Little Busters! (前編) ◆UcWYhusQhw
【epilogue伝えられないメッセージ~回想~直枝理樹~】
ああ。
僕は……
見上げる空は紅くて。
僕の胸のように。
ねえ、鈴、謙吾?
僕は間違っていたのかな?
僕は皆に助けられて。
僕は皆に助けられて。
そして皆は僕の為に戦って。
そして消えて。
僕だけが助かって。
こんな筈じゃなかったのに。
僕はこんなの為に頑張ってわけじゃないのに。
ねえ
僕はただ護られているだけだったよ。
聞こえてくる騒音。
命の叫び。
僕が皆と一緒に頑張ってきたもの。
リトルバスターズ。
それが散りじりになっていく。
僕は上手くいかなかったよ。
……恭介。
皆を引っ張っていくはずのリーダーなのに。
皆に護られて。
皆に護られて。
僕は何なんだろう?
……あは
わからないや。
ハサンさん。
僕届かなかった。
まだ頑張りたいのに。
まだ終わらせたくないのに。
皆が皆のリトルバスターズ。
リトルバスターズ。
ああ。
見えなくなってきた。
ねえ恭介。
僕がやった事は間違いじゃないよね……?
ああ。
ああ。
ああ。
やっぱり死にたくないや。
折角生かして貰ってるのに。
……生きたい。
……生きたいよ。
リトルバスターズはここに。
ずっとずっと。
ここにある。
「僕らの……リトル……バスター………………ズ」
【直枝理樹@リトルバスターズ! 死亡】
―――時は遡って―――
【episode1 カナシキ鬼の輪舞曲~鉄乙女~】
満たされない。
全てが。
飢えも。
乾きも。
強さも。
乾きも。
強さも。
全て。
全て。
ああ欲しい。
欲しい。
それにさっきから私の頭にチラつく男は何だ?
さっきまで覚えていたはずなのに……
あれ?
なんだ?
確かその男を食べたのは知っている。
なのに思い出せない。
彼のことが。
どういう存在だった?
彼は……?
飢えの余り忘れてしまったのか?
いつも私の傍にいた。
いつも笑顔を振りまいてくれていた。
いつも。
いつも……
いつも笑顔を振りまいてくれていた。
いつも。
いつも……
確か名前は
……レ……
なんだこれは?
なんで私の心を占める。
邪魔だ。
でも大切にしたい。
なんで私の心を占める。
邪魔だ。
でも大切にしたい。
忘れろ。そんな事。
忘れた方がいい。
どうでもいい。
この空腹を抑えろ。
この空腹を抑えろ。
抑えられない。
……あれは?
樹に人間が。
樹に人間が。
食べれなかった獲物。
ゴクッと喉が鳴る。
ゴクッと喉が鳴る。
行こうか。
私はその獲物に追い駆け出す。
私はその獲物に追い駆け出す。
その最中でも頭に残る少年。
その影を忘れようとした。
その影を忘れようとした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【episode2 希望という星の名の下に~直枝理樹~】
「そう虎太郎先生は……」
僕がハサンさんを失って逃げている時に助けてくれた人。
その人が死んだ。
あの怪人によって。
悲しかった。
あの怪人によって。
悲しかった。
でも。
それでも。
「俺達は歩みを止めちゃいけないんだ。おっちゃんの為にも。理樹」
「……そうだね……うん」
「……そうだね……うん」
僕は九郎さんの言葉に頷く。
そう歩みを止めちゃいけない。
それが虎太郎先生のためにもなると思って。
そう歩みを止めちゃいけない。
それが虎太郎先生のためにもなると思って。
そのためにもまずは情報を纏めよう。
さしあたっては九郎さんから得た情報だ。
とはいっても放送前まで共に行動していたのだ。
そこまで互いが持つ情報には違いがない。
さしあたっては九郎さんから得た情報だ。
とはいっても放送前まで共に行動していたのだ。
そこまで互いが持つ情報には違いがない。
「美希ちゃん達は行方知れず……と」
「ええ……」
「ええ……」
千華留さんの問いにユメイさんが頷く。
それは虎太郎先生と行動していた美希さん。
九郎さん達が虎太郎先生と会った時にはもういなかったらしい。
生きてるかも分からない。
そして恐らく共にいたというなつきさん。
それは虎太郎先生と行動していた美希さん。
九郎さん達が虎太郎先生と会った時にはもういなかったらしい。
生きてるかも分からない。
そして恐らく共にいたというなつきさん。
彼女も行方知らずだった。
無事でいて欲しい。
僕達五人が今できる事は祈る事だけだった。
僕達五人が今できる事は祈る事だけだった。
「これからどうしましょうか?」
「そうだね……うーん」
「そうだね……うーん」
大まかな情報交換がおわり、りのさんの問いに僕は考える。
次はどうしようかと思案してる時それは聞こえてきた。
次はどうしようかと思案してる時それは聞こえてきた。
「いーやぁぁぁああぁああああぁぁぁーッ!」
女の人の凄まじい叫び声が。
そしてズドーンと何か落ちるような音。
僕ら咄嗟に構え喫茶店を出てその場所に向かう。
襲撃者がいるかもいるしれない。
そして襲われている人がいるかもしれない。
そう思ったら体が動いた。
僕達は慌てて喫茶店を出る。
そしてズドーンと何か落ちるような音。
僕ら咄嗟に構え喫茶店を出てその場所に向かう。
襲撃者がいるかもいるしれない。
そして襲われている人がいるかもしれない。
そう思ったら体が動いた。
僕達は慌てて喫茶店を出る。
「いたぁ……いきてる……いきてるよ……ねえもうちょっと優しくできなかったの?」
「うむ。儂もどう着地すればいいか忘れておったわ」
「は、はあ!?……うーあたしよくいきてた……うう」
「うむ。儂もどう着地すればいいか忘れておったわ」
「は、はあ!?……うーあたしよくいきてた……うう」
そこいたのは泣きながら喜んでいる女の人と仮面を被ったおじさん。
あれ斉藤の仮面?
なんでだろう?
あれ斉藤の仮面?
なんでだろう?
「あー!? お前は!」
「ひ、ひぅ……」
「ひ、ひぅ……」
「うまぅー?」
九郎さんがおじさんに向かって声を上げる。
ユメイさんが怯える。
おじさんが首を傾げる。
ユメイさんが怯える。
おじさんが首を傾げる。
んー。
なんだろう?
この不思議な光景は。
あとおじさんの声は何処かで聴き覚えがある。
この不思議な光景は。
あとおじさんの声は何処かで聴き覚えがある。
「この誘拐犯!」
「失礼な奴め儂を誰と心得ている!」
「……ひぅ」
「失礼な奴め儂を誰と心得ている!」
「……ひぅ」
えっと……
九郎さん達の声をよそに僕は考える。
九郎さん達の声をよそに僕は考える。
「どうしましょうか?」
「そうね……」
「そうね……」
脇で千華留さん達の声もよそに考える。
あの姿どっかで……
あの姿どっかで……
あ……
「儂の名は橘平蔵である!」
「……平蔵さん」
「……平蔵さん」
そうだ。
平蔵さんだ。
放送で名前が呼ばれなかったから生きていると思ったけど。
……良かった無事で。
そして着てくれたんだ。
……うん。
平蔵さんだ。
放送で名前が呼ばれなかったから生きていると思ったけど。
……良かった無事で。
そして着てくれたんだ。
……うん。
「おお……良くぞ無事だったな直枝!」
「はい!」
「はい!」
僕は平蔵さんに抱きしめられる。
僕達は再会に喜ぶ。
僕達は再会に喜ぶ。
「えっと……」
「どういうことかしら?」
「さあ……あたしもわかんないというか貴方たち誰?」
「ひぅ……」
「……理樹?……だー訳分からん!」
「どういうことかしら?」
「さあ……あたしもわかんないというか貴方たち誰?」
「ひぅ……」
「……理樹?……だー訳分からん!」
あ……
後ろで困惑する仲間達。
そういえば詳しい事いってなかったっけ?
後ろで困惑する仲間達。
そういえば詳しい事いってなかったっけ?
首を傾げるりのさん。
口に手を当て不思議がる千華留さん。
腕を組んでる女の人。
ただおびえるユメイさん。
頭を抱える九郎さん。
口に手を当て不思議がる千華留さん。
腕を組んでる女の人。
ただおびえるユメイさん。
頭を抱える九郎さん。
ここに。
僕らが集めた仲間たちが。
しっかりと。
集まっていた。
僕らが集めた仲間たちが。
しっかりと。
集まっていた。
何故かそれを見た時。
僕は何故か心が躍った。
僕は何故か心が躍った。
鈴。
しっかりいるよ。
僕らの仲間たちが。
リトルバスターズたちが。
しっかりいるよ。
僕らの仲間たちが。
リトルバスターズたちが。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
彼女達は進み続けていた。
ただ言葉もなく。
ただ言葉もなく。
いや語る必要性もなかった。
彼女達はただ他のものに死を与えるだけでいいのだから。
彼女達はただ他のものに死を与えるだけでいいのだから。
参加者に死を告げる者たち。
方や最強の暗殺者。
方や人を捨てた怪人。
方や最強の暗殺者。
方や人を捨てた怪人。
奇妙な鎖で結ばれた二人はただ進む。
付かず離れずの距離で。
隙あれば相手をくらおうとの意志で。
付かず離れずの距離で。
隙あれば相手をくらおうとの意志で。
進む。
ただ進む。
絶対の意志を持って。
ただ進む。
絶対の意志を持って。
彼女達は進む。
目前に迫るは華やかな遊園地。
希望の星が宿るこの場所に。
希望の星が宿るこの場所に。
死を告げる者たちは目前へと迫っていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【episode4 新たな糸。絡み合い交差する糸~源千華留~】
「そうなんですか。クリスさんという人を探して……」
「そういう事。あたし達その為ここに来たのだけど……見てないみたいね」
「そういう事。あたし達その為ここに来たのだけど……見てないみたいね」
「それでそのクリスさん唯さんという人達は安心できるのね」
「ええ、大丈夫よ千華留ちゃん」
「ええ、大丈夫よ千華留ちゃん」
来ヶ谷という人物は理樹さんの知り合いらしい。
どうやら私に似てるらしいけど……
機会があったらあって見たいわね。
どうやら私に似てるらしいけど……
機会があったらあって見たいわね。
クリスという人物。
その人は理樹さんも会ったという静留さんを止める為に動いているらしい。
静留さんが殺し合いに乗っているとの情報を聞いた理樹さんは何処か沈んだ顔をしていた。
そしてその静留さんを止めるという鍵になるらしい人物がなつきさん。
その人は理樹さんも会ったという静留さんを止める為に動いているらしい。
静留さんが殺し合いに乗っているとの情報を聞いた理樹さんは何処か沈んだ顔をしていた。
そしてその静留さんを止めるという鍵になるらしい人物がなつきさん。
静留さんの大切な人。
そう彼女を止めるには必須な人物のようだ。
そう彼女を止めるには必須な人物のようだ。
このことを踏まえ理樹さんが決断した選択は
「取り敢えずクリスさんと来ヶ谷さんの捜索。そしてなつきさんを見つける事を優先しよう」
名を上げた3名の捜索。
クリスさんと来ヶ谷さんは共に行動し仲がよいと聞いた。
なら一緒に行動してる可能性が高い。
……まずは取り敢えずは指針が明確に決まっている人ってことね。
クリスさんと来ヶ谷さんは共に行動し仲がよいと聞いた。
なら一緒に行動してる可能性が高い。
……まずは取り敢えずは指針が明確に決まっている人ってことね。
「来ヶ谷さん……無事でいるかな」
「心配してもはじまんねえよ……他にやる事はないか理樹?」
「心配してもはじまんねえよ……他にやる事はないか理樹?」
心配する理樹さんに九郎さんが次の行動を促す。
頷いて彼は
頷いて彼は
「そうだね……後は細かい事を決めたいんだけど……葛木さん達は来ないのかな」
「葛木さんって理樹さんの仲間ですよね」
「うん……落ち合う約束をしたのだけど……心配だ」
「葛木さんって理樹さんの仲間ですよね」
「うん……落ち合う約束をしたのだけど……心配だ」
りのちゃんの問いに理樹さんが心配そうに頷く。
彼が最初に星を与えたという人物。
その仲間は待ち合わせの時間を過ぎても来なかった。
理樹さんはその仲間達がきになるのか何処かぎこちない。
彼が最初に星を与えたという人物。
その仲間は待ち合わせの時間を過ぎても来なかった。
理樹さんはその仲間達がきになるのか何処かぎこちない。
……ふう、仕方ないわね。
「私が周囲を探索してみるわ。迷ってる可能性もあるしね」
「……千華留さん?」
「……千華留さん?」
私は理樹さんにそう提案する。
このまま気になっているようでは会議も進まない。
……なら。
私はここを離れて捜索する事を考えた。
確かに単独行動で非常に危険だ。
しかし単独だからこその利点もある。
だからこその提案だった。
このまま気になっているようでは会議も進まない。
……なら。
私はここを離れて捜索する事を考えた。
確かに単独行動で非常に危険だ。
しかし単独だからこその利点もある。
だからこその提案だった。
「嬉しいけど、危ないよ」
「大丈夫よ、遊園地周辺しか廻らないから」
「……わかったよ……気をつけて」
「大丈夫よ、遊園地周辺しか廻らないから」
「……わかったよ……気をつけて」
私は理樹さんを納得させた。
これでいいわ。
リーダーが不安のままではメンバー皆が不安になるものね。
私は銃だけを持ち喫茶店から出ようとする。
デイバックも持っていこうか考えたがそこまで遠出はしないだろうしおいていく事にした。
これでいいわ。
リーダーが不安のままではメンバー皆が不安になるものね。
私は銃だけを持ち喫茶店から出ようとする。
デイバックも持っていこうか考えたがそこまで遠出はしないだろうしおいていく事にした。
「千華留さん! どうか気をつけて」
「ありがとうりのちゃん……」
「ありがとうりのちゃん……」
近寄ってきたりのちゃんの頭をなで抱きしめる。
相変わらず可愛い子……
もやもや沸き起こる感情をおさえ私は手を振りそこから出て行った。
振り返ると皆笑顔で私を送ったている。
とてもほほえましい光景だった。
相変わらず可愛い子……
もやもや沸き起こる感情をおさえ私は手を振りそこから出て行った。
振り返ると皆笑顔で私を送ったている。
とてもほほえましい光景だった。
だけどそれがわたしにとって仲間が全員揃っているのを見る最後の光景になってしまった。
――さあ……地獄の始まりだ……―――
【episode5そして始まるカナシミへの行進曲 ~大十字九郎~】
「そうか……鉄はもうそこまで」
平蔵さんが深く溜め息をつく。
俺達は怪人――鉄乙女について知ってる事全て平蔵さんに話した。
2人の人間を殺した事。
俺たちと死闘を繰り広げた事だ。
平蔵さんは天を仰ぎ目を瞑っている。
どうやら教え子らしい。
平蔵さんはどう思ってんだろうか。
……その胸中は俺には分からないけど。
深い溜め息。
きっとそれが平蔵さんの思いのような気がした。
俺達は怪人――鉄乙女について知ってる事全て平蔵さんに話した。
2人の人間を殺した事。
俺たちと死闘を繰り広げた事だ。
平蔵さんは天を仰ぎ目を瞑っている。
どうやら教え子らしい。
平蔵さんはどう思ってんだろうか。
……その胸中は俺には分からないけど。
深い溜め息。
きっとそれが平蔵さんの思いのような気がした。
「ミキミキ、無事でいて……」
「碧さん……そうですね」
「碧さん……そうですね」
美希を心配する碧。
俺と美希が出会う為に美希と行動してたらしい。
だけど美希は俺にそれを伝えなかった。
何故伏せとく必要があったのだろう?
美希が碧を信用してなかった?
俺と美希が出会う為に美希と行動してたらしい。
だけど美希は俺にそれを伝えなかった。
何故伏せとく必要があったのだろう?
美希が碧を信用してなかった?
だけど話してる限り碧は善良な人間だ。
まさか。
何か美希に都合が悪い事でもあったのだろうか?
まさか。
何か美希に都合が悪い事でもあったのだろうか?
……疑ってかかっても仕方ないか。
「じゃあ皆……詳しい事だけど」
理樹が意見を纏めようと立って皆に居ようとする。
その姿は凛として立派だ。
その姿は凛として立派だ。
だけど。
聞こえてきた。
俺たちに地獄を告げる声が。
「勝利すべき―――――」
全てを飲み込み。
また消滅させる。
「――――――――黄金の剣!!」
破滅の光が。
そうそれは鬼神が放つ最悪の光。
それが窓ガラスを飲み込みただ突き進んでいく。
狙いは理樹。
それが窓ガラスを飲み込みただ突き進んでいく。
狙いは理樹。
その光に対してすぐに体が動いたのは平蔵さん。
「直枝! 危ない!」
平蔵さんは理樹の前にたち理樹を押し光の射線上からはなす。
俺は自分のみを護る為に避けるので勢一杯だった。
そして理樹の代わりに射線上に立った平蔵さんはその光を避けることが出来ず
俺は自分のみを護る為に避けるので勢一杯だった。
そして理樹の代わりに射線上に立った平蔵さんはその光を避けることが出来ず
「ぬおおおおおお!?!?」
その半身を焦がす事になった。
俺はただその流れをただ見ることしか出来なくて。
悔しかった。
握った手が真っ赤になるぐらい。
俺はただその流れをただ見ることしか出来なくて。
悔しかった。
握った手が真っ赤になるぐらい。
「平蔵さん!」
「……大丈夫だ……直枝。致命傷ではない」
「……大丈夫だ……直枝。致命傷ではない」
理樹が平蔵さんに駆け寄る。
平蔵さんは大きな怪我を全身に負っているが致命傷ではなかった。
……可笑しい。
威力が落ちている?
俺はそんな事を考えつつ光を放った方向へ目を向ける。
敵意を持って。
平蔵さんは大きな怪我を全身に負っているが致命傷ではなかった。
……可笑しい。
威力が落ちている?
俺はそんな事を考えつつ光を放った方向へ目を向ける。
敵意を持って。
そこに立つのは鬼の化身。
俺はその名を怒りを篭めて叫ぶ。
俺はその名を怒りを篭めて叫ぶ。
「鉄乙女! 畜生……よくも!」
乙女は黄金の剣を持ってそこに立っている。
彼女はにやりと笑って
彼女はにやりと笑って
「……やっと見つけた……獲物」
そう告げると俺たちに向かってまたその剣を掲げる。
剣にまとわりつく魔力。
やばい! もう一回打つきだ。
剣にまとわりつく魔力。
やばい! もう一回打つきだ。
「避けろおおおお! 皆ああああああ!」
叫ぶと同時に俺は理樹と一緒に左に避け、りの達は右に。
平蔵さんは乙女さんの下に駆け寄った。
再び発射されようとする光。
乙女が剣を掲げその名を告げようとする
平蔵さんは乙女さんの下に駆け寄った。
再び発射されようとする光。
乙女が剣を掲げその名を告げようとする
「勝利すべき……がぁ!?」
「この馬鹿者がああああああ!!」
「この馬鹿者がああああああ!!」
が告げられることなく乙女は外に喫茶店の外に吹き飛ばされていった。
吹き飛ばしたのは橘平蔵。
彼女の師だった。
平蔵さんはそのまま理樹のほうを向き
吹き飛ばしたのは橘平蔵。
彼女の師だった。
平蔵さんはそのまま理樹のほうを向き
「直枝! お前達は逃げろ! 鉄は任せろ!」
「そんな無茶だよ! そんな怪我で!」
「無茶じゃない! ゆけい! 直枝! お前は希望なのだ! お前はここで倒れてはならぬ! だからゆけい!」
「そんな無茶だよ! そんな怪我で!」
「無茶じゃない! ゆけい! 直枝! お前は希望なのだ! お前はここで倒れてはならぬ! だからゆけい!」
平蔵さんが理樹を説得する。
理樹はその言葉にうつむき、しかしやがて顔を上げてそれに頷いた。
理樹はその言葉にうつむき、しかしやがて顔を上げてそれに頷いた。
「わかりました……どうかご無事で」
「うむ……直枝もな……大十字、杉浦、直枝を頼む」
「うむ……直枝もな……大十字、杉浦、直枝を頼む」
平蔵さんの頼みに俺はただ頷いた。
いや頷くしかなかった。
そのただ穏やかな声に俺はあのハサンと同じ様子を感じ取って。
ただ頷くしかなかった。
いや頷くしかなかった。
そのただ穏やかな声に俺はあのハサンと同じ様子を感じ取って。
ただ頷くしかなかった。
「逃げよう、皆。散開して駅で会いましょう」
「おーけい。わかったわ」
「おーけい。わかったわ」
その理樹の言葉に俺達は散らばる。
理樹と俺は左側の出口から。
りの、碧、ユメイさんは右の出口から。
ここに平蔵さんを残して。
胸にたっぷりの悔しさをもって。
理樹と俺は左側の出口から。
りの、碧、ユメイさんは右の出口から。
ここに平蔵さんを残して。
胸にたっぷりの悔しさをもって。
俺は駆け出した。
畜生……!
畜生が!
何をやってるんだよ……俺は!
ギリと歯軋りをする。
平蔵さんを残して……
俺は……
結局立ち止まったままなのか?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【episode6 OK,itistimeforhunting ~ドライ、支倉曜子~】
彼女達は辿り着いた。
憐れな獲物たちが居る場所に。
憐れな獲物たちが居る場所に。
彼女達は緊張も興奮もしない。
ただ無慈悲に。
ただ冷徹に。
ただ冷徹に。
獲物をかっていくだけ。
そして彼女が遊園地に入った時爆音が轟いた。
その時怪人が一瞬のその音に反応する。
暗殺者が怪人から離れっていった。
その時怪人が一瞬のその音に反応する。
暗殺者が怪人から離れっていった。
一瞬の隙を突いて。
暗殺者に共に行動する理由もない。
能力についてなら信頼している。
また機会があれば合流する事もあるだろう。
……最もそのときは互いに殺し合いを始めるかもしれないが。
能力についてなら信頼している。
また機会があれば合流する事もあるだろう。
……最もそのときは互いに殺し合いを始めるかもしれないが。
怪人は己の一瞬の隙を悔いた。
太一を殺す可能性があったからだ。
だがすぐに思考を切り替える。
取り敢えず今の音の場所に。
新たな獲物を狩る為に。
太一を殺す可能性があったからだ。
だがすぐに思考を切り替える。
取り敢えず今の音の場所に。
新たな獲物を狩る為に。
後は二人とも共通な事を行なうだけ。
さあ。
狩りの時間だ。
173:Rewrite | 投下順 | 174:Little Busters! (中編) |
173:Rewrite | 時系列順 | |
160:世界の中心、直枝さん(後編) | 直枝理樹 | |
源千華留 | ||
大十字九郎 | ||
ユメイ | ||
蘭堂りの | ||
杉浦碧 | ||
橘平蔵 | ||
ドライ | ||
支倉曜子 | ||
156:赤より紅い鬼神/無様を晒せ (後編) | 鉄乙女 |