――――御陵衛士と新撰組の軋轢ぜよ。

 ――――まるで、ホロコーストだな。

 ――――徳川御前試合じゃないか?

「いや、ローマのコロッセウムだな」

 ――『それだ!』。

 等と、声が聞こえる筈がなかった。ある筈がない。
 風に棚引く赤いマフラーを押さえて、路上の鈴木貴子――――彼女の流儀に従うならカエサルは独りごちた。
 奴隷を集めて戦わせる。
 そしてそれを見世物とする。
 生き残るべきか、それとも死ぬべきか。
 パンとサーカスではないが、実に実に悪趣味で、実に実に過去にはあり得た話だ。

 だが、よりにもよって現代で? この法治国家で?
 確かに現実、リアルはリアリティを凌駕する。
 人の情熱は、憤怒は、嫉妬は、執念は――――得てしてありえないを呼び込むのだ。

 それにしたって、だ。
 大洗を罪人とし――。
 大洗に与したものもまた連座とし――。
 大洗に敗した大学選抜も見せしめとする――。
 だから自分達が集められた…………そう考えるべきか?

 だが、何故だ?
 ここが皇帝のいるローマ帝国ならば、かのカリギュラの如く個人の怒りが人々を粛清に追い込み屍を積み上げるだろう。
 だが、個人的な憤怒が機構を変革しないこの現代で……。
 たった独りの、一役人の激情が……街一つから人々を追いやり、手の込んだ爆弾を作り、学園艦を動かすことがありえるのか?
 だが……なら組織かと言われるとおかしい。

 変な話だが、確かにカエサルは――自分達は権力へと反逆した。
 大きな大きな金が動くものを、己たちの手で鎖を握って奪い取り、圧政への反旗を翻した。
 まるでかのスパルタカスの乱の如く。
 でも……大方の人々はこれを逆転劇やドラマとして――それこそ舞台劇の如く――拍手喝采で見送るだろうし、
 理性的なお偉方は大人が交わした書面の約定で黙ることになる。
 今まさに戦車道の世界大会を誘致せんとしているのに――――渦中の自分達を拐って殺し合いなど、どんな権力も許す筈がない。

「……ああ、クソッ」

 言って、首を振った。
 何とかかんとか――同じ学校の、戦友の死に理屈をつけようとした。
 理屈をつけて、歴史を紐解くかの如く『理解可能な』ものに落とし込もうとした。
 でも、できる筈がないのだ。
 仲間だ――――一緒に立ち上がった、一緒にあの戦いを乗り越えた仲間が。つい昨日までは喋っていた仲間が死んだ。
 飲み込めない。
 飲み込める大きさかそうでないのか判らないぐらいに大きくて――――落ち着けようがなかった。

「……はぁ、なんだっていうんだ」

 本当に、悪い冗談みたいだった。
 笑い飛ばせたらいいだろうが、笑ったら最後不安に屈して泣きそうになるだろう。
 だから弱音は吐けない。
 それにしたって――――本当にそれにしたって――。

 色々と思い浮かぶ。
 死んだ彼女と、その家族。その友人。
 自分自身と、その家族。果たして娘がこんなことに巻き込まれていると知っているのか。
 それとも知らないで、今頃朝食でも囲んでいるのだろうか。
 或いは最悪――――本当に最悪、あの役人に何かされてやしないだろうか。
 想像すると、思わず嗚咽が込み上げて来そうで首を振った。

 友人たちも皆この場に集められてる。それが殺し合う?
 ……信じたくない。
 廃校を助けに来てくれた彼女たちと銃で撃ち合う?
 ……できる筈がない。
 戦車道だ。ただの戦車道という競技だ。それしか知らない。

 空手は確かに武道だが、だから空手家を集めて殺し合いをしろと言ったらむくつけき男たちは有無を言わさず殴り合うか? 喜び勇んで恐怖を感じずに戦うか?
 有り得ない。
 有り得ないだろう。
 そんなことが、有り得る筈がない。
 殺し合うとか、どう立ち回るとか、如何に皆で手を取るかとか――――そんな以前の話である。
 信じられるか? ……信じられない。

(……ここにいると、なんだか狙われてるみたいだ)

 幻覚的な視線を感じて落ち着かない。
 近くの民家に誰か潜んでいる気がしてならないし、或いはいつ曲がり角から人が飛び出してくるか判らない。
 ひょっとしたら、狙撃を受けるかもしれない。
 戦車という鋼鉄の鎧があるなら落ち着いたかもしれないが――今はやけに背中が涼しく、何度もあたりを振り返ってしまう。
 神経が過敏になっていると、彼女自身自認していた。

「賽は投げられた……か」

 すでに始まってしまっている以上、何が起きるかは神のみぞ知るものであるし――話は動き出している。
 どうにも堪らない。
 四方八方が死神の手を伸ばそうとしているかのようで、手近な店の中に逃げ込んだ。
 民家を選ばなかったのは、遠慮があったのかも知れない。

「あ」

 そして――出会ってしまった。
 奇妙な沈黙。
 大きな黒いリボンで金髪を後ろに括る少女と、赤いマフラーを棚引かせたカエサル。
 暫しの硬直の後、

「聖グロの……えーっと……」

アッサムです。そういう貴女は確か大洗の……」

「ああ、私は……」

「鈴木貴子さん」

「……カエサルだ!」

 というか『何故本名を知っている!?』と叫びたくなった。
 自分の素性が知られているという妙な緊張感が、カエサルに余計な警戒心を抱かせる。
 思わず後退りそうになるそこで、おもむろに掲げられた左手。何もないと露にした手のひら。
 一方の右手は、背後に隠されている。
 退くべきか、押さえ込みにいくべきか――――考えながらも腰が引けているカエサルの前に突き出されたのは……。 

「……プラモデル?」
「にも見えますけど、武器のようですね」

 投げ渡されたのは、パックに入ったプラモデルのような金属製の金枠と部品。

「これが……」

 外枠に縁取られた中に繋がったパーツを見れば、確かに組み上げたら銃にはなりそうではある。
 だが、こんな薄っぺらい武器があるのだろうか?
 踏んだだけで壊れそうなそれは、週刊○○を作ろうシリーズにも見えそうである。
 馬鹿げている。使えるとも思えない。
 そうこうしている間に、アッサムはカエサル目掛けて歩き出していた。
 やはり身構えそうになる目の前で、アッサムの手のひらに乗せられていたのは小さな道具。

「それで……ナイフはこれで」

「十徳……いや二十徳ナイフか?」

「十七徳ナイフだそうです」

 ほう、と手渡された道具を少し動かしてみる。
 メタリックグリーン。
 なるほど初めて戦車に触れたときのように――その豊富なギミックと道具の収納性の美にはどことなく心が踊るものがある。
 普通にしていたら相当高価である、というのも判る。

 ただ――――これはとてもではないが、武器とは呼べない頼りないものだ。

「最後にこれ……」

「無線機か…………無線機だって!?」

 ひょっとしたらこれで、外部の助けが呼べるかもしれない――。
 無線機は通常短距離しか繋げないが、アンテナなどを利用すれば遠くまで音を運べる筈。航空機と通信して爆撃を行う、というのも可能だったのだ。あれは映画だが。
 思わず無線機を握り締めるカエサルを余所に、

「制限してあるのか、特定の周波数しか使えないようで……」

「……はぁ」

 現実は、そう甘くはなかった。
 ここまで大がかりなことを仕掛ける相手が、そこに注意を払っていない筈がないだろう。
 何となく霧散した緊張感の中、カエサルは肩を竦める。

 ……それにしても、だ。

「……凄いな。もう確認してるのか」

「念のため、でしょうか」

 念のため――――。
 その意味を問うまでもないだろう。流石のカエサルにも、彼女の言葉の意図が判った。
 思わず黙りそうになるそこで、打ち消すように口を開く。
 折角人に出会ったのだ。何かを話してなければ、不安に飲み込まれそうだった。

「……その、アッサムさんはどう思う?」

「どう、とは?」

「いや……その…………この……」

 タブーというものがある。
 言うのも憚られるという奴で、口に出すと良くないことがおきてしまうのではないかと――そんな風な想像が働いてしまうもの。
 カエサルのそんな思いを察したのか、アッサムは伏し目がちに頷いた。

「信じたくありませんが……用意は、必要かとは思います」

「用意?」

「身を守る為の……」

 アッサムは、とても戦闘ができそうな支給品を持っていないのだ。
 万が一――――もし万が一。
 肩を並べて戦った人間からそんなことをされるとは思いたくないし、されることは想像したくないが……。
 それでも何かの弾みでどうにかなってしまったときのことを考えるなら――アッサムの言う通りであると、彼女としても不承不承頷かざるを得ない。

「判った。私も協力しよう…………気が紛れるだろうし」

「……ありがとうございます」

「それで、何をしたらいいんだ?」

 辺りを見回してみる。
 壁に並んだワインボトル。
 かと思えばスナック菓子や自転車の部品、電池、針金、調味料が並んでいる。
 逆の壁には統一性のないポスター。瓶詰めにされたピクルス。
 どうにも雑貨屋のようであるが……。

「ビスがあったら、組み立てられるんでしょうけど」

「ビスか……」

 果たしてこの雑貨屋にビスはあるのだろうか。
 などと考えながら、棚を漁る。外国製のキャンディーやあまりお目にかからないチョコレート。
 コーヒー豆は色々とあったが、コーヒー豆で守れる身体などないだろう。
 工具類がある以上は、この店にもビスがあるかもしれない。探し続けたらもしかしたら、程度であるが……。

「ここでは……難しいかもしれないな」

「……そうですか」

 また、重苦しい沈黙が訪れた。
 いっそ、自分の武器を渡しても――――と考えたところで、首を振る。
 大洗の為に救援に駆けつけてくれた彼女たちを疑うわけではない。
 だが、己の武器を渡していいというのは――それはあまりにも傲慢だ。致命的な傲慢だ。
 すでにチームメイトが一人、殺されているのだ。今度は自分の番じゃないとは――――そんなのは言い切れない。

「アッサムさんは……どうするつもりなんだ? その、ビスを手にいれたとして」

「そうですね……」

 俄に考え込むアッサム。
 放ったカエサル自身――――その質問は、誰でもなく己に向けたものであった。

 ビスを探すのに付き合って……それから、自分はどうしたらいい?
 勿論、皆と合流したい。
 だけどももし――――仲間の誰かがこの殲滅戦を決意していたら?
 或いは余計に高い可能性として……すでに撃たれていて、それを目の当たりにしてしまったら?

「その、アッサムさん――」

 質問を追加しようとしたその時だった。
 空気の裂ける音と、破裂音。ビンの破片が並んでいくつも飛び散る。
 これは――裏口の方から、

「――っ、銃撃!?」

 どちらからの合図もなく、頭を伏せる。
 しゃがみこんだ顔の間近にワイングラスと立ち上るアルコール臭。
 発砲音はしなかった。
 だというのに裏口の扉に弾痕を刻みながら、銃撃が襲いかかってきた。
 消音器を、使用しているのか。

「二人なのに仕掛けてきたということは……」

「相手も人数がいるか……それとも」

 強力な武器を持っていると確信しているかの、どちらか。
 穿たれたビンの数を見るならば、威力が小さな銃……とはとても思えない。
 身を屈めて、頷き合う二人。
 一旦窺っているのか、別のことを画策しているのかは知らないが――――銃撃は止んでいる。

 ならば、

「どちらにしても、ここじゃどうにもなりそうにない!」

「なら、外へ!」

「ああ!」

 クラウチングスタートのように、中腰から身体を跳ね上げる。
 電力の通っていない自動ドアのガラス戸は、銃撃によって既にその役目を終えていた。
 飛び越し、着地。脇目も振らずに出てすぐに、道を右折。
 ブロック塀を盾にすれば――――と考えたカエサルの耳は、奇妙に甲高い音を聞いた。

 そして走るその目の前――足元――通りすぎて気付く。
 見慣れない、深緑色の球体。
 そして、どこからか漏れた言葉。

「――ごきげんよう」

 その言葉の残響は、小さく掻き消されるだろう。
 直後に響いた、爆音によって。


 ◇ ◆ ◇


「……簡単な仕掛けだけど、罠は成功したようね」

 回収に向かわないとと、アッサムは溜め息を漏らす。

 簡単な罠だ。
 携帯を分解する。そのバイブレーションの装置を取り除く。
 あとは携帯電話の回路の両端に、乾電池を繋げた増幅回路をつけて両極を作る――――極から放たれる電気が火薬に通電し発火させる。
 バイブレーションを仕掛けた目覚まし機能を利用すれば、時限式の起爆装置が出来上がる。
 現実のIED(簡易爆弾)にも利用される、安価で手に入る起爆装置である。

 予め筒に仕掛けたジャイロジェットの弾丸に通電。燃焼開始。
 溜めの仕掛けによって十分な加速を含めたそれは、目に見えない速度で推進して銃撃を行う。
 狂言の銃撃。なんたる欺瞞か。
 あとは自然な流れで共に逃げて、隙を見て爆殺するという――――何重にも仕掛けた、回りくどい殺害方法。

 回りくどい。判っているとも。

「ごめんなさいね。私としても手段は選んでられないので」

『アッサム様……今のは……』

 声の先の彼女に支給された無線機から――それと繋がったイヤホンから流れる声。
 協力者。
 スポッター。
 初めから、相手が誰かを理解してからアッサムは接触した。それを助けた監視員。

「そこまで聞こえましたか?」

『いえ、爆発が確認できました』

「そう。……直撃した筈よ。本当に……気の毒だけれど」

 曲がり角のそちらに、手榴弾を投げ込む。
 建物を壁にして生き残るというのは近接戦闘術として正しいし、破片手榴弾で脅威なのは爆風よりもその破片。
 一定の硬度があるものを盾にしていれば、生存は固くない。
 データからしたら十数メートルの範囲に入っていると重大な危険を免れ得ない。数メートルなら、尚更だ。

「……ふ、ぅ」

 吐息を漏らす。
 見付けた参加者を罠に嵌めて殺そう――とオレンジペコに提案したのはアッサムからで、彼女はそれを飲んだ。
 だが、あくまでもアッサムはその罠を『自分がやるべき』と考えていた。

 確実性もある。
 責任感もある。
 同じだけ――――アッサムが流血を伴わなければならないのだ。

 己ながら、安い自己満足と代償行為であるとアッサムは自認していた。
 敢えて己を死地に置くことで、相手を殺す行為というのを正当化しようとした。
 己が殺される危険もあった。
 だから、相手を殺そうとした行為というのは対価を払っている――――

(なんて、言い訳よね。こんなの)

 ――そうだ。知っているのだ。調べ回って知っているのだ。

 大洗女子の多くはそれまで戦車道などというものは触れていないものばかりだと。
 だから、自分が殺される危険というものも少ないのだと。
 勿論、相手が錯乱して突発的に襲いかかる可能性も考慮はしていたが――――それでもだ。
 それでもアッサムは、心のどこかで自分が死ぬことはないと理解していた。

 対等ではないと思いつつも、それでも対等のようなものが欲しかった。
 だから、回りくどく遠回りに殺害を敢行した。
 どこかで綻びがあったのなら――――食い違いがあったのなら、成功どころか己の命もないと。
 人を殺すのを慰める、大義名分が欲しかった。自己満足が欲しかった。

 戦車道は、殺し合いではない。
 だがそこにはある種の軍隊めいた上下関係に似たものがあるし、実弾をしようする以上他とは違う命の危険を思わせる爆音や震動がある。
 あらゆる権謀術数が飲み込まれるという――他の武道に比しても特例的な措置すらある。
 ほとんど何でもアリだなんて、他の武道にはない。言わば実戦。
 要するに戦車道には、ソフトな軍事関係――簡単な兵隊ごっことその下地がある。
 黒森峰などは、まさにそうだろう。

 泣くより、叫ぶより、嘆くより、何よりも――――前を見て戦う。

 だから廃校に瀕した大洗は、一般的な少女と違って同情に訴えるとか或いは民衆に助けを求めるのではなく――――己の手で勝ち取りにいった。
 その証左。
 だからきっと。だからこの場の人間はきっと。
 普通なら――――人を殺すのも、殺されるのも御免だと銃を投げて泣きながら震えるだろう。理解できぬと蹲るだろう。
 なのに――きっと戦う。

 或いは己の流儀を守るために殺さないと嘯き――。
 或いは仲間を守るためなら流儀など捨て置くと謳い――。
 或いはこの不当な戦いこそを真に妥当すべきであると立ち上がる。

 きっと他のどんな人間たちよりも。
 そんな領分や矜持、或いは合理や理論で戦いを飲み込むであろう。
 泣きながら、散発的な諍いの弾みやパニックだけで人が死なない。
 そのまま全員が死して終わらない。
 己の意思で弾倉を込めて、己の決意で遊底を引く。己の意識で引き金を弾き、己の殺意が弾丸となって致命に至る。

 だからこそ。

 だからこそ。

(……私も、殺す)

 怖いのは、こんな殲滅戦などは飲めないと団結して結束し隊列を為す牛の集団。
 そのまま全員が最悪の終わりを迎えるとしても――――集団の武力で反逆を撃つ。
 それで、この事件の仕掛人に逆らって、皆が生き残れる可能性は?

 怖いのは、己の戦友の為に人を殺す人間。
 一緒に生きて帰ろうとするなら、どんなに組んだところでそれは三名を越えず、どう戦っても同数での戦闘になる。
 だが――もしも。
 自分はいいから、友人だけでも生き残ってくれと願うものが居たら?
 その為に、殺せる限りを殺し尽くすという凶行を実行されたら?
 或いはそんな発想の人間が――――それこそ戦地で殿を務めるように、なんとしても西住みほを生き残らせると大洗が手を組んだら?

 西住みほでなくていい。
 自分の信じる人間の為にそれ以外を殺すという利害の一致が、我が身を顧みぬ死兵の集団を作ったら?

 それは脅威だ。脅威なのだ。

 故に、分断する。疑心暗鬼の目を育てる。
 最低限に、この三人だけは“自分が生き残る為にも”“仲間を生き残らせる為にも”維持しよう――――それだけしか徒党を組ませない。
 或いは、凶行に走る理由を無くす。
 そんな誰かという中核を奪ってしまえば、団結などできまい。
 無論、復讐に走るだろうが――行き過ぎた復讐に団結はない。孤立した復讐者を、数的有利で殺せばいい。

 だから……。
 集団を瓦解させる。理由になる人間を殺す。
 諜報にて集めたデータと、あまり大きな声では言えないが諜報の過程にて知る機会のあった工作で――――殺す。
 その、覚悟が。
 そのための覚悟の試金石が、アッサムには必要だった。
 故に己を、危険な立ち位置へと投げ出した。

ダージリン様……いえ、ダージリン)

 己の隊長は、何を選ぶだろうか。
 ……長い付き合いだ。そんなの決まっている。判っているとも。
 この道が、彼女と違えると判っている。
 二枚舌で、計算高く、落ち着いていて、合理的ながらも――――それでも意地も張れない繁栄などお断りだと。
 そう言うのが、彼女であるから。

 だけど、アッサムも死にたくない。
 同じぐらい、ダージリンにも死んでほしくない。
 後輩もそうだ。先輩として、自分たちが彼女らの未来を切り開かなければならない。
 できることなら、後輩の手は汚させたくない。
 だから――。

(人殺しなんてできません、じゃ……許されないでしょう?)

 きっと選べるのは――――最も勝算が高く生存率が高いのは、こんな手段だろう。
 そう考えるアッサムの耳に、信じられない言葉が飛び込んで来た。

『アッサム様……これは、データにはありましたか?』


 ◇ ◆ ◇


「これは、データにはありましたか?」

 呟いたオレンジペコと、短く詰まったアッサムの呟き。
 それもそうだろう。
 まさか――――だ。
 まさか、至近距離で手榴弾の爆撃を受けた人間が……おまけに手榴弾に覆い被さった人間が、生きておろうとは。

 だが実際にイギリス軍において、こんな事例は起きているのだ。
 背嚢から被さって、極めて軽傷で助かった事例。
 覆い被さった背嚢の厚み。ヘルメット。防弾チョッキに――――何よりも生まれ持った豪運なのか、はたまた友軍を救おうとしたその勇敢さに女神が微笑んだのか。
 その兵士は生き残った。
 それと同じだった。

 支給品のその内に、クラスⅢのプレート入りボディーアーマーでも入っていたのだろうか。
 ともかくカエサルは――――鈴木貴子は、超天文学的確率の末に、生存を確立した。
 ペコが思い出すのと同じくか、アッサムもそんな超自然的運命の干渉空白地帯の例を思い出し――指示が飛ぶ。

『そちらから追える!?』

「はい。……無防備な背中が見えます」

 スコープのレティクルを下から上に逆上がる背中。
 多少の裂傷を頬に負い、爆風で鼓膜が破け三半規管までも混乱させられたのかはたまた脳震盪になったのか――直線でなく走る鈴木貴子。
 行き先は危ない。しかし足取りは強い。
 強力な衝撃を負えば、人は前後不覚になるというのに――鼓膜など破られたら目眩のせいで立ち上がるのも難しいというのに。
 それでも鈴木貴子は、駆け出したのだ。死神の鎌に諦めることなく生を掴まんとしているのだ。

 知っている。これが大洗だと――――彼女は知っている。

「ふぅー」

 カチリと、安全装置を外す。
 知っている――――オレンジペコは知っている。
 この銃はセミオート。つまり一度撃発が為されれば、あとはガス圧を利用して弾丸が薬室に装填される。
 初弾だけはボルトアクションにて、薬室へと装填するものである。

 だから――――ああ、嫌な話だ。
 本当に本当に嫌な話だ。
 彼女は好きだった。
 大洗の戦車道が――――。何よりも自分達の戦車道が――――。
 それらを殺さなければならないというのが、何よりも嫌な話だった。

 戦車道は人殺しを廃したとか人と人との絆を大切にするとか……そんな高尚な話ではない。意識の高い意見とは別の問題。
 ただ単純に――――どこまでも身勝手で、薄汚い行為の為に。それだけの為に。
 自分の中の大切な最初の記憶を、心の処女雪を土足で踏みにじり血溜まりを作らなければならないという――――それも本当に身勝手な理由の為で、それ自体も本当に身勝手な感傷。

 引き金なんて、引きたくない。
 軍隊はまず射撃から始まり、そののち戦地で射撃の結論を死ぬ。
 引き金を引いたら弾が出ること。弾が出たら目標に当たること――――その二つの回路を十分に作られたのちに、当たった目標がどうなるかを知る。

 なのに、彼女は。
 引き金を引いたら人が死ぬという事実から、始めねばならなかった。
 それは初めから、殺人と引き金がイコールとなったものだった。
 だから、踏み出せない。
 だから、踏み込めない。

『無理ならそのまま見逃しても……!』

 無線機からアッサムの必死の声が響く。
 オレンジペコに引き金を引かせることを悔恨する声色――だから。

「大丈夫ですよ」

 引き金を、引かねばならない。
 でも、引きたくない。引きたくないのだ。本当の本当に引きたくない。

(ああ……)

 スコープ越しに、走り続ける鈴木貴子の背中が見える。
 右手をブロック塀に押し当てて、ぎこちなくとも覚束なくとも彼女は走っている。
 オレンジペコは狙撃手ではない。
 そも戦車の砲手と野戦の狙撃手が同じかと言えば別の話だろうが、彼女らは射撃の要訣を知っている。
 射撃という物事それ事態の、生きる呼吸と気配を知っている。
 照準と弾着の、水物を手のひらで転がす術を知っている。

 上手く狙えるなんて――そもそもが、こんなことは初めてだ。
 当たるか当たらないかで言うなら、殺さなくてはならない。殺さなくてはならないのだ。

 技術はない。
 経験もない。
 ならばあとは、基本と、己の精神に委ねるしかない。
 ブレを殺す。動揺を消す。呼吸が上下させる視界と、スコープを通した像の震えを飲み込む。

 ただ己の精神を整える為に。
 慣れた行為を行うだけ。
 それが――――装填動作だった。
 コックを掴み引き下げて――――薬室に弾を送り込む。

(――――何か一つ古いもの)

 一番嬉しかったのは、初めて納得行くような砲弾の装填ができたとき。
 そのとき自分にできたというのが嬉しくて、褒められたのが何よりも誇らしかった。

(――――何か一つ新しいもの)

 『大洗女子学園の勝利!』――ああ、なんと麗しく誇らしい団結であったか。なんと嬉しい連合であったか。

(――――何か一つ借りたもの)

 『こんな言葉を知っている?』と、記憶の中で誰かが笑いかけた。
 大切な名前。皆と作った、大切な記憶。

(――――何か一つ青いもの)

 なんで自分の頭上に映る空は、今にも落ちてきそうなぐらいに泣き出したくなるのだろう。
 指は震えない。視界は良好だ。
 頭は透明の鋼が如く澄みきって一個の歯車になっている。
 なのにどうして、こんなにも悲しいのだろうか。

(――――そして靴の中には6ペンス銀貨を)

 サムシングフォー。素敵な結婚の為の四つの掟。
 サムシングフォーは揃えられた。だけど最後の具体的なものは手に入らない。
 ここにあるのは、どこまでも邪悪で強大な黒い穴だけ。

 だから――。
 だからきっと――――。
 だからきっと――――この結婚は――――婚礼の契約は――――。

 ――――悪魔と交わす、花嫁のキスに他ならない。

 そしてオレンジペコは、処女を捨てた。
 貞淑な村娘が領主に組み敷かれるが如く――――これまでで一番大切な思い出を胸に、これからの一番最悪な初体験へと身体を差し出した。


 ◇ ◆ ◇


 咄嗟だった。
 勝算があった訳でも、自暴自棄になった訳でもない。
 無論のこと、それを見たのは現実でも初めてで――対処法をカエサルが知るよしもないが。
 軽快だが妙に耳に残る甲高いピンの音を聞いて、頭が真っ白になった。
 それから――そういえばアッサムも共にいるのだと僅かに過るその間に身体は動いて――ヒップアタックをするように、背中から押さえ込んだ。

 そして、今。
 外圧で鼓膜が破壊され、三半規管が麻痺し、脳が揺らされた静寂と閃光の酩酊状態の中――カエサルは立ち上がった。


 音が塗り潰されてたわんだ視界の中、動く。
 走っているのか、歩いているのかも定かではない。ひょっとしたら倒れて転がっているだけかもしれないし、這っているのかも知れない。
 ただ、なんとか動こうとした。先に進まねばと思った。
 朦朧としながらも、動けという指令は常に下され続けていた。
 足を止めたその時が、何かに――――終わりに追い付かれると思って。
 必死に、前に進む。
 振り返ってはならない冥界の逸話のように――オルフェウスとエウリュディケの話のように、前に進む。

 しかし、振り返ってしまう。
 引き摺る足の、その膝の力が抜けて壁に寄りかかったその時に――。
 音がキーンと遠ざかる白い視界のその内。左手側どこかの建物の屋上で、十字に反射した光が見えた。
 意味は、考えなくても判った。

「――――、――――」

 叫んでいたのかもしれない。
 泣いていたのかもしれない。
 怒鳴っていたのかもしれないし、或いは何も口にしていなかったのかもしれない。
 しかしとにかく、ここでは死ねない――というような決意を露にしたと思うし、彼女は再び動き出そうとした。

 錯覚だったのであろうか。
 彼女の決意に女神が微笑んだのか、それとも射手に当てるつもりもなかったのかは定かでないが……。
 収束する運命と同じく、圧縮される時間の中で――彼女はそれを見た。
 光と己を繋ぐ一直線の間にあるブロック塀。
 そこに、飛来した弾丸が衝突するのを。
 弾丸は命中しない。弾丸はカエサルを撃たない。弾丸は逸れた。

 迫り来る死線は自らその身を外して――――


 そして――――


「――――――――――――!?」


 ――――爆炎が舞う。


 ◇ ◆ ◇


 精神的動揺が現れた着弾は、鈴木貴子の身体のどこにも掠りはしなかった。

「……至近弾ですね」

 だが、十分だった。
 米軍装備が還元されたのか、オレンジペコに支給された狙撃銃とその弾丸は――あまりにも凶悪な代物。
 彼女たちが元来使用する戦車の主砲と同じような効果を持つ弾頭。
 それが――穿たれたコンクリートの内部において炸裂し、破片でもって鈴木貴子を攻撃したのだから。

 だが、そしてスコープの先。
 肩部や頭部に破片をめり込ませながらもなお、這いずり立ち上がって前に進もうとしている鈴木貴子が見える。
 十字を僅かに逸らす。
 彼女の近く、吹いている風が見える。木々の揺らぎ。マフラーの揺れ。それらが判断材料。
 初弾の際のそれらはどうだっただろうか。見出しは、着弾点は、逆算してその影響は――――。

 ブロック塀に立て掛けた身体。足を引きずりながら進む。
 一歩一歩。
 最後まで諦めないと。
 或いはこれが最期とは思っていないのか。
 いずれにしても彼女は、蹲るよりも前に進むことを選ぼうとしている。

 故に。
 オレンジペコは、引き金に再び指をかけた。

「……しぶといんですね」

 オレンジペコの濡れた瞳の中のカエサルの姿は塀に隠れて、僅かな髪や衣服の端、時々身体がまろびでる程度。
 泣き出しそうな顔だというのに、その声は驚くほど透明だった。

 もう装填の動作は必要ない。二重の意味で必要ない。
 風向――風速――手ブレ――湿度――気温――――――何もかも、データなど必要ない。

 胸を抉られた喪失感。
 その喰い残しが、硬質の石炭に加工されていく。
 大いなる虚無感が囁く――――おお、炸裂よ。塵と灰に。おお、炸裂よ。
 突き動かす虚無が仲間を求めている。ただ虚無だけがあれと――――その場に虚無を残せと。与えろと。
 全てを灰燼に帰せ。
 そして残された者たちは、こう呼ばれるのだ。憎しみを込めて――殺人者と。

 これからも続くだろう。これから幾度となく繰り返すだろう。
 だがそこに殺意は必要ない。技術も経験も必要ない。
 ただ、心の秘所を貫いた――――虚無だけがあればいい。虚無に身を委ねればいい。

 引き金が落ちる。
 意識する必要もなかった。
 二度目の衝撃は、ひどく軽かった。

「……さようなら」

 誰に向けたのか。
 心が破瓜の血を流すのは――――もうこれで終わりだった。

 はたしてマンションアパート屋上で合流した聖グロリアーナの二人は、街を見下ろしながら顔を付き合わせた。
 大きな黒いリボンのアッサムと、小柄のオレンジペコ。

「アッサム様、これからどうしますか?」

「そうね……プランBで」

「プランB……」

 言われてペコは、首を捻る。

「えっと……プランBは何でしょうか?」

「ないけど」

「……………………」

 ダジャレよりマシだが笑えないジョークだ。
 そんな思いが顔に出ていたのか、ペコの視線の先のアッサムは咳払いをしていた。

「とにかく! 弾薬には限りがあるから現地調達しないと」

「はあ……」

 007気取りなのだろうか。
 ひょっとすると諜報なんてことばかりしていると、思考回路がそう出来上がってしまうのか。
 なんて思いながら、オレンジペコは二脚を畳みストックを折る。

 現地調達したその荷物はどうするんだろうと、若干に気が滅入る。
 そも、この狙撃銃。
 それは、狙撃銃と呼ぶには――――余りにも重く、厚く、何よりも大きすぎた。
 50口径――――セミオート対物狙撃銃。
 そしてその弾頭である、12.7×99mm NATO弾用多目的弾頭――――焼夷徹甲榴弾。

 撃ち込み食い破ってから爆裂する、対装甲の弾丸。戦車の主砲と同様の弾頭作用を持つモンスター。
 これなら、狙撃が得意でなくても二次被害で人を傷つけられる。
 建物に隠れていようが、防弾チョッキであろうが殺せる。
 規格外のモンスター。人喰いのモンスター。童話めいたモンスター。

 そして、それを放つのは――――他ならぬオレンジペコだ。

「ペコ。……その、ごめんなさい」

「何がでしょうか?」

「……いえ」

 申し訳なさそうに、アッサムが言葉を詰まらせた。
 本来なら手榴弾の一発で決めきる予定だったのだろうが――上手くはいかなかった。
 結果として、次手であるオレンジペコが狙撃をせざるを得ないこととなった――そのことを、悔やんでいるのか。
 微妙な沈黙の中、ペコは己の戦果を改めて確認する。

「……まるでハンプティ・ダンプティですね」

 獣に喰い散らかされたかの如く腹腔内部を飛び散らせて上下に分かたれて折れたカエサル――鈴木貴子を見下ろして、オレンジペコは溜め息を漏らした。
 これから彼女の死体を漁り、支給品と起爆装置として使用するスマートフォンを手に入れることの“手間”を思うと、憂鬱だった。

 心はもう、痛まない。




【鈴木貴子――カエサル 死亡確認】

【残り 37人】


【C-4・アパートビル屋上/一日目・朝】

【アッサム@イングリッシュブレックファースト】
[状態]健康 罪悪感とそれ以上の決意
[装備]制服 支給品(組み立て前ジャイロジェットピストル 5/6 予備弾18発) 支給品(ツールナイフ)
[道具]基本支給品一式(スマートフォンは簡易起爆装置に) 支給品(M67 破片手榴弾×9/10) 無線機PRC148@オレンジペコ支給品 工具
[思考・状況]
基本行動方針:『自分たち』が、生き残る
1:不安を煽り、核となる人物を殺し、可能な限り『三名以上になろうとする参加者』の可能性を減らす。
2:ダージリンとの合流を目指すが、現時点で接触は目的としない。影ながら護衛しつつ上の行動を行いたい。
3:病院、ホテルなど人が集まりそうな場所にアンブッシュする
4:スーパーでキャンプ用品や化粧品売場、高校の科学室で硝酸や塩酸・■■■■■■他爆薬の原料を集め時間があるなら合成する
5:同じく各洗剤、ガソリン、軽油など揮発性の毒性を有するもの・生み出すものを集める
6:ターゲットとトラップは各人のデータに基づいて……

[備考]
カエサル(鈴木貴子)は背嚢から手榴弾を受けています。背嚢は路上に放置されています。


【オレンジペコ@イングリッシュブレックファースト】
[状態]健康 深い喪失感と虚無感
[装備]制服 AS50 (装弾数3/5:予備弾倉×3 Mk.211 Mod 0) 不明支給品(ナイフ)
[道具]基本支給品一式 支給品(無線機PRC148×2/3及びイヤホン・ヘッドセット)
[思考・状況]
基本行動方針:『戦争は誰が正しいかを決めるのではない。誰が生き残るかを決めるのだ』……ラッセルですね。イギリスの哲学者です。
1:『もし地獄を進んでいるのならば……突き進め』……チャーチルですね。
2:『戦争になると法律は沈黙する』……キケロですね。
3:『敵には手加減せずに致命傷を与えよ』……マキャベリですね。
4:『戦争は戦争を生み、復讐は復讐を招く』……エラスムスですね。
5:『理性に重きを置けば、頭脳が主人となる』……、…………カエサルですね。
6:『人間は決して目的の為の手段とされてはならない』……カントですね。…………ごめんなさい。


[武器解説]

  • ジャイロジェット・ピストル
 全長276mm。装弾数:6+1発。13mmロケット弾使用。
 プラモデルのような組み立て式で販売され、そこらで売っているビスで止めることで完成する作って遊ぼ拳銃。踏んだら壊れる。
 アメリカ合衆国が開発した世界初(そして最後)のロケット弾薬用拳銃。
 通常の弾丸と違いロケット加速するため撃発音が小さく、反動は殆ど存在しない。そして有効距離ではマグナム弾に相当する破壊力を持つ。
 ……が、十分な加速を得る前では目で追える速度であり、あまつさえ至近距離ではロッカー扉や鉄鉢に反射。
 そして有効距離とはそもそも拳銃で正確な狙いをするのが困難なので、武器としての役目は殆ど果たせない。
 発射が少々特種な作りをしているが、これは弾丸が飛び出すほどの加速を得るまで銃身につっかえさせ押し止める為の機構であり、
 要するにこの弾薬を他の銃で使っても(万が一雷管を刺激できても)十分な加速を得る前に銃口からポロリと零れ落ちて、あとは加速しながらグルグル地面を回るという悪夢のネズミ花火になる。

  • ツールナイフ
 アメリカレザーマン製17徳ツールナイフ。
 爆発物処理モデル。

  • M67破片手榴弾
 直径:63.5mm 重量:397g
 信管に点火後約5秒で爆発。5メートル範囲では致命傷を免れず、15メートル範囲まで殺傷能力を有する破片が飛び散る。
 爆炎(爆風)は数メートル範囲までしか及ばないが、その破片でもって対象を傷害する破片製手榴弾。
 レバーを抜いていなければピンを差し戻すことは可能だが、レバーが外れてしまうと炸薬に点火されてしまうためピンを戻しても止まらないので注意。

  • AN/PRC148 MBITR
 大きさ:67×230×38mm��(幅×高さ×厚み)。重さ:867.5g。耐用温度:-31 °C ~ 60 °C。耐水深度:2m
 平均故障時間15000時間以上。リチウムイオン電池使用。待機状態で12時間電池寿命。
 アメリカ合衆国製携帯型軍用トランシーバー。HF帯及びVHF帯を使用した短距離双方向通信。
 なお今回は予め主催者側に設定された16のチャンネル(周波数帯)による通信のみで、周波数を切り替えて他の地域や航空機などと通信ができないように細工されている。

  • AS50
 全長1420mm、重量15000g。装弾数5+1発。.50BMG(12.7mm×99 NATO弾)を使用するイギリス製対物狙撃銃。
 ボルトアクションライフルの精度を持ったセミオート狙撃銃というNavySEALsの要望によりアキュラーシーインターナショナル社が開発した、高い精密性を持つ狙撃銃である。
 最大射程1500~2000m。光学式4×16倍のスコープを有する。銃尾の特種素材製パッドは反動の軽減に作用する。
 銃床先端部に折り畳み式二脚、及び床尾部に補助脚を有することで高い安定性を誇る。なおこの装備も合わせて、チャーチルの砲弾の五倍ぐらい重い。
 言うまでもなく人に向けて撃つものではない。

  • Mk.211 Mod 0
 ノルウェーのNAMMO社が開発した12.7×99mm NATO弾用多目的弾頭。米軍採用名。
 最大の特徴はHEIAP――焼夷徹甲榴弾であること。
 つまり、タングステン弾芯の高い貫通性能によって対象の装甲を貫徹したのちに起爆し、爆発によって内部から装甲を破壊する。
 人体に向けて発射した場合は通常の.50BMGと同じく(過剰な)破壊力によって容易く貫通するに留まるが、
 プレート入りのクラスⅢ以上の防弾装備をしていた場合エネルギーが減衰し貫通までの時間増により、体内で爆発し狙撃対象以外にも波及する可能性がある。
 コンクリート程度は容易く貫通する。
 言うまでもなく人に向けて撃つものではない。





投下順
Back:暴走銀輪
Next:星に想いを

登場順
Back Name Next
- アッサム 029:embrace
- オレンジペコ 029:embrace
- 鈴木貴子(カエサル) GAME OVER

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最終更新:2016年09月13日 08:17