はるかなるときのかなたへ
概要
本作のエンディングスタッフロールで流れる曲。
『クロノ・トリガー』はマルチエンディングを採用しているが、「時の向こうへ」と「再開」の2パターンでこの曲が流れる。
ピアノの音色が旅の終わりへの寂しさと
未来への希望を感じさせるものとなっている。
曲の終盤では時計の振り子の音とともに
メインテーマのフレーズが流れ、時をめぐる物語の終幕であることをより印象付けている。
オープニングの「予感」のコード進行はDsus4→Esus4/F#→Dsus4/FですがDsus4→Esus4/F#と進みかけた時(ベースがD→F#と上行して進んでいる時)次のコードを意図的にDsus4/Fというコードにすることによって「時」が戻る(ベースがF#→Fと戻る)、いわゆるタイムトラベルものである「予感」をプレイヤーに提示するという意味でこのような進行にしました。
そして「遥かなる時の彼方へ」はD♭-Durですが、分かりやすく「予感」と同じ調にするとAメロのコード進行はDsus4→Esus4/F#→Dsus4/Gになります。
Esus4/F#の次のコードをDsus4/G(ベースがF#→G)に上がることにより、時が進んでいる(進みはじめている)という意味が込められています。
このように、「遥かなる時の彼方へ」は同じコード進行やテーマを使いながら未来へ向けて動き出すということを表現しているわけですが、もう一つ「遥かなる時の彼方へ」には重要な要素が隠されています。
それはテンポ60BPM(1秒間に1拍)の2倍(2名=クロノとマール)の120BPMになっています。
つまりゲームが終わり、我々が使っている時間の概念に戻ることにより冒険の終わりを告げています。
本来は「予感」と「遥かなる時の彼方へ」は同じ調で作っていたのですが、もう少し物悲しさを表現したかった為、調をD-DurからD♭-Dur変更しました。これにより更に印象に残る響きになったと思います。
実は元々この曲は『クロノ・トリガー』の曲として作曲された曲ではなかった。
2008年のDS版発売の際
公式サイトでの光田康典氏のインタビューにおいて、この曲は制作に携わる前から書いていた曲であることが明かされている。
元々はある方に送る曲で、共に同じ時代を生きたいという思いを込めて作曲したとのこと。
そのため他の曲とは別格で思い入れのある曲であると打ち明けている。
更に後年2083WEBで、2015年に
光田氏の作家20周年記念インタビューにおいて更に詳細が語られることになった。
高校2年生くらいの時に大親友が亡くなった際、その人のために書いた曲だったと明かされている。
このため元々はゲーム曲として使うつもりはなかったのだが、この時の経験とクロノ・トリガーのエンディングがリンクし、考えた末に使うことにしたとのことである。
ゲームに合わせて追加修正はしているが、大元のメロディやコード進行は当時のままだそうだ。
「遥かなる時の彼方へ」は高校生の時に亡くした親しき友人への想いが込められています。一部分のモティーフは高校生の時に書いたもので、クロノと重なる部分を感じ一部使用することにしました。
やはりこの曲はダメですね。涙が出てきてしまう。辛いことがあっても常に前向きに、そんな思いを込めて作った曲です。
時を超えてなお多くの人に感動を与え心に響く曲であるのは、このような作曲の経緯もあるのだと思われる。
過去ランキング順位
サウンドトラック
クロノ・トリガー オリジナル・サウンド・ヴァージョン
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最終更新:2025年04月19日 17:50