言葉の意味が変質してしまったあのゆっくり達は本当の「バッジ付き」と言えるのだろうか?
人間達は自分に「あまあま」を投げつけるとそのまま飼いゆっくり達と共にどこかへ行ってしまった。
・・・そこには自分と、ゲスまりさだったつぶれ饅頭が置かれているだけである。
冬の街を行く。
人気のない場所だろうとある場所だろうと、街ゆっくりの姿はほとんどない。
この時期にまでなると「あぶれゆっくり」はその姿をほとんど消す。
餌場争いに勝ち抜いたあぶれゆっくりはその場所から移動する必要がなく、それからもあぶれて街をさまようゆっくりは飢えるか凍えるかで淘汰されるからだ。
こんな時期にいるゆっくりはというと、「れいむ」ぐらいだろうか?
路地裏を経由して家路に就く途中で、案の定れいむ種に遭遇する。
「ゆ”…ゆ”…おちびちゃん・・・ゆっくりついてきてね…」
「ゆっきゅりわかっちゃよ・・・ゆ・・・ゆ・・・」
親れいむ、それと子れいむが二体。
親れいむが一体の子れいむのピコピコを加えて「ずーりずーり」と移動している。
口にくわえた子れいむはグネグネと動いているものの、寒天の両目がなく穴がぽっかりとい開いていた。
おそらくゲスまりさか何かに襲われたのだろう。
親れいむの後ろにぴったりとついてきている子れいむも、飾りが無く、親れいむ自身も右のピコピコが根元からちぎれていた。
れいむ種だけがこの時期ときどきこうやって彷徨っている。
理由は簡単「弾き出された」のだ。
・・・最近であるが、何らかの理由で越冬準備が失敗したあぶれゆっくりの中で、寄り合って「群れ」を作る場合がある。
それぞれ得意な分野で互いに助け合い、食料を平等に分けて越冬をしようといったものだ。
様々な種類のゆっくりが集まるため色々と分担して食料の調達や「おうち」の確保を行う。
例えば、まりさ種、ちぇん種は食料調達。みょん種はれいぱーありすやゲスゆっくり等が襲撃してきた時のための用心棒。ぱちゅりーは食糧の分配や指示。ありす種は「おうち」の整備等である。
その中にれいむ種は入っていない。なぜか?
特技が無いからである。
強いて言うなら「おうた」があるだろうが、そんなことは役にも立たない。そもそも越冬中はすっきりが厳しく制限されるし、子ゆっくりを教育するのは「ぱちゅりー」がいるから必要ないのだ。
また、基本的にれいむ種は「狩り」を積極的に行わないし、元来不得意である。
街でも同じだ。番がいなくなったとかそういった理由でなければ、れいむ種は食料調達に行かない。
なので、れいむ種だけはその「群れ」に入れないという場所が非常に多い。
今目の前にいるれいむ一家もそうだろう。越冬準備を失敗したか何かで群れに入れてもらおうとしても門前払いされて今の今まで彷徨っていたというところか
自分に気がついた親れいむは子れいむ二体を自身の後ろに隠し、大きく膨れて威嚇を始めた。
「おちびちゃんはれいむがまもるよ!ゆっくりどこかへいってね!」
威嚇なんてすればそれこそ街ゆっくりの餌食だ。ボロボロになった小麦粉の体は、その代償といったところだろうか。
・・・幾つかのあまあまをれいむ達の前に投げ捨てて、こういった
「それをやるからさっさとどっかいくんだぜ」
そう言って膨れている親れいむの脇を通り抜けて路地裏を抜けていく。
背後で子れいむ達がはしゃぐ声が聞こえる。なぜか自分には、それがとても懐かしい声に聞こえた。
「ゆゆ!おちびちゃんたち!ゆっくりあのまりさにかんしゃしようね!」
「ゆっきゅりできりゅね!」
「ゆゆ~んちょっちぇもおいししょうぢゃよ!」
微かに聞こえる声はそう言っていたように聞こえた・・・
なぜこんな事をしたのかわからないが、理由をつけるなら多分それは気まぐれだったのかもしれない。
次の日・・・
空は青く冴えわたり、とても陽気が暖かになっていた。自分の気分の具合かもしれないが、とにかくそんな天気だ。
公園の前で、飼いゆっくりが公園に入りそうになれば追い返す。という事をやっていたとき、ふと公園の片隅に見覚えのある影を見つけた。あれは…
「・・・あれはきのうの」
そうつぶやいた自分の視線の先には、薄汚いゆっくり達に囲まれて、壁を背に大きく膨れている昨日のれいむ一家の姿であった。
後ろには「昨日自分が渡したチョコクッキーの箱やスナック菓子の袋」と子れいむ二体がおびえて影に隠れていた。
「ゆゆ!おいしそうなあまあまさんだね!」
「はやくれいむたちにちょうだいね!」
「そうだわ!そのあまあまはとかいはなありすたちこそがたべるにふさわしいわ!」
大小さまざまな「ありす種」と「れいむ種」がぐるりとれいむ一家を取り囲んでいた。
群れにもはじかれたあぶれゆっくりだ。
親れいむは蟻も通さぬという勢いで大きく膨れて地面にどっしりと底部をつけて威嚇を繰り返していた。
「ゆっくりどこかへいってね!おりびちゃんたちがこわがってるよ!ゆっくりやめてね!」
その姿を見て他の街ゆっくり達は「ゲラゲラ」と声をあげて笑う。
そう、いつかの「飼いゆっくり達」のように・・・
「うるさいよ!さっさとあまあまをだしてね!それはれいむたちのものだよ!」
「ゆっくりできないゆっくりはゆっくりしね!」
一斉に街ゆっくり達が口に石を含んで親れいむに向けて小石を放った。
無数の小石が雨霰のように親れいむの小麦粉の皮に降り注ぐ。
「ゆぐっ!ゆぎぎぎっ!ゆ”!ゆ”!ぷくぅーーーーーーーーっ!」
ボコボコという音が聞こえ親れいむの小麦粉の皮が不規則に腫れあがる。
「ゆびぇえええん!きょわいよおおおおおおおおおお!」
「ゆっくりおきょりゅよ!おきゃあしゃんをいじめにゃいぢぇね!」
それでも親れいむは歯を食いしばり、再び大きく体を膨らませて、子れいむ達の盾となってその身に小石を一心不乱に浴び続けていた。
「ゆゆ!ゆっくりできないれいむだね!こうなったらちからづくでいくよ!」
今度は街ゆっくり達が舌に小石を持って一斉に親れいむに飛びかかった。
多少高い位置にいた時分はれいむ一家がどうなっているか、まざまざと見せつけられる形になっている。
・・・そこには砂糖細工の髪の毛を引き立てられ、小石で打ちすえられる親れいむと、グネグネと団子のように固まってありす達にすっきりされる子れいむ達の姿があった。
「おぢびぢゃあああああああん!ゆぎゃ!ゆぎぃっ!ゆっぐりやべろおおおおおおおお!ごのげずううううううゆぎっ!」
「うるさいよ!げすなれいむはだまっててね!」
「"やべろおおおお"だってさ、おお、こわいこわい」
「かわいいれいむのあまあまさんをうばったばつだよ!ゆっくりはんせいしてね!」
身を潰して耐える親れいむに降りかかるゲスゆっくり達の容赦ない悪意。
「「「「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!すっきりすっきりすっきりいいいいいいいいいいいいいいい!!」」」」
「きょわいよおおおおおおおおおおおおおおおおお!ゆびぇぇえええええええええええん!ゆっぎゅりやべぢぇねええええええええええええ!」
「ゅ”・・・ゆぎゅ・・・!ちゅぶれりゅううううううううう・・・!」
子ゆっくり達もヌラヌラと小麦粉の皮をテカらせて上下に激しくすーりすーりを固まって団子のように行うれいぱーありすたちに挟まれてもがき苦しんでいる。
飾りのある子れいむの方は、形を不規則に変えながら口から餡子を吐き出しもがき苦しんでいる。ありすの凄まじい圧迫のせいで餡子を吐き出しているのだ。
「む~しゃむ~しゃ!しあわせええええええええええ!」
「はふっ!もふっ!ぐちゃぐちゃっ!がふ!ぐふっ!ぐふっ!しあわせええええええええええ!」
「とってもとかいはね!がふぐふっぐっちゃ!ぐっちゃ!」
「はふほふっ!あまあまさんはゆっくりできるよ!がつ!ぐちゃはふっ!もしゃっ!」
あっという間に封を破られ、あまあまに群がる街ゆっくり達。
砂糖水の涎を辺りに吐き散らし、食べかすが大量に飛ぼうともお構いなしに頭を突っ込んで貪り食らう。
それから10分後・・・
親れいむは凸凹に小麦粉の皮が膨れ上がり、飾りも砂糖細工の髪もほとんど残っていなかった。
押され、圧し掛かられたせいか、口から凄まじい量の餡子が飛び出しており、所々白い何かが混じっている。どうやら砂糖細工の歯の様だ。
ピクピクと時折動いているが、もうほとんど餡子を出しつくしてしまっている。
「お・・・ぢびぢゃんは・・・れ…が…ゆっぐ・・・もる・・・よ・・・」
とうわ言のようにブツブツと言っているが、それはもう叶わないだろう。
子れいむ二体はどうなったのか?
「ゅ”・・・ゅ”・・・」
飾りのなかった子れいむの方は、無数の蔓を頭から伸ばしたまま、地面につぶれてほとんど皮だけになっている。その上を街ゆっくり達が通るたびに、しなびた茎が地面に広がっていった。
もう一体の子れいむのほうは、すでにその原形すらもとどめていない、餡子と小麦粉の皮のきれが混じって地面に飛び散っている何かが恐らく子れいむだったものだろう。
時折茎らしきものが生えているが、もう完全につぶれ饅頭になっているようだ。
時間にして約十分。あっという間の出来事であった。
街ゆっくり達は各々にのーびのーびと小麦粉の皮を伸ばしたり、歌を歌いだしたり、こーろこーろを初めて、やがてどこかへと散らばっていってしまった。
もうその場所には、かつてれいむ一家だったものしかなく、ただただ風が吹いているばかりであった・・・
冷たい風が吹いている。
だが、この「おうち」にその風は入ってこなかった。
毛布に身をうずめながら思う。
あのれいむ一家達にもしあまあま等あげていなかったら、あんな終わり方はしなかっただろう…と
いつもはどうも思わないが、今はなぜか餡子の奥にあのれいむ一家の嬉しそうな声が響き続けている。
バッジ付きゆっくりとあのゲスゆっくり達。本質的に違うと言い切れるだろうか?
少なくとも、自分には同じに見えて仕方がない。
この街で他のゆっくりに襲われて潰れ饅頭になるゆっくりはよくいる・・・本当によくいる、が
今はそれに対して怒りの感情しか浮かび上がってこなかった―――
・名前がまだ決まってないと前々から言われていましたので今回からスレでもよく言われる「羽付きあき」と名乗らせていただきます。
過去に書いたもの
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆ?・・・・・・・・・・・・ -- 2012-07-26 20:05:42
- 人もこういう環境で生きてるとこんな風になるのかなとか思ってしまった
(´⊂`)
ゆっくりにもいいやつがいるのかなぁとか思った・・・(´~`)考えてます -- 2012-05-18 23:26:49
- 街ゆで生き残るにはゲスになるしかないのかなぁ…
でも羽根付きはゲスじゃないと思うよー -- 2010-12-11 21:42:21
- 街で生き残るにはゲスにでもならなきゃ無理。のでゲスへの制裁と言ったらこれはもう一勢駆除しかない -- 2010-08-29 10:00:44
- ゲスってどれのことだろう? -- 2010-07-24 08:52:47
- 欲しい所だね、それも超鬼畜でおぞましい位の悪意を持った鬼意惨によってね -- 2010-07-20 04:14:27
- ゲスゆっくりどもへの制裁編はないのだろうか -- 2010-07-08 03:49:04
最終更新:2010年03月27日 16:58