エゥーゴ 出自一覧


RX-178
シリーズ初めて(宇宙世紀で数えると3機目)の敵軍から奪取したガンダム。通称、ホワイト。
後の第一次ネオ・ジオン抗争まで活躍した名機である。敵側で作ったMSを盗み主役機として運用する設定は、これまでのサンライズ系ロボットアニメでは度々あり、「戦闘メカ ザブングル」のウォーカーギャリア、「重戦機エルガイム」のエルガイムMK-2も敵陣営からの盗用品であり、主人公用ガンダムでいえばネオ・ガンダム(例によって2号機)、ガンダムダブルエックス、フリーダムガンダムと続く。
本機はグリーンノアで開発され、カミーユが奪取した1機(とエマが投降して渡した1機に加えて更に親父(後述)が乗ってきたもう1機含め計3機)が反地球連邦政府組織エゥーゴの手に渡り白く塗装されたもの。因みにエマの乗っていた2機目はバラして1機目の予備パーツとして、3機目はアナハイムにムーバブルフレーム研究用素材として贈られた。後半ではその予備パーツも枯渇してきたようで、左腕を破損した際には腕の代用にシールドをマウントして出撃している。
カミーユの親父で主任設計者であるフランクリン・ビダン曰く「RX-78のマイナーチェンジ」であり、ガンダムの名を冠しているものの装甲にルナ・チタニウム合金は使用しておらず、チタン合金ハイセラミック複合材となっている。
しかしムーバブルフレームを初めて本格採用したという意味では革新的な機体であり、最初の第2世代MSであるともされ、本機のデータは後の機体、特に可変MSの開発に大きな影響を与えた(ただし、現在では1.5世代という微妙な扱いを受けているらしい)。
劇中では登場人物に妙に蔑まれる事の多い不遇のMSだったが、フルCG作品『Gundam Evolve』や劇場版Ζなど近年の映像作品ではムーバブルフレーム採用機としての利点を発揮した戦闘描写が与えられている。
その後はスーパーガンダムとなってレコアの駆るパラス・アテネと相打ちになり、パイロットのエマは死亡。後にファのメタスに回収されて修復され、第一次ネオ・ジオン抗争で大活躍するも、プルツーの駆るクィン・マンサに撃墜され大破している。
この機体は元機も含め、カミーユ・ビダン、エマ・シーン、エル・ビアンノ、モンド・アカゲ、カクリコン・カクーラー、ジェリド・メサ、クワトロ・バジーナ(これが映像版初のガンダム系搭乗)、アムロ・レイ(TV版のみ)、カツ・コバヤシ、フランクリン・ビダン、エルピー・プル、キャラ・スーンといった優秀なパイロットからいまいちなパイロットから技術屋からジャンク屋の不良少年から萌え系幼女から最強のニュータイプから出来そこないのニュータイプから強化人間から高校生まで、非常に多彩な人物が搭乗している。特にアムロ、シャア、カミーユの3人がそれぞれ搭乗しているのも特長(あとはリック・ディアスだけ)
デザイン上、新しいガンダムとしてデザインされた結果、初代ガンダム顔を継承し、今後のガンダム顔の方向性を示した重要な機体で、事実初代系顔とΖ系顔とを分けている。

FXA-05D
ムーバブルフレームこそ内臓しているが装甲強度および総合火力の乏しいMK-Ⅱを強化する策として、アナハイムに依頼して開発したMK-Ⅱ強化用戦闘機。別にMK-2だけでなく百式やネモとも合体できるんj(検閲削除
本機と接合し後述のスーパーガンダムと呼ばれる強化機となる。ミサイルポッドや大火力のロングライフルなど、戦闘機単体としても破格の武装を有し、あえてMK-2とドッキングしなくても十分な戦力となりうる。
本体構造は意外といい加減で基部はベニヤ板を重ねたようなシンプルな構成。MK-2と合体するには、機首のコクピットは本機より分離しなければならない(Gフライヤー形態を除く)。しかもコクピット機の武装は小口径のレーザーだけとなり、単体での帰艦はかなり大変と思われる。実際、この機体のパイロットはMK-2とドッキングはしたくないんj(検閲削除
MK-Ⅱの強度を補う代替機らしいが、外殻装甲としての機能は明らかに背面のみにしか見えない。
主なパイロットとしてはガンダム界きっての悪名高きD●Nカツ・コバヤシが有名。というかこの機体が不人気なのはコイツの依るとこが大である。

RX-178 + FXA-05D
Mk-Ⅱと支援用戦闘機Gディフェンサーが合体した状態。Gディフェンサーのロングビームライフルが特徴。ティターンズの新型MS相手にスペック不足だったMk-Ⅱも、スーパーガンダムと化すことで終盤まで互角に渡り合えた。
スーパーロボットでは無くリアルロボット路線の元祖にして本家であるガンダムでは無さそうでまあ実際無かったが遂に出てきた名称である。
というものの元々は強奪してきたMS用に専用の強化パーツをアナハイムに造らせてしまうあたりエゥーゴは侮れない。
劇中ではダンケルとラムサスのハンブラビを撃破する活躍を見せたが、ヤザンが駆るハンブラビの一撃によってGディフェンサーは大破している。なお、TV版では大活躍したこの機体だが、劇場版では登場してから数秒で撃墜されている…。

MSN-100
Z計画により生み出されたMSで開発者のM・ナガノ博士が「百年先でも活躍できる」の意味が込められている機体。リックディアス同様にΔ(デルタ)ガンダムの開発コードが与えられている。
当初は可変機として計画されていたが、変形機構に致命的欠陥が発見された為に非可変機として完成を見た。
ビーム当たったらアウアウオワタだけど完全に防ぐ手立てがないから避けるしかないじゃない(当たらなければどうということはない!by搭乗者)、というコンセプト(後のガンダムアストレイもこれ)に基づいて徹底的な軽量化が図られている為、本機体の装甲面積や密度は同世代のそれに比べて極端に少なく、脚部の一部はフレームむき出しである。
クワトロ・バジーナ専用機でピカピカの金色と他MSでも類を見ないド派手なカラーリングだが、これは耐ビームコーティング用のエマルジョン塗装を施しているためだとも言われる。別に大竹まことの金粉ショーとかそういう話は関係無い。とはいえあくま装甲の脆弱な本機を守る為の代替措置に過ぎずビームの直撃に特に強いわけでない。
武装はネモやリック・ディアス・ディジェと大差なく、百式専用と誤解されがちなメガバズーカランチャーも実はネモ2機でも撃てる。そもそもカタログスペックの上ではMk-Ⅱと同程度の性能なのでΖ後半からは明らかに息切れしていた。
その出自から鑑みるに、非変形版Ζガンダムとも言える機体なのだが…やはり変形あってのΖガンダムという事なのだろう。
この機体でジ・Oキュベレイというモンスター共を相手にしたクワトロは相当キツかったことであろうが、本作中のキュベレイのSPAに相当する攻撃を回避するなど、1stより弱体化してんなぁと言われつつも健在なシャアの技量と本機のポテンシャルの高さを伺わせるシーンもある。
後に第一次ネオ・ジオン抗争でビーチャ・オーレグが搭乗したが、極端にピーキーな性能はジャンク屋上がりの一般人には到底扱えず、大幅なデチューンが施されている。
事実ΖΖでの戦闘描写ではΖよりネモに近い、力の抜けたポーズをしている事が多い。
百式にもいくつかのバリエーションや後継機が登場しており、オリジナルの機体も第一次ネオ・ジオン抗争後もネェル・アーガマに残っていたらしいが、実際百年後まで続いたかは、定かではない。
なお、『vsシリーズ』や『ガンダム無双』ではジェリドに「ガンダムMk-Ⅱの出来損ないがぁ!!」などと言われてしまうが、作られた経緯から考えると「Ζガンダムの出来損ない」と言った方が正しいかもしれない。
ナンバリングに「MSN」とついているがたこジオングヤクト・ドーガサザビーやシナンジュとは無関係。
あちらはジオンのニュータイプ専用MSの意味に対してのNだがこちらはナガノ博士のNから取ったもの。

MSZ-006
後年ではすっかり他の高性能機体に押されっぱなしになってしまったのでイマイチ立ち位置が分からない、という声もあるが要するに、百式+Mk-Ⅱ+メタス=Ζ。初登場では主人公のカミーユではなくアポリー・ベイ中尉がこれに搭乗し、颯爽と現れるというアニメの常識を覆した登場をしている。
γ(リック・ディアス)、δ(百式)、εガンダム(不明)に続く機体としてζ(ゼータ)の名前が与えられた、ウェイブライダー状態では大気圏突入まで出来る万能MS。
簡易サイコミュの一種であるバイオセンサーの搭載により、パイロットの精神が高揚するとバリアを展開、死者の霊魂や念をも吸収して力にするという史上最高のオカルト機ΖΖも似た様な事をやったが、やはりこちらは作品そのものがそんな空気では無い為、インパクトの差が大きい。
複雑な変形機構の為、胴部にジェネレーターを搭載する容積が圧倒的に少なく、ふくらはぎに相当する部位にそれぞれジェネレーターが内臓されている。また複雑な可変機構を持つ割に新素材とムーバブルフレームのおかげで充分な強度を備えており、グリプス戦役の機体の中でも特に重装甲なジ・Oを体当たりで撃破している。シールドも健在であり、相当高い剛性を持っているのが分かる。よく「盾が無くなると変形できないんじゃね?」と言われるが、最も防御力の高いシールドを機首にしているのは一応理に叶っているとも言えなくもない。実際には空洞のあるコクピット部、しかも前面部のみを突き抜けただけなのだが、ゲームでは大人の事情で変更されている。お察し下さい。

グリプス戦役ではカミーユの愛機として、後半から一貫して搭乗し最終戦まで戦い続けている。劇場版ではハンブラビに対する羨望からか、腕部のハンドグレネード射出部に無炸薬のワイヤー弾をしこみ、あのキュベレイをワイヤートラップしている。第一次ネオ・ジオン抗争ではルー・ルカの愛機として大活躍するが、最終的にプルツーの駆るクィン・マンサと相打ちになって大破している。
ちなみにゲーム『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvsティターンズ』では本機とサイコガンダムの盾は絶対に破壊できない。

RMS-099/MSA-099
ガンダリウムγという新素材を装甲に用いた史上初のMSであり、エゥーゴの運用するアナハイム製高性能機。ガンダム試作2号機の開発データがフィードバックされているという。序盤ではグレーに塗装されていた。
コードネーム「γガンダム」と名付けられる。「リック・ディアス」の命名はクワトロ。本来は制式名称の方もγガンダムで通す予定だったが、クワトロの「こんなガンダムに似ても似つかないピザにガンダムの名を付けるのは先代に申し訳ないっすよ…」というセンチメンタルな意見によってリック・ディアスの名が付いた。
判明しているΖ計画の機体の中で唯一顔が無い。その上昔のSFアニメに出てきそうな広角の単眼カメラアイがフェイスデザインに採用されているので確かにこれを「ガンダムです」というには(目が2つあってツノがついてりゃ全部ガンダムな(by富野御大)状況からすれば)かなり違和感がある。γガンダムの名を発案したブレックス・フォーラ准将は一体何を考えていたのだろうと思うのは素人考えだろうか?
ピストル状のビームライフル、頭から近接防御機関砲(CIWS)、指からトリモチと、量産機にしてはギミック盛りだくさん。しかも見た目に似合わず高い運動性を発揮する。要するに動けるデブである。
またGディフェンサーとは合体不能だがGディフェンサーのコクピットのみは取り付け可能という良く分からない設定がある。
ちなみに本機の設定画にはディティールアップ原稿が製作当初から存在し、装甲材の積層表現など、デザイナーの永野護が相当に愛を注いだ様子が垣間見える。
TV版では後半はめっきり出番がない(悉く赤に塗り替えられた)が、劇場版では背景キャラだがしっかり登場している。

RMS-099/MSA-099
原作序盤ではシャア改めクワトロ搭乗の赤いリック・ディアス(これを盗んだカミーユの親父の棺桶)。エマもMk-Ⅱに乗り換えるまではよく乗っていた。
赤い色大好き星人であるクワトロの為の専用色であったが、最終的にすべてのリック・ディアスは、クワトロ=赤い彗星にあやかってこの赤いカラーリングに変更されている。
実はこれにはセルに使う赤色のインクが余っていて、後半にこの機体の色を赤くしたという裏事情がある。よく見れば確かに後半は赤色の機体が多い。
そんな困った事情もあり、赤ばっかじゃ赤い彗星が目立たないじゃないという訳で「赤を超える目立った色を」とスタッフが頭を捻った結果、「金色」の機体が生まれる事となった。

MSK-008
カラバ所属のアムロが乗った地上用MSで、リック・ディアスをベースにカラバが開発した。
ディアスの面影は若干残している程度でむしろゲルググに近い外観をしている。ガンダムに似てなかったりディアスに似てなかったり、色々と忙しい奴である。TV版ではアムロ搭乗用の一機しかなくEz-8と同じくワンオフの改造機と思われる。
一応、胴部がガンダム的なトリコロールに塗装されているのは、アムロの控え目な自己主張だろうか。
設定が劇場版準拠の漫画『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより』では、「チン(顎)ガードとモノアイを外せばガンダムヘッドに換装出来る」という事になっている。
事実、よくみるとツインアイがフェイスパーツの下に隠れている
ちなみに、元々はアムロの機体ではなくアクシズのハマーン様専用機MSとしてデザインされていた。
デザイン担当の藤田一己曰く「アムロが乗ると知っていればこんなデザインにはしなかった」とかなんとか。当時の製作現場の混乱と伝達不足が伝わる話である。

RGM-79R/RMS-179
一年戦争のジムをグリプス戦役時代に対応できるよう性能を引き上げたジムのマイナーチェンジ機。
第一世代MS(微妙に評価すれば1.4世代くらいか)である。全天周モニターの採用・アポジモーターの増加・出力の強化等、名機ガンダムを凌駕するスペックのはずだが、第二世代MSには一蹴されている。
エゥーゴ用の機体の盾十字モールドは反連邦の意を込め塗りつぶされている。
劇中では天才NTシロッコさんにカトンボ扱いされる。実際問題性能的には全く大した事はないらしい。
ゲーム中ではチンタラ歩いている事が多く、その姿に油断しているとトリモチ弾を中ててくるナイスなドッキリメカである。
テレビ放送当時ジャブロー降下作戦でネモカラーのものが存在し着色ミスとされていたが、模型雑誌の作例などで”エゥーゴカラー”(ネモの擬態色)として取り上げられるようになって、塗装バリエーションの1つとして公認されている。

MSA-003
「リック・ディアスはコスト高いしジムⅡはカス(蚊とんぼ)だし、もっといっぱい造れて強ぇえー量産機が欲しいんだけど」という貧乏な癖に高飛車なエゥーゴの要求に基づいてアナハイムが時代の水準に見合う性能を実現した量産型MS。通称蚊とんぼMK-2。
ジムスナイパーⅡをベースに開発されたと言われており、背面などに共通点が伺える(しかしながら、あの強烈な狙撃能力は影も形も無い)。
所詮マイチェン機でしか無いジムⅡには無いムーバブルフレームを採用し、装甲材に量産機としてはかなり異例なガンダリウムαを採用するなど、結構予算が掛かっている様子だがその為か、武装はディアスと共通と地味。更に「量産機だけどガンダリウム合金を使ってるんだぜ」というアピールポイントも、紆余曲折の事情によりマラサイの方が先に(おまけにαよりも剛性の高いγが)採用された為に大したアドバンテージには無らなくなってしまった。
台所事情が苦しいのだろうが、それでもビーム兵器はピストル2挺にサーベル1本しか持ってなかったディアスに対してライフルとサーベル2本を何とか持たせている。

MSA-005
Ζ計画におけるΖガンダムの変形機構を検証する為の試作機。
変形機構を最優先とした設計の為に実戦向きではないと考えられていたが、戦力不足のエゥーゴではそんな事も言っていられず前線に実戦投入される。
この時代のMSとしては珍しく、固定武装しか装備していないが何故かビームサーベルを6本もドライブできる。変形機構の実証機に一体どう使わせる気だったのだろうか。
上半身と下半身はなんと3本のパイプフレームのみで接続されている。こんな小中学校の卒業式で使われる指を挟んだら痛いパイプ椅子みたい構造の機体に格闘戦もやらせるのだからエゥーゴは恐ろしい集団である。まあプロレスとかでは時折パイプ椅子を凶器として担いで相手を殴るので、そういう意味では案外このメタスも実用性の高い機体なのかも知れない。更に構造の単純さが幸いして破損しても直ぐに修理→再度戦線投入も容易と、まさにリサイクルを先取りしたエコ機体でもある。
TV版では大した見せ場が無かったが、劇場版ではメガ・バズーカランチャーにエネルギー供給したり、三つ巴の最終決戦に乱入したりと大活躍。
このシリーズで本機が異様に強いのは、きっと劇場版由来なのであろう。
もともとこの機体はGディフェンサーと同じ航空機でデザインが発注されておりこれをMS形態にしたら~という意味でこんな形になってしまった

MSZ-006-3
初出はΖ本編では無く『ガンダム新体験 ‐0087‐ グリーンダイバーズ』というプラネタリウム施設を使ったCG映画。
登場シーンはわずかであり、パイロットも不明ではあったが、明らかにアムロであると暗示されていた。
「3号機」と呼ばれることもあるが、「3号機」の名称が意味するのはあくまで機体の仕様を示すもので、ベースとなった機体そのものはアナハイム社でカミーユ・ビダン機に続き2番目に建造されたもの。劇中では評価試験中だったらしい。
白を基調として青紫のラインが入った淡い色合いのパターンが印象的。
ちなみに『Gundam Evolve../9』に登場する「ホワイト・ゼータ」はこの機体の仕様変更機。


最終更新:2009年10月05日 17:05