…朝から王様に呼び出されてしまった
ハッキリ言って今の時間はまだまだ寝ている時間で
優雅な睡眠時間、後に至る小鳥さんとのいちゃいちゃタイムを阻害され
私は物凄く不機嫌極まりなかった
ハッキリ言って今の時間はまだまだ寝ている時間で
優雅な睡眠時間、後に至る小鳥さんとのいちゃいちゃタイムを阻害され
私は物凄く不機嫌極まりなかった
「ちまよちまよ…」
むっすー
中には「貴様ぁ!王に向かって何たる態度」と激高する兵士は居るんですが
むっとしているのはこっちもだから仕方ないでしょう?
むっとしているのはこっちもだから仕方ないでしょう?
「なぁちまよー『無茶振りの練習』とか言ったのは謝るから機嫌直してくれよ」
見た目のモップ感とは裏腹に案外フランクな王様の黒い方
でも言いたい事は言っておかないとと思い
でも言いたい事は言っておかないとと思い
「私と小鳥さんの大切な時間が奪われてしまった事に怒っているんです
朝のこの時間、丁度今頃ですよ、小鳥さんはそろりそろりと私を起こしに来るんです
おはようと囁きかける前の小鳥さんから、息遣いやらシャンプーの香やらを楽しむんです
おはようと囁かれた後は吐息の一つ、音の一つも漏らさず脳髄まで浸透させるのです
目を覚まさなければ愛しそうに微笑んで私の髪を撫で始めるのです」
朝のこの時間、丁度今頃ですよ、小鳥さんはそろりそろりと私を起こしに来るんです
おはようと囁きかける前の小鳥さんから、息遣いやらシャンプーの香やらを楽しむんです
おはようと囁かれた後は吐息の一つ、音の一つも漏らさず脳髄まで浸透させるのです
目を覚まさなければ愛しそうに微笑んで私の髪を撫で始めるのです」
「あ、あの」
目が覚めてない時の悪戯ってを把握できるの?
あとちょっと変態っぽくね?…と、思ったんだけどちまが止まらねぇ
目が覚めてない時の悪戯ってを把握できるの?
あとちょっと変態っぽくね?…と、思ったんだけどちまが止まらねぇ
「無茶振りの女王って誰だか知っていますか王様
私はその無茶振りの女王と毎日の生活を供にし、今となっては
ほんの些細なネタ振りに寝ながら返してしまうという技さえあります
その私が練習レベルの無茶振りに怒ったりしませんよ
ああ小鳥さん、貴女は今朝どんた手で私を困らせてくれるつもりだったのですか?
私はその無茶振りの女王と毎日の生活を供にし、今となっては
ほんの些細なネタ振りに寝ながら返してしまうという技さえあります
その私が練習レベルの無茶振りに怒ったりしませんよ
ああ小鳥さん、貴女は今朝どんた手で私を困らせてくれるつもりだったのですか?
それもわかりません、すみません小鳥さん」
まるで何処かで逢ったくろまくのように左手を胸元に、右手を前に掲げながら言うちま
宝塚ってこんなんなのかなとか変な事思ってたんだけど、ちま止まった、これチャンスじゃね?
「わかった、わかったから落ち着くんだ
俺が無茶振りの練習台にして怒ってるんじゃないとしたらさー…ちま」
俺が無茶振りの練習台にして怒ってるんじゃないとしたらさー…ちま」
「はい、今度は何を?」
「俺の兄弟をアイドルとして育てない?」
…
「…は?」
その反応はもっともだ
聞いた時、俺はもちろんとしてパン娘さんも仰天してたしな
聞いた時、俺はもちろんとしてパン娘さんも仰天してたしな
「小鳥さんがこの前変なサンドくれてさ」
カブの酢漬けサンド…農場のかぶ女ミストの心と身体に傷を負わせた凶々しい一品
「それ食った兄弟がちっさくなったまま戻らなくてな?」
「…それとアイドルに何の関係が」
「兄弟が急に言い出したんだよ『アイドルになるわ』ってさ…俺もパン娘さんも止めたんだぜ?」
「お義母様?」
「パン娘さんの店に昼飯食いに行った時に言い出したからな…パン娘さん仰天してたよ」
こう言っては何だけど、お義母様は仏頂面の部類に入ると思う
誰ですか今むっつりスケベって思った人は
誰ですか今むっつりスケベって思った人は
まぁそのむっつりお義母様がおもむろに驚く様を想像して和んでしまう私
「お義母様が止められないのに私でどうなるとも思えませんが」
「アイドルに育てるのが嫌なら、一緒に旅立ってそういう気を無くさせてくれ
留守中は俺がなんとかするから」
留守中は俺がなんとかするから」
「旅立って…って?」
「ちま…お前まさか忘れてたんじゃ」
忘れてた
これでもかと言うくらい忘れてた
これでもかと言うくらい忘れてた
「わ、忘れてた訳ではないですが、お義母様に聞けば、人畜無害な魔王のようですよ?」
「うん…実は何もしてないどころか、貧困街の奴ら救済してるみたい」
「良い魔王じゃないですか」
「まぁ『倒せ』というのは名目上だな…そうしないと予算出ないし」
うわ…
「素行調査してきてよ、何人か引き連れて行って良いからさ
当然、報酬や費用なんかは後で支払う」
当然、報酬や費用なんかは後で支払う」
「ご自身の兵は?」
「こいつら自宅警備のとしあきだから外出なんてできないんだよ」
それで良いのかこのお城
「まぁ…私も少し気になる事がありますんで、それを調べるついでに、でよろしければ」
「充分だ」
「ただし、青い方の王様をアイドルに育てるのは嫌ですし、一緒には行きませんからね?」
「それは仕方ないな」
…結局
有耶無耶にしたまま流そうと思ってましたが駄目でした
有耶無耶にしたまま流そうと思ってましたが駄目でした
「覚悟…決めますか」
毎朝小鳥さんに起こしてもらえなくなるのが憂欝でならなかったが
さて…