新日鉄 下水汚泥から水素
新日本製鉄は、下水の汚泥から水素を効率よく取り出す技術を開発した。炉の中で乾燥させた汚泥に酸素を加え、汚泥に含まれる有機物を酸化させることにより、有機物のほとんどを水素を含むガスに変える。水素発生量は、メタン発酵法の約2倍、処理コストも焼却処分に比べて、約半分となる。処理量が約10トン/日の実験設備では、1トンの乾燥汚泥から150m3の水素を製造することができた。ガス化の後に残った溶融灰も建築資材として再利用可能である。水素1m3の製造コストは20円以下と推定される。又汚泥を焼却しないので、重油などの燃料が不要であり、焼却炉で処理する方法に比べて、エネルギー消費量は半分になる。そのため汚泥1トン当りの処理コストは1万円程度になると試算している。現在下水の汚泥の年間発生量は約210万トンであるが、その内7割程度は焼却後に埋め立て処分されている。(日本経済新聞05年8月5日)