ロア コウ エマ ジュノ マヤ ノア ダナ
(…)
(廃棄処理の装置が起動出来ない)
(これらは恐らく彼女の仕業、か)
｢だから逃がすべきじゃなかったのに！｣
おーおー、怖かったねえ
いい物あげるから機嫌なおしてよ～
それはやっちゃだめだ、覚えておきなよ
あたし達は普通の人間と違うんだから
ロアを守ってくれてありがとう、えっと…
…コウ、だけど
コウね。私はエマ
ロアとは昔、一緒の施設だったんだ。大切な友達なの
施設？
そう、私とロアには家族がいないんだ。ロアとはそこで知り合ったの
ごめん。よくわかんないかも
…そうだよね、良いの。こっちこそごめんね
何してんの
ちょっと落ち着かせようかなって
全部食べ終わるまではとりあえずあのままかな
ちょっと待ってよ。まさか連れてく気？
そうだけど？この子が一番メンテナンスする必要があるし
嘘でしょ…
言いたいことはわかるけどさ、この子も好きでこうなったわけじゃないんだから。治したらちゃんと話せるかもしれないよ
それにエマちゃんだって、拳銃出したのは仕方なくって感じだったじゃん？
…わかったよ。どうせ言っても聞かないんでしょ
ん、ありがと。ところでロアって子はどうしたの？
お友達なんでしょ？
そのことなんだけど…
ん～、事情はわかった。けど何だか面倒なことになったね
とりあえずこれ、あんたも食べな。あたしたちには必要なものだよ
気に入ってもらえてよかった
そんでさ、あんたロアの身体に入る前になんか飲んだりした？
…聞いてる？
…逃げてる時に拾った薬を飲んだ
…ん？ え？！
えー…、何の薬か分からないのに度胸あるねえ
こっちだって必死だったんだよ
うん、結果的にこうして話せるしよく頑張ったんじゃないの？
まあ…今の状況も何とも言えないけどね
ところでその薬さ、今食べた飴と似たような色してなかった？
…してたかも
ああ～、やっぱり
この子、器に転移するための薬を飲んだんだよ
その後にロアと接触してこうなったってことだね
恐らくね。あの子のメンテナンスを終えたら調べてみるけど、正直この事例は初めてだよ
マヤなら何か知ってたかもしれないけどねえ
でもあの場所に戻るのは無意味だ。とにかく調べてみるけど時間はかかると思って
わかった
聞きたいことがあるんだけど
ん？この顔のこと？
わかってたのか
エマちゃんもそうだったからね。あんたとおんなじ人工物だよ
やっぱりそうなんだ。あいつから作られたのか？
マヤを元にね。…随分昔に出て行ったけどさ
苦労したよ～、自分自身が時限爆弾みたいなものだから
…どういうこと？
あー…知らないか
いい？マヤが発明したこの器は不完全でね。定期的に器を交換しないとあの子みたいに暴走化するんだ
一体どういうつもりなんだろうね。多分一度もメンテナンスされてないよ、あの子
それで…えっと、あんたは
あたしはジュノ。名前は聞こえてたよ、こーちゃん
…ジュノはどうやって、その身体を維持してたんだ？
出て行った時の器から作ってるよ。今もね
昔はマヤの研究に加わってたから手順は知ってたんだ
(自分自身を器に？なら僕はロアから作られたのか…？)
あたしはね、この暴走化をなくす研究をしてるんだ
こーちゃんが食べた飴もあたしの発明品。暴走化を抑制する成分が入ってるよ
でもこれはあくまで一時的なもの。ここから更に改良していかないとね
…
えっと…とにかくあの場所から抜け出せたんだし、今はこの状況をどうにかしよう
…うん
エマちゃん、具合はどう？
だいぶ落ち着いたよ
よかった。じゃあ、そろそろ帰ろっか
ちょっとじっとしててもらえる？
大丈夫！怖くない怖くない
僕らに触るな！
見たことない景色
それに 見慣れない人たちもいて
まだわからないけど
多分 着いてくべきなのかも
君を起こしたいけど
もうちょっと 感じたい
自分で踏みしめる この感触が
生きてるってことを教えてくれるんだ
欲張りかな？
知らないことばかりだ
この世界も 君さえも
全てを知り尽くせば
何かを得るだろうか
｢この子…｣
見たことある二人
それに 見たことある夢だわ
言い争ってるの
そして 何かが起こった、はず
君を探したいけど
ここは 夢なの
少しずつ痺れも強くなって
浮かんでいた言葉さえ麻痺させてく
よくわからない
知らないままでいいの？
夢だと思ってたのに
全てが怖くなった
アタシは間違えてる？
ロア、起きて
…こー？
大丈夫か？
…うう
君がいつもと違う気がする
君に全て話したいけれど
君に伝えるべきなのかも
君は受け止めてくれるかしら
こーも見えたの？
エミー…？
大丈夫？ロア
うーん…少し頭痛いけど平気
何か飲もうか。それにしても…、
ん？
…いや、懐かしい響きだなって思ってさ
生まれて間もない生命は 素直に
長い時を経た生命は 慎重に
絡んだ疑念を打ち明け
それぞれ 手を伸ばした
知りたい好奇心と
知る上での恐怖心が
入り混じる中で
必ず話すから
少しずつ歩み寄る
アタシね
あの後のこともちょっとだけ見えたの
でも、訳が分からなくて…
だからね、少しで良いから整理する時間が欲しいの
全てを覆す
現実も潜む中
…
頭痛い
マヤさん
こんな時間にどちらへ？
…もうここにダナもいないんだ、芝居なんてしなくていい
…
出かける。二、三日は戻らない
君にはここの管理を任せる、誰かが来たら適当に対応してくれ
信じてるよ
よしてくれ、気味悪い
ごめん、気をつけて
あの人はきっとお花の真ん中にいるのよ
そのままアタシはやめたの、みんなを愛してるから
ロア、起きたのか？
それにしてもお肉が足りないわね。そうね、湖はとても美しかったわ
喉が渇いているみたい、可哀想。パンで大丈夫かしら？
…ロア？
絵本に薬を読み聞かせなきゃ
名前、言える？
…ダナ
そっか。ダナ、あんたの器取り替えたからね。もう大丈夫だよ
おかあさんの目
おかあさん、どこ？
…あたしたちのお母さんはもういないよ
今｢あの場所｣にいる人、お母さんのふりをしてるんだ
怪しい人だからもう関わっちゃダメだよ
さて、あたしはやることがあるから隣の部屋にいるお姉さんから服貰っておいで
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