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【丑三つ時の探索】【あさいろ】

時は午前ニ時、丑三つ時。
あたりの建物は面影を残し寂れきっている
闇の支配する、廃墟の一角。
そこにぽつん、とひとつだけ灯。

灯の元、提灯をそばにおいた少女は、見えている廃墟の棚を漁っては
少しでも食べられそうな、しかして恐らくは鮮度はなさそうなモノを片端から鞄に入れておりました。
 薄桃色の長い髪に、ヒトとは違う長い耳と微かな羽。極めつけにはブラウスに桃色のスカートと、頭で存在感を放つはねぼうし。
 廃墟の退廃的な雰囲気とは似ても似つかぬ
違和感の塊のようなエルフの少女は、暫く食糧らしきものを集めた後、何かを思い出したように暫し手を止めました。
 ……かんそくとし。
 数刻前にどこからともなく聞こえてきた声が話していた、今いる世界の名前を呟いた彼女は
 ふと、一つの疑問を誰に対するでもなくつぶやくのでした。
「……なんで あたしがこんなところに?」


今更ながらの疑問を口にした少女は、ここに連れて来られるまでのことを思い出そうとするのですが……
 思い出せるのは、旅の中で結果的にいくつかの国を救ったこと。しかし、自分は勇者ではなくあくまで『占い師の冒険者』であることだけ。
 肝心の友の名前も、家族の名前も、それまでの旅路も。
 全く思い出せなくなっておりました。
困った彼女はこれまでの旅の内容を
いつも懐に入れてある『冒険の書』なるノートに書き記していたことを思い出し、中身を開いてみました。
「えっ、まっしろ」
しかし、ノートの中身は新品そのもののように真っ白でありました。
「たしかにあったことを書いたはずなのになぁ。」
不思議に思う少女でしたが、この問題に対し何かできることがあるはずもなく ひとまず先送りにしました。
「とりあえず、壁のあるところ?まで歩いてみようかな」
飯も確保したとなればこのまま何があるかもわからぬ場所にいるのも宜しくないと判断し。
カバンを背負い直し、片手剣と盾を装備したエルフは人のいる中央部目指し、先へ先へと進みましたが そんな彼女がやがて行き着いたのは暗い中にも流れが見える、水の群れ。都市の外の南側、海です。
「……あれっ?」
彼女は、どうしようもない方向音痴なのでした。
先へ進めぬと悟った彼女は、
その場で180度体の向きを変えると
結果的に、まっすぐ北へと進んでいきました。

 【G2/エルア(ドラゴンクエスト10/オリジナル)/AM2:00】

============以下、世界の外===============
巻末メモ:『エルア』について


 かつての世界では冒険者として暮らしていた少女。
主に 多彩な効果をもつが何が来るかは運次第のタロット(効果は以下参照)と剣で冒険を続けてきた。が、方向音痴である。


見た目としては若い(10代後半に見える)が
中身は2桁年(本人曰く20以上)ほどは生きているらしい。
自分の料理で味覚が壊れ、口に入ればだいたい美味しい判定らしい。

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