*3作目5話のトリックについて ---- ここでは、トリック自体のトンデモなさは追求しないものとする。 むしろ、そのトンデモなさこそ、逆転裁判の面白さのひとつである。 と言いたいところだが、ワイヤートリックについては少し説明が必要かと思う。 このトリックについては実現不可能という意見が多いが、勘違いしている人も多いようだ。 慣性の法則から考えれば、振り子は位置エネルギー→運動エネルギー→位置エネルギーとなって、振り子が振りきった時点での高さは最初の高さと同じになる。 が、これは空気抵抗などを無視した話であって、実際には振り子が振りきった時、最初よりも低い位置までしか到達しない。 このため、このトリックは無理だという人がいるが、これは勘違い。 実際は、葉桜院側と奥の院側で高さが異なり、葉桜院側の方が低いため、一応不可能ではないトリックである(下図では葉桜院側の方が全体的に低いように描かれているが、実際は着地地点が低くなっていれば良い。筆者にそこまでの画力はないのでご容赦いただきたい)。 だとしても、振り子が振りきり、被害者の遺体が3m程度から落下して葉桜院側に着地、というのはおかしい。 振り切る前に、葉桜院側の崖に激突するはずである。 という意見もあるが、これは「振り子が楕円運動をしていた」ということでなんとか説明できる。 つまり、単なる振り子の動きに、横からの力が加わったと考える。 証拠品「葉桜院の見取り図」を見ると、下の図のように、辿り着くであろう葉桜院側の崖にはでっぱった部分が存在する。 遺体はこのでっぱりにぶつからず、一度3m程度上がって、でっぱり部分に落下した‥‥とすれば、この矛盾も説明ができる。以下の図を参照していただきたい。 #ref(http://www13.atwiki.jp/gyakusai/?cmd=upload&act=open&pageid=12&file=3-5.gif) いずれにせよ、かなり“机上の空論”なトリックである。 **ゴドーは何故キミ子の指令書を始末しなかったか? 指令書を発見した時点でゴドーが指令書を始末すれば事件は起こらなかった、あるいは、指令書の内容を書き換えておけばよかった、などの意見がある。 キミ子の構想は、あくまでも真宵の抹殺である。 春美がキミ子に「真宵が死んだ」という報告をするまで、キミ子は何らかの方法で春美に指令を送り続けたであろう。よって、指令書の始末は意味がない。 春美自身が母親の過ちを知らなくては、キミ子の復讐は終わらない。 ‥‥というのがスレでの一般的な見解である。 つまり、ゴドーは「自分が何らかの手出しをしても、キミ子は春美たちを必ず葉桜院に行かせるだろう。計画の実行を防ぐには、葉桜院で足止めをするしかない」と思ったのではないだろうか?