仔ほむ達とやさしいお姉さん
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作者:QMIedvm50
387 名前:仔ほむ達とやさしいおねえさん[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 12:33:04.73 ID:QMIedvm50
チュン… チュンチュン
仔ほむ「…ホミューホミュー……ホ、ホミャッ?」パチ
薄暗い部屋の中…ブラインドの隙間から差し込む朝焼けの眩しさに、水槽の中で心地良さげな寝息を立てていた一匹の仔ほむが、仄暗い世界から徐々に覚醒し意識を深い眠りから引き上げていく。
仔ほむ「ホミュッ…ホミュホミュー!」ミンナオハヨウ!
仔ほむ2「ホ…ミャーアッ」アクビモラシ
仔ほむ3「ホミミャァー」アサカラゲンキダネ
朝の日課である挨拶を交わし終えた仔ほむ達は、寝ぼけ眼を擦りながら悠々と砂風呂を浴び始める。
ザッザッ コロコロ ホミュー ホミュミュン ソレソレー キャッキャッ// ホンミャアー
こうして、睡眠時に体表へ付着したダニやノミなどの外部寄生虫を悉く追い払ってしまうのだ。
綺麗好きなほむほむ達は野生でもこうしたボディケアを余念に取り組む傾向にある。
仔ほむ「ホミュ?」チラッ
ふと、一匹の仔ほむが箱庭の外へ視界を移すと…大好きなお姉さんが、水槽の目の前に立っていた。
自分が暮らす世界、その向こう側に。
仔ほむ「ホミュッホミューン♪」オハヨウ オネーサン
◇
仔ほむの暮らす世界は狭い。
何しろ自分の知りうる景色は分厚いガラスに阻まれた長方形の箱庭内に限られるのだ。
だが幸か不幸か、彼女はそれを特に不満に思ったりはしなかった。此処で出される食事はとても美味しいし、自分には毎日一緒に遊んでいても飽きの来ない愉快な仲間達が沢山居る。
此処が仔ほむの知る全てであり理想郷なのだ。
外の世界に全く興味が無い、という訳でもないのだが…無理をしてまで出たいとは考えなかった。
いや、仮にそう思っていたとしてもこの箱庭からの脱出は叶わない。
彼女達が見知らぬ世界へと旅立つ為には……
此処を訪れる人間に気に入られ、買われて出て行く他に方法は無いのだから。
◇
…既にお気づきの方も何名か居られるだろうか?そう、この仔ほむ達はほむほむを専門に取り扱うペットショップの商品なのだ。ほむほむ種は古来より家畜として人間に付き従い、食料や漢方、便利ツール、虐待用…と、多様性のある万能な生き物として重用されている。
最近ではハムスター等の小動物に成り代わるペット界の主戦力としても需要が高まっているようだ。
……………
水槽内の仔ほむ達が砂風呂を浴び終えると共にちりりりん、と小気味の良い鈴の音が聞こえてくる。
先程のお姉さんが餌を与えにやって来たのだ。
仔ほむs「「ホミュー!」」ゴハンノジカンダ!
鈴を合図にわらわらと集まってきた仔ほむの前に、恵方巻きがプリントされた大皿が置かれる。
その上にこんもりと盛られたドライフードの山を目掛けて仔ほむ達は我先にと飛びついていった。
仔ほむ5「ホミュッホミュッホミュッ」パクパクムシャムシャ
仔ほむ9「ホミュミュー」オイシイネ
仔ほむ11「ホミャァ!」ウン!
仔ほむ16「ホミュゥーーゥン…//」オナカイッパイ
瞬く間にそれを平らげた彼女らはとても幸せそうな表情で床に転がる。
仔ほむ達が口にしたペレット状の飼料はそこまで美味しい物なのだろうか? 答えは否。
ただ単に、それ以外の食べ物を口にする機会が無かっただけだ。
仔ほむs「「ホミュミュー//」」イツモアリガトウ
だが仔ほむ達は感謝していた。
自分達の世話をしてくれるやさしいお姉さんにいつか恩を返したいと、毎日ご飯を与えられる度に誓っているのだ。皆、お礼を言葉を欠かした事は一度も無い。
彼女らの鳴き声にお姉さんは笑顔で答え、他のペット達の世話をする為に足早と去って行く。
その姿をガラス越しにを見つめてみるも見えるのは仕事に追われ忙しそうな後姿ばかり。
声も視線も届かず、暖かい温もりに触れることも叶わない。
仔ほむ達は世界を隔てる分厚い壁を少しだけ、うらめしく思った。
仔ほむ達は基本的に食事を終えたあと、自然に集まって遊び始める。
この世界では、一日三回ご飯の時にお姉さんが、そして時々見知らぬ人間が来る程度で自分達以外には誰も居ないのだ。外敵が居ない為のんびり出来るが、刺激が無いと退屈してしまう。
そのため育ち盛りのほむほむ達は日がな一日遊び耽るのだ。
歌や踊りを楽しんで、鬼ごっこをしたり、遊び疲れてお昼寝したり。
年相応に元気一杯で皆とっても仲が良い。
仲間内には誰かをいじめたり、食事を独り占めする様な子は居なかった。
仮にそんな子が居たとしても、そういった問題児はお姉さんが連れ出して行ってくれた。
此処に居るのはほむほむ本来の思いやりがある個体ばかりだ。
仔ほむ2「ホミュミュミュ…」グゥグゥ
仔ほむ5「ホミァァァ…」スピー
仔ほむ「……」テクテク
三十分としない内に遊び疲れた仔ほむ達がすやすやと寝息を立て始めた頃、一匹の仔ほむが静かに水槽の隅へと移動し、隣人に向けて呼声を掛ける。
仲間が寝静まる頃合を見計らったのは、これから会う人物(?)を見せて皆を驚かせないためだ。
仔ほむ「ホミミィー」マタキタヨ
あんあん「アンアーン!」ヒョコッ
アンアンッ ホミュ? アッアン♪ ホミャァー♪
どうやら、数日前にこの店へ入荷された隣接する水槽のあんあんと談笑をしている模様である。
通常ほ食種とほむほむ達が仲良く戯れることは有り得ないのだが、この二匹の場合は少し事情が特殊だ。
仔ほむは親からほ食種という己の脅威になる者の存在が居る事を教育されておらず、あんあんは長く独り身でケースに飼われていた事から話相手を渇望していた為に、このような状況が成立するのだ。
そしてお互いの目の前に立ちはだかる二重のガラス。
これが万に一つの事故を抑えるのに大きく貢献していたのであった。
最初はこの仔ほむも自分の倍近くある体躯のあんあんを恐れて近付かなかったのだが、今では彼女の話が聞けるお昼下がりを毎日楽しみにしている。内容は主に、外の世界について。
彼女が語ってくれる話はどれもこれもが仔ほむの好奇心を擽るものだったが、その中でも特に《まどまど》という自分の仲間が居る事に大きく興味を惹かれた。
自分もいつかその子に出会える日が来るのだろうか……
仔ほむ「ホミュ…マ、デョ、カー…マデョカー…」マドマドニアイタイ…
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とても面白い