殺し合いが始まって既に三十分。
萩原雪歩はうずくったまま、一歩も動くことが出来なかった。
彼女が転送されたのはイシの村にある一軒の民家。立つことすらままならない雪歩にとっては屋内であるということだけでも救いだった。
しかし、殺し合いの現場にいるという根底は変わらない。もし今の彼女が殺人鬼に狙われれば、一瞬で殺されてしまうだろう。
雪歩自身それは分かっている。
分かっているが、どうすればいいのかわからない。
「……うっ、ぐすっ……プロデューサー、さぁん……」
助けを求めたところで、脳内に描いた”彼”が自分の前に現れることはないだろう。
これが都合のいい夢ならばあるいは颯爽と駆けつけてくれたかもしれない。だが、本当に都合のいい夢だというのならばこんな状況にはなっていないのだ。
泣きはらして、絶望して、無駄な時間を浪費してゆく。
事務所で何度か見ていたアクション映画とは違う。問題を解決するために戦う主人公の姿に憧れの念は抱いていたが、それまでだ。もし自分がそんな状況に陥ったら――など、考えたこともない。
もし菊地真ならば、こんなときでも変わらず誰かを守ろうと一生懸命動くだろう。
もし秋月律子ならば、恐怖に負けず冷静に自分がなにをするべきか判断するだろう。
けれど、雪歩は違う。
目の前で肉塊と化した巽完二の姿が、死神のように纏わりついて離れない。
首輪から鳴り響く警告音が鼓膜にこびりつき、自分の首輪からも同じ音が鳴っているような錯覚さえ覚える。
次は自分がああなる番だ――他でもない、自分自身がそう囁いているようでどす黒い”諦め”という闇が心を侵食していくのがわかった。
「いやッ――!」
震える喉奥から絞り出したのは、果たして何に対するものか。
辛うじて動いた右腕は行くあてもなく空を切り、また雪歩の顔を覆い隠す。また、意味のない行動だ。
ザリッ。
「……ひっ!?」
家の外で足音が聞こえる。
かなり近い。もともと騒いでいた雪歩の心臓は一瞬大きく跳ね上がり、先ほどの比ではない速度で鼓動を打ち始めた。
誰かがいる。理解したくないとはいえ、緊張の中で研ぎ澄まされた聴覚はそれが気のせいではないと訴えかけていた。
両手で口を塞ぎ、力いっぱい目を瞑る。
閉じた瞼の間からは大粒の涙がとめどなく溢れる。それを拭う余裕もなく、雪歩は迫りくる死の予感に生きたいという欲望をぶつけていた。
ザリ、ザリ、ザリ――
足音はどんどんと近づいてゆく。
やめて、来ないで。頭の中で必死に念じるも、神が願いを聞き入れてくれる様子はない。
一歩、二歩――駄目だ、見つかる! 完全に心を絶望が覆い切ったその瞬間、足音がやんだ。
(……え?)
まるでビデオを一時停止したような不自然な音の途絶え。
足音がないせいか自分の鼓動の音だけが響く。しかしそれも、緩やかに落ち着きを取り戻しているようだった。
(どこかに、行ってくれた……?)
諦めきった雪歩の心に僅かな光が灯る。
そのまま一分、二分と待ってみたが、足音はもう聞こえない。
幻聴だったのか、あるいは本当に誰かが去ったのか。雪歩としては前者を願いたかった。
雪歩の口から深い、深い息が溢れる。呼吸をすることも疎かにしていたのか肺が酸素を求めているのを感じ目一杯空気を吸い込んだ。
目の前の死からはひとまず乗り切った。
安堵に導かれるまま顔を上げ、目を開く。そうして雪歩の目に映ったのは、自分を見下ろす金髪の青年の姿だった。
「――い、」
全身の毛が逆立ち冷たい何かが背筋を駆け抜ける。
まだ機能している生存本能が、雪歩の喉に熱を込み上がらせた。
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁ――――ッ!!」
■
見慣れない植物に、見慣れない建物。
西暦11945年という途方もない文明から呼び出されたヨルハ二号B型、通称2Bは周囲の景色に戸惑いを隠せなかった。
いや、冷静沈着な性格の持ち主である2Bを惑わせているのは何も景色の問題だけではない。
ポッドも、オペレーターも、司令官も、9Sも――自分をサポートする存在が誰一人存在しない。その現状こそが2Bに迷いを与えていた。
2Bは普段、司令官から与えられた任務をこなすために動いている。
それをオペレーターやポッドの指示に従って、自分が何をするのか判断するのだ。
ゆえに、一人であるということに慣れていない。
言ってしまえば、自分で物事を判断してどう解決するかと考える経験をしたことは殆どなかった。
いや、正確には彼女には命令が下されている。最後の一人になるまで殺し合え、と。
しかし流石の2Bも見ず知らずの少女から与えられた無茶苦茶な命令に従うつもりはなく、殺し合いに乗る選択を除外した。
であれば当然、対主催という立場になる。
それに必要なものは何かと考えて、まずこの首輪を外せる人材が必要だと至った。
自由に動くためにはこの首輪はあまりにも邪魔だ。自分はこういったことに詳しくはないが、可能性があるとすれば9Sだろうか。
9Sはあの時集められた際に姿を見かけた。もっとも、首輪云々と関係なく9Sと合流するのが2Bの最優先事項であることは確定していたのだが。
もし9Sと合流するまでに自分に敵対する存在が現れたのならば容赦なく殺す。
そうでなければ見逃す。それが最終的な2Bの方針だった。
(それにしても……これは、なに?)
一通り考えを纏めたところで、2Bはデイパックから赤と白に彩られたボールを取り出す。
付属されていた説明書を読むに”ポケモン”という生命体を呼び出すものらしいが、使い方がわからない。
試してみたいという気持ちがないわけでもないが、もし一度限りの兵器だった場合を考えれば無闇に使う訳にはいかない。
自分の情報にはないそれを眺めていたところで、2Bは意識を別に向けることとなった。
「いやああああああああぁぁぁぁぁぁ――――ッ!!」
「……! 悲鳴!?」
方角は北、ちょうど少し先に村がある位置だ。
2Bは思考するよりも先に疾走する。やはり2Bは考えるよりも先に体が動くタイプだった。戦闘型だからというのもあるだろうが、それは2B自身の性格の問題なのだろう。
景色が溶けるスピードで駆ける2Bが民家にたどり着くのに十秒とかからなかった。
木製のドアを蹴り飛ばす。と、中には怯えた様子の少女へ青年が迫り寄る光景があった。
声の主は言うまでもなく少女。襲撃者は青年。
青年の方は2Bに向き直り警戒の表情を見せる。見たところ武装は黒い盾のみ。支給品の刀を構え青年の懐へ潜り込む2Bに迷いはなかった。
「はぁッ!」
「っ……!」
横薙ぎ、袈裟斬り、袈裟返し。
踊るように華麗でありながら強固な盾を揺らがせる力強い剣技は、青年を圧倒していた。
反撃を許さぬ連閃に青年はついに体勢を崩す。その隙を見逃さず、2Bはサマーソルトの要領で盾を蹴り飛ばす。
それなりの重量があるはずのそれは呆気なく宙を舞い床に突き刺さった。
終わりだ。そう心の中で確信しながら、2Bは着地と同時に刀での回転斬りを放つ。
そんな中、青年が咄嗟に台所からナベのフタを手にしているのが横目に見えた。
――まさか、防御するつもりか。
先ほどの剣の冴えを見た人間ならばナベのフタ程度で攻撃を防げるわけはないと理解しているはずだ。
だというのに迷いなくそれを盾にする青年は、最後の生存本能に身を任せたのだろうか。2Bはその愚行に呆れる間もなく、ナベのフタごと青年の体を断ち切らんと無慈悲に刀を振り抜いた。
パリィ――ンッ!
起きてはならないことが、起きた。
刀を振るったはずの2Bは弾かれる形で大きく体勢を崩し、対する青年はかすり傷一つ追った様子もない。
「……は?」
何をされた? なぜ斬れなかった?
アンドロイドの脳をもってしても理解が追いつかない。そして、そんな唯一であり決定的な隙は青年に反撃の機会を与えるのに余りあった。
「でりゃぁッ!」
「ぐっ……!?」
空いた2Bの脇腹に青年の足刀が叩き込まれる。
予想外の衝撃に2Bは呻きを上げ、数歩分距離を取る。さっきの理解不能な現象のせいか、刀を持つ手に痺れが走っていた。
いつの間にか青年の手にはさきほど弾き飛ばしたはずの盾が構えられている。2Bは一気に警戒のレベルを上げ、迂闊に攻めるのは危険と判断した。
――手強い。
刀を握る手が無意識に力むのを感じる。
いまさっき体験した不可解な力が最たる理由だが、不意打ちに近い形で襲撃したにも関わらず未だ傷一つ負わせられていない現状が青年の実力を物語っている。
戦闘型の機械生命体か、否か。どちらにせよ2Bは目の前の敵に生半可な攻撃は通用しないと確信した。
■
――手強い。
奇しくも青年、リンクも2Bと同じ感想を抱いた。
リザルフォスを遥かに凌ぐ機動力に加え、自分の手から盾を弾き飛ばす並外れた膂力。そして即座に戦闘法を変える知性。
ワンパターンな攻撃しかしないライネルよりもよほど脅威的といえよう。
なぜナベのフタで2Bの攻撃を弾くことが出来たのか。
理由は簡単、ガードジャストだ。元々リンクはいかに強靭な盾も一撃で粉砕するガーディアンのビームをナベのフタで反射するといった神業を成し遂げている。
そんな化物じみた技術を持つリンクが、刀を防げない理由はなかった。
もしも2Bにポッドがいれば、リンクはガードジャストを決める暇もなく蜂の巣になっていただろう。
しかしそれはリンクも同じこと。リンクが武器とシーカーストーンを持っていれば、あくまで物体である2Bの時間はビタロックによって止められ滅多斬りにされていたはずだ。
どちらが勝つにせよ互いが全力であれば一瞬で勝負は決していた。この殺し合いにおいて設けられた装備の制限が、二人に互角の戦いを演じさせたのだ。
2Bとリンクの睨み合いが続く。
張り詰めた糸に空間が縛られたようだった。そして、先にその糸を断ち切ったのは2Bの方だ。
瞬く間に射程内へ潜り込み、盾の守りが甘い足元への刺突を放つ。
閃光のように鋭く速いそれをしかし、タイミングを伺っていたリンクはギリギリで横に飛び回避する。
ジャスト回避。極限まで意識を集中させたリンクは、止まったように感じる時間の中で2Bの元へ迫り、盾でのシールドバッシュをお見舞いした。
だが、それが触れる直前突如2Bの姿が何重にもブレる。すると刹那、リンクの頭上に出現した2Bが踵落としの要領で落下するのが見えた。――ジャスト回避を使えるのは、なにもリンクだけではない。
パリィ――ンッ!
二度目の音。爽快感さえ感じるそれの音源である盾は、2Bを空中に弾き飛ばす。
くるりと縦に回転しつつ華麗に着地する2B。互いに決定打にならない攻防は、まるでよく洗練された達人同士の演舞のようだった。
だからこそ、だろう。
雪歩の瞳が二人の戦いに釘付けになっていたのは。
■
(すごい……)
雪歩は2Bとリンクの攻防に見惚れていた。
命を賭けた戦闘にしてはあまりにも美しく、激しく、非常識だったから。
自分が殺されるかもしれないという状況も忘れて、まるで誰もいない映画館の特等席に座っているような感覚を覚える。
我に返ったのはリンクが自分の目の前に躍り出てからのことだった。
雪歩を背にして2Bの攻撃を凌ぐリンクの姿は、まるで自分を2Bから守っているように見える。
思えば雪歩は、リンクに何をされたわけでもなく彼の姿を見るやいなや叫び声をあげた。それを聞きつけてリンクに攻撃をしかけた2Bも雪歩を思ってのことだろう。
殺し合いが始まって以降、今この瞬間雪歩の思考は最大限に落ち着いていた。
もしかしたら、と至った上記の思考が雪歩から恐怖を取り除いてくれたおかげだろう。
雪歩は考える。もしそれが本当ならば、いますぐにこの戦いを止めなければ――と。
「あ、あの……!」
「キミは下がってて!」
「ひゃうっ!?」
しかし、雪歩の力ない声は2Bの余裕のない叱責に掻き消される。
リンクからの言葉はない。しかし、気を抜けば殺されかねない状況の中でまともな返事を要求するのも酷な話だ。
リンクと2Bの戦いは続く。片方が攻め片方がそれをいなす。先ほどからこれの繰り返しだ。
(私じゃ、止められないの……?)
戦いを止められないという事実に雪歩は途端に無力感に苛まれた。
変わりたいと願ったのに。変わってみせると約束したのに。自分が理由で起きた戦いを止めることすら出来ないなんて――嫌だ。
震える足に鞭を打ち、立ち上がる。2Bとリンクは雪歩の状態に気を回せる余裕もない様子だった。
(……駄目、今のままじゃ駄目! 真ちゃん、プロデューサーさん……私に、私に勇気をください!)
息を吸い込む。
ただそれだけなのに、どうしようもないほどの緊迫感がつきまとう。
けれど、負けない。今吸い込んだ息を乱してしまったら、きっと変われない。
限界まで息を吸い込む。目一杯に膨らんだ肺の訴えを聞き入れて、雪歩は涙目になりながら自分の意思を伝えた。
「――戦いを! やめてくださぁぁぁぁぁい!!」
二人の戦士の肩が震え、互いの動きが静止する。
呆気にとられたようにこちらに顔を向ける二人を見て、雪歩はやっと一歩踏み出せたのだと安堵した。
■
(どうして、こうなった?)
雪歩の説得によりリンクとの戦いを中断して数十分ほど。
2Bは困惑した様子で木製の椅子に腰掛けていた。ゴーグルで隠された瞳の先には、リンクが鼻歌交じりに料理をしている姿。
そして自分の隣にはどこか期待に満ちた表情でリンクの後ろ姿を眺める雪歩。例の叫び声を挙げた本人とは思えないほど活気を取り戻していた。
互いの誤解が解けたリンクと2B、そして雪歩はそれぞれ自己紹介を兼ねた情報交換を行った。
そこでわかったのは全員殺し合いに乗るつもりはないということと、他の参加者とは会っていないこと。そして、全員の住む世界がまるで違っていたということ。
2Bの世界では西暦が11945年まで進んでおり、人類は皆月に移住していた。そして自分たちアンドロイドが機械生命体から地球を守っているのだと話した。
しかし雪歩の世界は西暦2000年代であり、人類移住化計画などまるで現実味のない話だった。意思を持ったアンドロイドなどもってのほかだ。
二人の間に生じた矛盾に最初こそどちらも疑念を呈したものの、雪歩の必死な態度や2Bの人間離れした身体能力からそれが真実なのだと互いに理解した。
そして一番の問題はリンクだった。
ハイラル、厄災ガノン、ガーディアン、ゼルダ姫。まったく聞き覚えのない単語が当然のように飛び出した。
彼が言うには自分の世界は厄災ガノンという存在がハイラルという世界を支配しようとしているらしい。まるでおとぎ話のようで、雪歩は目を輝かせ2Bは頭を抱えた。
リンクはあまり感情を表に出さない性格のようで、真顔でそれを語っていたのだから真偽の判断も難しい。ひとまずは全員の情報を真実とする、という結論で片付いた。
その際に2Bは9Sという首輪を外せるかもしれない存在がいると二人に話した。
9Sの捜索を方針とすることに雪歩とリンクは賛同したが、その際に雪歩が行き先を提案した。
D-2、765プロ。雪歩が所属していたアイドル事務所だ。自分以外のアイドルが参加させられていた場合、そこに向かう可能性が高いと雪歩が判断したからだ。
これに2Bもリンクも特に反対はしなかった。9Sがどこにいるか分からない以上、闇雲に探すよりも行き先を決めたほうが今後も動きやすいだろう。
閑話休題。
そんなこんなを経て、リンクが誤解をさせてしまったお詫びにと料理を振る舞うことになった。
食材はリンクに支給された基本食料品である肉とリンゴ、そしてイシの村から調達したカボチャの三種類。一見組み合わせが良いとは思えないものの、台所から立ち込める香りが雪歩の食欲を刺激した。
正直なところ雪歩は食事をする気分ではなかった。けれど普段無表情なリンクがあまりに楽しそうに料理をするものだから、それに釣られて眠っていた空腹感が顔を出し始めたのだ。
「できたよ」
「わぁ……! ありがとうございます、リンクさん。いただきます!」
ことん、とテーブルに置かれたのは肉厚なステーキにカボチャのソースがかけられ、焼きリンゴが添えられたボリューミーな料理。
一見脂っこく見えるがしっかりと火を通した肉は脂身が落とされており、ひとくち口にした雪歩はその深い味わいに目を丸めた。肉の旨味に加えてカボチャのほんのり甘いソースが肉本来の味を強調させる。
付け合せの焼きリンゴも、しつこすぎない甘さが口の中をさっぱりさせてくれる。雪歩は夢中で食べ進め、席についたリンクも自分の料理をガツガツと食べ始めた。
そんな二人の様子に2Bはため息をつく。
本当に状況を分かっているのか、と叱責してやりたかった。今こうしている間にも9Sは危険な目に遭っているかもしれないと考えたら気が気じゃない。
2Bの視線に気が付いた雪歩はふと顔を上げ、ばつが悪そうに切り出した。
「あの、2Bさんも……食べますか?」
「え? ……いや、私はいい」
「そうですか? なんだか寂しそうだったので……」
寂しそう? 身に覚えのない感情を指摘され、2Bは首を横に振る。
その後も何度か雪歩は食事を勧めてきたが、しつこいという2Bの言葉に一蹴された。いつの間にか食べ終わっていたリンクはデイパックから取り出したマップを広げまじまじと見つめている。
「リンク」
「? どうしたの?」
「貴方は、ハイラル城という場所に向かわなくていいの?」
そこで、2Bは少し前から抱いていた疑問をぶつける。
ハイラル城、マップに示されたその場所はリンクに関わりが深い城だ。さきほどの話し合いからもそれは容易に察せる。
リンクは少し悩むような素振りを見せたあと、相変わらずの無表情を貫いたまま口を開いた。
「大丈夫」
「なぜ?」
「多分、ハイラル城には誰もいないから」
リンクの言うことはもっともだった。
厄災ガノンに乗っ取られたハイラル城には危険なガーディアンがはびこっている。
この会場に厄災ガノンがいないことはすぐにわかった。魔物が発する邪悪な気配が一切感じられなかったからだ。
となると、厄災を抑えていたゼルダもわざわざ危険な城に向かう理由はない。手がかりを探すために向かうには危険すぎる場所だということは、ゼルダ自身にも分かっているはずだから。
短い言葉に込められた意味を2Bは全て理解することはできない。しかしそう語るリンクの顔は強い確信に満ちており、2Bはそれ以上意見する気になれなかった。
用は済んだとばかりにリンクは再び地図へ視線を向ける。淡々としたその態度は2Bを持ってして機械のようだという印象を抱かせた。
「ご、ごちそうさまでした」
冷たい空気を壊す一声。
見れば雪歩の皿に乗っていた料理は綺麗になくなっている。
彼女の「ごちそうさま」という言葉は暗に出発するという合図だ。現に2Bとリンクは既に準備を終えていた。
アンドロイドとハイリア人、そしてただの人間。
性格も種族も世界も全く異なる三人は、同じ旗の下で反逆の一歩を踏み出した。
【A-1/イシの村/一日目 深夜】
【リンク@ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド】
[状態]:健康 満腹
[装備]:デルカダールの盾@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[道具]:基本支給品(残り食料5/6)、ナベのフタ@現実
[思考・状況]
基本行動方針:
1.D-2、765プロへ向かう。
2.首輪を外せる者を探す。
3.ゼルダが連れてこられているかどうか情報を集めたい。
※厄災ガノンの討伐に向かう直前からの参戦です。
【ヨルハ二号B型@NieR:Automata】
[状態]:健康
[装備]:陽光@龍が如く 極
[道具]:基本支給品、モンスターボール(中身不明)@ポケットモンスター ブラック・ホワイト
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いの破壊。
1.D-2、765プロへ向かう。
2.首輪を外せる者を探す。9S最優先。
3.遊園地廃墟で部品を探したい。
4.モンスターボール……ってなに?
※少なくともAルートの時間軸からの参戦です。
※
ルール説明の際、9Sの姿を見ました。
【萩原雪歩@THE IDOLM@STER】
[状態]:不安 満腹
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ナイフ型消音拳銃@METAL GEAR SOLID 2(残弾数1/1)
[思考・状況]
基本行動方針:
1.D-2、765プロへ向かう。
2.協力してくれる人間を探す。他に765プロの皆がいるなら合流したい。
3.2Bさんやリンクさんと仲良くなれるかな……。
【デルカダールの盾@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて】
リンクに支給された大きな黒い盾。
元々はグレイグがデルカダール王から譲り受けた一品物。デルカダール王国伝来の盾で、王国最強の騎士に与えられるという。
中心部分に国章である「双頭のワシ」がデザインされている。
【陽光@龍が如く 極】
2Bに支給された刀。特殊能力で気絶効果がある。
攻撃力は230。龍が如く 極本編でこれを越える攻撃力を持った刀は「朝嵐」と「龍殺し」しかない。
【モンスターボール@ポケットモンスター ブラック・ホワイト】
2Bに支給。皆さんご存知ポケモンが入ったボール。
どんなポケモンが入っているかは後の書き手さんにおまかせします。
【ナイフ型消音拳銃@METAL GEAR SOLID 2】
萩原雪歩に支給された特殊な拳銃。
見た目はファイティングナイフだが、柄部分に単発のハンドガンが組み込まれている。
使う際には柄の底を相手の方に向け、柄の側面にある安全装置を開きながら、底面横に備えられたスイッチを操作すると弾丸が発射される。
最終更新:2021年01月17日 17:44