曲紹介
黒いコンバースが突然壊れたときのために、
黒いコンバースは常に2足持っています。
曲名:『この音楽は実時間に則って構築されるから、私はその演奏方法の備忘録を作る必要がある。』(このおんがくはじつじかんにのっとってこうちくされるからわたしはそのえんそうほうほうのびぼうろくをつくるひつようがある)
歌詞
(動画より書き起こし)
こうしてまた、アメリカ民謡研究会を始めましょう。
それは、失敗を延々繰り返すことです。
その炎の終わるまで、一度も陽を受けぬことです。
私だけの、「完全な世界」を探すことです。
「私達は静かに演奏だけを続けるべきだ。
哀しいお話を聞きに来たわけじゃない。
ただでさえ毎日は腐ったお伽噺で溢れかえっているのだから、
その口を針で結んで二度と開かないようにしたら―――
―――あの池に沈むと良い。」
そんな手紙を書きながら、
割れた石ころのことがずっと気になって仕方ない。
とても小さいあの石のことだ。
来た道を戻ったって、もういなくなってしまっているに違いない。
倦み泥を浚う私に、
「そんな汚いものは忘れなさい。」
と笑う。
笑う。
私はすっかり泥だらけになって、
それでも、
「あれは“僕”の星だ。」
と、空嘯く。
例えば私たちが時を取って、全てを忘れて、
そうしてまたいつか会ったとしても。
お前を許すことがない。
幼い頃の風邪を曳き続けている。
それは、這う者の最後の誇りだ。
私達は折れ曲がった螺子を愛そう。
儚い時の記憶を消し続けている。
それは、持たぬ者の最期の自惚れだ。
私達は気付かずに終わることとしよう。
私達は……
私は、静かに演奏だけを続けるべきだ。
哀しいお話を聞きに来たわけじゃない。
ただでさえ毎日は、
腐ったお伽噺で溢れかえっているのだから。
間違いも失敗も、百度繰り返せば正解になる。
事実私はこの音楽の最初のフレーズのいくらかと、
ドラムの録音と、
この後更に機材のループ操作に失敗しますが、
音が始まってしまったら
もう止めることもできないでしょう。
やり直すということがどれだけ面倒なことかしらない。
また演奏に際してギターのチューニングも
合わせていませんが、
そもそもこの音楽に登場する楽器は
一本のギターしかない。
つまりこのギターが
例え崩れた調律を持っていたとしても
その調律がこの世界の基準となるのであって
私以外の他人と演奏を合わせる気持ちもないのだから
チューニングの必要がありません。
私はただただ
騒絶な環境が好きなだけであって
それ以外の誰かに何かを求めているわけではないし
衝動を共鳴させたい気持ちもなければ
感動を分かち合うつもりもない。
良い音さえすれば何でも良い。
調律がずれようが、
演奏に失敗しようが、
規則を無視しようが、
逆らおうが、
泥を啜ろうが、
風邪を曳き続けようが、
枯れようが、
壊れ果てようが、
這い回ろうが、
消え去ろうが、
消されようが、
排除されようが、
拒否されようが、
間違えようが、
沈もうが、
腐ろうが。
私は騒音の中にいる。
それは、うるさい音の繰り返しです。
雑声のない完璧な静寂です。
それは―――
こうしてまた、アメリカ民謡研究会を始めましょう。
それは、失敗を延々繰り返すことです。
その炎の終わるまで、一度も陽を受けぬことです。
貴方だけの、
「完全な世界」
を探すことです。
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最終更新:2023年12月12日 19:18