RB-79K
先行量産型のボール。2連装180mmキャノンの他、ワイヤーを射出するウィンチユニットを備える。
性能は
ボールに比べ高いが、結局は五十歩百歩である。
劇中ではテリー・サンダース搭乗の初期型ジムを助ける為、シロー・アマダが搭乗。
ジムを半壊させた宇宙用高機動試験型ザクに対してそのギミックをフル活用し、相討ちにまで持ち込んだ。
ここまでボールが強く描かれている作品は他に類を見ない。
（「MS IGLOO」においてザクを次々に屠るボール部隊が出てくるが、これはザクが陸戦仕様であり、宇宙空間では「溺れる」しか無かったからであると思われる。）
RGM-79{E}
第一話においてテリー・サンダースＪｒ軍曹が搭乗しているジムで、形式番号はRGM-79[E]。
宇宙用
ジムとも呼ばれる。通称は宙（そら）ジム。
劇中では既に
ザクによって半壊しており、そのザクもボールとの戦闘に突入したため、詳細な性能は全く分からず、記憶にさえ残らないレベルの機体。
宇宙の工場で通常のジムと別の仕様で製造された…という設定になっているがやや不明瞭な部分が多い。
後に本機のデータを元に「
ジム改」が開発されている。
RX-79{G}
ガンダムを量産しようとした計画の第1号。通称陸ガン。
厳しい選定を落ちてしまったガンダムの余剰パーツで作られている。量産機としてはコストが高く採算が取れないために、
陸戦型ジムの生産をすることになる。というように一年戦争の影で少数ながらガンダムが量産されていたという後付設定はかなり苦しい。性能的にはドム以上
ゲルググ未満といえるが、ザク相手にも負ける可能性は十分にある。
その出自から機体性能が一定ではなく、各パーツの精度もまちまちの為、普段はリミッターで性能を一定化している。
武装はマシンガン・バズーカなどの基本装備からビームライフル・ビームサーベルといった最先端の装備も使用可能。
また、ブルーディスティニー等のように、EXAM搭載の素体として用いられる事もあった模様。
比較的早い時期から投入されたのにも関わらずワンオフ機に比肩し得る性能を持つ為、一年戦争系のゲームでは救世主的扱いされる。この機体の存在により、連邦軍がジャブロー戦以前のかなり早い時期からMSを投入していたという設定の矛盾が起こってしまうとしてちょっとした議論を呼ぶことになった。
その問題をクリアする為、実は事前に別の場所でも少数作られてた的な感じに収まることになる、色々な意味で各所に影響を与えたMSなのかもしれない。
RX-79{G}
劇中、カレン・ジョシュア機が
アッガイの奇襲を受けて破損した頭部を陸戦型ジムの頭部で代用した機体。
「ジム頭」の通称で呼ばれるが、カレン自身はあまり好きではなかった模様。
これを真っ青に塗装すると「
ブルーディスティニー1号機」に近い外見になると思われる。
前作では出現ミッションの少なさ（連邦0079「ラスト・リゾート」のみ）で鹵獲コンプの壁となった。
2009年にバンダイ発売の『HGUC 陸戦型ガンダム 地上戦セット』のコンバーチブルパーツで、この「ジム頭」が選択できる。ちなみに付属のホバートラックはかなり秀逸なキットである。
RX-79[G]Ez-8
アプサラスⅡとの交戦によって破損した陸戦型ガンダムをベースに補修・改造した機体。
これまでのガンダム作品で散見する「主人公が後半に乗る2番機」なのだが、あくまで外装を主とした改造機でグレードアップ機ではない。どちらかと言えば海賊版といった方が近い。
陸戦型ガンダムからの具体的な変更点は、
・胸部装甲に
ザクシールド二枚を追加
・頭部Ｖ字アンテナをロッドアンテナに変更
・バルカンを胸部→頭部に
・胸部に対人機関砲を搭載
・オリジナルの
ガンダムと同じく頭部にバルカン砲を搭載（ただし口径は60ｍｍではなく35ｍｍ）
・瞳が赤い（←ここ重要。主人公機で赤い瞳は本邦初。）
以上をジャンクパーツ等を用いて改修している。結果的により陸戦仕様になり外観も大幅に変わっているが、基本性能は元機と大差ない。いわば軍需産業がスタンダード製品として世に出した陸戦型ガンダムという商品を現場の人間の創意で変更したもので信頼性に関しては元機より劣るとも言われる。特に胸部のザクシールドを流用した重装甲化は、コクピットの強度を上げた一方で、耐電性は低下しており、ノリスが駆る
グフカスタムから放たれたヒートワイヤーのスパークで一時的な機能不全に陥っている。
最後の戦時記録は、ジオン公国軍秘密基地攻略作戦にてグフカスタムを退けた後、独断行動で
アプサラスⅢに交戦を仕掛け、双方相討ちの形で大破している。その際、連邦軍よりジオン側への投降と判断され、ジムスナイパーによる狙撃攻撃をも受けている。
劇中ではこの一戦のみ、僅か２、３話のみの参戦だが、宇宙世紀史上初の「素手でラスボスを撃破」という偉業を達成しており、宇宙世紀が舞台のゲーム作品ではパイロット共々それなりに扱いは良い。
特に携帯ゲーム系の「ギャザービートシリーズ(後にGジェネとしてリメイク)」では宇宙戦対応型「Ez-8改」、サラミスの主砲を移植した「Ez-8 HAC(ヘビーアームドカスタム)」、装甲を削って高速戦闘用に強化された「Ez-8 HMC(ハイモビリティカスタム)」とEｚ-8系のバリエーション派生が見られる。
RGM-79{G}
文字通り陸戦用（特に密林と山岳向け）のジム。通称陸ジム。
装甲材にガンダムと同じルナ・チタニウムを使用している。
この機体でもまだ採算が合わないため、ジムの生産をすることに。
陸戦型ガンダムとは武器の共用が可能でビームライフルも標準使用できる。
通常量産型のジムより遥かに高性能の筈なのだが、劇中の微妙な活躍具合もあってか、扱いはあまりよくないことが多い。
本作では最初期に手に入る事と武装のバランスが良いこともあって、
ジムスナイパーⅡが手に入るまでの連邦の序盤を支える優秀な機体となりうる。
ちなみに本作未登場だが、陸戦用ジムという本機とはまた別の機体がいて（
アクシズの脅威Ｖに登場）、こちらは市街地戦向けの後期生産型である。
ジオン軍
MS-06B-3
グフの改良型。「B3グフ」とも呼ばれる。08小隊にとって最大の障壁。
固定武装を廃して前腕部に脱着可能な3連装35mmガトリング砲を装備し、小型化したシールドにも75mmガトリング砲を追加することで中距離の射撃能力を強化している。カスタムとはいえグフよりさほど逸脱した性能の機体ではないが、ノリス・パッカード大佐のようなエースパイロットが好んで乗る為、戦闘指数は一般兵が乗るグフよりもはるかに高い。
劇中においてはグフより洗練された「ヒートワイヤー」を用いてジェット・コアブースター（コア・イージー）を足場代わりに次々と破壊し、「空中戦」とも呼べる三次元戦闘で連邦部隊を翻弄した。
08小隊との交戦では単機のハンデをものともせず、2手3手先を読む匠な戦いでベテランのサンダースやカレンを手玉に取り、シロー隊長のEz-8を一時起動停止に陥らせ捕虜とするなど完全な勝利と思われたが、シローは気合（と勇気）で機体を再起動。鬼神と化したシローからアイナの名を聞きノリスは唖然。アイナ様の思い人がこいつと知り、ここが自分の死地と悟る。
最終的にケルゲレン（ザンジバル級機動巡洋艦）出航最大の障害となる
ガンタンク部隊を全機殲滅し、Ez-8に機体をあえて両断させて爆散。ノリス・パッカード大佐と共に視聴者に強烈なインパクトを残した。
制式ナンバーなし
アプサラス計画第一弾。
球状の胴体の上部にザクⅡの頭部を設置している珍妙なデザインなので初見ではザクのバリエーション機かと思ってしまう。ミノフスキークラフトのテスト用なので武装は搭載されていないが、電磁衝撃波のようなものを発する。
08小隊との戦闘ではミノフスキークラフトの出力を急上昇させることで発生する衝撃波で迎え撃った。
通称「大きなルッグン」「処女MA」
制式ナンバーなし
アプサラス計画第二弾。
引き続きアイナが乗ってテストを行い、その際に08小隊と交戦した。
Ⅰのシャッター膜が取り払われ、メガ粒子砲が内臓され攻撃力は飛躍的にUPした。
射爆場をテスト飛行中、待ち伏せていた08小隊のトラップで行動不能に陥るも、推進器系の暴走を起こし、
シローの陸戦型ガンダムを道連れに雪山に墜落し、大破。最終的に機密保持の為、爆破される。
二人が温泉でキャッキャウフフする遠因を作った機体（の片割れ）。
後のアイナの発言を聞いてから見てみると、既にこの機体の時点で卑猥。
余談だが本作にてこの機体の登場する、08小隊の最後の戦いをイメージしたと思われるステージ名「ラストリゾート」は、実はその決戦のしばらくの後を描いた後日談のタイトルであり、本来は
ハイパーボスバトルの「震える山」が実質のサブタイトルである。
制式ナンバーなし
アプサラス計画第三弾にして完成形。
ギニアスお兄様の夢が形になった鉄の子宮。
Ⅱとの違いはメガ粒子砲を収束・拡散させることができ、収束させると山をも貫く威力、拡散させれば最大256本のビームで多数の敵を攻撃可能。つまり単なるジャブローへの一発砲撃MAではなく対軍隊戦にも対応できる改良機といえる。
ギニアス、アイナを乗せて出撃し、山をぶち抜き、ビック・トレーの艦橋を吹き飛ばした。
が、艦橋破壊前にはジムスナイパーの狙撃で損傷し、尚も周辺を破壊するも、シローと（ギニアスに撃たれ、シローに救出された）アイナ操るEz-8の鉄拳（という名のヘル・アンド・ヘブン）（←ここ重要）を砲口（の上のコクピット）に叩き込まれて自壊した。
その為「素手で倒された最初のラスボス」という不名誉な称号を持つ羽目に。これではお兄様も報われない。
尚、機体デザインは女性の子宮をイメージしてる（アイナも劇中で言及）。脚部らしきものは卵巣、ザクヘッドもしくはコクピットの中のギニアスは陰核※であろう。正に生殖学に則った別の意味で非常に真面目なMAなのである。
（※ 陰核は女性にとって役に立たない男性原理の象徴であり、つまりギニアス自身が役に立たない己だけの快楽を求める存在を象徴している。）
また劇中におけるギニアスの「愛など粘膜が創りだす幻想に過ぎん」といった妄言は、この機体が女性生殖器の隠喩であることを露骨に示している。この作品は実は保健体育に匹敵する深い示唆を視聴者に与えているのだ。
更にアプサラスに特攻を仕掛けるEz-8の名前は、"シャーマン・イージーエイト"と呼ばれる存在する戦車からの引用で、戦車の大砲は即ち男根の象徴である。「戦争行為は全て性衝動に根ざしている」というフロイト心理学がこの作品の根底にあることがわかり始める。更に追求すると「ラストリゾート」最終話において、アイナが妊娠してる姿を見るならば、シローアマダは実は"精子"の象徴であり、ボロボロになりながらもようやくアイナ（卵子）にたどり着けたことを隠喩しているのである。
「08小隊」という作品が単なるロボアクション作品ではなく、実は壮大な生命神話をテーマにした作品であることを聡明な視聴者は知るのである。
最終更新：2009年12月04日 19:42
