「ねぇ。美樹さんは【幽霊】って信じるタイプ?」
「そうね……魔女に出会う前の私ならそんなのいるわけないじゃんと否定してたかな……あんたは?」
「俺?……美樹さんとほぼ同じかな。ただ、いるとしたら挟間さんが黒魔術で呼び寄せたのかもしれないと思うかな」
「……幽霊って召喚できるものなの?」
他愛もない会話をするカルマとさやか―――
首輪を解除するため、地図を確認していくつかの候補から決めた場所…霊とか相談所を目指して歩いている2人。
「それにしても霊とか相談所なんて、いかにも怪しげな名前ね……」
「はは!本当、ウソ臭い名前だね~。でも、だからこそ何かあるのかもしれない」
(……あいつ。赤羽業といったかしらね。さっきから聞いているけど、クラスメイトの名前がポンポン出てくるわね……一匹狼のような雰囲気に見えるけど、意外と社交的なのかしら?)
(……美樹さんは、あまり男子と会話をしない女子かな?いかにも普通の女子中学生にしか見えないけど、魔法少女で…【ゾンビ】…ね)
互いの印象を胸に秘めて2人は住宅街を歩く。歩く。歩く―――
☆彡 ☆彡 ☆彡
「ねぇ、何か音が聞こえない?」
「……聞こえるね」
―――チリリリリ……
静寂な住宅街を歩く2人の耳に低い金属音がこびりつく。
視線の先に見えたのは――――刈り取るもの。
「……あれ、人だと思う?」
「んなわけないでしょ……どうみても化け物」
(でも、あの姿、まるで……魔女。銃を持っている……マミさん)
刈り取るものがこれ見よがしに手にしている2丁の長銃を見て、さやかは魔法少女にしては異色なマスケット銃を扱う巴マミを想起した―――
さやかの思案とはよそにカルマは焦る……
(……あれは、ヤバい…)
カルマの脳に危険信号が鳴り響く。
プロの殺し屋と同等…それ以上の危険の香りを発する刈り取るものにカルマの導き出した答えは【隠れてやりすごす】
「美樹さん。あれはヤバい……隠れてやり過ごそう」
「……わかった。あんたは隠れていなよ。あいつは私が引き受ける」
悪いやつを許さない…さやかの正義感が退くのを拒否した。
「……ほおっておいたほうが賢明だけどねぇ」
そうこうしているうちに……
トゥ―――トゥ―――
DANGER!
2人はサイレンが鳴った感覚がした。
ドキュゥゥン!
「なっ!?」
「美樹さんッ!!」
空間から針が出現するとがさやかの体を貫く…ムドオン。
即死効果を与えるスキル。
「…なんともない?」
美樹は体を貫かれても変化がないことに、不思議がる……
そう、美樹さやかは契約により魔法少女へと存在を変化させた。
魂はソウルジェムに移されているため、死の呪文はBLOCKされたのだ。
「……大丈夫そうだね」
「ええ。…その外見は、見掛け倒しってわけ?こちらもいくよ!!」
さやかは自らの青いソウルジェムを手に取ると―――変身した。
制服姿のさやかは凛々しい剣士のようなマント付きの衣装に肩だしスタイルの魔法少女になった――――
「へぇ……魔法少女って本当なんだ。帰ったら竹林に話してやるか」
(……そして、あれが美樹さんの……)
魔法少女に変身したさやかにカルマは感嘆と同時に美樹が自らをゾンビと形容するソウルジェムを見つめた……)
「やぁぁああ!!」
ザンッ!!
さやかは血のシミターで刈り取るものを斬るッ!!
「……」
ドキュゥゥン!
さやかの斬撃をものともせず、刈り取るものは次の行動を起こす。
「ぐうぅぅ!?」
「うッ!?」
カルマとさやかは頭を抱える―――念動スキルのマハサイダイン。
脳に直接ダメージを与えるスキルに2人は踏ん張るが、やはり殺せんせーを暗殺する訓練を受けているとはいえ、中学生でしかないカルマの方はダメージが大きい。
「こっ…のぉぉおお!!」
ザンッ!ザンッ!ザンッ!ザンッ!
さやかは複数の剣を召喚し刈り取るものへ投擲をする。
刈り取るものも長銃でいくつかの剣を打ち落とすが、何本かをその身で受け、ひるむ。
その隙にカルマの様態に気づいたさやかは抱えて一軒家の屋根へ飛び移る。
「……サンキュ。助かったよ」
「あんたは、そこでじっとしていて!あいつはあたしがぶっとばしてやるからさ」
屋根にカルマを下すとさやかは刈り取るものへ戦いに挑もうとする……が。
「まった。美樹さんだけじゃ、あいつを斃すのは難しいよ。何か勝算があるの?」
カルマの問いかけに……
「私は大切な人を守るためこの力を望み魔法少女になった……だから戦う」
さやかは刈り取るものをキッと見据える……
「…それに、その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだから」
さやかの自嘲した言葉……
「…やっぱり、私はゾンビ…人じゃない」
「美樹さんはゾンビじゃないよ」
カルマの言葉にさやかはムッとした表情を見せる。
「……何がいいたいの。気休みならよして」
「別に気休めなんかじゃないさ。ゾンビって死体のまま蘇った人間のことを指す言葉だよ?美樹さんは死んだの?」
「……死んだようなものじゃない。こんな体で身体で抱き締めてなんて言えない。キスしてなんて言えないよ……」
「……」
すると、カルマはさやかを抱きしめる―――
「なッ!?」
「…キスもしたほうがよかった?」
「…ッ!?馬鹿いってんじゃないわよ!!」
さやかは顔が真っ赤になる…
(ふ…ふりほどけないッ!?)
魔法少女として変身した自分をガッチリと放さないように抱きしめるカルマ。
「大切な人を守るために魔法少女になったんでしょ?…凄いじゃん。大切とはいえ人の為全てを捧げるなんて。それとも、魔法少女になったことやっぱり後悔してるの?」
「…ちがう。私はいい加減な気持ちで契約をしたんじゃない…」
「だったら、美樹さんは人間だよ。それでも自分をゾンビと卑下するなら、すれば?」
「でも、その瞬間から、誰も美樹さんを【人間】として見てくれない……本当に【ゾンビ】さ」
「あんた…」
「俺の名前は【赤羽業】……自己紹介はしたよね?」
「……カルマ」
「よく言えました。……さやか」
我は汝…汝は我…
汝、ここに新たなる契りを得たり
契は即ち、
囚われを破らんとする反逆の翼なり
我【戦車】のペルソナ「ドキュゥゥン! ダァアン! ダァアン!」ならん…
「ッ!?よっと」
「はッ!!」
刈り取るものの至高の魔弾を避ける2人―――
「……普通、ここで撃つ?」
「撃たないね。少なくとも俺は。ってことは…あっれぇぇえ?、もしかして刈り取るものさんは空気読めない人?」
シュパァァ!!ザンッ!!!RANKUP!
コープのランクが4に上がった!
美樹さやかが「魔法少女トーク」・「魔法少女の追い打ち」・「ステルスダッシュ」をしてくれるようになった。
「……」
ドキュゥゥン!!
カルマの挑発にも刈り取るものは意に介さず、コンセントレイトを唱える。
刈り取るものは精神を集中した……
「……やっぱり、殺せんせーとは全然反応が違うね。コミュ障はやりにくいなぁ……」
「軽口叩かないで、何かいい作戦はないの?カルマ!!」
カルマの返しにさやかは案はないのか、問いかけるッ!
「……いいけど、実行できんの?……おれの作戦、死ぬかもよ?」
「私は死なない!だから、遠慮なく作戦を実行しなさいッ!!」
「…OK」
(とはいえ……圧倒的に人数が足りない…せめて後、2人はほしいな……)
カルマの額から冷や汗が滴り落ちる。
刈り取るもの相手に2人では無謀に近い行為……
ドキュゥゥン!
刈り取るものの強化されたメギドラ―――
「カルマッ!!」
「…ッ!?これは、ヤバ……」
カルマの命を刈る光の光線が降りそそ―――
バララララララ!!!!!!!
マシンガンから放出される無数の対先生BB弾が複数の電柱にヒットすると、カルマの目の前に崩れ落ちてメギドラを防ぐ!
「はぁああ!!」
勇ましい声と同時にレテの斧が刈り取るものに鋭く斬りおとされるッ!!
某RPGゲームでいうなら会心の一撃!
刈り取るものの右腕が刈り取られ空中を舞うと地面に堕ちる―――
カルマと美樹に加勢したのは、高巻杏と上井エルマ。
住宅街から聞こえてきた戦闘音に駆け付けてきたのだッ!
「ありがとう。…正直、助かったよ」
まさかの加勢に素直に感謝の言葉をカルマは口にする。
「気にしないでッ!まずは、アイツをどうにかしましょ!!」
「礼にはおよばん、人間さん。……む、いや、後でよければ食料を少し分けてくれないか―――?」
4VS1
赤羽業・美樹さやか・高巻杏・上井エルマ・刈り取るもの
はたして、命を【刈り取られる】のは――――
【E-6/住宅街エリア/一日目 黎明】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ダメージ(小) ソウルジェムの濁り(小)
[装備]:血のシミター
[道具]:不明支給品1~2
[思考・状況]
基本行動方針:姫神葵を倒し、元の日常に帰る
1.刈り取るものに対処する
2.まずは霊とか相談所へ向かい首輪の解除方法を探す
3.もしまどかを見つけたら……どうしよう
※第8話、雨の中まどかと別れた直後からの参戦です。半ば放心状態だったため、
ルールを全て把握できていません。
※呼び名があんた→カルマに変わりました。
※赤羽業とのコープが4になりました。以下のスキルを身に付けました。
「魔法少女トーク」相手との会話交渉が決裂した時に、魔法・魔力を扱う参加者であれば、交渉をやり直せる
「魔法少女の追い打ち」カルマの攻撃で相手をダウンできなかった場合、追撃する。
「ステルスダッシュ」ダッシュ中、敵に気づかれにくくなる。
【支給品紹介】
【血のシミター@ペルソナ5】
美樹さやかに支給された剣。ガンカスタムが施されており、「中確率で絶望付着」の効果が付いている。
【赤羽業@暗殺教室】
[状態]:ダメージ(中)
[装備]:なし
[道具]:不明支給品1~3
[思考・状況]
基本行動方針:元の日常に帰って殺せんせーを殺す
1.刈り取るものに対処する(逃げも一手と考えている)
2.まずは霊とか相談所へ向かい首輪の解除方法を探す
3.渚くんを見つけたら一発入れとかないと気が済まないかな
※サバイバルゲーム開始直後からの参戦です。
※美樹さやかとのコープが4になりました。
※呼び名が美樹さん→さやかに変わりました。
【高巻杏@ペルソナ5】
[状態]:健康
[装備]:マシンガン※対先生BB弾@暗殺教室
[道具]:基本支給品(食料小) 不明支給品1~2
[思考・状況]
基本行動方針:姫神を改心させる
一.刈り取るものを斃す
二.島にあるであろうパレスの主のオタカラを探し出す
三.食料確保も含め、純喫茶ルブランに向かう
四.怪盗団のメンバーと合流ができたらしたい
※エルマとのコープが3になりました。
※参戦時期は竜司と同じ9月怪盗団ブーム(次の大物ターゲットを奥村にする前)のときです。
※杏はパレスということから、オタカラがあるのではと考えています。
【支給品紹介】
【サブマシンガン※対先生用BB弾@暗殺教室】
本来は人体には無害のBB弾だが、パレスの効力により対先生ナイフと同じく、本来は持っていない殺傷力を有する。
杏はBB弾でも殺傷できることを理解している。 ※マガジンを一つ消費 残りのマガジン数は後続の書き手様にお任せします。
【上井エルマ@小林さんのメイドラゴン】
[状態]:健康 空腹(小)
[装備]:レテの斧@ペルソナ5
[道具]:基本支給品(食料なし) 不明支給品(1~2)
[思考・状況]
基本行動方針:姫神の殺し合いを阻止する。
一.刈り取るものを斃す
二.調和を乱す姫神は許さん!…あ、お腹が空いた…
三.トール・カンナと出会えたら、協力を願う
四.小林さんに滝谷さんに出会ったら保護する
姫神により全身ドラゴン化や魔法が制限されていることを把握しています。
※参戦時期はトールと仲直りした以降。
※杏とのコープが3になりました。以下のスキルを身に付けました。
「エルマの応援」エルマと絆を結んだ者は身体能力がほんの少しだが、底上げされる。
「エルマの本気応援」エルマと同行中している限り戦闘中、経験値が上昇する。(相手の技を見切るなど)
【支給品紹介】
【レテの斧@ペルソナ5】
上井エルマに支給された斧。ガンカスタムが施されており、「中確率で忘却付着」の効果が付いている。
【刈り取るもの@ペルソナ5】
[状態]:ダメージ(小) SP消費(小) 右腕欠損
[装備]:刈り取るものの拳銃×1@ペルソナ5
[道具]:無し
[思考・状況]
基本行動方針:命ある者を刈り取る
※杏とエルマの助太刀乱入により、1回行動から2回行動に切り替わりました。
最終更新:2021年07月29日 22:36