Desktop Linux Memo

emerge

最終更新:

gleaning

- view
管理者のみ編集可

emerge コマンド


Portageシステムの基本コマンド。最新版のPortageを取得し、パッケージをアップデートするとか、新にパッケージをインストールするなどの作業はこの emerge コマンドを使って実行する。


最新の Portage tree の取得


emerge --sync

以上で、Portage を最新版にアップデートできる。ネットワーク状態にもよるが、少なくとも数分は要する。

ただし、rsync が使えない環境(ファイアウォールの中に設置してあるマシンなど)では、上記コマンドは有効でない。このような環境で Portage をアップデートするには、httpプロトコル経由によるアップデートを試みる。

emerge-webrsync

このコマンドは http が通るなら(いわゆるホームページが閲覧できる環境なら)、問題なく実行できるはずだ。ちなみに、emerge-webrsyncコマンドは Portage の最新ツリーの圧縮アーカイブ版をダウンロード後、localで展開するという手順を辿る。この Portage ツリーの圧縮アーカイブ版は、一日一回しかアップデートされないため(日本時間の正午頃?)、最新版とは言え、若干のタイムラグがあることは否めない。

インストール済みのソフトウェアを最新版に更新する


emerge -av world

とりあえず、上記コマンドを入れてみる。world というのは、インストール済みのシステム全体を意味している。また、オプションの -a は「問い合わせする」という意味、-v は「冗長な出力」を意味している。すなわち、上記コマンドを実行すると、たくさん情報を出力してくれた上で、『実際にアップデートしますか?』と問合せてくる。ここで yes と答えればアップデートが実行され、no と答えればアップデートは実行されない。

当然、通常は yes と答えてアップデートして構わないが、gcc や glibc など、システムの根幹に関わる部分のアップデートがリストアップされているときには、とりあえず no と答えて、よくよく吟味してみてからアップデートする方がいいかもしれない。

新規にソフトウェアをインストールする


たとえば、seamonkey をインストールしたくなったとする。まずは seamonkey を探してみる。

emerge -s seamonkey

こうすれば、seamonkey という文字列を含むパッケージを検索して、それらの名前を列記してくれる。この場合には seamonkey と seamonkey-bin という二つのパッケージが見つかるはずだ。前者は自前でコンパイルするもので、インストールに莫大な時間がかかる。一方後者はバイナリインストールであり、インストールには時間がかからない。とりあえず、ここでは自前インストールを選んでみるとする。

emerge -av seamonkey

とすればよい。オプションの -a と -v の意味は上記と同じであり、インストールを継続する場合には yes を入力すればよい。激しいコンパイルが数十分とか続くはずだ…。

なお、Portageシステムは、パッケージの依存関係をきちんと解決してくれる(ことになっている)。従って、seamonkey に必要となる別のパッケージが存在する場合、それらも自動でインストールすることになる。上記コマンドを実行すれば、インストールされる全てのパッケージがリストアップされるので、困ることはない。

要らないソフトウェアを消去する


emerge でインストールしたソフトウェアは emerge で消去する。適当に rm コマンドで消去してしまうと、Portage システムがうまく動作しなくなるかもしれない。

emerge -avC seamonkey

これで seamonkey を消去することができる。オプションの -a と -v は以前と同じ意味で、-Cというのが消去を意味するオプションだ。
ウィキ募集バナー