教育職員免許


学生便覧に記されている方法


「文学部では、中学校の国語、社会、英語、ドイツ語、フランス語、
高等学校の国語、地理歴史、英語、ドイツ語、フランス語の
教職免許状を取得することができる。」

学生便覧にはこのように記されています。

 これは卒業前に学生支援室にて手続きをすることで、卒業証書と一緒に
教員免許状が授与されるというもの。

つまり、本来教育委員会が行う手続きを、学生支援室が代行してくれるのです。

それでは、教職免許を取るためには、どうすれば良いでしょうか?

まず、学生便覧の「教育職員免許状の取得について」というページを見ると、
教養科目の中から

 日本国憲法2単位
 体育(スポーツ科学、運動科学、スポーツ実習ABC)から2単位
 外国語(コミュニケーションⅠⅡAB)から2単位
 情報活用演習2単位(学部学科によっては情報活用基礎など異なる)

が、必修科目として定められています。

 次に、「教職に関する科目」です。
「教職入門」や「各教科の指導法」、「総合演習」と言った教科が該当します。
恐らく「各教科の指導法」を除けば、殆どが月曜日に開講される科目です。

 その中で、道徳教育指導法に関しては、高等学校教員免許のみ取得する場合は
履修する必要はありませんが、「教科に関する科目もしくは教職に関する科目」
として高校の教員免許取得に必要な単位に振り分けることができます。

 「教科に関する科目」は、各教科によって異なりますが、学生便覧に記されている通りです。

 各コースによって、履修を求められる科目は異なりますが、「教職に関する科目」とは別に、
取得したい教科の「教科に関する科目」と「教科の指導法」を受講すれば、日本文学コースの
学生が「英語」の免許状を取得することができますし、地理学コースの学生が「国語科」の
免許状を取得することだってできます。

 そして「教育実習」、これは小・中高の2区分に分けられています。
中高免許用の教育実習を受けたとしても、小学校の免許状を取得できない理由が、
これです。小学校は、免許が教科別ではないということからご理解いただけるでしょうか。

 区分が小・中高の2つに分かれているとは言え、小学校は8週間、中学校は4週間、
高等学校は2週間と実習期間が定められています。
しかし、中高は同じ区分とされているので、中高両方の免許を取得する場合は
合計4週間の実習で良いこととされています。

 広島大学には、2つの附属小、4つの附属中、2つの附属高がありますので、
このいづれかから実習先を選択することになります。文学部の学生のうち、
中高両方の免許を取得する学生は3年次に4週間の実習、高校の免許のみを
取得する学生は4年次に2週間の実習に参加します。

 このうち、中学校の免許を取得する場合は、実習先の希望が偏らないようにと、
皆実×福山、皆実×三原、東雲×福山の組合せで、2週間×2の実習を行うように、
調整されます。組合せについては、学生が希望を書いて提出しますが、
殆どの場合が第2希望までには沿うことができるようです。

 平成20年度入学生の中高教育実習は、文理学部生は3年時9、10月に実施
されるようです。高等学校の免許状のみ取得する学生は、4年次6月です。

 教育実習に関してよく聞かれることなのですが、教育実習は免許状1枚につき
1回なのではなく、学校種につき1回となっています。つまり、中学校「英語科
と高等学校「英語科」を取得する場合は1回(中学校と高校は同じ区分)ですが、
同じ学校種である中学校だけでは、英語科、国語科、理科等、いくつの免許状を
取得しても、教育実習は1回だけです。なお、複数教科の免許状を取得する場合、
教育実習を受ける教科は予め選択することができます。

 なお、先ほど学生便覧に沿って、他教科の免許状を取得する方法を書きましたが、
これは学部を超えることはできません。つまり、文学部生は文学部の学生便覧に
記されていること、教育学部生は教育学部の学生便覧に記されていること、総合
科学部生は総合科学部の学生便覧に記されている教科の免許だけが、取得可能と
なります。それ以外の教科を取得したい場合は、この下でご紹介する方法が必要です。

 免許状発行の申請は、4年次の10月を目途に学生支援室から書類を受け取り、
学生支援室に提出することになっています。そうすることで、卒業式において
卒業証書と一緒に免許状が授与されます。

 この方法で免許状を取得する場合、学生便覧に記されている通りに履修して下さいと、
繰り返し述べていますが、文学部で社会科・地理歴史科の免許状を取得するために
必要な科目が、学生便覧では非常に分かり辛いとの指摘があったので、ここでご説明します。

※教員免許について、要望があったので全学部対応のページも作成しました。
 内容によっては、こちらの方がより詳細です→こちら

その他の手段で取得可能な免許状

 それでは、文学部で取得可能とされている5科目以外の免許状は、
絶対に取得できないのでしょうか?

 答えは、可能です。

 ただし、相当な努力が必要となります。

 それだけ授業を多く履修しなければならないことになりますし、
主専攻ではない系統、科目の勉強もしなければならないことになりますので、
あまりおススメはいたしません。

 しかし、文学部では取得できないことになっている「高校公民科」の免許は、
私立学校の教員を志望する場合は「地理歴史科」だけでなく「公民科」の免許も
取得していることが必須とされている学校も多いので、文学部の中には取得を
希望する学生もいると思います。実際、私もそんな学生の一人です。

 そういう場合、どうすれば良いのかという情報を掲載しておきます。

 取得する方法として4つの例を挙げてみましょう。


 これらの方法は、各学部で取得可能とされている以外の科目の免許状を取得するためのものです。

 また、それだけ授業を多く履修しなければならないことになりますし、
主専攻ではない系統、科目の勉強もしなければならないことになりますので、
あまりおススメはいたしません。

 しかし、文学部では取得できないことになっている「高校公民科」の免許は、
私立学校の教員を志望する場合は「地理歴史科」だけでなく「公民科」の免許も
取得していることが必須とされている学校も多いので、文学部の中には取得を
希望する学生もいると思います。実際、私もそんな学生の一人です。

 そういう場合のための、手段です。

 上に記しているように、学生便覧に記されている教科の免許状は、卒業と同時に
免許状を事務にて発行して貰えますが、この方法は卒業後、文学部で取得した
免許状(これを「基礎免許状」といいます)と、その他の科目の単位認定証明書を
広島県教育委員会に持参することで、免許状を発行してもらうことができる、
というものです。つまり、文学部内(学習支援室にて発行される方法)で最低
1科目は教職免許を取得して、卒業する必要があります。例えば、文学部の
学生が「公民」の免許だけを取得したいと言っても、それでは「教育実習」や
「介護等体験」が受けられないので、これはできません。

 ただ、1科目を落としてしまった等の理由で「介護等実習」や「教育実習」を
受けたにも関わらず、教員免許状が取得できなかったという場合には、免許状取得に
必要な「日本国憲法」や“体育に関する科目”「介護等実習」と「教育実習」を受講
済みであるので、その修了証明書と単位認定証明書を広島県教育委員会窓口に持参する
ことで、免許状を発行してもらうことができます。

 この方法で免許状を取得する場合も、学生便覧で取得するのと同様、

 日本国憲法2単位
 体育(スポーツ科学、運動科学、スポーツ実習ABC)から2単位
 外国語(コミュニケーションⅠⅡAB)から2単位
 情報活用演習2単位(学部学科によっては情報活用基礎など異なる)

 の4科目はもちろん必修であり、

 「教科に関する科目」20単位以上と、

中学校教員免許の場合は「教職に関する科目」31単位以上で合わせて59単位を。
高等学校教員免許の場合は「教職に関する科目」23単位以上で合わせて59単位を。

 取得しなければ、教員免許状を取得することはできません。

 ただし、文学部で「国語科」と「社会科」の両方を取得する、総合科学部で「社会科」
を取得して、学生便覧以外の方法で「国語科」の免許を取得するなど、2教科以上の
科目を取得する場合は、2教科目以降の「教科に関する科目」は20単位、
「教科の指導法」は4単位を取得すれば、2教科目の科目を取得することができます。

 この方法で免許状を取得するためには、卒業と同時に学生便覧に記された通りの科目を
履修して、1科目の免許状を取得するするか、「教育実習」や「介護等体験」を始め、
教職免許に必要な科目全てを受けておく必要があります。

 「教育実習」や「介護等体験」は、学生便覧に記されている科目で申請した場合で
しか受講することができません。そこで、例えば文学部では「公民」の免許を取得する
ために「社会科」を取得する、総合科学部では「国語科」の免許を取得することが
できませんので、「英語」など各学部で取得可能な教科の免許を取得するということ
にして、その科目で「教育実習」を受け、「教科に関する科目」と「教科の指導法」のみ
上記の科目群を履修し、県教育委員会に申請することで、各学部では申請できない科目の
免許状を取得することができます。

 この方法では、他学部の学生便覧に記されている「教科に関する科目」や「教科の指導法」
を探すことが必要ですが、これは大変な労力が必要となります。そこで、教科毎に
取得することが必要な科目群をこちらのページでご紹介します。

この記述を基に免許状を取得したいという人は、必ず意志を実行に移す前に、
 管理者に相談するか、教育委員会に問い合わせて、履修すべき科目をご確認下さい。
 授業科目1つ1つの採点が厳しかった昔は、この方法で免許状を取得する人が多かった
 のですが、安易に大丈夫と思い履修ミスをして免許を取得できないこともあり得ます。
 事前確認なしに履修の上、免許状を履修することができなかったとしても、管理者は
 一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

 この、他学部の講義を受講するという方法は、東広島キャンパス内で受講
できる上、文学部生であれば取得した単位は、卒業要件単位の「自由選択科目」
として認定されるため、最も合理的な手段と言えるでしょう。ちなみに、
広島大学の学生は、学則第26条において「他学部の講義を受講すること」が
できるということを保証されています。

 つまり、広島大学内で開講されている講義を受講することによって、中国語、
理科、数学などの免許状を取得することが、可能です。

放送大学で授業を受講する

 放送大学は、広島大学生にとって最も身近な通信制大学であろうと思います。
というのも、学習はテキストにて行い、期末試験のみ東千田キャンパスに赴けば
良いというものだからです。
文学部は単位互換が提携されていますので、事前に学生支援室に単位互換制の適応を
申請することで、登録料等が割引になるそうです。

 私も、公民や理科(地学)の免許を取得するために科目等履修生として放送大学を
利用している一人です。この方法は、基本的には他学部の授業を受講するのと原理
は同じで、「介護等実習」と「教育実習」の修了証明書もしくは卒業時に取得した
他教科の基礎免許状と単位認定証明書を広島県教育委員会窓口に持参することで、
免許状を発行してもらうことができます。

 とは言え、私の場合は、私のチューターが放送大学が嫌いであるため、
単位互換制は利用せず、ただ放送大学の科目等履修生として利用しています。

 こちらの方法も、授業科目は科目毎に異なるのですが、放送大学は授業名の
変更が著しく、このページ上に各科目を表記すると非常に紛らわしいので、
放送大学の教員免許状取得のページにリンクしておきます。

 リンク先では中学校免許に該当する科目一覧がP12~、高等学校免許に該当する
科目一覧がP18~記されています。

 放送大学で履修する場合、1年の登録料8000円と1単位あたり5500円が
必要となります、学生の身分では高いようですが、通信教育の中では格段に安いです。

※教員免許について、要望があったので全学部対応のページも作成しました。
 内容によっては、こちらの方がより詳細です→こちら

※上記科目以外の指定科目やこの方法以外で免許を取得したい場合についての
ご質問があれば、postへ投稿してください。


最終更新:2010年03月18日 03:02