ゲームダイナミクス

ゲームダイナミクスとは

直訳でゲーム動力学。数多くあるゲームメカニクスをダイナミクスに分類したもの。ソーシャルゲームアナリストの岡村健右(おかむらけんすけ)氏がネット記事上にて紹介している。

岡村健右氏は、47つのゲームメカニクスを下記のようなダイナミクスに分類している。[1]
  • ボーナス・ダイナミクス(時間、回数)
  • アチーブメント・ダイナミクス(達成、進捗)
  • アクション・ダイナミクス(ユーザ行動)
  • コンペティション・ダイナミクス(競争)
  • コミュニティ・ダイナミクス(共同作業)


47のゲームメカニクス

以下では「SCVNGR's Secret Game Mechanics Playdeck」を日本語へ翻訳(意訳)したものなどを基にそれぞれの項目を独自に定義づけて記載していく。

  • Achievement
達成:目標を達成した際に貰える物理的な表現。つまり報酬のこと。
(例:バッジ、レベル、ポイント、報酬)

  • Appointment Dynamic
アポイントメント・ダイナミクス:あるものを得る、あるいは効果を得るために、所定の時間、場所にログインしなければならない仕組みのこと。
(例:タイムセール)

  • Avoidance
回避:目標を達成したことで報酬を与えるのではなく、損失を無くすことで、ユーザーの行動を誘導する仕組みのこと。
(例:○回以上参加しないと×を失う。失わないようにユーザを行動させる)

  • Behavioral Contrast
行動対比:動作の変更予測に基づいて大幅に変更される動作方法の理論的定義のこと。(?)

  • Behavioral Momentum
行動のはずみ?推進力?:やっていることをやり続ける傾向のこと。

  • Blissful Productivity
至福の生産性:ゲームをプレイする際、リラックスするよりも一所懸命頑張ることで幸せを感じるという考え。

  • Cascading Information Theory
情報カスケード理論:情報は、ゲームの物語の間に各地点に、プレイヤーが理解できる最少レベルに分けて提供されるべきであるという説。

  • Chain Schedules
鎖スケジュール?:一連の偶発的事象と報酬とを結びつける習慣・スケジュールのこと?
例:竜の洞窟に入るために、ゲーム上に表示された龍を30分ごとに10頭殺す

  • Communal Discovery
共同的発見,コミュニティ協力:コミュニティ全体および仲間同士で謎・問題・課題を解決するために一緒に行動すること。
例:DARPAのバルーンチャレンジ

  • Companion Gaming
コンパニオンゲーム?複数のプラットフォームにまたがって遊ぶことができるゲームのこと。
例:iPhoneやFacebook、Xbox上で再生されるゲーム

  • Contingency
不測の事態:プレイヤーは報酬スケジュールの3つの部分を克服する必要があるという仕組み。

  • Countdown
カウントダウン:一定の限られた時間しか与えられない仕掛けのこと。

  • Cross Situational Leader-boards
状況的リーダーボードの横断:ランク付けの仕組みが、ゲームシナリオ間で複数印加されたときに発生する。

  • Disincentives
阻害要因:ペナルティを設けることで、プレイヤーの行動を誘導すること。

  • Endless Games
終わりのないゴール:明示的な終わりがないゲーム。
RPGではなく、コンテンツが追加されていくカジュアルゲーム(カード、パズル、スポーツ…)が当てはまる。

  • Envy
羨望:他のプレイヤーが持っているものを持ちたいという欲求

  • Epic Meaning
壮大な意味(勇敢な意味?):プレイヤーは、偉大なこと、畏敬の念を起こさせること、自分よりも大きなことを達成するために取り組んでいると感じると、プレイヤーが意欲的(動機付けされる)になること。

  • Extinction
絶滅、消滅、消失:報酬の提供停止を示す言葉。プレイヤーは、報酬が得られない、あるいは期待以下であると不満を持ち、怒りに繋がる。

  • Fixed Interval Reward Schedules
固定間隔の報酬スケジュール:報酬が一定期間後に得られる仕組みのこと。
例:24時ちょうどに補充アイテムがもらえる

  • Fixed Ratio Reward Schedule
固定比率の報酬スケジュール:プレイヤーがアクションを一定回数以上すると報酬が得られる仕組みのこと。
例:5つの場所を訪れるとバッジが貰える

  • Free Lunch
フリーランチ:プレイヤーが無料でも他者のために行動したいと思う原動力。
例:グルーポン

  • Fun Once, Fun Always
一度の楽しみ、常に楽しみ?:楽しいアクションは、常時繰り返されるようにするという考え。

  • Interval Reward Schedules
インターバルな報酬スケジュール:一定期間後に報酬が提供される仕組み(可変と固定がある)
例:N分待機し、家賃を集める

  • Lottery
くじ:当選者は偶然に決定されるという仕組み。高いレベルの期待を作るが、公平性がしばしば疑わしい。
当選者は無限に楽しむが、敗者は素早くゲームを破棄してしまうことが一般的。

  • Loyalty
忠誠心:部分的に所有権を有するという気持ちを導く実体へのポジティブで持続的な繋がりを感じるというコンセプト。(?)
多くの場合、視覚的な表現で補強される。

  • Meta Game
メタゲーム:別のゲーム内に階層的に存在しているゲームのこと。

  • Micro Leader-board
マイクロリーダーボード:微整定?マイクロセットに含まれる、個人のすべてのランキング。

  • Modifiers
修飾子:アイテムを使用することで、他の行動に影響を与えること。

  • Moral Hazard of Game Play
ゲームプレイのモラルハザード:ゲーム内の操作は、やりがいのある人々によって、アクションすることによる実際の道徳値を削除して、代用のゲームベースの報酬と交換されないというリスク。(?)行動を取るには余りにも多くのインセンティブを提供することにより、実際に実行されるアクションを楽しむことのインセンティブが失われるというリスク。

  • Ownership
所有:ゲームへの忠誠心を生み出す強力な仕組みのこと。

  • Pride
プライド:達成したことによる所有と、所有したことによる喜びの気持ち。

  • Privacy
プライバシー:特定の情報が公に公開されるため、プライベートな情報ではないという考え方。
例:あるアプリを使って体重を測定する。測定された体重がTeitterへ自動ツイートされる

  • Progression Dynamic
動的進行、進行度:成功がタスクの達成度ごとに細分化されて表示する仕組みのこと。
例:パラディンレベル1からパラディンレベル60にレベルアップを示すバー

  • Ratio Reward Schedules
比率的な報酬スケジュール:いくつかのアクションをした後に報酬が提供される仕組みのこと。

  • Real-time v. Delayed Mechanics
リアルタイムと遅延メカニクス:リアルタイム情報は、遅延による阻害がなされない。(つまり、リアルタイムで情報が提供されるということ)
遅延情報は、一定時間の経過後に解除されるという仕組み。
例:リアルタイムのスコアが瞬時反応(満足感や意欲喪失)を引き起こす。

  • Reinforcer
強化因子:予想されるアクションが、報酬スケジュールの3つの部分パラダイムで行われる場合に与えられる報酬。

  • Response
反応・応答:報酬スケジュールの3つの部分パラダイムにおけるプレイヤーからの期待アクション。

  • Reward Schedules
報酬スケジュール:報酬が与えれれる期間と方法に関する仕組みのこと。偶然性・反応・強化因子の三つの要素から成り立つ。

  • Rolling Physical Goods
有形グッズのころがし:

  • Shell Game
シェルゲーム:プレイヤーがあたかも自分で選択したように表現されるゲームは、実際、演算子が望む結果に導かれている…という考え。

  • Social Fabric of Games
ゲームの社会構造:他者と一緒にゲームをプレイした後に、お互い仲が良い人々は、より高いレベルの信頼と壮大な意欲を持っているという考え。

  • Status
ステータス:プレイヤーのランクやレベルのこと。ステータスを見ることで、プレーヤーは、より高いレベルやステータスに到達しようと動機づけられる。

  • Urgent Optimism
楽観主義:極度の自己動機付けのこと。成功への合理的な期待があるという信念を持ち、障害を克服しようとすぐに取り組もうとする願望。

  • Variable Interval Reward Schedules
可変間隔の報酬スケジュール:一定期間の後に報酬を提供する仕組みのこと。

  • Variable Ratio Reward Schedule
可変比率の報酬スケジュール:アクションの一定量ではなく、未知量の後に報酬を提供される仕組みのこと。

  • Viral Game Mechanics
バイラル(ウィルス)ゲームメカニクス:複数のプレイヤーがプレイする必要がある仕組みのこと

  • Virtual Items
仮想アイテム:デジタル的な景品、報酬、ゲーム進行中に発見、獲得した物のこと。


関連項目


参考文献


脚注


外部リンク

最終更新:2012年11月21日 13:13