曲紹介
らしくなく、をどりあそばせ。
- ~ジャパニズム・アヴァンギャルド・ジャズパレヱド~第一幕 (動画説明文より転載)
- イラスト : 朱ひゐろ
歌詞
(YouTube概要欄より転載)
{ぎょろり。ぎょろり。ぎょろり。
彼女の眼球はそれはそれは綺麗な
天目茶碗のやうな深淵さを誇ってい
て、僕は其れを持ち帰ってはもう
毎日毎晩、口に含んだり、涕が流れ
てきようものなら飢えた餓鬼どもが
雨水を啜るやうに丁寧に舐めあげて
やる。ぎょろり。ぎょろり。ぎょろ
り。月の欠ける音さえ聞こえてくる
やうな夜に彼女の褥を散らしてやり
たいとも思うけれどきっとお月さん
わぁ赦してくれねぇんだろうなぁ。
ぎょろり。蟲を食べてる女ァがオレ
の方じっと視てきやがるよぅ。お前
さんは解ってくれるよなぁッ!?
ぎょろり。ぎょろり。ぎょろり。
ありゃあ驚いたよ、ナニぐらいの
小せゑ穴覗いてみたらさぁ、中で
腐った猫の死骸を、まだ十もいっ
てねぇだうなぁ、子供がさぁ一所
懸命に喰い千切ってんのさぁ。
蛇女だあとか串刺しだあとかは見
慣れてんだけどよぉ、アレは参っ
たよ。人間ぽんぷやら火吹く奴ア
が妙に可愛く思えてきちまう。そ
うそう、あの片目無しの女、アレ
がゑれゑべっぴんさんやったなぁ。
椿の可愛い眼帯つけちゃいたがあ
れ外してんの見たら一生忘れられん
なくなっちまう。ありゃあひでえ。
恐ろしいでえ。片方の目ェをなぁ
ぎょろり。ぎょろり。ぎょろり。
四面狂人である。嗤う訳には
いかない。勿論泣く訳にもい
かない。日々の狂躁に私自身
もうんざりしている。あゝど
うして私達こんなにも醜いの
かしら、とも思う。母は鼠に
喰い千切られ、父は鴉片に犯
されている。芥子の花が咲い
ている。椿の花は落ちている。
あゝ貴方なんて青空が似合う
ような人になってしまえばい
いと思う。そうすればきっと
私は石の裏の蚯蚓のように貴
方から逃げられると思うから。
鳴いた。何時ぞやの鳥は、さぁ
踊って狂って嗤って泣いて何時
何時出やる。
開いた。今時の籠は、あゝ彩喰
らった夜のやうな忌む箱である
らしくなく、踊りあそばせ。
らしくなく、をどりあそばせ。
らしくなく、オドリアソバセ。
らしくなく、ヲドリアソバセ。
らしくなく、躍り遊ばセ。
らしくなく。らしくなく。らし
くなく。らしくなく。らしくな
く。らしくなく。らしくなく。
あゝ酔いを醒ましたら至らぬことばかりみたい
あゝら厭だ 今は赦しておくれ
さう、薄ら灯の視るに堪えぬ此毒針の
先にゃ何時でも貴方さ
だうせ肌色の愛を、と
最低な嘘
独り法師
あゝ飽きりゃあ捨てて嗤えばいい
今宵 ねぇ貴方はだあれ
回り回る浅い夢を視ぃりゃんせ!さぁ、視ぃりゃんせ!
涕、眼を満たせど、聞かぬ あゝ誰そは彼
確かぢゃないものに憂いつつ...
御免遊ばせ
愛想れた此の人生ゑにおさらばゑをしてしまおうか
たられば 今ふも お花売り
あゝ満たされねば 貴方の 首の皮をもう削いでやるだけ
骨の随にまで染まったワタシをかう見せてあげよか
らしくなく踊り遊ばせ
ねぇアレ あの子はだあれ
回り回す首の手に気ぃつけあゝれ なはれ
涕、顔を伝えども、嗤え あゝ誰そは彼
確かぢゃないものに夢うつつ...
さうれ回れ
鳴いた何時ぞやの鳥は
さぁ踊って狂って笑って泣いて いついつ出やる
開いた今時の籠は
嗚呼 彩喰らった夜のやうな忌む箱である
らあしくなく踊り遊ばせ
ねぇアレ ワタシはだあれ
回り回る深い夢を視ぃりゃんせ!さぁ、視ぃりゃんせ!
瞼、瞳を隠せど、見える。あゝ哀し別れ
確かぢゃないものに夢うつつ...
あの子のやうにさ
生き乍(なが)ら、喪って
此の町の隅っこで
コメント
- レトロやなぁ -- 名無しさん (2022-02-05 19:46:33)
最終更新:2025年06月14日 22:54