終わりの世界の壊れた少女の小唄 ◆auiI.USnCE
――――オワッタ世界で、コワレタ少女がウタウ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「何それ」
目の前で骸を晒す少年。
眼鏡は割れて、顔も原型をとどめていない。
真っ赤な血のシーツの上で、死んじゃってる、いや元々死んでてたんだっけ?
まあ、どうでもいいんよ、そんな事。
とりあえず、今目の前で死んだやつ、竹山。
というか、私が殺したんだけど。
「何、甘い事やってんの?」
こいつが誘ったのに。
もう、死んでるんでしょ、私達。
ねえ、君が言ったんよ。
「死んだって、いったんよ!」
この世界は終わってるって。
死んだ後の世界だって。
だから、もう終わってる世界なんよ?
なのに。
なのに、なのに、なのに。
「なのに!」
どうして、どうして、どうして!
「あんたはあんな奴、信頼したんよ!」
裏切って、逃げた、あの女。
痛いなぁ。
撃たれて、痛いのに。
痛いなぁ、痛いなぁ!
この、痛み何倍にして、返してあげようか?
絶対に苦しましてやる。
泣いたって許さないんだから。
私は泣いたって、助けてくれなかったんだから。
当然の権利だよね?
「いや、それだけなら、まだ許せる」
死んだ世界で友達ごっこなら、許せないけど、まだ許せる。
けどね、竹山くん?
これでも、私も女の子なんよ?
短い間でも、一緒に居たら、ちょっと感付くよ?
さっきので、もう完全に解かっちゃったけど
ねえ、あんた、あの女にさぁ
「恋、しちゃってんだよね?」
あの忌々しい女にさぁ。
恋、してしまったんだよね?
本当、恋する少年みたいに。
顔赤くして、どもって。
あはは、
「あはははははははははははははははははははははははっ」
可笑しい。
可笑しい。
何それ、何それ。
あははははははっ。
可笑しいね。
可笑しいよ。
「…………………………ふざけるんじゃないよっ!!!!!」
ぐしゃと、肉がつぶれる音が聞こえる。
それは、私が投げた石が、竹山の顔をえぐった音。
ぐしゃりぐしゃりと、音が続く。
気が晴れるまで、音が響き続けて。
「終わってるんだよっ!? もう、私達っ!!」
あんたがいったんだよ?
私達は死んでるって。
ここは終わった世界だって。
死んでるって。
なのに、あんたは。
「終わった世界で、今更、恋なんかして、どうするんよ! 馬鹿みたいっ!」
死んだ世界で、恋?
あはははっ。
可笑しい、馬鹿みたい。
今更、遅いのに。
終わった、壊れた、世界に居るのに。
未練がましい恋とか。
「あはははははははっ」
笑えるね、笑っちゃうね。
私は腹を抱えて、笑ってしまう。
だって、可笑しいもの。
だって、
「もう、君も、私も、世界も、終わってるのにね?」
終わった世界で、私は笑っていて。
何が、可笑しいのか、すべてが可笑しいのが。
私は壊れたように笑い歌った。
「いいんよ、もう。じゃあ、あんたが恋した少女も殺してあげるからっ!!」
ねえ、竹山くん
憎いあの女も成仏させたげるよ?
上手くいけば、またどっかで会えるかもよ、竹山くん?
そしたら、お幸せに。
最も。
「傷つけさせた事、逃げた事、死んだ事、たっぷり、たっぷり、後悔させて、苦しませて、泣き叫ばさせて、
許しを請わして、けど、許さなくて、痛いところ嬲り続けて、絶望に染め上げて、壊して殺してあげるからっ!」
楽に成仏させてあげる気ないけどね?
「終わった世界で、沢山壊してあげる……あは……」
壊れた状態で廻り逢っても、愛してあげてね?
死んだ世界で、今更のように、生きた人のように、恋した竹山くん。
「あははは……本当…………馬鹿みたいいっ!!!……可笑しいね……可笑しいんよ……あはははっ」
そして、私はずっと狂ったように笑い続けていた。
終わってしまった世界で。
歌い続けるように、笑っている。
【時間:1日目午後5時40分ごろ】
【場所:B-2】
笹森花梨
【持ち物:ステアーTMP スコープサプレッサー付き(0/32)、予備弾層(9mm)×7、水・食料一日分】
【状況:左肩軽傷、古河渚への憎しみ】
最終更新:2011年09月09日 02:32