はじめに。 リアの書斎へようこそ
【リア】「五分で判る[[エリンディル漫遊記]]~。 ……という事らしいわね。」 多数の本棚。 収められ、ファイルに纏められた資料。そんな家具を収める部屋、そのドアのプレートには資料室と書かれている。 そんな部屋で、ソファに腰掛、焼き菓子を齧りながら紙をめくる少女が一人。 【リア】「ん? リア? リアがここで何をしているかって?」 ぱらぱらと紙をめくりながら、誰にともなく語りかける。目を通しながら、一つ一つの報告に薄い笑みを浮かべる。 【リア】「リアはおはなしを読んでいるの。 だってここには本当の冒険があるんですもの、楽しいじゃない。 こんなに沢山。これじゃあ読みきれないかしら? やっぱり、あなたも読みきれない?」 【リア】「大人って何時もあくせくしてるんですもの、時間に余裕が無いんだから困っちゃうわ。 でも、あなたも知りたいんでしょう? いいわ、じゃあ、リアが聞かせてあげる。スリーエースのお話を。ほら、座って?」
スリーエース、誕生
スリーエース。そう命名されたギルドがラインの街に誕生したの。 ギルドマスターは【柳乃月奈】。 26歳女性。 それなりに美人。 苦労性。 そんな所かしら? スリーエースは、普通の冒険者ギルドより規模の大きなギルド。いろんなスポンサーがいるみたい。 中でも一番のスポンサーは素性不明の女。 【ルヴィ】っていうらしいわね。 ギルドの動かし方にまで口を出せるみたい。 そんなスリーエースのやる事は、活躍舞台は大きく世界。 エリンディル中に転送ポートを置いて、あらゆる地域の仕事を請け負う。 それが、スリーエースの活動内容。 なかなか、大きな話よね? さて、そんなスリーエースに入ってきた冒険者の皆は、どんな冒険をしてきたのかしら。 これから、ちゃんと話して聞かせてあげるわ。お茶の準備は、いいかしら? あ、リアの分もお願いね。それくらいはマナーよ、マナー?
1.ラインでの日々、序盤 (1話~7話)
スリーエースはまずはラインで地道に仕事をこなしていたみたいね。 行方不明になった貴族令嬢を探したり、モンスターの出現調査を行ったり。月奈のお使いなんかもしていたみたい。 なんでも、クランベルのご当地ヒーロー。水都戦隊クランファイブですって…ねえ? そういうの好きなんだ、月奈って。 あ、そうそう、今でもスリーエースと、行方不明になった貴族令嬢、【[[アリサ]]】っていう子との交流はあるらしいわね。 そして、スリーエースの大きなスポンサーでもある魔術師、【ルーミィ】。 霧の森に住む魔女である彼女からの、霧の森への転送装置設置の依頼を機に、色々と懇意にさせてもらっているみたい。 霧の森とはゲートでつながっていることもあって、スリーエースとよく行き来があったりするのよ。 この【ルーミィ】のニセモノが泥棒を働いたりで、大変だった事もあったみたい。うふふ、本当に縁の強い人よね。
2.魔器との遭遇 病魔との遭遇 (8話)
色んな経験を重ねて、スリーエースは中々優秀なギルドに成長していったみたいね。 そんな中で、ギルドスポンサー【ルヴィ】、から一つの依頼があったの。 それは、廃都ファリアスに赴いて、その地下に眠る秘宝、【魔器】と呼ばれるそれを手に入れてくることだったみたい。 眉唾物のお話に皆気乗りしなかったんだけど、権力って怖いわよね、【ルヴィ】の依頼を断るなんてできないんだもの。 ファリアスを探索中、スリーエースは一人の少女と出会うの。 喋る剣、【シェルファ】を携えた銀色の髪の少女、【[[セリカ]]】。 中々ユーモラスでかわいらしい子よ? 彼女の目的も【魔器】らしくて、一緒に地下を目指す事になったわ。 地下で見つかったのは、【魔器】と呼ばれる魔法具。 でも、そこからが大変。 【魔器】を入手するのと同時に、何かの封印が解けて赤くって大きな蟲がでたの。 それは、【病魔】と呼ばれる存在。個体名、【ベラガンダー】が目覚めちゃった。 何とかそれは倒したんだけど…うふふ、どうやら、色々大変な事が世界に始まっちゃったみたいよ? 『災いの切欠は魔具なれど、避けえぬ終わりを祓うのも魔具なり』 これって、どういうことなのかしらね? ここで手に入った【魔器】、その名はクレイル。 【魔器】って言うのは、意思を持っている武器でもあるみたい。 クレイルはギルドメンバーのフィアがもつ事になったみたいね。 さあて、そんなの持っちゃうなんて、苦労しそうよね?
3.それでも世界は動いていく (9話~14話)
そんな事をしつつも、スリーエースにお休みなんてないみたい。 【ルーミィ】の依頼で霧の森の結界を直しに言ったかと思えば、 【サリアベル】…っていう、どうも【ルーミィ】に因縁のあるらしい魔族に邪魔されちゃったりね。 他にも、暴れた猿に家を乗っ取られた【アリサ】を助けてみたり。 若き天才社長、【セト=シーホース】から依頼を受けて変わった龍の子供、【キュイ】を育ててみたりとか。 【キュイ】は懐いちゃって、今でもギルドハウスにいるのよ。 あなたも触ってみるといいわ、可愛いわよ? そうそう、月奈が間違った方向にがんばってお楽しみ会を開いたりしていたみたいだけど。 月奈って、たまに努力の方向を間違えるわよね? 他にも誘拐されたリアを助けてみたり…と。 そうそう、リアはこのあたりでスリーエースに厄介になる事になったの。 本当は、月奈の先生である【夕凪かんな】と一緒に旅をしていたんだけど、リア、かんなに恨みを持つやつらに誘拐されちゃったの。 そんな事があったから、危険だってことで、預けられちゃったみたいね。 ちょっと予想外だったけれど、でもいいの。 ここにだって面白いものは沢山あるんだから。リア、ここも気に入ってるわ。 だから皆、宜しくね?
4.天空の書と第二の病魔 (15話~19話)
ファリアス地下で手に入れた【魔器】、遭遇した【病魔】。流石に、無視できない大きな力みたい。 そんな時に、【ルーミィ】が【病魔】や[[その他]]の事を書いた古文書がある、って教えてくれたの。 でも、【サリアベル】っていう魔族も【魔器】や【病魔】に興味があるみたい。 そいつの妨害が入って手に入れるのにちょっと苦労したけれど、その本の名前は【天空の書】。 【ルーミィ】は、【天空の書】の、解読を今も続けているみたい。 熱心よね、感心しちゃうわ。 【ルヴィ】も、また新しい【病魔】の存在を見つけたみたい。 これまでは確認もされなかったのが今になって見つかった。やっぱり、活動を始めたのは最近みたいね。 始まりは、ファリアスの地下で【魔器クレイル】が、目覚めたからかしら? さておき、勿論討伐指令が出されて、スリーエースは。新たな病魔、【ティアルマス】が根城にするエルガル山に向かったわ。 そこで待っていたのは信じられないような光景だったわ。 エルガル山に住む、古代竜ゲブラを打ち倒す【ティアルマス】の姿。 古代竜って凄いのよ。 冒険者だって戦おうと思わない、すっごい強さを持ってるんだから。 でも、ゲブラは【ティアルマス】に負けちゃったの。 【病魔】っていうのは、【魔器】をもっていないと傷つけることすら出来ないみたい。 状況によっては古代竜でさえ勝てないなんて、中々面白いわよね、【病魔】って。 もちろん、【魔器】であるクレイルをもっていたスリーエースは、苦戦はしたけど【ティアルマス】を倒したわ。 でも、エルガル山に1グループが行っている間に、ギルドハウスでは大変な事が起きていたみたい。 ラインでは、連続殺人事件が発生していたの。 無差別に起きる殺人の連鎖は、在ろうことかスリーエースの人間に及んでしまったの。 結構、不運な話よね? ギルドメンバーのオーウェンは被害者として殺されかけちゃうんだけど、そこを何とかギルドメンバーが止めたわ。 でも、事件の犯人である腕無しの男はあまりにも強かったの。 大勢で腕無しの男に挑んだんだけど…ちょっと本気になった腕無しの男にみんなも、助けに来た月奈もやられちゃったわ。 腕無しの男、《無手案山子》ジェリク。 トドメを刺そうとしたジェリクを諌めた《夢幻鈴蘭》ルシュ…白タキシードの奇術師さん。 両方とも、謎めいた存在よね。 二人とも、《庭園》、って呼ばれる組織の一員なんですって。病魔だけにとどまらない新たな脅威も出てきちゃった。 これから本当、どうなっちゃうのかしら?
5.少しの平穏…などもなく (19話~23話)
それからはまた、依頼をこなす日々が続いたわ。 スリーエースが冒険者ギルドである以上、色んな仕事はライフワークですものね。 不思議な笛で暴走した動物達を捕獲したりなだめてみたり。 夏祭りでしこたま遊んでみたり。 …あら、これはお仕事じゃないわね? 大きなところでは、【サリアベル】の刺客と本格的にやりあう事になったりとか、ね。 とっても強くて可愛い二人のお人形さん、[[エリア]]と[[アリス]]。 【サリアベル】が使役する人形だけど、どうやら不思議な技術が使われているみたい。 これに関しても、【ルーミィ】が調べてくれているわね。 本当、ご苦労様だわ。 でも本当に、スリーエースは、少しずつ何かに巻き込まれつつあるみたい。 月奈の知り合いである占い師【ユキ】を探しにキルディア国境近くのゼピック村に向かったスリーエース。 そこでも、《庭園》のメンバーの一人である《鉄箭城壁》シオン=クレラントと遭遇。 名乗りを受けたわ。 どうも目的は私たちではなく、様々な勢力から狙われるユキに手を貸していたみたいだけど。 偶然にしては、嫌な邂逅よね。 他にも、怪盗に狙われた、宝石・ラインの涙を巡って調査を進めるうちに現れた怪異。 けれど、宝石より発せられたのは人を異形に変えてしまう瘴気。 それを止めたのは、宝石を狙っていたはずの怪盗だったの。 怪盗は【[[エリシア]]】と名乗ってたわ。 彼女は、《庭園》の、【ロスタム】 に気をつけるように述べ、去っていっちゃったみたい。 もう、スリーエースと《庭園》、それは、斬っても斬れない縁の様なものができちゃっているのかも、ね?
6.聖杯の街へと (24話~27話)
スリーエースは次の街へと足を伸ばす事になったの。 決め手となったのは【ルーミィ】が解読していた古文書、天空の書…そこに書かれた言葉ね。 「『暴虐連鎖』ヴァジュリオン。 凍てついた世界に病を広げし担い手。 永久に、広大なる砂漠に眠る一つの石であれ。」 「『虚栄鉄槌』ゲラルディ。 凍てつき、汚れた大地を呪いと怨嗟で満たすもの。 聖なる杯の中にこぼされた、呪いの一滴。」 スリーエースは、この中の【聖なる杯】の言葉に注目して、聖杯の街といわれるラクレールに目をつけたわ。 そして、ラクレールには【聖杯の遺跡】に、【魔器】も眠っているんじゃないかという伝承もあったの。 これは、向かわないわけには行かないわよね? 散々苦労して【聖杯の遺跡】への調査許可を貰ったスリーエースだったんだけど…。 結局、入れなくなっちゃったの。 どうしてだかわかる? 神聖ヴァンスター帝国が横槍を入れてきたの。 聖杯の遺跡への立ち入りを禁じる、って。 ひどい話よね、本当に失礼しちゃうわ。 でも、このヴァンスターの皇帝、ゼダンもまた【魔器クラウサラス】を、もっているの。 セリカの【シェルファ】や、フィアの【クレイル】みたいな意思を持ち、病魔を滅する武器ね。【クラウ】と名乗る人格よ。 だから、同じような【魔器】を集めようとするのは、当然なのかもしれないわね? そんなわけで、足止めを食らうことになっちゃったスリーエース。 その間にも、色んな準備は怠らなかったみたいだけどね。 ロダニア方面に転送ゲートを設置したり。 …ついでに瘴気を発する山の調査も行ったり…調査の妨害をしてきた奴がいたけれど、まだ詳細はわかっていないのよね。 他にも、更なる病魔への対抗手段を得るために、古代の宝物庫、それを護る古代竜、《金のギル》にご挨拶に行ってみたり。 古代竜なのに、ちょっと親しみやすいいい子だったわね。 ここでは見事、病魔への対抗手段、《イシュタルの首飾り》を、手に入れることが出来たの。 他にも、紙芝居屋、【サーフ】と知り合ったりして、紙芝居の世界に旅立ったりもしていたわね。 お話の世界、リアも行ってみたいわ。 なんだか夢がありそうじゃない?
7. エルロード=ラズ=エリンディル (28話)
進退窮まったラクレール方面での探索に息詰まる月奈。 ルヴィからは更に調査をするように突き上げられてもう大変。 そんな状況の中、カナンがとんでもない魔物に襲われて壊滅した、って情報が。 そう、恐らくは【病魔】ね。 そこに向かったスリーエースは、リアをこのギルドに預けた横暴剣士、【夕凪かんな】と再会する事になるの。 何でも彼女が、この街を襲った【病魔】を退けたんだとか。 【魔器】という【病魔】を倒す力を持っているスリーエースに、かんなは様々な事を教えてくれるわ。 自分が、エルロード=ラズ=エリンディルという病魔を倒すため、エリンディルに生み出された存在だ、とか。 魔器には6本のオリジナルがある、とかね。 他にも、病魔には大本となる12種の他にも、【アウトナンバー】と呼ばれる亜種が存在する事も。 そんな事を、スリーエースに話してくれたの。 今、カナンに襲いかかってきたのは【アウトナンバー】のほう。 スリーエースはかんなと協力して、再度街を襲った【アウトナンバー】3体を倒したわ。 …だけど、スリーエース側の倒した病魔は死にきっていなかったの。 今にも復活しそう…そんな時。 病魔を焼き尽くす炎が一つ。 新たなる《庭園》の刺客、《猛火泉》[[アイン]]。 アイン=ラクティス。 フィアのかつての同胞ともいえる人間だったの。 色々と運命って皮肉よね? 彼女はフィアに憎悪の言葉を運び、そして、スリーエースに宣言をして去ったわ。 彼ら《始祖の庭園》は、魔器を集め、病魔を倒すと。 そして…スリーエースに宣戦布告をする、とね。 どうやらこれからまた、忙しくなりそうね?
8. スリーエース、その日々 (29~34話)
明確な敵…それがいても、冒険者としての活動も忘れちゃいけないわよね。 スリーエースはそれこそ色んな冒険に旅立っているの。 そう、たとえば…ホテル・リリィホワイトのステージに立って、冒険活劇を演じてみたり。 そんな羽目になったのは怪盗さんの女優誘拐に対する備えだったんだけど…その怪盗さん、【リエール】って言うんだけど。 主演をしてたギルドメンバーアンジェにターゲット変更。 てんやわんやになっちゃったわね。 リアも、悪い魔人さんの役で舞台に上がったりしたのよ。 中々面白かったわ。 ギルドの転送装置が誤作動を起こして、変な場所につながったこともあったわね。 遺跡の奥で、剣のレプリカを作って博物館を開いている、変わり者の妖精ルクロと出会ったりして。 でも、そんな縁もあって、スリーエース専用の鍛冶士としてルクロと契約する事になったりも。 本当、何が起こるかなんてわからないわよね。 他にも再び【サーフ】の紙芝居の世界での冒険を繰り広げたり。 紙芝居の中での冒険がそのままお話になるって、面白いわよね。 オープンした【セト】の、シーホースランドの冒険者用のアトラクションで遊んでみたり。 バーチャルリアリティって言うのかしら。 本当、錬金術でここまでできるなんてリア驚いちゃうわ。 そうそう、ストレスで胃をいためた製薬会社の社長さんと、そのお母さんとの仲を取り持ったりもしていたわね。 社長さんにストレスを与えていた張本人は当然、スリーエースが退治してめでたしめでたし、だったんだけど。 実は黒幕がいたみたいなの。 数日後、その黒幕の首が送りつけられてきたわ。 中々、面白い趣向よね。 あんまりいい趣味、とはいえないけれど。 一体誰なのかしら?
9. 豊穣の魔器アガートラーム (35~39話)
始祖の庭園、スリーエースとは何かとぶつかる事が多い組織なんだけど、ついに直接的な攻撃に出てきたの。 《猛火泉》アインによる月奈の暗殺事件が起きたの。 でも、月奈もああ見えて、自分が狙われている事を察して、アインへの対策を立てていたりしたの。 ああ見えて、月奈も中々やるわよね? ああ…ギルドマスターとしては当然そのくらいやってもらわないとならないかしらね。 まあ、大変だったのは月奈だけじゃないみたい。 その頃、ラクレールでは殺人事件が連続で起こっていたの。 犯人を言ってしまうと… あら、犯人から言ってしまうなんて風情がないって? あらごめんなさいね、でもリア、そんなに気は長くないのよ。 事件を起こしていたのは、《始祖の庭園》の新たなる調律者、《死招人形》[[アリア]]と彼女が操る人形達。 この前出てきたアリスにエリアは彼女の使いだったみたいね。 それから新しい人形、[[マリア]]も出てきたの。 これで、調律者はジェリク、ルシュ、アイン、シオンに続いて5人目。 ふふ、どんどん表舞台に現れてきた、という所かしら。 そんな風に、庭園との小さな衝突が始まりつつあるスリーエースだったけれど、ついに本格的な衝突が始まったわ。 【聖杯の遺跡】にあった【魔器アガートラーム】。 その、本当の場所が明らかになったの。 【アガートラーム】は、自分を凶暴な心の持ち主が手に入れようとしているのを察知してしまったの。 だから、自らを3つに分けて散らばってのね。 道理で遺跡で何も見つからないはずよね。 でも、その3つは発見された。 スリーエースは、即座に発見された場所に人を分けて派遣したわ。 でも、それは始祖の庭園も同じだったみたい。 うふふ、どちらも情報伝達速度、同じくらいなのかしら? アガートラームの欠片の落ちたところは、どれも不思議な現象を起こしていたわ。 ひとつは、砂鉄海岸。 砂が意識を持つように、自ら砦を作って欠片を守っていたみたい。 ここでは、《無手案山子》ジェリクが、巨大な飛行機械…空中戦艦、かしら? 今のエリンディルって、そんな技術、全くないらしいわね。 リアも一度見てみたいわ、空中戦間って。 そこから吐き出すとっても強いゴーレムさんたちと一緒に襲い掛かってきたわ。 ひとつは、クリスタルバレー。 ここは大変だったみたい、リアたちスリーエースと帝国、庭園の三つ巴。 左皇閃の異名を持つ【エリーシア】の率いる部隊と、《夢幻鈴蘭》ルシュ。 おまけにアガートラームに封じられていた病魔、【ゲラルディ】まで襲い掛かってきて大混乱。 ひとつは、死人の沼地。 アガートラームの欠片が落ちたおかげで、とっても綺麗な場所になっていたみたいね。 それをもって行かないでって、死人の沼地にすんでいた妖精たちがお願いしたみたい。 うふふ、あっちを立てればこっちが立たず、かしら。 でも、皆人がいいから、大分悩んだみたいね。 結局は、全てが終わった後に何とかする事に決めたみたいだけど。 ここでは、《猛火泉》アインが、現れて戦闘になったみたいね。 でも、聞いた話によると… なんだか、凄くやるせなさそうにしていたって言うお話よ? うふふふふ、一体、何があったのかしらね? ……というように、見事にスリーエースは3つの闘いに勝利したわ。 うふふ、みんなの協力の賜物、とでも言う所かしら。 本当にお疲れ様、ね。 アガートラームは再び一つとなり、AAAに力を貸す事を約束してくれたわ。 アガートラーム、愛称はアムですって。 シノワールが彼女を使うことになったみたいね。 さてさて、一先ずは大団円だけど。 これからどうなっちゃうのかしらね?
10. 事件は続くよ何処までも (40話~45話)
ひとだんらくしたといっても、スリーエースが冒険者ギルドである以上、仕事に終わりはないわ。 …んー、お客様は神様です。 …ちょっと違うかしら? ともあれ、忙しい事はいいことよね。 ペットの捜索……とは言っても、ただのペットで終わらないのが冒険者。 とってもユニークな発想をする【教授】さんの生み出した… …? あれ?名前、あるんでしょうけど【教授】さんで意味、通じるわよね。 とにかく、そんな人の生み出したフェアリーとマッスルームの融合体… リアはフェアッスルームって名付けたそんな生物の捜索だったりするんだから、侮れないわ。 広大な山地で豊かに秋の実りを収穫したり。良いわよね、野菜にお魚にお酒。 …リアはまだ子供だろうって? いやね、そんなのは嗜みよ、嗜み。 他にも、探し人の捜索だったり。 【詐欺師】の異名を持つ人を探せ、なんて中々難しい事を言ってくる依頼人さんだったわ。 しかも、探し人は【ゾーナ】って危ない人に狙われていたりして。 これぞ冒険者の受けるべき厄介な任務、っていう感じかしら? そして、事件が続けば、大事件も紛れ込んでくるのは当然のことね。 スリーエースに飛び込んできた二つの依頼。 今後も続く因縁の発端、という所かしら。 先ず事件の起こったのはエルクレストカレッジ。 生徒達がダンジョンから戻ってこなくなったので探してくれという依頼ね。 …でもそこでスリーエースが見たのは、正気を失った上、限界以上の力を発揮させられた上操られた生徒達だったわ。 それってどうやら、なんだか不思議な宝石の効果によるみたい。 …でも、あれ? なんだか既視感ね。 前にも、こんな事があったみたいな。 正気を失い、限界以上の力を発揮した動物の捕獲、なんて例…ね。 もしかしたら、それとも関係あるのかもしれないわね。 そして、もう一つは義賊に命を狙われているっていう大富豪の警備。 うふふ、これがとってもいやな噂の尽きないおじさんでね。 一目見てお近づきになりたくないタイプ。 でも、何でリアたちがこんな嫌なおじさんの警護をすることになったか、って言うと。 このおじさん、《始祖の庭園》に関する情報を知っているらしいの。 勿論、リアたちは義賊……魔族のくせに、義賊なんてやっている変わり者。 【魔族グラン】から、おじさんを護ったわよ? でも、その隙に、《始祖の庭園》からおじさんを狙って新たな調律者、《絶対幸運》が現れたの。 ……もう、ここで新しい顔なんて、反則よね? 結局、おじさんは大怪我。 依頼としては半成功、って所ね。 そのおじさんの持っていた情報はこう。 魔器を砕く事のできる魔器がある。 それを振るう調律者がいるという事。 そして、砕かれた欠片は何かの実験に使われている、と。 …ふうん、魔器を砕く調律者。 うふふ、折角集めた魔器が壊されちゃったら…ぞっとするわね、一体どんな人なのかしら? でも、たまには休憩も必要よね。 そんなわけで、リアたちスリーエースも骨休め。 温泉郷ヴェスティアへと旅立ったの。実は福引だけどね。 お土産のショッピングや美味しいご飯、素敵なお風呂なんて、とっても素敵な時間だったけど… やっぱり、性分なのかしら。 ここでも事件に出会ったわ。 かつてこの地、ヴェスティアに根を下ろした【異邦の賢者】によって生み出された、【アルカナ】と、呼ばれる謎の存在。 そのうちの一つが、大きな化け物になって暴れまわろうとしていたんだから大変よね。 それを止めようと一人で必死で頑張っていたお人よしの男の人、【妖精騎士アロンダイト】のお兄さんとも知り合ったし。 でも、【アルカナ】って全部で22枚なかったかしら? リアたちが止めたのは、始まりの【愚者】にすぎない。 ……ふう、結局、骨休めにいって仕事が増えているのね。
11 加速する世界 (46話)
スリーエースは、全世界規模で活動するために各町に拠点を設置しているのは、もう皆知っているわよね。 今日、拠点を増やしに向かったのは港町アルフィオレ。 ……だけど、そこで出会ったのは夕凪かんな。 散々ツケで飲み散らかしたかんなは、これからアルフィオレ沖の海底神殿に向かうって。 そこに【病魔オージュガン】がいる事を知らされたスリーエースは勿論同行する事にしたわ。 …その頃、スリーエースのギルドハウスでは、ルーミィが解読の進んだ天空の書について知らせに来ていたの。 第1~8までの病魔の位置がわかったんですって。 リアが月奈のところまで案内してあげたのよ。 そして、スリーエースもまたオージュガンを発見。 まだ目覚めていない所を殲滅しようとしたんだけど、かんながストップをかけたわ。 何でも、12体しかいないと思われていた病魔。 それが、13体目の病魔が今になって現れたっていうの。 13体目の病魔の名は【魔王】ダーム。 病魔が倒されるほどに力を増す存在だって言う話よ。 …そんな話の最中、オージュガンは目覚めてしまったの。 目覚めた以上、倒さなければ深刻な被害が出る。 スリーエースと病魔の戦いが始まったわ。 でもね、その頃…世界各地で面白い事が起きていたのを、知っている? 《始祖の庭園》の《調律者》達が、明らかになった病魔の所在地に現れて、次々に病魔を殲滅した。 オージュガンもスリーエースに倒されて…第1~8までの病魔は、全部倒されちゃったみたい。 急激な変化。……うふふ、なんだか…世界が大きく動き始めた。 そんな気がしない?
12 尽きない脅威 (47話~53話)
密かに何かが起きようとしている空気の中、スリーエースには次々と強敵が立ちはだかってくるの。 …本当に、敵が多いわよねえ、スリーエースって。 その分、きっと味方も増えているんでしょうけれど。 …増えていると良いわね? 魔器の情報を得に、学者【[[リオン]]=アレサティア】の元へ向かったリアたちスリーエース。 そんなリアたちをご丁寧に案内人に成りすましてまで出迎えてくれた、新たなる《始祖の庭園》の《調律者》 類稀なる剣の使い手、《魔騎剣聖》ヴェロニカ。 性格は軽そうなんだけどね。 そして、無限の砂漠に存在が確認されたと言われる魔器のために、スリーエースが調査に向かった時の事。 調査は難航して、キルディアの果てまで向かう事になったのよ。 足を運んだ人はご愁傷様ね。 情報を追いかけていくうちに、魔器の元へとどんどん近づいていくスリーエースだったけど… 何の縁か、少女を連れて逃げている女の人を助ける事になったの。 でも、その助けた女の人こそが、《調律者》、《黒麒麟》リセア。 彼女は、巨大なゴーレムを呼び出してその存在だけでスリーエースを圧倒すると、 魔器に関する助言を残して少女と共に去ったわ。 《始祖の庭園》……一体、何を考えているのかしらね? リセアが情報をくれた魔器、その名はアルマーズ。 何でも、持ち主に破滅を招いてきた経歴を持つ呪われた魔器らしいわね。 他にも、雷を生み出す力があったり……かなり強力な代物みたい。 使用のリスクはその代償かしらね? ま、スリーエースも色々な情報を調べるために、 エルクレストまでいって学者の【ラパーマ】って人の手伝いとか、色々したみたいだけど。 更には兼ねてからのもうひとつの懸念材料だった、アルカナ。 22枚のうちの2枚目、【魔術師】の場所が見つかったって、アロンダイトのお兄さんがスリーエースに教えてくれたの。 魔術師の化身のお姉さんが面白い人だったらしい、と言うのはさておいて。 スリーエースにまた一人、居住者が増えたの。アルカナ、《愚者》の化身だという少女、レフォウ。 愚者は、様々な旅路を巡り、その先にある自分自身の場所へ、いつか辿り着く――だそうよ。 全てのアルカナを集めたら、一体どんな事が起こるのかしらね? でも、そんな死ぬ死なないの大事件ばっかりじゃないのよ、スリーエースも。 うふふ、そんな毎日だったら疲れてしまうものね。 曰く付きの大樹、ほぼ伝説上の存在だったはずの災いをもたらすそれが今になって現れて… その処分を行うために、変質した森へと入っていって、魔獣や襲い来る大樹と戦ったりとか、ね。 …あら? ……命のやり取りをしてるわね。 ま、冒険者ですもの、これくらいはするわよ、きっと。 今度こそほほえましい事件よ。 魔器と思われるものが賞品として出展された、アイドルコンテストがあったの。 勿論、黙ってみているスリーエースじゃないわ。 何故だか美人が多いスリーエース。 ギルドメンバーの総力を結集してアイドルコンテストにチャレンジよ。 結果は見事優勝。 シルフィが見事アイドルの称号を獲得したわ。 …うふふ、アイドルプリーストシルフィ、って所かしら? ちなみに、賞品の魔器は悠が使うことになったみたいね。 そして、月奈は月奈でギルドの付き合いの中で人気があるみたい。 なんと、プロポーズを申し込んできた人がいくつもいるみたいよ? ……酒の勢いで、らしいけど。 挙句には月奈と付き合う権利をかけてお祭りまで開かれちゃう始末。 それに付き合わされるリアたちって凄くどうかなって思うわ。 ……ま、たまの平和ってことなのかもね?