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Little Busters! (中編)

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Little Busters! (中編) ◆UcWYhusQhw



【episode7Name-君の名は- ~橘平蔵~】




儂は喫茶店から少し離れた場所で鉄と対峙していた。
儂が乙女から負った傷は致命傷とは言わないが割と重かった。
お陰で体が鈍い。

今の鉄とは五分五分の勝負であった。

鉄も体が鈍そうだ。
彼女も傷を負っているらしい。

「鉄……儂の名前を覚えているか!」

「……」

儂は拳を振り上げながら鉄に問う。
鉄は黙って避ける。

……やはり駄目か。

鉄を黄泉路に送る覚悟をしていた。

……しかし儂も人であった。
鬼に成り果てた愛弟子。
それでも彼女を救いたいと思ったのだ。

甘い人間だ。

しかし。

だからこそ。

「鉄! 目を醒ませ! お前は人であるべきだ!」

鉄に人で居て欲しい。
そうさえ思っているのだから。

儂は色恋沙汰はさっぱり分からない。
それ故に対馬レオの死にどんな影響を受けたのかは想像する事ができない。

だが今の鉄を対馬は望みはしないだろう。
鉄が剣を横凪に振るう。
儂はそれをかわし


「鉄、忘れたか! お前が愛した人間の名を!」
「……っ!?」

鉄に語り続ける。
そして鉄が反応が鈍った。

やはり。

狙い目はそこか。

「想い出せ! 愛した人の名を!」
「……うわあぁあ!?」

鉄は乱暴に剣を振るう。
わしはそれを避け続け鉄を見据える。

「五月蝿い……喰われろオオオオオオオ!!!」

堪らなくなった乙女が剣を構えを儂に突撃をする。
だが儂はそれでも鉄を見据え、そして叫ぶ。

「よいか……お前が愛した人の名は対馬レオ! レオだ!」
「……あ……れ……お……あああ……あああああ」

そして

ズブリと。

肉を貫く音がした。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






【episode8 私が此処にいる理由~蘭堂りの~】


私はユメイさん、碧さんと一緒に出口に向かって走っていた。
私はただユメイさんに引っ張られたまま走っている。

あの殺人鬼も怖い。

でも今の私の心を埋め尽くされているのは恐怖ではないんです。

埋め尽くされてるのは自分に対しての負の感情で。

私は千華留さん、ユメイさん、直枝さんや皆に護れていて。
私のその優しさだけを受けていて。
でもふとあの会議の時想ったんです。

私の役割ってなんですか?って。

私は千華留さんみたいに頭も良くない。
私は理樹さんみたいにリーダーシップもあるわけじゃない。
私はユメイさんみたいに人を癒す事もできない。

じゃあ私はなんだろう?って。

私は皆に守られているだけなのかな?って。

私はなにができるのだろう。

私はただのお荷物なのでしょうか?
私は優しさに溺れてるだけでしょうか?

私はここに居ていいんでしょうか?

……わかりません。
私一人では。

……私は。

……わた……

あれ?
何か物陰から人が動いた?

そして風を切る音が。

ドゴッ


あれ?

前が……よく見えな……

視界が閉じて……

「りのちゃん!?」
「……あぁ」

碧さんの私の呼ぶ声。
ユメイさんの悲鳴。

ああ

迷惑かけちゃったのかな?


ごめんなさ……





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






【episode9 NowhereGirl~杉浦碧~】


「りのさん……あぁ」

ユメイさんの小さな悲鳴が聞こえる。

頭を真っ赤に染めるりのちゃん。
突然の襲撃だった。
気付けなかった。

またわたしは。

路地裏から無慈悲に石を放った少女がこちらを睨んでいる。
いや少女と言うにはおぞましい姿。
いうならば怪人がいた。

「ユメイさん! りのちゃんは!」
「息はあります……けど非常に危険な状態で……」

ユメイさんが泣きそうな声で状態を言う。
よかったしんじゃいないのね。
……でも、私が気付けなかったせいで。


……よし。


「ユメイさん。りのちゃんを連れて逃げて」
「……碧さんは……?」

わたしはかわらない。
いつでもどんな時でも。
例えそんなに強くなくとも。


あの時決意したんだ。
わたしは。

だからわたしは!

「……皆を護るんだ! 正義の味方として!」

意志を貫くのみ!

エレメントを出して大げさに振る。
さあ。
負けないよ。

りのちゃんもユメイさんも理樹君も。
皆、皆護るんだ!

だからわたしはここに居る!
絶対に負けやしない。

「行って! 早く!」
「わかりました……お気をつけて」

ユメイさんがりのちゃんをおぶって逃げていくのを確認して再度構えなおす。
取り敢えずの目標は目前の敵を倒す!

「さあさ、正義の味方参上! いざ尋常に勝負!」


わたしは疾駆した。

皆を護る為に。
正義の味方として。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






【episode10 怪人は冷静に判断する~支倉曜子~】


奇襲は半分成功、半分失敗。
そう怪人は判断すると目の前で喚く女を殺す準備する。

あの幼い女はこのままだと間違いなく死ぬ。
和服の女は逃がしたが今はこの女を殺す。
怪人はそう判断して斧を取り出し構えた。

あの女は何もない空間から武器を出したがさして気にする事ではない。
何があっても怪人は変わらない。

殺す。

その一念を持ちただ駆ける。


心の奥底に想いを潜めて。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






【episode11 譲れない意地にかけて ~大十字九郎~】


俺と理樹は生きるために走っていた。
平蔵さんをおいて。
理樹の顔が何処か暗い。

それはそうか。
仲間を一人置いて逃げているんだから。

「……理樹」
「……九郎さん、僕は……」
「理樹、生きよう。それがみんなの望む事だ」
「……わかってます」

大丈夫だ。
生き残ればきっと。
希望はあるはずだから。

それはおっちゃんに教えてもらったから。
そう思って駆け出す。

が。

パンととても軽い音がして。
俺はそれに察知して避けようとした瞬間掠ってしまった。
その途端俺の左肩に熱がでる。
ほとばしる鮮血。

「っあ!?」
「九郎さん!?」

……撃たれた?
何処から?
そう疑問に思った瞬間物陰から現れる人。
金髪のポニーテール。
不敵に笑って

「やれやれ、やっと見つけたよ」

くるくると銃を廻し言う。
不味い……襲撃者が他にもいたのかよ!

……どうする?
俺。
襲撃者との距離は10メートルもない。
逃げ切る事は無理だろう。

戦うとしても。
2対1だが襲撃者の見のこなしは圧倒的。
ぶっちゃけると勝てる気がしない。



……あれ?

絶体絶命?

うそーん。

……ええい、冷静になれ俺!

俺は何を頼まれた?
あの骸骨がおの主人を想う男に。

護って欲しいって。

なら。

答えは出てるじゃねえか。

俺もそうしたい。

ああ、膝が震えるよ。

だけど!

「理樹……お前は逃げろ。俺は一人でこいつを何とかする」
「……え?」

ここで男を見せないでどうするよ! 俺!
理樹は護り通す!
絶対だ!
理樹は希望だ!
ここで死なせたり絶対させない!


「そんな九郎さんは!」
「……いいから行け! ハサンさんにも言われてるだろ! お前は生きろ!」
「……でも!」
「ああ……さっさと行けーーー! 生きて生き延びろ! 反論は許さん! お前が生きなきゃいけないんだよ! 俺はお前を生かす!」

理樹が食いつく。
でも俺だって譲れない意地って物がある!

正直ビビってます。
でもここで折れたらおっちゃんにあわす顔がない。
だから俺は意地を張る。

「行け……理樹。生き延びろよ……絶対にな……じゃあな」
「……く……ろうさん……」

理樹の背をバンと押す。
理樹はその拍子に走り出した。
泣きながら。

おう。

それでいい。

生き延びろよ。

理樹。



「随分とセンチメタルだね……お涙頂戴ってか……下らない。お前ツヴァイって男知ってるか?」
「知らん!」

「そうか……じゃあ死んでくれ」
「絶対にノォ!……いやほんとうに」

ああ。

やっぱこええわ。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






【episode12 セイギノミカタとして~杉浦碧~】





「ハッ! こんなもん? 甘いよ!」
「…………」

怪人が放つ斧を裁き私は戟を振るう。
戦い自体はわたしが押しているが責めきれないと言う状況が続いてる。
ユメイさん達は逃げ切れただろうか。
ならそれでいい。
勝つ事じゃない、わたしは皆を守りきればいいのだから。

それにしても目の前怪人の不気味さがわたしを恐怖させる。
何が少女をこんな姿に豹変させたのだろうか?
殺し合いはこんな少女まで豹変させるのか。

なら止めなくちゃね。
それがわたしの役割だから。

「てやーーー!!」
「…………!?」

わたしは戟を横一閃に切りつける。
怪人はそれを受けるが受け流す事ができず吹き飛ばされる。
今が狙い目。
わたしはそのまま追い討ちをかけようとするが

「…………」
「な!? つ……うわぁあ!?」

怪人が急に放ってきた物。
それをはじき返すとそれは割れなんともいえない刺激臭と共に液体が溢れた。
それに驚き私がひるんだ隙に逃げる怪人は逃げ出した。
だけどわたしはそれを追うことはしなかった。
そしてわたしはそのまま出口に向かう。

護れればいい。
仲間を。
皆を。


正義の味方として。

それが杉浦碧としての役割。

だからわたしは……

――例えそれが自己満足や欺瞞に満ちたものでもかい?――

ええ、例えそうだとしても。
わたしは皆を守りたい。
罵られる事になっても。
道化だとしても。

それが杉浦碧の生き方


……行こう。


セイギノミカタとして

わたしは生きるんだ!


【F-7 街中/一日目夕方】
【杉浦碧@舞-HiME運命の系統樹】
【装備】:不明、FNブローニングM1910(弾数7+1)
【所持品】:黒いレインコート(だぶだぶ)支給品一式、FNブローニングM1910の予備マガジン×4、
 恭介の尺球(花火セット付き)@リトルバスターズ!ダーク@Fate/staynight[RealtaNua]、
【状態】:健康、十七歳、
【思考・行動】
 0:正義の味方として生きる。
 1:意志を貫く。
 2:美希のことが心配。合流したい。
 3:反主催として最後まで戦う。
 4:知り合いを探す。
 5:羽藤桂玖我なつきを捜しだし、葛のことを伝える。
 6:仲間との合流。
【備考】
 ※葛の死体は温泉宿の付近に埋葬しました。
 ※理樹のミッションについて知りました。
 ※理樹と情報交換しました。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






【episode13 汝、無垢なる刃、無垢なる思い ~大十字九郎~】





「ガッ……!? 今畜生が……!」
「……中々しぶといね。そこまでして理樹って奴護りたいかい?」

戦闘が始まってからやっぱりと言うべきかかなり劣勢である。
ぶっちゃけ負ける気しかしない。
肩に銃創。
脇腹と足にも銃弾が掠った。
加えて腹を蹴られ滅茶苦茶痛い。
背中にも打撲が。
意識が朦朧とする。

……いっそ一思いにやってください…………

……兎も角理樹は護れたろう。
時間は稼げた。
分にすると5分……

……あれそうでもない?

ま、まあ逃げれただろう。

「理樹って奴そこまで大事かい?」
「……ああ。あいつならきっと希望を繋いでくれる。あいつは俺らの希望だ」

数々の絶望を味わってきたあいつなら。
きっとどんな時でも進んでくれると信じられる。

だから。

「俺は今この場所で戦っているんだ! あいつを守る! この命にかけて!」

俺はここに居る。

この島から脱出する為に。
例えどんなに情けなくても。

未来に繋げる為に。

俺はここに居る。

「だから絶対! 俺は! 護るんだ! あいつを!」
「馬鹿らしい……ん?……ふふ、面白い事思いついたよ」

金髪の女はなにかおもいついたような顔をした。
何だ?

途端疾駆。

俺の腹元に潜り込み

「うご!?」

鳩尾に強烈なアッパー……
そして背中に衝撃。

「気が変わった……後で面白いもの聞かせてやるよ」


なんだ、それ
わかんねえよ
ここで死んじまうんだから。



……ここまでか……

理樹は……護れた

後は頼んだぞ。

お前が希望なんだ。

お前が頑張るの遠い空の果てで見てるから

……おっちゃん、悪い、存分にもはやくそっち逝った。

…………ああ。

……やっぱ逝きたくなかったかも……

……俺は金髪の女が笑いながら去るのを見て。

意識を手放した。


……ア…………ル……




【F-7/遊園地/一日目夕方】

【大十字九郎@機神咆吼デモンベイン】
【装備】:キャスターのローブ@Fate/staynight[RealtaNua]手ぬぐい(腰巻き状態)、バルザイの偃月刀@機神咆哮デモンベイン
【所持品】:支給品一式、アリエッタの手紙@シンフォニック=レイン、凛の宝石7個@Fate/staynight[RealtaNua]
 木彫りのヒトデ7/64@CLANNAD、物干し竿@Fate/staynight[RealtaNua]、タバコ、木彫りのヒトデ3/64@CLANNAD
 加藤虎太郎の眼鏡、トランシーバー(故障)
【状態】:気絶中、肉体的疲労(大)、背中に重度の打撲、全身に複数の打撲、肩に銃創、脇腹、右足に浅い銃創
【思考・行動】
 0:気絶中
 1:アルと桂、奏を捜索。
 2:人としての威厳を取り戻すため、まともな服の確保。
 3:アル=アジフと合流する。
 4:鉄乙女を打倒する
 5:虎太郎の生徒達を保護する。
 6:ドクターウエストに会ったら、問答無用で殴る。ぶん殴る。
【備考】
 ※千華留、深優と情報を交換しました。
  深優からの情報は、電車を破壊した犯人(衛宮士郎)、神崎の性癖?についてのみです。
 ※理樹の作戦に参加しています。 把握している限りの名前に印をつけました。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





【episode14 ヒトとして、恋する乙女として ~鉄乙女~】



ああ。

渇く。

全て。

全て。

何だろう。

飢えと渇きが止まらない。

剣から出る光は前より弱いし。

これも飢えのせいなのか?

分からない。

苦しい。

そして先程から揺さぶる顔。

何処かで見たような顔。

何だ!

何なんだ。

何処かで見たような顔。

何だ!

何なんだ。

出る様で出ない。

いい目の前の獲物を食らえ。

それが一番だろう?

「鉄! 目を醒ませ! お前は人であるべきだ!」

人?

おかしい事をいう。
さあ食事を……

「鉄、忘れたか! お前が愛した人間の名を!」
「……っ!?」

あい……した?

私の愛した人間


ああ

またあの顔が。

止めろ。

止めてくれ。

何だ。

なんで今更こんな事思い出してしまう。

違う!

違う!

飢えを満たせば!

こんな事思い出さなくていい!

思い出さないほうがいい!

思い出したら……

思い出したら……

崩れてしまう……

「想い出せ! 愛した人の名を!」
「……うわあぁあ!?」

私は乱暴に剣を振るう。

ああああああ。

言うな!
言うな!

今まで!

私は!

私だ!

ただ強者を屠って。

食らえばいい!

それでいいんだ!

思い出したくない!

ああ。

止めろ!
止めろ!

ああ!

「五月蝿い……喰われろオオオオオオオ!!!」

堪らなくなった私は剣を持ち突撃する。


止めろ。
止めてくれ。

わたしはこの衝動に身を任せればいい。

喰えばいいのだ。

そうすればいい。

そうすれば何も考えなくていい。


だから

だから……

「よいか……お前が愛した人の名は対馬レオ! レオだ!」

あ。

ああ。

ああああああああああああああああ。


オ。


――乙女さん―――



ああああああああああ。


止めろ。


ああああああ。



「……あ……れ……お……あああ……あああああ」


私は全てを振り切る思いで。

剣を突き刺した。


嫌だ。

想い出したくなかった。

何も。


気付いていたのだ。


……私は。

あの狐を食らった時に。


思い出してしまった。

判断能力が戻ってしまっていた。

自分がヒトをやめた事に。

異常である事に。

でももう戻れない。

だって沢山の罪を犯した。

ヒトの美味しさを知ってしまっていたから。

ああ。

ああ。

だから閉じ込めた。

レオという想い出を私がヒトであった時の全ての事を閉じ込めたのだ。

無理やり忘れて。

でも。

でも。

私はもう戻れない。


だから。

だから。

館長までも刺した。

ああ。

飢えを収めるにはヒトをくわらなければいけない。

どんなにそれがいけない罪でも。

私が生きるためには必要なものだから。

何故だろう。

ああ。

私は

……いい、もう一度忘れよう。


鬼なら鬼らしく。

全てを忘れて。

愛した事も忘れて。

それが一番だ。


なあ。

レオ。

それがもう……私のいき方なのだから。



バシンッ!


え?


「この大馬鹿者……やっと想い出したか。お前はヒトとして生きなければならぬ」

え?


嫌だ。

怖いんだ。

己の犯した罪が。

レオに。

許してもらえるわけがない。

「怖いんだ……私が……どんなに思ってもこの衝動は抑えられない……自分の罪が重い……」

ポツポツと語りはじめる。

私はあの狐を食べてから思い出していた。

何か不思議な力を感じていた。

そしたら思い出し始めてきた。
私が異常なことを。


でもこの人を喰う衝動は抑えられなくて。
自分がその衝動を抑えるために罪を犯してたことを隠したくて。

ただ本能に身を任せた。

恐怖のあまり。

それが最善だと想い……

私は……

「なあ乙女……お前は後悔してるか?」

後悔?

今の私はどうなのだろう?

よくは分からない。

でも。


「御免なさい……ごめんな……さい」

謝りたかった。
食べてきた者たちに。
私の罪を。

自分が生きるために他者の命を奪わないといけない矛盾。

私はそれを今更ながらに思い出して。

ただ。

謝りたかった。

「それでいい……乙女。それでいいんだ……対馬じゃなくて悪いが……」

そう言われて。

そっと。

抱きしめられた。

ああ。

あああああ。

あああああああああああ。

「御免なさい……御免なさい……ああああぁあぁぁぁああぁあぁぁぁあああああああ」


涙が。

溢れた。

ただ。

ただ。

哀しいぐらいに。

「大丈夫だ……乙女。それならまだ戻れる。戻れるんだ、その心と対馬への思いがあれば……ヒトに」

ああ。

レオ。

レオ。

私はいいのかな?

生きて。

生き続けて。

鬼じゃなくて。
ヒトとして。

もう忘れたりはしない。

鉄乙女。

対馬レオに恋した乙女として。

許してもらえるかな?

なあ。

レオ。

――勿論、大好きだよ、乙女さん―――

ああ。

ああ。


「愛してる……レオ」





だけど


――それを神は許さない――





ドンという凄まじい音。

何かが発射される音。

そして

「乙女! 危ない!」

私の事を押す館長。

そして

「おおおおおおおおお!?」

何かの爆発音。

その発射先には……

死を告げる。

包帯とトレンチコートの

死神が居た。


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